新型ULTEGRAリアディリラー RD-R8000 調整と動き

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RD-R8000調整方法を大幅パワーアップ更新いたしました。
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前回の記事に引き続き新型アルテグラのリアディレイラー RD-R8000のお話です。

前回は組付~かるく調整何かを行いましたが、今回はシャドータイプの新型ディレイラーの調整方法とポイント、実際にどんな動きをしているのかというところのご紹介です。


▶調整方法

ココで行うのは主に4つ、こちらは従来通りの、、、
・トップ側の調整
・ロー側の調整
・エンド調整ボルトで調整
・ケーブルアジャスト
こちらの4種類です。

image4992
トップ側・ロー側とマニュアルでも記載はありますが、未だにディレイラー本体には「L/H」です。もうそろそろ変えてもいいんでは???


構造は少々変わってはいますが、FDのようにド派手な変更ではありません。
調整もFDよりも手さぐりでもなんとかなりそうです。
しかしデス。そうはいってもこういった新型はまずはマニュアル通りに行うことが大切です。色々といじくり回してオリジナリティを出したくなるものですが、これはマニュアル通りに完璧に組むこと、これと動きを完全に理解してからのお話です。

新型のディレイラーはフロントもそうなんですが、今まで2番かなんかのプラスドライバーで行なっていたものが2mmの六角に変更しています。場所によっては精度の悪いボールポイントだと少々舐めやすかったり、力がしっかり伝わらないものもあります。
今回の変更でディレイラーの調整は基本2mm六角での調整というふうに変わってきておりますので精度の良い2mmアーレンを一本用意しておくといいと思います。
高精度のEightのアーレンも2mm単品ならば大きめのホームセンターであれば数百円で買えます。


①トップ・ロー側の調整ネジでのストローク調整

トップ調整ボルト、ロー調整ボルトの働きとしては従来通りです。
マニュアル通りにやるのがよいでしょう。

シマノ公式ディーラーマニュアル
http://si.shimano.com/pdfs/dm/DM-RARD001-02-JPN.pdf

ということなんですが、調整のところの見出しが
”■ストローク調整”となっております。
確かにこの方がわかりやすいです。

というのもリアディレイラーの基本的な動きのお話は下記をご参照下さい。
リアディレイラー調整 (初級)ネジがいっぱい編

要はトップ側調整ボルトとロー側調整ボルトでリアディレイラーのストローク幅の限界値を決める調整です。

ココは従来品とは変更はないのでそこまで苦労はしないと思います。

以前の6800とか9000よりも調整しなければならない幅は増えたと思います。
ポン付けではどうにもならんぐらいずれています。
変更こそありませんが、しっかりとした調整が必要です。

でディーラーマニュアルをお読みいただくとわかるかと思いますが、順番で言うとこの後にチェーンの取付と言うものがあります。

ということはロー側の調整ボルトとトップ側調整ボルトの調整はチェーンを取り付け前に行うということです。

「ケーブル・チェーンが付いていないのにロー側とかどうやるんだヨ?シマノのマニュアルは不親切だなぁ、、、」
ということなんですが、ロー側は手でディレイラーをちょいと押してあげればロー側待ってディレイラーを移動させてあげることができるのでこの状態(片手で抑えたまま)でロー側調整ボルトを回してロー側の設定をします。
また手で押すのがめんどくさければケーブルを固定してもしてからでもいいとは思いますが、ケーブルがあることで調整がかえってしづらくなる(ケーブルが張られることで限界値が不明瞭になる場合もある)こともありますので個人的にはケーブルは張らない状態のほうがやりやすいと思います。
もしもケーブルを張って調整したい場合でも最低でもトップ側はケーブルを張らずに調整しないとわからなくなってしまうことが多いです。

しかし絶対ということではありませんので、ここはやりやすい方で、、、というのがいいと思います。


ちょっと寄り道~チェーン長のお話~


チェーンの長さの調整方法も若干変わっています。
以前は”28T以上は大大ギアにかけて、、、”というものでしたが、今回のR8000コンポでは”大大ギアにかけて+1~3リンク、、、”と言うものに変わっています。
しかしこれから行うエンドアジャストボルトの設定によってはチェーンの長さ・張りが変わってきます。エンドアジャストがゆるい場合はチェーンがゆるくなりますし、エンドアジャストがきつくなってくるとチェーンも張られていきます。

フレームの形状や構造に合わせて微調整が必要になることもありますので、ここはマニュアル通りに張った後に大大ギア、少小ギアなんかに移動させてしっかりと確認した長さの設定がイイですネ。




②エンドアジャストボルトの調整

組付けからの調整であればこの段階でケーブルを固定しないと動かしにくいので固定します。
インナーケーブルを固定したら従来品(旧型構造のダブルテンションRD)の様にびろ~んと長いままはクランクが回せません。ホイールに巻き込まれて危険です。
ベシっと切ってしまわないといけないのですが、ここの長さの設定にも”30mm以下”という決まりがあります。
ここで長めに残して切って調整をしようとするとロー側に入れた時にホイールに余りのインナーケーブルが巻き込まれて一瞬でケーブルの先がほうきのように広がってしまいます。。。

カチャカチャ。。。キキキキンッ( ゚д゚)ハッ!

