シマノ ロード用ホイール R500 スポークテンション調整


お預かりメンテナンス中のR500、ちょっと重いけど、、、リムも頑丈だしいろいろと楽しめるホイールです。 

ということで今回はスポークテンションの調整と振れ取りです。 

前回はハブのオーバーホールをおこないました。こちらから↓↓↓
シマノロード用ホイール R500 お預かりオーバーホール
 

▶スポークテンションとは

【リム】と【ハブ】をつなぐスポーク(これがないととても未来的な構造に、、、)の張力のことです。
 
・ゆるい
→乗り心地がいい、柔らかい乗り心地
→反応・かかりが悪い、レスポンスの遅延

・きつい
→乗り心地は悪い、固い乗り心地
→反応・かかりがよい、レスポンスの向上

簡単に言うとこんなところです。 


では速く走るためには張りまくればいいのかというとそういうわけではありません。

当然限度というものはあります。

張りすぎればリムがぶっ壊れたり、スポークが飛ぶと呼ばれる、折れたり、ちぎれたり、まぁ要は壊れることがあります。

一般的には重いリムのほうが頑丈と言われています。(※一般的には、、、という物で種類にもよります)


つまりスポークテンションを正しく調整することで完組みホイールといえども【自分好みのフィーリング】に合わせることができるということです。

 
ではどのくらい張ったりゆるめたりの調整ができるかというと、、、

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※R500のユーザーマニュアルより抜粋

シマノはあくまでも目安ですが、ユーザーマニュアルにて参考値が公表されています。

ヤッパリ世界のシマノ!スバラしいです。

(フルクラムは現在CJに確認中となっております。)

おおよそこの範囲内であれば大丈夫!ということです。

しかしこれはあくまでも目安。

乗り手の脚力や、体重、乗り方によってはスポークが飛んでしまうことも、、、

ではどのくらいだったら大丈夫か?ということですが、、、、

【乗ってみないとわかりません。】、、、です。

こればかりはやってみないとどうにもこうにもわからないということです。環境や条件が違いすぎて一概には言えないということです。


基本的にシマノはマージンをよく取ってありますし、このお預かりしているR500のリムは結構しっかりと重厚な作りで頑丈と言われておりますので、多分限界まで上げたとして、オーナーの体重、脚力を加味してもぶっ壊れることはなさそうです。

これがデュラとかのヒルクライム用の超軽量リムのモデルだと調整をもっと細かくしないと少々怖いということです。

そんなことからも多少重くても頑丈なリムのモデルは色々といじって楽しめるということです。


それともう一つ、大切なことがあります。

それは一般的に【乗れば乗るほどスポークテンションが落ちてくる】ということです。

新品のホイールってなんか固いような気がするのですが、かかりが良かったり、シャキッとしていてすごくよく進むような気がすることがあります。

スポークテンションがきっちりと適正に張られているということがあります。

乗ればスポークテンションは少しずつ落ちてきます。

いわゆる【だるいホイール】になってくるというものです。

少しずつというものが曲者で少しずつだと気が付きにくいものです。

そこで落ちてきたスポークテンションをある程度しっかりと張ってあげることでシャキッと感を取り戻せるということです。


ということで早速スポークテンションの調整と振れ取りをまとめてやってしまいます。


全体の流れはこんな感じです。

1.ザクっと全体の振れ取りを行います。

2.スポークテンションを上げるため全体のスポークを張っていきます。

3.最後に振れ取りをおこない終了。

というものです。


これに伴いこんな物を使いました。

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PWTのスポークテンショメーターです。

どこまで正確に履かれているかは不明ですが、一つの目安にはなります。

付属の紙ッペらは取説と換算表です。(英語表記)

重要なのは換算表です。

ちなみにマニュアルは下記公式ページよりダウンロードできます。
PWT スポークテンションメーター STM01
※PDFファイルです。

換算表はこんなかんじです。
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実際の【計測値】と、【スポークの種類、太さ】によってスポークテンション【kgf】を出すというものです、
 
でR500はどうかというと、、、
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ちんちくりんな使い方は写真用です。あしからず、、、

2mmのバデット、、、

JIS でいうと No.14 2.0mmってやつでしょう。


振れ取り台にセットします。

P8034461
使用したものについては最後にまとめてご紹介します。

でザクっと振れ取りをします。

オーナーが以前振れ取りをしたということで状態は1.0mm~1.5mmぐらいの範囲には収まっておりました。

ちょっとだけ修正をして、、、

スポークテンションの確認です。

image4254

すべてのスポークで確認します。

メモリは52~55ぐらいの範囲で収まっております。

換算表を確認すると、
2mmのバデットスポークでメモリが【52】で【68kgf】
【55】で【100kgf】となっております。

image4265

スポークテンションは振れ取りを追い込んでも全く均一になることはありません。

すべてのスポークはバラバラのテンションということです。

あまりにも極端な差がなければそれが普通です。

これを平均的に見ると、およそ【80kgf前後】のテンションということになります。

でもう一度マニュアルの確認です。

image444

フロントで参考値が【82-122kgf】となっております。

現在のR500の状態は【68-102kgf】で、

やはり少々テンションが落ち気味であるということがわかりました。
 

んだもんで、これを今回は適正値上限いっぱいまで張って上げてシャキッと感を取り戻すということです。


少しずつ全体を均等に張っていき全体としてのテンションを上げていくことになります。

どこから始めたかわからなくなると永遠と貼り続けることになりますので、起点に印をつけます。

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セロテープでもなんでもいいんですが、このスポークを起点として均等に締めていきます。

