フロントディレイラー インナーシフトケーブル交換

先日洗車中にインナーケーブルのほつれが見られました。
もう3000km以上使っているので交換してもいいかなぁと、、、
切れる前に対応したほうがいいので交換です。
(今回はインナーのみの交換です。)
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今回のモデルは6800系のアルテグラ、フレームはケーブル内蔵式です。

相変わらずケバケバがひどいですね。
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▶作業の前に
フロントのシフトケーブルの交換は
【ケーブルを外すとインナーに落ちる】ので
【シフトレバーを操作してインナー側(トリムも含めて一番内側)】にしておきます。
リアはどこでもいですが、その後の調整のことを考えると
【一番ロー側】にしておくののがいいと思います
いわゆる【インナー&ロー】の状態で作業をします。

またフレーム内をケーブルが通る構造のバイクは特にですが、
アウターケーブルに付いているアジャスターはある程度締め込んで
(インナーケーブルが緩む方向です)おいたほうが後々楽です。

ほとんどの場合初期の伸び等でケーブルは伸びていく傾向にあります。
その際アジャスターはゆるめることでケーブルを張ってあげる必要があります。
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ここまで準備ができたら早速作業の開始です。

1.古いケーブルを外す
▶固定ボルトをゆるめます。

 (この際コンバーターがある場合はケーブルの通り道を確認しておきましょう)
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※緑のラインがケーブルの通り道です。
 また一部のモデルではこのコンバーターが樹脂製のものがあります。
 樹脂製のものは折れることがありますのでよく確認しましょう。
 
▶ブラケットをめくりコントロールレバー側からケーブルを抜きます。
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簡単にかきましたが、これで結構苦労するパターンが多いです。
というのも下の画像を御覧ください。
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ケーブルの末端のほつれ、固定部の潰れがあると引っ張っても抜けないです。
ですのでこういったケーブルが汚く形状が変わってしまっているところは
切ってしまいましょう。

そしてもうひとつのコツです。

【ケーブルは引っ張って抜くのではなく押して抜きます。】
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画像中心の部分に頭が見えていますが、ここに細い工具を突っ込んで引っこ抜く
てもあるのですが、周りの小物類に傷がついてしまう事があります。
ですのでこういう時はケーブルを押してあげれば工具はいりません。
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フレームから引っこ抜いたケーブルですが、このケーブルを「クイックイッ」
通し込んであげればレバー側から頭が出てきます。
である程度でたら後は優しく引き抜いてあげればOKです。

ケバケバのケーブルです。
SHIMANOさんいわくケバケバでも問題ないそうです、、、
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アップ
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やっぱりケバケバです。

で古いケーブルを抜いたら必ずお掃除をしましょう。
主にケーブルの通り道ですが、コントロールレバー内カバーを外した部分
それとBB下のケーブルガイドの中です。
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ココはケーブルが付いたままでは絶対に掃除ができない場所なので
ケーブル交換の際に徹底的にキレイにします。
おすすめは【子供用の先の細い綿棒】です。

2.ケーブルを通す
コントロールレバー内
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コントロールレバーから出たインナーケーブルはロングノーズのキャップを通り
アウターケーブルに通っていきます。

でココでトラブル発生、アウターケーブル内を通るインナーケーブルが
途中で止まってしまいます。
場所はアジャスター付近。
ばらしてみてみましょう。
決して力ずくで入れてはいけません。
素直に通らないにはなにか理由があるはずです。

これです!
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これ、ポリマーコーティングの剥がれ落ちた破片と思しきもの
アウターケーブル→アジャスターの接続部分にぎっしり詰まってました、、、
これ剥がれてこんだけ詰まっちゃうと問題ありそうですが、、、
ということですべてアウターを点検してこの【ポリマーカス】を除去
再度通しておきます。
問題なく通ります。
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でここからフレーム内に通します。
ココからは技です。
経験しかありません。
手探りでBB下の出口に向けてまっすぐケーブルを通します。

無心でやっていたので画像がありません。
コンバーターと固定部を正しく通していきます。
この通り道を誤ると引きが重くなったりシフトが安定しなくなったりします。

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3.ケーブル固定とシフト調整
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固定です。
前回のフロントディレイラーの回でも紹介したように
ペンチで引っ張るなんてナンセンスなことはしません。
プルアームを親指で押しながらケーブルの固定部のルートを確認、
左手で固定部を締め込んでいきます。


