メリダのエアロロード、リアクト4000の整備ダッッッ!!

遠路はるばるお送りいただいたメリダ リアクト4000、オーナー様よりご快諾をいただきましたので整備の模様をお送りさせていただこうとも思います。

今回の整備内容はコンポーネントの載せ替え作業+ウィッシュボーンのインストールです。

最近本当によくウィッシュボーンの組み込みの作業を行わせていただいておりますが、メーカー欠品の状態が続きおまたせしてしまい申し訳ございません。
順調に行けばご注文いただいている方の分は8月10日前後に入荷の予定ではありますが、遅延も考えられます。もうしばしお時間をいただければと思います。

早速本題へ!




▶到着ダッッッ!

オーナー様とは年密な打ち合わせをさせていただいておりました。
基本的にはワタクシにおまかせしていただけるということで最高の状態にさせていただくべく取り組ませていただきました。

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オーナー様との打ち合わせの中で””現状を知りたいのでできるだけ現状のままお送りいただく”これをお願いさせていただきました。

まずは梱包を剥がして組み上げです。

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まるで車体購入時のような丁寧な梱包です。
オーナー様さすが!

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サクサク組み上げていきますヨ。
JETFLY初めて触りました(≧∇≦)b

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で現状がこちらということです。

ココでシートポストのクランプパーツが欠損していることに、、、
オーナー様に確認すると確かに同梱ということで、

ということで探してみると、、、フレーム内に完全にハマっておりました。

このクランプパーツ、ハマるのは簡単にハマるくせに取り出すのは、、、逆さまにしたぐらいではたいてい落ちてきてはくれません。。。

ペンチやピンセットが入るほどの浅い位置ではありませんので使い古しのアウターケーブルを使いまます。

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先っちょをペンチでひん曲げてあげてフック状にこれで掻き出すようにしてまずはハマってしまっているところから動かして上げてから、逆さまにすると、、、

Σ(゚Д゚)アラマッ!

落っこちてくるんですネ。

ともあれこれで組み上げは完了です。



▶パーツを外してきますゼ!

状態の確認後はハズせるものからドンドン外していくのですが、後悔しないように工程を頭のなかで考えながら外していきます。

まずはコイツです。

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FSAのクランクです。

これは過去のお話でもあったように真ん中のボルトを回すだけ。
力のかけ方にはコツがいりますが、経験してしまえばなんてことはありません。

グリッと回せばこの通り!

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ウェーブワッシャーとご対面です。

この状態になったら後は叩くだけです。

まぁ普通に叩けば外れますネ。。。
先日同形状の某C社のクランクシャフト抜去が鬼のように硬くてかなり手こずったのですが。。。(笑
何だっただあの硬さは、、、

片側が抜ければ後は筒状のものを突っ込んで更にドライブ側のベアリング部を通過させます。

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クランクが外れました。

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これでBBとご対面です。

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BBは386規格です。

これを更に外します。


専用工具を使って取り外せばフレーム内部の構造がよくわかります。
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、、、ウン、

フルアウター!Σ(゚Д゚)ハジメテミタゼ!!

まじで超絶怒涛のフルッ アウターーーーッ!!!仕様デスヨ(;・∀・)


というのも・・・
フロントシフト:フロントディレイラー寸前まで(セミ?)フルアウター
リアシフト:フルアウター
リアブレーキ:フルアウター

まさに完全無欠のフルアウター仕様です。。。

いったいせったいメリダはなにを考えてこんな設計を。(笑


最初に書いておきます。リアクト4000整備性、、、凶悪です(笑
オーナー様ゴメンナサイ、しかしこればかりはとても大切なところなので、、、


こうなってしまうといくらBBが外してあるとは言えスッポスポとケーブルを抜いてしまうと後から後悔することになります。
ということでケーブルは最後にとっておいてそれ以外のパーツを剥がしにかかります。

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FDを剥がし、、、


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RDも外し、スプロケもさくっと交換しておきます。




▶ココからが重要!超絶怒涛のフルアウターをどう処理するのか!?