一本だけ締めてテンションを確認するのではなくて、一周均等に締めていき、確認をします。

こんなコトを繰り返しながらMAXがスポークテンションメーター読みで【57】(124kgf)になるぐらい均等に締め込んでいきます。

スポークテンションで上限を20kgfぐらい引き上げるんですが今回は3週ぐらい回して引き上がった感じです。

1週は1/6回転ぐらいずつで最後は細かくなので全体で1/4~1/2回転ぐらいは回したようなイメージです。

※上の回転幅は手の感覚でやっていますので結構適当なものですm(_ _)m

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メーター読みの全体でおおよそ【55~57】ぐらいの範囲に落ち着きました。
(53や58ってところもあったような気がします)

これで大体【100~124kgf】ぐらいの張りです。

上限を超えずに調整完了です。


これで最後にもう一度細かい振れ取りをして完了です。

通常完組の振れ取りは【しめる】方向で取っていきます。

上に書いたようにだんだんとスポークは緩んでくるものなので、振れとりの際は締める方向で振れを取ります。

今回は結構張り気味にしているので緩める方向も使用して微調整をしました。


いやぁ、、、もうね。ダルダルだったスポークがビシっと張られてします。

カンッカンッ、、、という感じで、握った感触としてはとてもいい感じです。


リアのほうが少々めんどくさいのですが、基本的にやることは一緒です。

フリー側と反フリー側でテンションが違います。

基本的には振れ取りをして全体のテンションを上げていけばそこまで難しくできます。

※リアは猛烈な勢いでやってしまったため、画像を撮り忘れました。。。

いやぁリアは、、、すごかったです。

もうね、ダルンダルンです。

反フリー側で41kgf、フリー側で50kgfを下回ってました

このホイール自体は結構乗っているとの事だったのですが、こんなにまでもダルンダルンになっているとは、、、

回転幅で1回転以上は張ってあげたようなイメージです。

ニップルってこんなにゆる~くまわるんだなぁと、、、


グニュングニュンという握り心地のスポークから、カンッカンッというここちの良い張りになりました。


しかしこのR500ってテンション調整にしても振れ取りにしてもめちゃくちゃやりやすいです。

とても楽しいホイールです。



スポークテンションは1本ずつをちまちま見るのではなくて、全体のバランスとして確認することが大切ですね。

ということでR500のスポークテンション調整と、振れ取りのお話しでした。

後はリムをピカピカにすればお預かりメンテが終了です。


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ということなんですが、組み上がったホイールを見て触って一抹の不安が、、、

「う~ん、ちと固い気が、、、(´∀`;)」


ということで悩んでいてもしかたがないので、こうなります。



ドンッ!(#゚Д゚)///







ぢゃなくて、ポチットな、、、m9(゚Д)゚。)ドルァァァァ

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ッッッッッッ!!!!(笑

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ハイッ、知る人ぞ知るTM-1 ですね。

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付属品一覧、、、

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スライド部分です。


なんというか使った感じ、、、

PARKTOOLのTM-1のほうが高級感のあるしっかりとした感じです。


で早速計測、、、



少々(?)ズレが出ております。ヽ(`Д´#)ノ

はい、、、すべて修正し直しです。。。orz

どっちを信用するか、、、

ワタクシだったらPARKTOOLを信用することにしました。

そしてすべての修正と振れとりを終えました。。。。


おそらくPWTのも新品のスポークテンションをはかっておいてしばらく乗り込んだ後の微調整には使えると思います。
しかしまったく指標がない中スポークテンションメーターの精度だけを頼りに調整をしていくとなると少し不安を感じます。

TM-1はメーカー送りで再校正もしてもらえるという点から考えても大幅にずれるということは起こりにくい現象なのではないかと思います。

ということで今後はTM-1を定期的に再校正してもらいながら使用することにします。

うん、ヤッパリPARKTOOL、、、実績と信頼でこちらにしましょう、そうしましょう。。。。








最後に今回使用した道具たちのご紹介です。


安い割に精度はバッチリ、これがないとスポークはいじれません。
確かイオンバイクでも売っていたような気がします。
難点は一部のMAVIC等150kgfを超えるぐらいになると指が痛いかも、、、
通常の120kgfぐらいの振れ取りであれば何も問題ありません。

スポークもニップルもサビサビのママチャリでもなめずに使用ができました。
結構いいやつなんです。

TM-1も考えたのですがとりあえずこちらも使ってみたかったので試してみました。
意外に悪くありません。
どこまでの精度があるかは不明ですが、全体のバランスを見たり、なんにも指標がない中で適当にやるよりも安心感が全く違います。
いまAmazonで4000円ちょっと、、、ホイールをいじる上で1個持っていてもいいかもしれないです。
ホイールを買う際なんかにまとめて買って、新品のテンションを記録しておくとスポークテンションの変化がわかりとても良いと思います。

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。

PWT スポークテンションメーター STM01
価格:4096円(税込、送料別) (2016/8/3時点)



センターが分からないという欠点はありますが、デイリーユースにはこのぐらいのお手軽感が最高です。
ヘタな床置き式よりも固定する机さえしっかりしていれば強度はバッチリです。
使い方を間違えなければ普通に使えますし、これ以上を求めるのであればそれこをウン万円ぐらいのものにしたほうが良さそうです。


あったら絶対に便利なデジタルノギスです。
スポークの幅をはかったり、、、
APに行った際に衝動買いしてしまいましたがヤッパリあれば便利です。



今回はバデットスポークだったため使用はしませんでしたが、
エアロ形状(ブレード)のスポークならこれは必須です。
ペンチなんかでやりましたが圧倒的にこちらのほうが作業が速いです。
1000円でお釣りが来るぐらいなので、まぁ、、、持っておいて損はないと思います。


とりあえずこのぐらいの道具があればフレ取りやスポークテンション調整もできますよ~、という道具たちのご紹介でした。


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