ロードバイク洗車のコツやポイントを解説

+++大規模更新致しました。++++

ロードバイク、常にきれいにしておきたいものです。
最近では水無洗車の心強い味方の便利なケミカルも多数発売されております。

ちょっと下汚れに便利に使う事ができるだけではなく、水無し洗車の際も大いに役立ちます。

しかしです。
もしも水が使える環境にあるのであれば水を使った洗車が楽で手早くきれいにできます。

今回は洗車のコツやポイントの解説を行こうと思います。

まず「ロードバイクって濡らして大丈夫なの?」と心配な方がいるかともいますが、基本的にロードバイクは濡れても大丈夫です。もしも濡れてダメなら雨の日のレースには使えません。

ただし濡れたままで長時間放置をしたり、日頃の整備不足で油膜切れやグリスが枯れ果てている場合は車体にとって良くありません。
あくまでも日々のメンテナンスの一環として洗車を行うにはまず車体内部の状態をきちんと整えてから行うのが良いかと思います。

ということで今回はロードバイク洗車のコツやポイントを解説、そんなお話です。



▶洗剤とグリス
まず洗車で水を使うのはちょっと不安が、、、
何故ならグリスが流れてしまわないか、グリスが流れてしまったら回転部品の調子が悪くなってしまわないのか、、、ということですが、普通の洗剤ではグリスは落ちません。
これは実際に目でみてみるのが良いかと思います。

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こちらはいわゆるシールドベアリングでわかりやすくするためにシールドを外した状態です。

グリスを(多めに)詰めてみました。
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本来であればこの上からシールを戻すわけですが、今回は実験用に開放のまま行います。

まずはこちら、
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シュアラスターのカーシャンプー、洗車のド定番商品です。
ちなみにこちらは中性でコーティング車もOK!泡立ちがかなりよくコスパ抜群!当店の洗車でも大活躍中です。

原液を直接かけます。
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そして30秒ほどぐるぐる回します。
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例えば洗車の時、BBと想定してぐるぐる回しながら洗剤をかけて洗うのは30秒ぐらいかと思います。そんな状態を想定してぐるぐる回しました。

見た感じ全く変化はありません。
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裏側です。
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こちらも全然変化がありませんでした。
むしろ裏側まで洗剤がしみることすらありませんでした。

次行きます。
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チェーン掃除に使うパーツディグリーザーです。
こちらワコーズのチェーンクリーナーと同等品です。
チェーン等の油汚れに対しての洗浄に加え、泥汚れ等にも対応、更に環境にも配慮した製品です。
洗浄力は少々控えめです。

かけます。
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同様に十分回しました。
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表向きは変化は見られません。

しかし裏側には少量のどろっとグリスが溶けた液体が出ています。
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チェーンクリーナーはいわゆるフィルタークリーナーよりも洗浄性能は弱めです。
それでも直接触れることで少量ですがグリスを溶かしていることが確認できます。

続きましてかな洗浄成分の強いグゥーキンαです。
こちらはいわゆるフィルタークリーナーと同様でひどい汚れには使いますが、通常の洗車では余り使わないぐらい強い洗浄力です。
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なみなみとかけて回します。
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それでも回すだけではこのような状態です。
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グリスはきちんと残っています。

しかし裏側を見るとグリスが溶けたものが出てきています。
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お次は、、、水です。
洗車と言えば水洗いですので、この状態で水で流します。

裏側は水をかけると溶けたグリスはきれいに流れました。
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乳化しております。
最後に水で流す、洗浄剤の正しい使い方です。
きれいです。

では表はと言うと、、、
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グリスは健在です。
グリスに水をかけても流れることはありません。
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きちんと残っています。

(当然グリスの種類にもよりますが)通常はベアリングはこのように(量はもうすこし少ないですが、)内部にグリスが入り、この上からシールがされています。さらに自転車の組み方として、この上からグリスを盛ってシールにも水分がいきにくくなるように組む場所や場合もあります。

