ベアリングの健康診断

昨日に引き続きベアリングネタです。
前回さらっと、、、本当にさらっとですが、書きましたとおりベアリングの健康診断のお話です。
とはいっても最終的には開けてみないとなんともいい難いというところもありますが、「怪しい、」「変かも、」そんなことに気がつけることが、いいかと思います。

では実際に具合の悪いベアリング2種類を見てみます。


▶カップアンドコーンの場合
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まずはこちら、シマノホイールの玉押しです。
左が不健康満載、、、と言うかもう使えない玉押しです。
右は新品の玉押しです。

これはグレード等にもよると思いますが、新品状態を見ていただければわかるかと思うのですが、使い込んでいくうちに内部は鏡面仕上げの用にキレイになります。

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こちらRS81の玉押しASSYです。
上が使用していたもの、下が新品の状態です。

カップアンドコーンはガタが絶対に出ないように与圧をかけて調整をしますので、薄っすらと線上痕ができます。
新品の状態では(おそらく)機械仕上げのままです。

もう一発
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こちらはレーシング3の玉押しです。
こちらも薄っすらと線状痕があります。

この状態では問題はないでしょう。
しかし調整・メンテ不足まま乗っているとどうなって行くのかというと、、、

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コレがカップアンドコーンで比較よく見られる虫食いという状態です。

何らかの原因で過負荷がかかった際に玉押しが負けてしまうというものです。 
こうなったら交換するしかありません。
 
大体カンパ・フルクラムは玉受けまで交換できますが(パーツの入手は別として、)、シマノホイールは 玉受け単体の交換はできません。玉受けがだめになったらハブの死亡宣告です。
とはいってもそこは世界のシマノ様、各所の硬さを少しづつ変えているというお話もどっかで見た気がします。確か硬い順に”玉受け→ボール→玉押し”だった気がします。
それにカップアンドコーンの構造を考えてみれば、
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こういうことかと(笑


お話を戻しましょう。

では実際に虫食いがあるとどういう状態になるかというと、”ゴロツキ”が1番特徴的なものです。

ハブを持って回した時、また車体に組み付いている場合でもフォークに触れればザラザラとした感触が伝わることもあります。
場合によってはゴロゴロという音まで聞こえてくるときもあるぐらいです。

判断基準がわかりにくい場合は、新品、またはのきれいな状態のハブの回転を触ってみるのがいいと思います。新品状態はすこしざらつきのあるものもありますが、それでも傷が入っているような感触はありません。イメージ的に言うと、「サーーーッ」「ザーーーーッ」は新品ではあり得るかと思います。
「ンーーーーッ」ぐらいが最高の感触です。傷があると「ザーーーーーッ」(玉当たりがキツイのと似ている感覚。)「ザララザラザラ、、、、」「ゴロゴロゴロゴロッ」となります。
全く変な擬音語的なものでゴメンナサイ。詳細をご所望の場合は当店までお越しくださいm(_ _)m

このまま乗り続けていれば玉押しの傷はボールへと広がり、更には傷ついたボールが回転することで玉受けにまで傷が入ってしまうことも考えられなくはないです。
とはいっても大体そこまで至る前に気がつく場合が多いです。




で、「どの位走ったらアウトなの?」「何キロ?」ということはケースバイケースなので一概には言えません。とりあえず、回転なんかを定期的に確認して、「おやっ?」なにか異変を感じたらメンテナンスをする、できなければショップに持っていくということをおすすめします。
自転車をキレイに保ち、異変に気づくためにも状態のいいものをしっかりと触って覚えておくこと、コレが大切だと思います。

定期的にメンテナンスに出していれば問題がない場合が多いですが、もう何年もご無沙汰で、、、そんなメンテナンスをあまり行っていない場合はもちろん全く問題のない場合もありますが、心配なときは一度ショップへ足を運んでもいいと思います。
 
とはいってもロードバイクではこんな虫食い、即交換ですがママチャリだと、、、結構虫食いあっても行けてしまう場合も(イケてるわけではありませんが、ごまかしながら、、、)多分こんなケースも多々あると思います。そもそもハブのシール構造はお粗末極まり無いものちょっとあれなものが結構あります(;´∀`)というかシールなんて無いに等しぃ・・・(o゚Д゚)=◯)`3゜)∵ハウッ


カップアンドコーンの調整は店員さんの腕が問われる所でもあります。
どこまでやってくれるかというと、、、それはもちろんお店にもよるかとは思いますが差が出てくるところも無いといえば嘘になるかと思いますヨ。