((;゚Д゚))アワワワワ!

こうなるともう二度とケーブルの再利用ができなくなります。何度か経験済みです(笑
これは再利用させないためのシマノの陰謀説が(笑
こうならないようにご注意下さい。。。(笑


ともあれエンドアジャストの調整です。
※ここからは実際にチェーンが張っていないと調整できませんのでチェーンを取り付けます。
旧Bテンションと言ったところでしょうか。
シャドーディライラーはB軸のテンションがなくなっていますので(なんと言いますかバネがなくなっているというか。。。)エンドアジャストと名称変更になったのでは無いかと思います。
シャドータイプの新構造はこの調整はマストです。

ワタクシのバイクでリアが11-25Tですが要調整となっておりました。(以前は25T、現在は28Tです)
以前のダブルテンション構造のリアディレイラーなら下手したら28Tぐらいまでほとんど調整は不要の場合もありましたが今回はしっかりと調整しないとゴリゴリ言いますし、場合によってはロー側が使えません。(;´∀`)

見るべきところは下記の画像の青丸の部分(ガイドプーリーとカセットスプロケット間)です。
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※大大ギア
ワタクシのゼリウス(R:11-25T F39-53T)の場合はリアロー側がゴリゴリしやすかったです。

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IMAG0552
※フロント:52-36T リア:11-28T

ここがゴリゴリしたり、つまってしまうんですネ。

最大最小ギアや色々な組み合わせにしながら、正転や逆回しで詰まりが起きないように調整します。
”詰まり”がよくわからないという場合はゆっくりと見ながら、音を聞きながら回したり変速したりしてみるとわかりやすいと思います。

上の画像は限界ギリギリカツカツまで寄せた状態です。

個人的な印象ですと、アウターローにしたときにゴリゴリ言わないようにギリギリで調整しておくとどこでもOKなような感じでした。
しかしやはりマニュアル取りに全段確認というは毎回必ず行なっております。

もしここがわからなければ目をつぶってしまうのではなくて、プロにおまかせしましょう。
詰まったままではまずいです。

またこのエンドアジャストボルトの調整で小小ギアにした際にチェーンが弛んでしまう場合はチェーンの長さに余裕があれば切って詰めるのが理想だとは思いますが、エンドアジャストボルトを締め込んでいくことでもチェーンは張られていきます。
(まだまだ検証不足ではありますが、エンドジャストボルトが締め込まれていく、ガイドプーリーとスプロケ間が広がっていくとどうしても変速がたるくなるイメージがありますので、あくまでもエンドアジャストボルトの調整を優先したほうが変速がよくなりそうな気がします。)


③SISの調整

ここは従来通りです。

ケーブルの張り具合は旧型よりも緩く張っても動くようなイメージです。
旧型はもう裏技(ディレイラーを押し込む)とかを使ってぱっつんぱっつんに張っていましたが、新型はペンチで摘んで強めに引っ張ればなんとか行けそうなぐらいのイメージです。

P7035873

ケーブルアジャスターは少し豪華に(?)変わっています。
従来品のほうが調整がしやすかった気がします。
なんか新型のほうが硬いというか回ってんだか回ってないんだかよくわからないので余り好きではありません。ここだけ旧型にしたいぐらいのなんだか気持ちの悪い感触です。。。

旧型は結構ココが破壊されているパターンを見かけます。
緩め過ぎで脱臼していたり、締めすぎでネジがだめになっていたり。。。
ここの調整は硬い時は異常があることが多いです。
あくまでも指で回るぐらいのものですのでペンチやプライヤーなんかで無理くり回しては駄目です。



▶動きを見てみる

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少々わかりにくいの画像を加工をしてみます。

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※左:インナートップ 右:アウターロー

★シングルテンション
ギアの動きに対して、のディレイラーの動きです。

最大の特徴としては
”ケーブルの受け口の位置が変わらない”ということです。
(B-アクスルが動かない。)

その他とすると、ホイールの脱着が幾分楽になるとか所々ありますが、そこまで大きな差ではありません。むしろなんだかあまり良くないというお話も聞きますので今後の課題として要検証です。。。
受け口の角度が変わらないとどうなるかというと、、、

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従来品ではトップ近くの位置でものすごい角度になっていました。その抵抗を減らすためにノーズ・ガイドパイプのような物でなんとなくごまかしていた感がありました。

新しいこの方式のディレイラーはトップ位置でも極端な角度になりません。
それでも多少は角度が付いてしまうのでガイドパイプは不要なパーツということではありませんが、おそらくこのパーツの”寿命(もち)”が全然違うでしょう。

もっと詳しく見たい方はこちらに↓↓↓
新型リアディレイラー(シャドー)のシングルテンション、ダブルテンションって何ぞや?