ということで日常的にフィルタークリーナーのようにグリスを溶かす性能が非常に強いものをバンバンベアリングにかけ続けることで少しずつ、少しずつ今回のようにグリスが溶かしてしまうことも考えれます。それでも今回は直接グリスにかけてこの上な状態です。通常はシールもありますし、組み方でもグリスを使って組んだりもしますので、強力な洗浄剤も1度や2度かかったぐらいでは問題ないと考えられます。(※しっかりとすすぐ必要はあります。)

また通常の中性洗剤程度の洗浄成分のものであればグリスを溶かしてながしてしまうということは限りなく少ないと感じました。はっきり言って中性洗剤(カーシャンプー)のみでグリスをきれいに落とすのは難しいと思います。


▶オイルは落として、グリスは落とさない
洗車ではオイルは落としますが、グリスは落とさ(せ)ないです。※余分なグリスは落としますが、洗車時ではありません。
洗車で落としたドライブトレイン関係のオイルは、洗車後に塗布をしてあげれる必要があります。

チェーンや各ディレイラーの可動部などです

それでもどうしても水が苦手で、という心配な場合は絶対に洗車をしなければきれいにできないわけではありません。また洗車をやるやらないは結構永遠のテーマとなっている気がします。
特にクロモリ等の金属製のフレームはサビが発生することもあるので水の使い方や最後の仕上げと乾燥が肝になってきます。(特に外部よりも内部)
不安があれば当店でも洗車は受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。ピカピカに仕上げさせていただきます。(価格は汚れ具合によっても変わってきますのでご連絡ください。)

ということで気合を入れて自分でやってみたいという方、ここからがコツの部分です。

▶汚れを理解する
※ものすごく簡易的な図です
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赤 : 泥、砂等道路からの汚れ
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青 : 汗、ドリンク等の塩分を含んだ汚れ 
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緑: オイル・油の汚れ

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細かく言えばリムにはブレーキダストとか色々ありますが、今回は大きな汚れ3種類です。

【赤】の泥、砂系の汚れに関しては特にですが、汚れがついたままこすってしまうとフレームの表面に細かい傷がついてしまいます。
砂や泥が溜まったままスポンジで擦るのは良くありません。
まずはたっぷりの水で洗い流してから柔らかいスポンジと洗剤の泡で汚れを浮かせて落とします。

【青】塩分を含んだ汚れは金属部に付着したままだとサビます。
これは水で流すだけでも大方落ちますが、長いこと放置したり、汚れを重ねて重ねなりスポーツドリンク等がガビガビになる前には処理をしておいたほうがいいです。
またサビも時間とともにひどくなるので特に汗の滴る夏場は早めに処理をしておく、事前に処理(防錆剤やグリス塗布)をしておいたほうがいいです。

【緑】チェーンを含む油汚れがたまります。
ここも同じく溜め込めば溜め込むほど落とすことが大変になります。
特にチェーン・ギアは汚れにより、摩耗が進み寿命が縮まったりすることがあります。
また大幅なパワーのロスにもつながります。
現在のシマノマニュアルではチェーン・ギア系は”適切なチェーンクリーナー・中性洗剤で定期的な洗浄”を推奨しています。
逆に”錆落としなどのアルカリ性、酸性の洗浄剤はけして使用しないでください”とあります。

たとえばチェーンが錆びているからと言ってサンポールとかは基本的にNGということです。


▶洗車のケミカル選び
専用品はなんだかんだでお値段が少々高いですが、性能は高く、利便性が高いだけではなくて時短にもつながります。

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基本的にオイル系の汚れはパーツディグリーザーで落とします。
その他の汚れはカーシャンプー(中性洗剤)で落とします。
日常的な洗車に使うのはこちらの2種類でOKです。

