新型ULTEGRA R8000 変速系コンポーネントのインプレ

文字通り三日三晩かかってしまって何度組み直しことだか。。。
新しいコンポが出るたびにインナーケーブルの束とともに出費が、(´∀`;)
もうバルクパック買ったほうが安そうです。

ということでR8000の変速系のコンポにすべて換装し終えたところで平地少々、ローラー台、冬クライム(笑)と一通りこなしてきましたので新型アルテグラR8000インプレです。

▶R8000の調整のポイントは?

もう総まとめのようなお話ですが、

「R8000は新型のコンポーネントであり旧型と混ぜると濁るような気が、、、」

これが率直な感想です。

これともう一つ、

「6800を越えようとしない。」

これに尽きるかと思います。

どうしても新型が出ると新旧比較をしたくなってしまうものですが、6800を越えよう、越えようとするのはいまいちよくなかったということです。

R8000として良さを引き出して最高の状態を作り出す、これを目標に組み上げていくといいと思います。
※詳細は小出しに下の方に、、、(笑




▶ST-R8000 コントロールレバー

単体としての引きの軽さ、動きというものを実際に引いてみます。

やり方は簡単です。

①ケーブル類を一切つけないでコントロールレバー内のスプリングに強さ、内部構造の硬さを比較します。
ケーブルを何もつけない状態だとR8000のほうが若干重い、硬いです。
そしてシマノの提唱するクイックシフト、ショートストローク化もこの段階では差を感じることはできません。

②リアディレイラー接続時の引き
フレームに左右されないようにRDに直付けします。
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こうすればフレームに起因する引きの重さをすべて除外できます。

この段階でもR8000の方が引きが若干重たいです。

ものすごく微妙な差ですが、やはり重たいです。

というのは整備台上でのお話、
実際に走ってみないことには何も始まりません。

引きが重いということは全力であらゆる手段を使って6800の引きと同様レベルまで整備で持っていきます。この段階まで行って初めて実走です。

※FDも新型からフルアウター対応になっておりますのでこんなことができるようになっていますネ。


▶RD-R8000 リアディレイラー

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RD-6800とは少々調整方法が違います。

エンドアジャストボルトの設定から始まります。
(B軸スプリングがなくなったためBテンションアジャストボルトとは言わないのかもしれませんがようは同じような働きをする調整ボルト)
これは旧Bテンションアジャストボルトと同じですが、ここの調整次第ではチェーンの長さに影響が出るということですのでチェーンの長さの設定もきちんと見直す必要があります。

トップ&ローアジャストボルトの調整はトップ側はそこまで変わらないのですが、ロー側の調整が旧型よりも行いにくくなっている印象です。(シングルテンションの動きが完璧に頭のなかに入っていないと難しいです。。。いやダブルとは違うとわかっていてもついつい、、、

一番ロー側に入れてボルトをくるくる回しても以前のダブルテンションのモデルよりも反応が悪いです。ここの調整をしっかりしないとただでさえ具合の悪いシングルテンションの(笑 ロー側が更に具合が悪くなってしまいます。

ディレイラーを実際に手で押してあげてバッチリに合わせるのがいいと思います。

またRD6800の調整の面倒くさいところは結構なケーブルテンションでケーブルを固定しなければいけないためプライヤーでむんずと掴んで引っ張ってとかやっていたり、裏技でケーブルをビンビンに張っていたと思いますが、R8000のほうがケーブル張りが楽です。
6800ほどバンバンに張らなくとも大丈夫です。

RD-R8000の動きとするとやはりダブルテンションと比べて2つのスプリングで滑らかに動いていくRD-6800とくらべて一つのスプリング支える形になりますのでチェーンテンションがきつくなりがちです。
キツめのチェーンテンションとあの異常に高いガイドプーリーの相乗効果で細かな異音が出やすいです。特にアウターロー側の調整が肝になってきます。
より細かなケーブルアジャストが必要な印象です。

しかしケーブルのルートの変更がいいのか(どうかはわかりませんが)とにかく動きが軽いです。
これはレバーを6800を使ってもR8000を使ってもどちらでも結構軽い動きになります。


▶FD-R9100 フロントディレイラー

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熟成させていたFDを引っ張り出してきたわけですが、やはり本体の潤滑は肝です。