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少々余談ですが、もうクイックの締付け加減でガタが出てしまうぐらいの限界ギリギリカリカリのセッティングで試してみたことがあるのですが、それでも線状痕は玉押しの片側にだけうっすらできました。まぁこんなギリギリでやっても、、、大きな違いはわかりませんのでマージンをとったセッティングで楽に楽しく乗るほうが精神衛生上イイと思います。
それならドリンクとっとと飲んで減らしたほうがよっぽど軽いかも(笑
冗談です。。。




▶カートリッジベアリング
 
カップアンドコーンの用に調整は基本的にできません。
メンテナンスも下手にいじるのであれば交換してしまったほうが楽な場合もあります。
またカップアンドコーンのような派手な虫食いは起こりにくいです。
健康状態はと言うと、、、
 
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こちらインナーレースですが、下が状態の良いもので、上が溝に汚れとも見える無数の傷があります。

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アウターレースです。
左側に焼き付きとも思えるような色合いの傷が全周に渡って広がっています。
右側が健康な状態のアウターレースです。
こちらはインナーレースとともに 健康状態が良いものはまるで鏡面仕上げの用にきれいな状態でありますが、不健康なものは見れば一発でわかります。

とはいってもここまでバラすのは専用の工具が必要であったり、手技も必要になってきます。
下手すると壊れます。

では判断はどうするかというと、、、
ココもやはり回転させてみての、滑らかさであったり感触・音なんかを元に判断するということです。
基本的にカートリッジベアリングはものすごく滑らかです。
ざらつきなんてほぼありませんし、音もカップアンドコーンのものすごくいい状態のように「ンンンーーーーーーッ」「キモティィィィーーーー!」(←馬鹿ですネ)です。
 使い込んでいくうちに傷まではいかなくとも音が出始めたり、ざら付きが出たり、ということがある場合もあります。

カートリッジベアリングは基本的に、”だめになったら交換する。”コレです。

 ではそこまで頻繁に交換できない場合はというと、”駄目にならないような、””いい状態を少しでも長く保つためのメンテナンスを行う”ということです。

前回も記事内に書きましたが、雨でも、泥でも走り回る自転車は消してベアリングにとって優しい環境であるとはいえません。もちろん車やオートバイなんかもそうです。それでも軽量化のために構造を簡易化したり、ネジ一つ不要なものはないと言われている(かもしれません(笑)ロードバイクではシールを加工してまでも抵抗を減らす、こんなカスタムまである程のものです。。。


健康診断はと言うと、開けてできるものは開けてしまえばてっとり早いのですが、開けれれない、開けるのが困難なものはやはり回してみると言うのがいいと思います。
※回転の軽さは健康状態とは余り関係のないことがあります。
 シール構造、グリスの量、硬さその他モロモロの健康状態とは関係のないこともあります。
 あくまでもなめらかに回るか、それが重要です。

上の画像のような焼付きのような状態であれば触ればすぐにわかります。
「ごろごろごろ・・・」「ざりざりざり・・・」ものすごく引っかかりが多くキモチワルイです。
高回転をさせてみれば「ババババババッ」こんな音が出る時もあります。



では具体的にどのぐらい、、、というとメンテ次第では相当長く使うことができます。
10000km走ってなおも超滑らか!そんなベアリングもお店の中に転がっています。
是非ともうちに起こしの際は触ってみて下さい。
メチャクチャ滑らかですよ。


ということで今回はベアリングの健康診断のお話でした。
基本的にカップアンドコーンだろうがカートリッジだろうが、滑らかであることが何よりの健康です。
(滑らかでもガタがあれば今後不健康になってしまいますのでガタは駄目です。ガタが出ないように適度な与圧をかけて置く、デス)
変な音がしたり、感触が悪かったり、、、
この辺は経験値ということもありますので、もしも不安だったらロードバイクの健康診断、ベアリングの状態の確認というものをショップにお願いしてみるのもいいと思います。

しかしものすごく細かいところになると、カートリッジベアリングでは最終的には開けてみないとわからん!こんな事があるのも事実ですのでお店に持っていって、「開けてみて!」と言っても交換したほうが手間がかからない・工賃も稼げる。ということであれば「開けません!交換です。」と言われてしまうこともあるかもしれません。新品に交換したほうが遥かに速く、確実に調子が良くなりますので。。。
また、開けたことで具合が悪くなる可能性も0ではありませんのでリスクもあります。
難しいですネ。
 
弊店は時間制でご料金を頂いている身分ではございますので、ご希望があればできる範囲内でご希望どおりの内容を行わせていただきますm(_ _)m 

ということで今回はベアリングの健康診断のお話でした。


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