フロントディレイラー調整 簡易セッティング

このやり方がわからないと
【シフトケーブルが緩すぎていっぱいアジャスターを回さないといけない】
ためアジャスターが限界来てもまだ緩かったり、場合によってはアジャスターを
回しすぎて壊してしまうこと
もあります。
自転車の整備は愛情を持って優しくやってあげましょう。

注)必ずシフトレバーの小レバーを何回か押して、
  フロントディレイラーが一番内側に来るようにしてから固定します。


固定完了です。
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ココでしっかりとケーブルが引いた状態で固定できればほとんど
調整の必要はありません。

で後は微調整をして終了。
今回はアジャスターはいじらず調整完了となりました。

要はケーブルを固定する段階でビシッと張って固定ができれば後はほとんど
調整なしで行ける場合が多いです。





■トラブルバスター

インナーケーブルを固定した段階で一番内側のインナーで音鳴がする。

確認事項
ケーブルを外した段階でも音鳴がするか?
する→インナー側のロー調整ボルトの調整が必要
しない→ケーブルの張り過ぎの可能性
      ケーブルをゆるめる

インナー側のトリムでFDが動かない
→ケーブルがゆるい

アウターに上がらない
→ケーブルがゆるい

アウターからインナーに落ちない
→ケーブルの張りすぎ

これはケーブル交換前に異常がなかった場合です。
大きくわけてこんなところが多いと思います。

シフト意外で初心者の方で多いトラブルは
固定力を調整の段階から強く固定しすぎて(強く締めすぎて)
何度も調整したり、ゆるめたりしているうちにケーブルがつぶれてしまったり
ほつれてしまったり、切れてしまったり、、、

そして悲しいことになるということです。
調整の段階ではずれなければいいのでケーブルが潰れるほど
強くしまなくてもイイ
です。
調整が済んでから適正トルクで締めればケーブルがグチャグチャにならないです。

ケーブル交換の際にはトップ&ローアジャストボルトは触りません。
あくまでもトップ&ローアジャストボルトは限界値の設定です。
つまり
インナー側
→【ケーブルを外すとチェーンが落ちる】or【ケーブルを外してもインナーに落ちない】
調整が必要です。
→またインナー側で【ケーブルを外しても異音が消えない】
  (普通はインナー&ローでケーブルを外せば異音はしません。)
▶インナー側の調整 ケーブルを外して行います。(又はゆるゆるにします)
インナー&ローで何があっても絶対にチェーンが内側に落ちないようにします。
またクランクを回しても音鳴(FDで)がしないように調整します。

アウター側
わかりやすくするためにケーブルは付けなくてイイです。
→クランクを回しながら指でプルアームを最大限に押し込む
  (インナー→アウターへの変速を指で行います。)
  この時一番押し込んだ状態がトップ側のアジャストボルトの設定で変更できます。
カチャッ→カシャッ→カシャッとインナー→アウター→インナーと繰り返して、
インナーからアウターに上げるとき、上がっている状態で更に押し込んでも
絶対にアウター側(外側)へチェーンが落ちないように設定します。
またこの動きでインナー側に落ちてしまう場合はインナー側の調整が再度必要になります。

これはリアディレイラーとの絡みもありますので、
詳細は後日動画にしようと思います。

ちょっと寄り道でしたがお話を戻しましょう。

ということで最後の段階
ケーブルキャップですが、あんな使い捨てのものになんぼも出すのはモッタイナイ
ということでとっても経済的なインナーケーブルの末端処理です。
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これです。
これのいいところは完全硬化後もゴムのように弾力があります。
そして外したいときは脱がすようにキレイに剥がれるところです。
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蓋を開けで「ブスっ」と差し込んで引き抜くとあら不思議。
きれいに末端処理ができています。
これ完全硬化後も爪で引っ張れば切れに取れます。

1本300円ぐらいなのですが、キャップさえきちっと締めておけば
何年も使えます。キャップは潰してしまえばそれでおわりです。
なんという経済的。

で最後に隠し味です。
サラサラ系のオイルをコントロールレバー内の一番カーブのきつい部分と
BB下のケーブルガイドにほんの少量「シュッ」として余分な物はすべて拭きとります。
このひと吹きがよりシフト操作を軽く素早くさせます。
あくまでもごく少量です。

ということで今回はちょっと裏技的なことも織り交ぜながらの
フロントディレイラーのシフトインナーケーブルの交換ということでした。
多分慣れれば交換自体は20分もあれば終わるでしょう。
調整はどこまで追い込むかで変わりますが、、、



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