リアディレイラーはSS?GS? キャパシティのお話し

キャパシティ (capacity) は、保持、受け入れ、または取り込む能力を言う。 体積の概念に類似する。 人の能力的な許容範囲を示す場合など、日本語でさまざまな場面で使用されるが、ここでは、特に使われることの多いスポーツ用語としてのキャパシティを取り上げる。
Wikiより引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/キャパシティ

なんや気にしたことのない方は全く聞いたことのない言葉だと思いますが、リアの歯数を変える(丁数の違うカセットスプロケット交換)の際にはとっても重要な事です。

文字で表しても少々わかりづらいので図にしてみるとわかりやすいです。

ということで今回はリアディレイラーのキャパシティのお話しです。


▶リアディレイラーのSS・GSとは?


リアディレイラーには主に2種類があります。

SSはショートケージ(Short cage)と呼ばれ、GSはロングケージ(Long cage)と呼ばれることがあります。

なにが違うかというとパット見ですぐに分かるのは上下のプーリーを保持するプレート(アーム)のながさが全然違います。
image4144

 上下プーリー間の距離が違いますね。

パーツ単体で見るとわかりやすいです。
P2274641
 
左側GS(ロング)、右側SS(ショート)のプレートです。
 
もちろんこのプレートの長さが違うだけではありませんが、見た目の違いはここが一番わかり易いです。



▶カタログを見てみる


リアディレイラーの選択ですが、フロントの歯数とも密接な関係があります。

rect4209

これはULTEGRA6800シリーズのものですが、カタログを見ていきます。

必ず対応ギアと言うものが書いてあります。

■対応”トップ”スプロケット(最小/最大)
RD6800-GS:11/12T
RD6800-SS: 11/14T

■対応”ロー”スプロケット (最小/最大)
RD6800-GS:28/32T
RD6800-SS: 23/28T

ここはわかりやすいと思います。
最大と最小がもう決まっているので、CS-6800のラインナップでは
・11-23T:SS
・11-25T:SS
・11-28T:SS or GS
・11-32T:GS
・12-25T:SS
・14-28T:SS
と6種類はこういう選択になります。

ここまでは簡単です。


■最大フロントギア歯数差

ここで突然フロントのお話しがでてきます。
最大フロントギア歯数差とは、、、

=最大ギア(アウターの歯数)ー最小ギア(インナーの歯数)
 
こういうことです。

FC-6800のラインナップは
・46×36T=歯数差:10
・50×34T=歯数差:16
・52×36T=歯数差:16
・53×39T =歯数差:14
ということですので、SSもGSもどの歯数でも OKということです。

これがあまりないとは思いますが、例えばむりに53Tのアウターギアに34Tのインナーギアを付けてしまうと歯数差は19TとなってしまうのでSS、GSどちらも適応外ということです。


■トータルキャパシティ
フロントディレイラーのキャパシティとリアディレイラーのキャパシティを足したものです。
「右手にRDキャパ、左手にFDキャパ、ウンッ!トータルキャパシティ」ってやつですwww

原則トータールキャパシティを超えない様に使用するということです。

おさらいですが、キャパシティは大きい(最大)ギアから小さい(最小)ギアを引いたものです。
リアだと漕いで軽い方が最大ギア、フロント漕いで重いほうが最大ギアですネ。

RDキャパシティ=ローギア数-トップギア数
FDキャパシティ=アウターギア数-インナーギア数

例えば、、、

リア11×28T:フロント50×34T(コンパクトクランク)
リアのキャパシティ:17
フロントのキャパシティ:16
17+16=33←これがトータルキャパシティです。
これによりこの組み合わせの歯数を使いたい場合は”SS”を選択するということです。

同じくフロントで11-25Tの場合はトータルキャパシティが30となりますので”SS”ということになります。

ではリアで歯数差の大きなギアを使うとどうなるのでしょうか。
リア11×32T フロント50×34T
リアのキャパシティ:21
フロントのキャパシティ:16
21+16=トータルキャパシティ:37
ということはRDの選択は”GS”になります。


▶図で理解する

rect4231
最大ギア(アウターロー)と最小ギア(インナートップ)にするとこれだけチェーンの長さが変わってしまいます。明らかに赤の方が短いです。

ということでこのままでは最大ギア同士で適切に合わせたチェーンの長さでは、どうにもこうにも最小ギア同士ではチェーンがビロンビロンになってしまいます。

困りました。。。

ココでリアディレイラーの登場です。

path4319-4-2
赤丸:ガイドプーリー 緑丸:テンションプーリー
上:アウターロー(前後ともに最大ギア)
下:インナートップ(前後とも最小ギア)


テンションプーリー(リアディレイラーの下部のプーリー)の働きはチェーンに適度な張りを持たせる(テンションをかけること)が目的です。(※TPだけの働きではありませんが)

本当は複雑な構造がまだまだありますが、ものすごく簡単に言うとRDのプーリーケージは前後に固定部(B軸)を軸として振れる様にできています。
この動きで小さいギアにかかったときにチェーンがたるまないように引っ張ることでテンションの調整機能がリアディレイラーには備わっています。