これと、ケーブルテンションです。
新型からはケーブルテンションのアジャストが本体に内蔵されているのでアジャスターは原則不要ですが、ここれはやはり従来型と同じように結構なテンションで張らないとFD本体のアジャスターでは引ききれなくなってしまいます。
アジャスターが足りなくなってしまうということです。

固定の際はトップロー調整ボルトをいじくり倒してみるとわかりますが、固定ポイントがパッカパカになるようにして固定をすると張りやすいです。
ケーブルを張り終えたら元に戻すのを忘れないように注意が必要です。

ギリギリの状態で固定してしまうと初期伸びが出ると途端に具合が悪くなってしまいます。
この新型のFDはケーブルがゆるい状態ではチェーン落ちのリスクが旧型以上に上がります。

しっかりとした調整後もケーブルの張り具合の確認はインジケーター的なものでできますのでこちらは初期伸びが落ち着くまでは定期的に確認しておいたほうがいいと思います。



▶FC-R8000 フロントクランク

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踏んだ感じで剛性感がバリバリ!そんなことを感じることはありませんでした。

とは言ってもフロント変速にかわかる動きはいいですネ。
新型のFDとの相性もいいみたいです。

あとは、、、かっこいいデス(●´ω`●)


▶CS-R8000 カセットスプロケット

発売当初シマノに確認したところCS-6800もCS-R8000も同じとの回答でしたが、よく見ると、、、

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※写真右は11-28TのCS-5800(6800の11-28Tが手元にありませんでしたので。)

なんだか見慣れない歯がCS-R8000にはあります。
最初欠けちゃったのかと思いましたが、このグレードを”こんな短い期間しか使用していないのにかけた。。。”なんて見たことありませんヨ。。。貧脚\(^o^)/バンザイ

拡大してみるとこんな感じです。

image70016

こんな歯は6800にはなかった気がしますが、実際に見てみると、

CS-6800の11-25Tの2番目と、CS-R8000の11-28Tの2番目の型番、Y1WG12000は同じものです。

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※左:CS-R8000 右:CS-6800  双方型番Y1WG12000

シマノに確認したところどちらも互換性ありで混ぜても問題ないとの公式の回答であったのですが、R8000になってからでたものと考えると思い当たるフシがあります。

おそらくシャドータイプの欠点というか苦手なところのチェーンテンションの落ちるインナートップ側の変速に関係してくる技術かと思われます。Di2でもR8050シャドータイプになってから”ギア位置の制御”と言うものがはいりました。。。
この苦手なところの変速性能の向上に使われているということが推測できます。

とは言っても実際に旧型でも不具合が出るかというとそんなこともありません。しかしモデルチェンジには理由がありそうな気もしないこともありますが、、、(´Д`;)ドウナンヨ...



▶肝心要のR8000系のインプレッション

最初の方にも書きましたが、
「6800とは別物」と考えたほうがいいです。

というのも、ワタクシが個人的にいじくり回した印象ですが、
「目指すところが違いすぎる。」
こう感じました。

6800の目指すところ、6800と比べて、、、そんな整備をしてはイマイチ、、、そんな感じです。

というのも6800とは調整方法が違うのもしかりですが、目指すところが違うような気がしてなりません。

R8000はあくまでも新型、新型に合わせたゴールを見据えて整備をしていくことが大切だと思います。

で実際のインプレですが、そこら辺をスルスル乗っているぐらいではよくわからないぐらいのものです。実際に山でも平知でもガンガン踏んでしっかりと回している時、しっかりとパワーをかけて乗っているときなんかは違いがわかりやすいですし、変化に気が付きやすいと思います。

①コントロールレバー
ショートストローク化によるクイックシフトは間違いなく効いています。

リアもフロントも6800では変速しなかったぐらいのレバー操作でも変速します。
逆に6800ではちょっと強めのレバー操作で1段シフトで収まっていた動きではR8000では2段変わってしまいます。体の感覚と交換後の新型レバーの操作がまた一致していないです。。。ということは激的な変化ではありませんが、ショートストローク化は間違いないと思います。

フロントは軽いといえば軽いですが、軽さよりもシフトのもたつきはちょっと減ったと思います。
軽い、、、軽いというかこれは以前も書きましたが、なんだか従来品と引きが変わったためなれるまでなんだか気持ち悪い感じです。


