フロントディレイラー調整 簡易10分セッティング


大幅に更新いたしました。モデルを現行品へ変えての修正がはいっております。

今回から実際にフロントディレイラーをいじっていきます。
なお、今回の方法はディーラーマニュアルとは少々違う箇所があります。
あくまでも一方法として見ていただければと思います。

注)セッティングはクランクを回しながら行う場合が多いです。
  くれぐれも手を挟んだりしないように、
  【回すときは回す】【整備するときは回転を止める】を心がけて下さい。

尚今回は前提としてすべてシマノ製品のクランク・チェーン・フロントディレイラー・レバー・ケーブルのお話となっております。
フロント変速で起こりえる問題として変速がだるい、スパっと変わらないなどの問題はいわゆる【社外品】(サードパーティ製)のものを使っている時にも相性として不具合が起こることがあります。(もちろん全てではありません。)完成車等でクランクだけFSA製やケーブルだけよくわからないものを使用している場合もあります。、それがすべて悪しきかというとその限りではありませんが、不安要素を取り除く、きちんと変速をする。という目標があれば一度機材面からも見直しをしてみるのもいいかもしれません。


今回は取り付け位置は確定しているものとします。
取り付け位置は【並行】【歯とプレートの隙間はマニュアル通り】にしましょう。

最近は新品時はテープなんかがついていてわかりやすいですからね。
ということで10分間簡易セッティングで行きましょう。

流れです。
①インナー側(内側)のリミット位置調整
②アウター側(外側)のリミット位置調整
③ケーブル固定
④ワイヤーの張り調整


4ステップです。

①インナー側のリミット調整
ケーブルは邪魔なんで外します。
→ケーブルが張った状態だと本当のリミットがわからない場合があります。
 ケーブルの張りがフロントディレイラーの動きを邪魔してしまうということです。
 またコントロールレバーの場所次第ではとんでもないセッティングになってしまうこともありえます。
P6152741
この状態だとバネのちからでインナー側に自然に落ちています。

リアは一番軽いギア(ロー)にします。
この状態ですらないようにローアジャストボルトを調整します。

シマノマニュアルでは【0~0.5mm】となっております。
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いじるネジは赤丸の内側のネジ、する部分は赤い線の部分です。
ココはクランクを回しながら音を聞きつつ、ぎりぎりの幅に調整します。
まぁインナー側に何をやっても落ちなければなんでもいいんですが、、、

そんなに難しくないですね。繰り返しになりますが、
ケーブルが付いているとわけわかんなくなりやすいです。
ケーブルが付いていると張力でネジを回しても動かない事があります。
某知@袋とかでも「ネジを回しても動きません。」
とかよく見ますが、それはケーブルのせいです。


で調整ができたら

②トップ側の調整
まだまだケーブルは張りません。
リアをトップ(一番外側)に持っていきます。
でフロントもアウターにします。
、、、ケーブルついてないのにどうするねん。と
手で動かしちゃいましょう。
ゆっくりとクランクを回しながら
rect3820-1
親指で矢印の方向に押すとアウターに動きます。
注)くれぐれも指を変なところに挟まないようにして下さい。

リアのシフトポジションは一番トップ側でおこないます。

★コツ★

残りの4本の指の位置を見て下さい。力のかけやすい方向です。
でココで親指で押せるだけ押すともう押せないところが
トップ側の調整ボルトで調整する幅です。
トップ側の調整ボルトの設定したポイント異常はぶっ壊さないと動きません。

クランクを回しながらグリッとアウター側へ親指で押してシフトアップ
その時スムーズに上がらなかったり、アウターを飛び越えて落っこちたり
そんなことが起きるようであれば調整が必要です。

親指で限界まで押しても決してアウターを飛び越えないように調整します。
クランクは回しながらです。
★ポイント★
フレーム材質相性にもよりますが、
よくしなるフレームはアウターを絶対に飛びこえないギリギリ外側
に合わせたほうがいいでしょう。(後のセッティングで幅が増えます)


★コツ★
親指で押す場合は必ずリミット制御(限界まで)押し込んで下さい。
(クランクを回さないとギアは変わりません。)