まずは小物パーツや構造をよ~く観察します。

FDの直下はこんな感じです。

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というかアウターキャップがテープ止めかぃ・・・(;´∀`)
ここまでアウターのままくるのであれば完全フルアウター対応の新型FDにしてしまうということもありかと思います。

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ビロンビロンのフロント周りはセンスが、、、orz

確かにオーナー様は上ハンのときにケーブルが、、、たしかにこれじゃ引っかかるというか、、、ダルンダルンもいいところです。(配送の都合上の長さなんでしょうか。。。)


リアブレーキはチェーンステー下のダイレクトマウントです。

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ココもスッキリとしてあげましょう。

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普段はこんなところブレーキ本体がついていればキレイにしにくいところです。

折角の機会なのでピカピカにしてコーティングデス。


フロントも同様に・・・
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見事なまでのピンズレです。。。orz


この状態からこのフルアウターの処理をどうするかを考えます。

あーでもないこーでもないとアウターの通り道を想像しながら考えます。

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ケーブルライナーですが、フルアウターの際は、、、
①アウターのみ抜去
②インナーのみの状態でライナー管挿入
③インナー抜去
④ニューインナー挿入
⑤ライナー管抜去
⑥アウター挿入
⑦(・∀・)b!!
とこうなるわけですが、アウターの抑えがそんなに緩いわけはありませんネ。。。
アウターのみの抜去は相当な困難の極める、、、と言うか無理ですヨ。

といろいろ考えては見るのですが、中は見えない所だらけです。。。(;´∀`)

ということで思いっきりよくスッポ抜きます!

「まぁBB外れてればなんとかなるっしょ、、、」という勢いも大切です(笑

もちろんシフトアウターは付属のものだけでは足りる訳ありませんのでシフトアウターはアウターケージングのみのバラ売り分を別途用意します。

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ヘッド部をうまいことカーブできるようにケーブルをとおしていきます、、、ヘッドパーツは外しませんヨ。ココは企業秘密です(笑

アジャスターを入れる前に長さをある程度決めます。

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ビロンビロンは配送の都合上かなんだかはわかりませんが美しくないのでないのであくまでもフルロックで問題のない長さに調整してあげます。。。相当長かったです。。。

と全て外し終えた段階で不思議なものが、、、

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ふわふわした素材のアウターのアウター(笑)です。

おそらくフレーム内でアウター同士がカタカタならなくなるようにかぶせてねってことだと思います。

これはブレーキ×1、シフト×2付いていました。

そもそもフルアウ…(o゚Д゚)=◯)`3゜)∵ · ハウッ

色々と試してみましたがこれがないとやはりカタカタ音が消えないのでおそらくそのためなのではないかと推測できます。

でもって長さが決まってフワフワパーツを組み込めばアジャスターの位置を考えます。

できるだけカーブしたところに起きたくなかったので、1番直線的になる位置へと変更しました。

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使い勝手なんかを考えてここがベストかと思います。これでもハンドルを左右に切っても干渉はありません。

ジャグのアウターなら問題ないのですが、シマノアウターとジャグのアジャスターは相性が悪いものがあります。ここは1000円もしませんので素直にシマノアウターに変える時点でアジャスターもシマノ製にした方がいいです。
組み込んだ後に再度交換するのは面倒くさいです。

この前見たのは、、、フロントでアジャスターなしの車両がありました。もちろんFDは旧型、、、組んだ方、鬼ですネ(;・∀・)


▶ウィッシュボーン組付

ケーブルのルーティングが終わってしまえば後はパーツをペチペチ付けていくだけです。

BB386EVO、シマノクランク用ウィッシュボーンです。
なんとか1ヶ月ぐらい前に在庫を確保できたものを組み付けます。

こちら386用のものは専用の工具が必要になります。

基本的にシマノBB回しでは大きさが足りないため少々径の大きな専用工具が必要になります。

リアクト4000のシェルはと言うと、、、なかなかいい感じです。

でクランクまで一気にインストール!

