BB90の構造 弱点からみる注意点

これはTREKの独自規格なのでしょうか。まぁTREK以外では見たことがないのでおそらくTREKのものでしょう。
最近流行りの圧入BBです。
rect5892

BB90というぐらいなので、シェル幅90mmデスネ、

構造はこうなります。

bb_standards_trek_bb90_exploded

https://wheelsmfg.com/bb90-tech-info より
上の図は旧型シール構造ですネ。

数ある圧入規格の中でも、圧入BB初期の頃にBB30という規格があります。
現行のモデルではあまりごく一部を除いてはBB30ってすくなくなったような。。。

まったくもって勝手な印象ですが、BB30を取り入れたメーカーはねじ切りに戻してみたり少々迷走気味なイメージが、、、(笑 
某S社とかモデルごとや同モデルでも規格が違ったりかなり複雑で扱っているショップの店員さんは大変だろうなぁと思いますヨ、(; ̄▽ ̄)ハハハ...

そもそもBB30の”30”ってID(Inner diameter:内径)が30mmだから”BB30”だったような気がするのですが(PF30もそうですネ)、いつしかBB86というものが出てシェル幅が86.5mmで。。。(゚△゚;)エッ??
そしてBB386!!m9( ゚Д゚) ドーン (30mmの86.5mm?)
各々好きなように(笑
しかし内径なんて24mmか30mmがほとんどなわけですので、幅にしてもらえるとわかりやすいのか、、、そうなるとBB30とPF30の区別とか。。。
仲良くやってもらえるといいんですけどネ。



圧入BBには大きく分けて2つの種類があります。
・フレームに直接ベアリングをぶち込むタイプ(BB30、BB90等)
・フレームにカップに入ったBBをぶち込むタイプ(PF30 、BB86等)
経験上カップ入りのほうが何かと不具合が少ない気がします。

で、少しずつですが今回の主役のBB90のお話に戻していきます。

構造のおさらいです。
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90mm幅のBBシェル(フレーム)にベアリングをぶち込むのでBB90です。IDは37mmという結構狭めです。

rect5894
BB386はカップ入りのベアリングを内径46mmのBBシェルに圧入します。
幅は86.5mmです。

rect5896
BB86はというとBB386とは違ってフレーム側のシャル内径が41mmです。
幅はBB386と同じです。

要は24mmシャフトだけではなく、30mmシャフトも使えるようにシェル内径を広げたものがBB386ということかと思います。(基本的な考え方としてシャフトが太くなればベアリングも大きくしなければいけないということです。)

シマノが唯一発売している圧入規格のBB86というものがありますが、24mmシマノのシャフト径に合わせた規格ということです。



でなんでこんなに各メーカーいろいろとやるのかということなんですが、、、
根本的な考え方はどこのメーカーも似たような思想です。

rect6188
大げさな図ですBBのベアリング間の距離です。

矢印はペダリング時に交互にかかる力の方向です。(本当はもっとねじれとか力がかかります。)
パッと見でベアリングの距離が広いほうが剛性が高いということがわかりやすいと思います。

基本的にはこの考え方でどのメーカーも左右のベアリング間の距離を遠くして剛性を出すということがあると考えられます。
圧入式ではないシマノのスレッド式(ねじ切り式)BBもフレームの外側にベアリングを配置する構造ですネ。フレーム側のシェル幅こそ広くは取れませんが、左右のベアリング間の距離は最大に広げることができます。


rect6290
これよりも更にフレームのBB周りの剛性を出すために、BBの幅をもっと広げよう!ということで出てきたのが前述している圧入式のBBということです。

ではなぜ圧入式と同じぐらいにシェル幅を広げためり込み式(?)のねじ切りBBを作らないのかということですが、、、
そこには大人の事情があるようです(笑
(↑ あくまでも勝手な想像ですm(__)m)


過去最長なぐらいの前置きの長さですネ。(´∀`;)

でBB90の構造 弱点からみる注意点ですネ。。。

BB90といえば圧倒的に多いのが、、、ノンドライブ側のベアリング死亡デス。
ところがどっこいまったくもって大丈夫なものは全然健康そのもののものもあります。
しかしだめなものはもう完全に死亡、クランクまでひどい状態のもあります。

その差はと言うと、”水”ででありうことが考えられます。
水分に弱い可能性が高いと考えられます。
雨の日に全く使わない方なんかはかなり状態がいいですが、雨の日も使ったり、また洗車なんかでも容赦なく。。。

ともあれ詳細を見てきましょう。

こちらはBB386 BHのG7 Proです。
IMAG3082

そしてこれがBB90規格のフレームです。
IMAG3083

BB90の構造はこうです。
rect5892

でBB386とか86とかはこうです。
rect5894
どこが悪いかを考えます。

そもそもベアリングがむき出しな事自体あまりいいことだとは思わないのですが。、それ以前に大きな問題があるように思えてしまいます。

rect6620
ここです。

フレームの左側(ノンドライブ側)デス。
最大限にシェル幅をとるためにフレームとツライチです。

IMAG3085
BB386と比べてみます。

IMAG3084
何が良くないのかおわかりでしょうか?