もちろん親指を解除してしまうとインナーに落ちます。
親指を話したいときはクランクを止めて話せばギアは変わりません。

クランクを回しながら親指で押してあげて
インナー→アウター→インナー→アウターと繰り返し
スムーズに行けば【リミット制御】は調整完了です。

シマノマニュアルではケーブルを固定してから行うことになっておりますが、なぜケーブルを固定しないで行うかというと、、、下の方に理由があります。


③ケーブル固定です。
②までを終わることにはケーブルの仕事がわかってきたでしょう。
親指でやっていたことをケーブルでやるだけです。
でケーブルを張ります。

ケーブルを張るときは必ずコントロールレバーは一番解除した状態
(一番インナー側)で張ります。
※何回か小レバーの操作を繰り返し確実に一番インナー側にあることを確認します。
image3849
これがキツイです。
かなりキツメにひっぱって固定しないとダメです。
Stiレバーが変な位置に入っているともっとキツイです。
必ず一番解除した状態(インナー側トリムでもなく)ではります。

本当にキツイ、ショップなんかに行くとペンチでグイグイ引っ張って固定している
のをよく見ますが、ペンチで強く摘むとケーブルが解けるんです。

あくまでも整備は美しくいきましょう。



裏技です。
・インナーに落とした状態で、引っ張ればずれるぐらいでケーブルを軽く固定。
・親指でプルアームをさっき変速したように内側に押し込みながら固定します

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★ポイント★
押して締めて引っ張って~とやるといいでしょう。
無理やりケーブルを引っ張るよりも無理なく止めれます。


※ケーブルの張力は一番インナーに落ちている時に
 たるみがなくびしっと伸びているけど張力はかかっていないぐらいです。

つまり固定後に親指を離した状態(コントロールレバー側は一番インナー側)でケーブルにたるみがあれば緩すぎですので張り直しです。

親指を離したときにロー側のリミット調整の位置までビシっとくるといい張り具合です。

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適正な張りで固定できている場合は【ロー側調整ボルトで設定した位置】から数mmしかズレることのない張りです。この状態だとアジャスターをグリングリン回さなくても少しだけいじるだけでロー側のセッテイングは終えることもできます。

張りすぎの場合だと指を離してもインナー側の設定値を大きく超えてしまっています。場合によってはインナーに落ちないこともあります。

逆に緩すぎると指を離した際にケーブルが大きくたるんだり、指で触って「あぁ、全然張れてないなぁ、」とすぐに分かります。

★あくまでもアジャスターの調整は微調整に使うだけですので、まずは適切な張りでケーブルを固定する。これがなによりフロントディレイラーの調整がうまくいくポイントです。★

ココでビシッと張り具合をキメれるとその後の調整は非常に楽です。
ほとんどいじらないで行けますから。


これができればもう少し

④ケーブルの張りの微調整
★ポイント★
先ほどインナー側のリミットをきめました。
ケーブルを張り過ぎだと、親指を話してもインナー側にキレイに落ちないですね。
インナー&ローで擦らないようにリミット制御したので、
それをケーブルの張りで邪魔をしない限界の張りで調整します。


ケーブルがフレームの外を通る場合はココで調整
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インフレームのケーブル調整は
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ココしか無いです。
リアはここのパーツはいらないですが、フロントでインフレームの場合は
必ず付けたほうがいいでしょう。
まぁなくても何とかならないことも無いですが、合ったほうがいいですね。

この調整はあくまでも微調整にしか使えないです。
これをグリングリン回しすぎて取れちゃったとか、締め込み過ぎでネジ穴なめた
とかよくあるようなのでご注意を。
あくまでもディレイラーにケーブルを固定する時に張り具合を適切に張ります。


あとの調整はなるようにしかならないです。(笑)
と言うのはこの調整は【張り】だけなんですね。
アウターよりに動かしたければケーブルを張る。
インナーよりに動かしたければケーブルをゆるめる。
トリム調整も張りで調整


もう少々詳細はというと、
要はSHIMANOのクランクのインナー-アウター距離の距離は決まっていて
それにそって動くようにコントロールレバーで【引き幅、解除幅】が決まっています。
その決まり以上の動きはどうやってもできないわけです。

限界値ももう決まってしまっているので、
その中で好みの位置にケーブルの張りで合わせるということです。
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▶張りすぎの場合

緑枠に注目して下さい。

リミット調整(トップ&ロー調整ボルトで)設定した値はどうにも超えることはできません。

ということは緑枠の動きは動きようがありませんのでカットされてしまう動きとなります。

これがアウター側のトリムで動かないor動く幅が狭すぎる原因です。

またこの状態ではインナートリムの状態ではインナーに落ちないこともあります。


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▶ゆるすぎの場合

上と同じでロー側調整ボルトで設定した値を超えることはできませんので、どうなるかというと、上記図のインナーの状態でビシっとケーブルが張れていますが、トリムに入れるとケーブルがたるみます。動けないのでケーブルが余ってしまうということです。