✓洗う順番は重要!
①まずはチェーン、ギア系ドライブトレインの油を洗浄する。
これには明確な理由があります。
パーツディグリーザーは特性上、水がかかっている場所は洗浄成分が十分に発揮できないからです。

ということでまずはなにはともあれ車体を濡らす前にチェーンの掃除からおこないます。


②チェーンのあとは上から順番に
基本上から順番に洗っていきます。
サドル上面は座っていれば汚れる気はしないので、汚くなかったらわざわざ洗わなくてもいい気がします。常にレーパンで磨いているようなものです(笑)
逆にサドル裏側は泥が跳ねものすごく汚くなります。

同じくバーテープ、多少洗ったって基本的に綺麗になりません。むしろ生半可に濡らしてかえって乾きづらく生乾き臭くなるぐらいなら交換一択です。

ヘッドパーツは穴が空いていればわざわざ水を入れるのは得策ではありません。テープでも何でも蓋をしたり、ざぶざぶ水を入れないようにします。
FSAのものです↓↓↓
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まるで蟻地獄のように水分を集めそうです。この設計は、、、(笑)

ということでたいていトップチューブ辺りから水をかけていきます。泡立てたカーシャンプーでアワアワにしてあげるのも良いと思います。汚れを分解してくれるのでソレだけでもある程度綺麗になります。
このアワアワがシュアラスターのカーシャンプーが泡立ちがかなり良いです。
最初にざっと洗って大まかな汚れを取り、最後に流しながらもう1回洗います。
そこまでは汚れていないのですが、やるからには徹底的にきれいにしたいので、

この段階までくればチェーンの油汚れはほとんどないはずです。
チェーンは二段階で、ディグリーザー→洗剤でブラッシングで手で触っても汚れがつかないぐらい綺麗に流します。

③拭き上げ
マイクロファイバークロスを使用し、拭き残しがないように隅々まで拭きあげます。
マイクロファイバークロスの水の吸収力は抜群によく、多少の汚れ残りも取ってくれます。
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最近は100均のマイクロファイバーが小さく薄いものしかなくなってしまって残念です。

挟み込んで拭き拭き、裏側からも覗いて目に見える水分をすべて拭き取ります。
クランクの裏側、スプロケ、フロントディレイラーの隙間等くまなく拭き上げます。
手が入らないところはクロスを突っ込んでギコギコして拭きます。

そして最後はもちろんこちら。

④水抜き・注油
注油の目的は潤滑・防錆だけではありません。
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水抜きの目的もあります。

水置換性のあるオイルは各メカの細部に入り込んだ拭いきれない水分を浮かし、注油効果を得ることができます。
もちろん可動部にめがけ細かく注油してもいいのですが、シューっとディレイラー全体ににかけてもOKです。

ディレイラー可動部です。
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※ディレイラーの可動部詳細はディレイラーの記事をご参照下さい。
リアディレイラー フロントディレイラ―

その後余分なオイルを拭き取ります。
防錆効果を狙うのであれば、ボルトなどにもサッと注油することでサビの防止になります。
特に、ヘッドパーツ、ボトルケージのネジが錆びやすいです。

最後はチェーンに注油をします。
チェーンはじゃぶじゃぶと水で洗ったあとはリンク内部に水分が残ることがあります。この状態でオイルをつけると水の上にオイルを塗ることになってしまいます。水の上にオイルを塗るとどうなるか、、、飛びます、飛び散ります。
そうならないためには水分が完全に乾かしてから塗る(サビに要注意)、もしくは水置換性のあるオイルを使用します。



ということでロードバイク洗車の各工程ごとの【コツ】のご紹介でした。

洗車をするしないは本当に永遠のテーマです。
しかし洗車の有無にかかわらず自転車はいつもに綺麗にしておきたいです。
汚れで故障がわからなかったり、当然汚れはスムーズな動きの妨げになります。
きれいにしておいて損はありません。

綺麗な自転車は気持ちが良いです!

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