②各種レバー

ブラケットは細くなりましたが、レバーはいい感じです。

まずはブレーキ、ブラケットを握った際の効きが良くなっていると感じるのはレバー形状の変更が効いているのではと思います。

シフトレバー形状は大レバーはそこまで変わらないです。
微妙なところではありますが小レバーが大きくなったので下ハンを握ってのシフトアップがやりやすくなっています。


③変速
6800がぬるぬるシフトと言われていたのがR8000を触ってみると更に良くわかります。

R8000の方がシフトフィールが硬質ではっきりしています。

6800はクリック感も少なくぬるっと変わるようなイメージでした。
一方R8000はしっかりとクイック感、操作感があります。
パチッと変えてリアはスッと動きます。
カンカン変わるというかいつの間にか変速完了しているようなまさに無音変速的なちょっと不思議な感覚です。

厚手のグローブでも違いがわかるぐらいのクリック感に差があります。

変速スピードはフル6800ではフルR8000には勝てないかと思います。そのぐらい早く感じます。
6800も遅いと感じたことはありませんが、R8000はもっと早いです。。

整備台上ではそこまで感じない差も外を走ればすぐにわかります。

これはおそらくレバーのショートストローク化が効いているような印象です。
レバー操作が短くてすむため、変速完了までのスピードが速く感じるということも有ると思います。
これと合わせてガイドプーリーの長い歯がしっかりとチェーンを掴んでいるので変速にかかるリニア感というか、レスポンスが上がってくるのではないかと推測できます。

しかし少し前にも書きましたが、6800の様にヌルヌルシフトにしようと思うとうまくいかないです。
ガンガン踏んで、バッチバッチ正確に変わるように調整をしていくとものすごく気持ちよくバシバシ決まります。

フロント変速は早いですが、まだなれていないので気持ち悪いです。。。
そして例のチェーン落ちの恐怖心からまだ疑心暗鬼で限界での変速がいまいち遠慮ガチに、、、ということでもう少しだけお時間を下さいm(_ _)m


こんな上記の違いがありますのでしっかりとバシバシ超速でしっかりと変速していく新型コンポと、ヌルヌルスムーズな旧型コンポを混ぜて使ってしまうと新型コンポのいいところ、しっかりとしたフィーリングがぼやけてしまうような気がしました。

とは言っても今回はULTEGRAグレードでのMIX実証でしたのでアレですが、実は9000を混ぜたものを触らせてもらいましたが、そちらはいい感じの混ざり具合でしたヨ。

本当に好みの問題になってしまいますが、ヌルヌル(もちろんいい意味ですヨ)シフトが好きならば旧型、硬質なシフトが好きならなば新型、、、そんなイメージもありました。

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▶まとめ

Facebookの方には少々先行してお題に致しましたが、大幅モデルチェンジの第1世代目となる新型11速R9100から始まったR8000ですが、しっかりとシマノの技術力を感じることができました。

はっきりと言ってしまうと大幅なモデルチェンジ後はどちらかと言うと、アラが目立ったり、不具合があったり、、、そんな印象もありましたし、9000、6800の究極とも思しき最終形態モデルの出来の素晴らしさときたら芸術レベルとも思っておりました。
しかしおそらくこのままの形状ではこれ以上の進化は難しかったのかもしれません。ある意味煮詰まりきっていたのかもしれません。
そんな究極態のモデルからのある意味フルモデルチェンジ、これは従来型ではたどり着けなかったところへの挑戦であったり、これからの未来へのさらなる性能の向上を見越しても素晴らしいことだと思います。

まだまだ100%ということではないのかもしれませんが(まだまだ未熟な腕の問題も十二分に考えられます。)、これからもっともっと良くなるであろうシマノの挑戦を心待ちにしております。

新しいものを、新しい挑戦を否定するのは簡単です。
しかし新しい技術を取り込む日々の努力、それに合わせた技術を磨きちんと性能を引き出す。これはどんなメカニックとってはとても大切なことだと考えております。これができないとどんなにいい製品・技術が出たとしても、進化が停滞してしまいがちになります。またスポーツ自転車の乗り方、正しい変速であったりきちんと操作をするということはロードバイク乗りにとっても大切なことですネ。

ということでまだまだ乗り込んだわけではありませんが、一通りのコースを走ってみての初期インプレそんなお話でした。


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