この状態ではおそらくアウター側に持ち上げることはできるかもしれませんが、インナーのトリムがほとんどの動かない状態です。

またアウター側のトップ調整ボルトで設定した値までディレイラーが動かないのでアウタートップ付近で音鳴りが発生する場合が多いです。


張りすぎればインナーに落ちにくい、またアウター側はリミットを超えては
動けませんのでトリムをしても変わらない、ということが起きます。

逆に緩すぎればインナーの状態でケーブルはたるみ、
トリムをしてもあまり変化はないでしょう。
またアウターに上がりにくくなります

こういうことですね。

コントロールレバーの種類によってインナーとインナートリムが逆の場合がありますが、基本的に一番インナー側での設定と、一番アウター側での設定ということです。


ちなみにシマノマニュアルの順序では

①ロー側のリミット調整
②ケーブルの張り調整(アウタートリム&リアローの状態での調整)
③アウター側のリミット調整

となっております。

これだけなんですね。

要はアジャスターで調整する【ケーブルの張り】はどこかを起点にして一箇所を合わせれば周りも合わせて動きますので大体は調整ができてしまうということです。


以上で簡易セッティング編は終了となります。
これ以上のセッティングはリアと違い少々時間労力テクニックが必要になります。

ということでフロントディレイラーの簡易セッティングでした。


★追記★
フロントもリアもそうですが、よく質問で
【ケーブルインラインアジャスター】が固くて動きません。どうしたら良いですか?
なんて事があります。
こいつです↓↓↓
P1173864
※画像は諸事情により逆向きにつけています。

そういう時はフロントディレイラーのケーブルの役割をもう一回見てみましょう。
チェーンがアウターの状態にあるときはケーブルはどうなっていますか?

ケーブル式は大きな歯のギアに動かす動作でケーブルを引っ張って動かします。

ケーブルを引っ張ってアウターに引っ張りあげているわけですから、ケーブルは引っ張られている状態なわけです。

リアは逆にロー側(内側・大きなギア)よりの時はケーブルが張られている状態なわけです。

このケーブルって引っ張られているときは結構なテンションが掛かっています

その状態で上のインラインアジャスターなんて指先でくるくるするだけですが、テンションがかかっている時に更に引っ張ろうとしたら硬いのは当然です。更にそんな状態で無理やりペンチなんかで回すようなことをやってしまえば限界値まで来ているのに気付かずに限界を超えてしまい最悪ぶっ壊しちゃいます

特にフロントはアウターにのっかっている時なんかアジャスター回すのはとても硬くて指が痛くなります。

ということで整備は時々馬鹿力が必要なときはありますが、ほんの一部です。そうではなくて原理を理解することで機材をぶっ壊しちゃうことも減りますし、安全にスマートに仕上げることができます。

ということでアジャスターが硬い時はケーブルとディレイラーの関係をもう一度見なおしてみるといいと思います。

答えを忘れていました。
【一番インナー側に落として回してみましょう。】
ケーブルのテンションがパンパンの時に更に引っ張る動きは力が入りますのでケーブルを緩めて調整したげるということです。
これでも硬いならプルアームを少し触ってあげます。【クックッと】
これで比較的簡単に回ると思います。

これでも回らないのであればその他の故障を疑いたいです。

説明書なんかでは【アウター&ローの状態で擦らないように・・・】とかあった気がしますが、何もアウターに入れたまま調整しなきゃダメとはありません。しかしアウターの状態で調整したって、結局は何回か上げたり下げたりして確認しないとダメです。
場合によってはアウター側(ケーブルが引っ張られた状態)でいじっても余り動かない場合が多いですので、アジャスターを触った後は何度が変速してみてということが必要です。
アウターの状態でアジャスターぐるぐる回したって結局は変速を繰り返して不具合がないかを確認しなければいけないので、わざわざ硬い方法で無理くり回さなくてもいいってことです。

ということでご質問に対しての追記でした。

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チョットした構造とケーブル固定方法の動画を作成してみました。




トリムについての詳細なお話しはこちらから↓↓↓
お悩み解決 フロントディレイラーが動かない?(トリムのお話し)動画更新


今回ご紹介に使用したものはこちら↓↓↓

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