構造自体ちょっと疑問に思うところがあります。

rect7829

左:BB90 双方ノンドライブ側
(※旧型のシールはもっと簡易的なもの)

矢印が水の流れです。
ダウンチューブ(フレーム)を伝ってきた水分の流れが非常によくありません。
フレームつたってきた水分はBBの隙間へ流れクランク・BBの回転とともにシェル内部へ侵入します。

このちょっと出っ張りがあるかないかの差が大きいのだと考えられます。
というのもBB90では圧倒的にノンドライブ側のほうが寿命が短いです。
IMAG3083
ドライブ側はちょっとした出っ張りがあります。
これで水の流れが少しでも変わるのか、、、あくまでも結果からみた仮説です。

上の画像左のBB90の赤線がシールですが、これも大したシールドではありません。
樹脂製でベアリングにペチっとはめているだけです。
ここはシールドを強力にすればマビックなんかと一緒で回転が重くなります。シマノBBのようになりますネ。
更に言うとメーカーなんかは公式でグリスを入れて、という見解のようですがグリスだけでは力不足です。ベアリングの内輪とともに回る樹脂製のシールドの構造ではグリスだけで守りきることは少々荷が重いです。
結果的に貧弱なシールのせいで水分の侵入をいとも簡単に許してしまうということが考えられます。

右側(386)と比べてもらうとわかりやすいのですが、右側の方が構造的にはそこまで差がないように思われがちですが、圧倒的に違います。
同じ経路で水分が侵入したとしても構造上ベアリングに直接当たることがありません。
上の侵入経路だとカップ沿いに流れてベアリングが守れます。
このちょっとしたことが大きいとも考えれます。



BB90でダメージを受けたものを見ると大変興味深いです。

”ベアリングの車体向かって外側だけが錆びているわけではない。”ということです。
水の侵入経路を考えれば明らかにフレーム外側がダメージを受けそうですが、実は内側も同様に錆びているということです。またベアリング内輪(内側)も同様にサビがでています。

また内側だけではありません。
BBシェル、クランクシャフト、BB周りの金属はすべて錆びます。

ということからもベアリング外部に侵入した水分はクランクシャフトをつたって内部にまで侵入していくる。ということです。
普通はグリスをクランクシャフトに塗ってありますので、多少の水分であれば守れられているはずではありますが、実は微妙にあるBBとの隙間や摩擦によってグリスが減ってきた、油膜が切れてきたところから容赦なくサビが発生してしまうことが考えれます。

結果的にBB周り全てにサビが出てきてしまうということです。
特にBB回りの水分の侵入は非常に良くないことで最悪です。
シマノなんかはそういったことを重々に理解しているためにあの堅固なシールド性を誇るBBということなのだと思います。シマノのBBでシールをいじるのはシマノの利点を殺しているような。。。(笑

またTREKの設計思想がどういったものだかは不明ですが、BBシェルが緩かったりきつかったり、、、結構精度に開きがあるように思える事例をよく見かけます。

BB90でシェルが緩くベアリングが外れてしまう(下手したらクランクを抜くだけでベアリングがついてくるなんてこともあるようです。)、また圧入が手でできてしまう。。。これではゆるすぎます。
逆に反対側は超硬いとか。。。(´ε`;)ウーン… 

で、これとは別に、、、
カートリッジベアリングの取扱いも重要なわけです。
ロードバイクに使用するカートリッジベアリングは殆どがゴム製のシールのものです。
ベアリングのつけ外しですが、工具の種類によっては使用したらそのベアリングは二度と再利用ができなくなる工具もあります。
おそらくそれを使って抜いたんでしょう。。。ってシールがフニャフニャの物を再度圧入してあったものも見たことがあります。

内側だからシールが曲がっていても大丈夫、、、なんてことは前述のようにありません。
結果内側からのサビが異常に酷く、ベアリングが死亡です。

歪んだゴムシールはシールド性能の低下だけではなく抵抗にもなります。
ベアリングの取り外しの際だけではなく、ゴムシールの安易な付け外しでもシールは簡単に歪みます。

全く別にPF30でも遭遇したことがありますが、BBは外側からだけではなく内側からも同様にサビてきます。
ということはクランク等しかるべくところにしっかりとグリスを入れてあげたり、内側に水分の侵入を防ぐための処置は大切だと言うことです。

対策とすると、、、メーカー公式で
①ヅラグリスをしっかりと入れる
②頻繁な雨のライド後はクランクを外しグリスアップ
ということです。
これ以外はお店で独自のノウハウや方法をもっているところもあると思います。

こういった問題ってBBだけではありません。
どこどこのメーカーの、なになにのモデルはここが要注意とか。。。
今回のBB90がだめな規格ということではありませんが、弱点はどうしても出てしまうことがあるということです。
それが、”BB90は水に弱いということ、”であると考えています。

弱点とはうまく付き合っていく、これもまた楽しみでもありますしちょっと素敵な趣味を楽しむということにもなるかと思います。

それだってTREKほどの企業が未だにBB90を使い続けているということはこんなデメリット的なことよりもメリットの方が大きいと考えているからなのだと思いますヨ(≧∇≦)b
それでもシェルがユルユルとかはちょっと…(´∀`;)

ということで今回はBB90の構造 弱点からみる注意点、そんなお話でした。

BB90で1年以上とか状態を確認をしていなければ一度お店に見てもらった方がいい場合があります。
状態を見てもらうだけだったら高いことではないと思いますヨ(≧∇≦)b



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