BアクスルとPアクスル(プレート)に双方テンション(スプリング)が入っているものがダブルテンション、Pアクスルのみのスプリングがシングルテンションということです。
2軸を利用するダブルテンションよりも、1軸で移動させるシングルテンション方法がPテンションはかなり強めの設定になっています。

▶RD-R8000のちょい乗りインプレ
P7035859

インプレ環境はこちらです。
ST-6800+RD-R8000+ステンケーブル(アウターはジャグ?? リアアウターはOT-RS900)
旧型のアルテグラに新型のリアディレイラーです。

リアディレイラーのみ、単体での上位機種への交換は結構効果を感じにくいところではありますが、、、

”軽い”です。

確かにRD-6800よりも引きは軽くなります。
変えた瞬間の調整では「軽っ!」と実感ができました。

しかしもういじくり回してしまっている今となってはそこまで軽かったのかはよくわかりません(;´∀`)なれって嫌ですネ・・・。

実際に乗ってみるとどうだかというと、、、

(・∀・)イイネ!!デス。

まだまだ調整が煮詰まっていないというところはありますが、間違いなくイイです。

シングルテンションがいいのか、シャドーがいいのかなにがいいんだかは不明ですが、6800時台よりも戦闘力は間違いなく上がってます。
RD-6800でも不満があったわけではありません。
それでも違いはわかりました。

R8000系ですべて調整が終了致しました更新版はこちらから↓↓↓
新型ULTEGRA R8000 変速系コンポーネントの調整のポイントと初期インプレ




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※ココから夢を壊します。購買意欲が地の果てまでも少々落ちる可能性もありますのでご注意下さいm(_ _)m

現行6800からのリアディレイラー単品の買い替え、どうかというと、、、

「微増ッ!」

こんぐらいです(笑

この変速の微妙な変化を楽しみたいマニアックな方にはおすすめいたします。
間違いなくイイですから。

それでもRDを一個交換したからといって劇的に坂が速く慣れるわけではありませんし、直線で5㎞/hの速度アップにながるわけではありません。

ディレイラー単品を交換して劇的な変化を感じる場合っていうのはものすごくグレードを上げた場合を除いて、今ついているものが調整不足だったり、動きが悪い場合が多いです。
新しいものをくっつけて、きちんと調整もしくはお店で調整をしてもらう。それは調子がいいはずです。

今あるものをきちんと最高の整備して最高の状態にする。その上で交換してみる、そんなことがとても大切だと思いますヨ(≧∇≦)b

ということで新型アルテグラ RD-R8000 調整と動きというお話でした。



~全然カンケーのない話~
コンポのお話。

最近DURA特に9000系をいじる機会が本当に多くものすごくよく触っています。
アルテとズラの違い、、、そんなことをよく聞かれます。
ざっと見積もってもお値段にして倍ぐらい違います。
倍の違いがあるかというと、、、倍はちがくありません。
でもDURA-ACEはDURA-ACEです。
間違いなくいいものです。

ワタクシは”差はしっかりとある”と思います。
しかし人によっては大した差はない、そこまで変わらない、そう感じる人もいると思います。
そこは個人的な感じ方の問題でもありますが。

これとは別に旧型のコンポーネントもです。

旧型のコンポーネントなんかは中古で安く仕入れることができたり、新品でも在庫処分の様な形で安く入れることができる場合もあります。
では旧型コンポのDURAと新型のアルテ、、、
リア変速の段数の問題なんかもあるかもしれませんが、個人的には2世代格差では新型有利かと。

とはいってもやはり整備です。
Di2もガラガラいいますから。。。

フレームはと言うと、、、あながち良くなると思もわれがちではありますが、これはコンポとは少々違います。大幅なモデルチェンジが加えられて当然良くなることだけ。そう考える場合もあるかと思いますが、実際はその限りではない場合もあります。

これも好みといえば好みで終わってしまうのですが、旧型のもののほうが良かった。そんなことも。。。昨今のロードバイク事情としてBB周りは太く大きく、どこのメーカーもエアロエアロ、、、です。流れといえば流れであり、流行といえば流行ではありますが一概にそれがいいかというと、、、

あぁやっぱり好みの問題です(笑



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