チェーンは消耗品ですのでもちろん新品です。
前後の歯を新しくする際はチェーンはもちろん新品をおすすめします。
消耗品ですし、きれいなものと汚いものを混ぜるのはちょっと、、、

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やはりシマノクランクのほうが馴染みがあります。

んで持ってサクサクサクと調整ををしてあげれば。。。



▶完成!

最後は規程のトルク値で締付けトルクの管理、そして作業で汚れの付いてしまったフレームを磨き上げてコーティングを施してあげれば完成です。

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ドライブトレインも、、、

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ピッカピカですよ。。。

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ハンドル周りもスッキリとさせました。


これでしばしダンボールの中に戻って頂きます。
ばらした際、最後にホイールの振れ取り、ほぼでてはいませんでしたが微調整程度におこないました。

これでオーナー様の手元に戻るまでしばしダンボールの中でお休みいただきましょう。


組み付いていたパーツを外す際に、気がついたのですが、
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コントロールレバーのワッシャーが粉々です。。。

こんな粉々になることがあるんだ、と。。。
こちらは”取付バンドユニット”と言うものがスモールパーツで取り寄せが可能です。
シマノはこういった時のパーツがとても便利です。

あとはリアのダイレクトマウント、チェーンステー下の配置は、、、鬼のように汚くなりますヨ。整備性も激悪ときいていたわりには意外と悪くなかったです。
逆さまにしてさえしまえば通常のブレーキよりもむしろ整備はやりやすいかも。
あとは汚れの問題だけ、、、場所的にどうしようもないところもあります。

ともあれしばしの間段ボール箱の中へ、、、



ということで今回はメリダリアクト4000の整備ということでした。
作業自体はもちろんこれ以外にももう少し突っ込んだところまで、各種調整を含めて行なっておりますが、大まかな流れのご紹介ということです。
そもそもリアクト4000の整備ってあまり情報がないようで、オーナー様よりぜひ公開して皆様のお役に、、、というなんともありがたいお話でしたのでケーブル交換や構造的なお話を中心に記事にさせていただきました。
今回ワタクシが実際に触ってみたところ、ケーブルのル-ティングという面での整備性は良くはありませんでした。

インナーケーブルの交換だけだったらフルアウター仕様はものすごく簡単ではありますが、アウターケーブルまでの交換は、、、BB外してしまえばそこまで苦労はしないとは思います。
むしろBB外さないとできないんじゃないかと思うほど、BBが付いたままでは相当苦労すると思いますヨ。
フレーム外を通るケーブルルーティングの10倍位大変です。
通常の圧入BBをあまりつけたり外したりするのはちょっと、、、(;´∀`)
ウィッシュボーンであればフレームに負担をかけることなく取り外せるということも大きなメリットになります。

しかしヘッド周りのルーティングは激悪の限りではありません。
トップチューブ前部からフレーム内に入ってくるというケーブルルーティングですが、その割にきちんとハンドルの動きの邪魔にならない様な位置であったり、そこら辺はよく考えられていると思います。
この辺は純正小物パーツのオンパレードではありますが、かなりいじれる幅が大きいように感じます。
今回は純正通りの仕上げとさせていただきましたが、アウターを通すトップキャップを通常のものを使用してルーティングそのものを変えてしまったり、左右を入れ替えたりすることでもっともっとレスポンスをよくしたり色々と楽しめます。この辺はフルアウター仕様の最大の利点です。
自分でいじるとしたらかなりいじり甲斐の有るフレームだと思います。
我儘な子ほど楽しめるってもんです!


ともあれ通常よりも時間増し増しにはなってしまいましたが、それでも予定より1日繰り上げにてお返しすることができました。

基本的に当店はご予約制をとらせていただておりますので、お預かりして1週間程度、終わり次第のご連絡。そこまでお時間をいただくことは基本的にございません。
お急ぎも出来る限り対応させていただきますのでお気軽にご相談下さい。

ということで今回はメリダ リアクト4000整備のお話でした。


最後に、、、リアクト4000はBB外さずしてケーブル交換は下手に手を出すと後悔するぞ!(笑
ということでした(;´Д`)


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