と、ココまではディレイラーの動きのお話しです。

でお話しを戻すと、リアディレイラーにはSSとGSがあるというお話しでした。
rect42209

対応ロースプロケットを見ると大きな歯に対応しているのはGSタイプです。

トータルキャパシティが大きいということは歯数のより大きな差に対応しているということです。

チェーンは(一度繋いだら)長さが変えられない、ということが大原則です。
チェーンの長さは1番大きな歯にも対応できるように長さを決めなければいけません。
フロントが同じ歯数でも、リアの歯数の差が大きければ(キャパシティが大きい・ワイドなギア)大きな歯のことを考えてとチェーンの長さが長くなければいけないということです。
(通常キャパ内で適切なチェーンの長さにすれば1番小さなギア同士でもたるむことはないようにRDが働きます。チェーンがたるむとチェーンステーにするようになります。・・・はずなんですが、最近の傾向でシングルテンションのRDの場合はどうしてもたるみが取れない場合もあります。)

フロント50T&リア23T
フロント50T&リア32T

当然リア32Tの方がチェーンが長くないと足りなくなってしまいます。
rect4256
最大スプロケットが大きければ大きいほどチェーンは長くないといけないということです。

当然チェーンが長くなれば長くなるほど、逆に小さいギアにかけたときにチェーンがたるまないように多くの量を引っ張ってあげないとチェーンが弛んでしまいます。(そこで振れ幅の大きなGSがでてきます。MTB用とか一部を除いてワイドギアに対応するためにキャパがロード用よりも広いですね。SGSとか・・・)

ということから最大ギアと最小ギアの歯数の差(キャパシティ)が大きければ大きいほどチェーンがたるまないように動くリアディレイラーの動きも大きくなってくるということです。



▶RD-R9100 
image4166

SSと言われてもまるで従来のGSのような長さのRD-R9100です。

image4134

というのもキャパシティを見てみると、、

トータルキャパシティで35Tです。
通常SSのショートケージだと33Tが多いのですが、キャパシティが広がっています。
それにともない最大スプロケットが30Tまで対応になっています。

フロントの歯数を見てみると
50×34T:16
52×36T:16
53×39T:14
54×42T:12
55×42T:13
 
FD-R9100はキャパが16TですのですべてOK。

カセットスプロケットはと言うと
11-25T:14
11-28T:17
11-30T:19
12-25T:13
12-28T:16

ということで1番キャパシティが大きくなるのが、
11-30T:”19”とフロントが”16”ということで、トータルキャパシティ”35T” 

(32Tを犠牲にして)
すべてクリアということです。

基本的に同一モデル内であれば全てクリアできるように設計されているはずです。
今まではGSとSSと二種類になってしまっていたのが、9100シリーズからSS(おそらくSSとGSの中間)という位置づけで2種類作ることなくカバーできるようにしたということでしょう。


ではどういうときに注意が必要かというと、、、

例えば9100シリーズで揃っていても「どうしても激坂が上がれない。。。」
「そうだ6800のCSならば11-32があるぞ!11速ならいけんじゃね?」

カタログをきちんと見れば書いてありますが、RD-R9100対応ロースプロケットが30Tまでとなっておりますので、RD-R9100では使えないということです。

もちろんキャパで計算してみてもリアだけでキャパは”21”です。
フロントのキャパはと言うと、、、14までです。
トータルキャパだけ見るとフロント次第ではなんだかいけそうな気がしますが、きちんとカタログを見れば対応ロースプロケットというところから対応外ということがわかります。


▶まとめ

キャパは計算をするよりも、きちんとカタログなりで公式の見解を確認する。


この記事の意味がなくなってしまいますが、一応知識ということで、、、(;´∀`)


実際にキャパオーバーのときにどういった現象が起きるかというと、
ギアの組み合わせによっては使えないギアが出てくる。等など、、、
と、「別に1個とか2個ぐらいぐらいギア使えなくてもいいじゃん!」 ということではありません。
何が起こるかわからないということです。
ディレイラーがぶっ壊れたり、チェーンづまりを起こしたり、、
非常に危険です。
逆に実際にはキャパをオーバーさせても不具合の起きない場合もあります。
しかし公式の見解を無視するということは何があっても自己責任ということになってしまいますし、想定外の事態も起こりえる、とても危険ということです。

おそらくお店で交換をお願いしても公式の見解以上のことは何が起こるかわからないのでお断りされる場合が多いと思います。
公式の見解は必ず守ったほうがいいです。

ということで今回はキャパシティのお話しでしたが、9100のRDのことを考えると、今後アルテグラもシャドー化してSSというかRD-R9100のようなSSとGSの中間の様なキャパに進化することが考えられます。
32Tを犠牲にはできないのかな、、、
逆にカセットスプロケットで対応するようにするのでしょうか。。。
シマノがどういう構想でいくのか、、、楽しみですネ。

※今回はリアディレイラーの構造をものすごく単純に、簡単に説明しましたがもちろんこれだけではなくもっと複雑な構造です。





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