某国製のそっくりカーボンハンドルを徹底的に分解してみる

巷ではちょっと不安のあるものを多々見かけることがございます。
はっきりと書いてしまいましょう!3Tとボントレガーのエアロタイプのハンドルは偽物・バッタモン、フェイク品、コピー品等言い方はいろいろあれどもよく見かけます。
怪しげな商品で万が一の時にベキッとでもなったら、、、危険です。
とは言っても自分で使用したことがないのでどこが弱くてどうなるのか、わからなければすべて絵空事である可能性も。

ということで先日お客様より貴重なサンプル、実測250gの3Tのエアロノヴァのそっくり品をいただきましたのでそれをムダにすること無く徹底的に分解してみようと思います。



▶破断まで
デザインはそっくり品ですが、あえての自社ロゴは自社製品を主張するためのものなのでしょうか。(笑)どのみちパクっ・・・

ともあれまずはぶっ壊してみます。

どの程度の力で壊れるのか?というところです。
本物よりも50g程度重いので重量の分頑丈なのでしょうか。
通常ではかかる方向の力のかけ方ではありませんが、この方向が一番力をかけやすいのでまずは頑張って壊してみます。


ちょっとベキッと言ったときのが怖くて遠慮がちでしたが、意外と硬そうなので更に体重をかけてフルパワーで3回目のチャレンジです。




破断しました。

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自分でやってみて思いましたが、カーボン製品は一度”ビキッ”とダメージが入ってから破断までは尋常じゃなく早いです。
ヒビが入るまでのしなりはアルミ以上にしなりますが、致命傷を負ってからは極端にもろくなる印象でした。
IMAG7640


これを落車に当てはめてみると、アルミハンドルは多少曲がっても走ることができるものは何本も見ておりますが、カーボンはヒビが入ったらまず走行は無理だと思います。
よく聞くお話ですが、実際にこう体験してみるとよくわかりました。


▶ステムクランプ部の強度は?
カーボンハンドルでステムクランプの締め付けがわからなくて怖い、締め付けが弱くてずれてしまう場合があります。
ということでこちらもがっちり締め付けてみました。

トルクレンチは10N/mに設定しました。


柔らかいからなのか精度の問題かは不明ですが、ステムのキャップが締め切るところまできてもピキッとかいう音をちょっとだけ奏でるだけで外見上はなんともなりませんでした。

7N/mぐらいまではトルク値が上がっていきますが、それ以上となるとクランプ部が歪んいくのか、潰れていくのか嫌な感じがして、トルク値が上がりづらくなります。

その感覚があるところがカーボン製品として限界の締め付けトルクなのではないかと思います。
限界締め付けというと語弊があるかもしれませんが、固定力と強度のバランスがMAXの状態かと思います。
コラムのときと同じような感覚です。

IMAG7637

IMAG7639

こちらは頂いた状態からついていた傷です。

外してみてみても若干の削れ、凹みはあるようには見えなくはありませんが、目に見えたダメージがあるかと言われれば無いと思います。

そもそも締め付けられることを想定している部分なのでいくら安物とは言え固めに作られていると考えられます。だいぶ重量も本家よりも重いですし。



▶分解してみる
これからが楽しいことです。
分解してみましょう。

分解、、、ぶった切るってことです。(笑)

①ステムクランプ部
IMAG7648

ど真ん中でぶった切りました。

IMAG7644

(*'ω'*)......ん?

( ^ω^)オッ!

IMAG7646

意外ときれいです(笑)

ステムのキャップの限界まで締め込んでみましたが、内部までのダメージは目視をする限りでは見られませんでした。

となると可能性の問題ですが、中華ハンドルでステムクランプ部がずれるのは
・締め付けが低い
・強度・剛性が低い
・精度が悪い
どれかかと思います。

ともあれ今回ぶった切ったものはここに関しては結構硬いように思えました。


②レバークランプ部
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いわゆるコントロールレバーの取付部です。

どまんなかあたりで切ってみました。
IMAG7649

Σ(゚д゚) エッ!?

(つд⊂)ゴシゴシ

(・_・)......ン?ッ

(つд⊂)ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ

なんか入っとります。。。(笑)

取り出してみました。

IMAG7653

ビニール袋の切れ端!m9(゚^∀^゚)゚。ギャーハッハッハッ!!
なぜに??(笑)


ー後日修正ー
コメントいただきありがとうございます。
何やらバルーンというものの燃え残り?溶け残り?燃えカス?ではないかということでした。
ということは下のもにょもにょもビニールの溶けたものってことでしょうか。

IMAG7651

そして反対側は強度のため?接着のため???
ボンドの塊のようなものがもりっとはいっておりますが(もりっと見えますが実は少量(笑))、そして左右も非常に大きい!(笑)
おそらくこんな適当な量入っていたとしても強化にはならないような気がするのですが、一体何なんでしょうか。
純正品も実はこの部分通りにくことがあります。純正品の中は見えませんが、なにかある可能性はあります。

IMAG7654

そして何よりこの均等ではない厚み、、、
厚みに差があり、薄いところは非常に薄いです。
クランプ部でこの薄さはちょっと。

上のステムクランプ部と比べてみれば一目瞭然です。
IMAG7646
参考までにこちらはステムクランプ部、

だいぶ雑な感じが見えてきました(笑)


③ケーブル内装部
何を隠そう負荷をかけて破断した部分です。
このハンドルの最弱の部分かと思います。
IMAG7661

こちらはと言うと、、、

IMAG7663
IMAG7665

全体的に薄いです。

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とくに内側が薄いです。
それでもレバークランプ部に比べて変なものは内装されておりませんし(笑)、内部も比較的きれいにできていると思いました。

IMAG7665
それでもやはりこの薄さは少々怖く思えてしまいます。

このハンドルのショルダー部分、負荷をかけて一番最初に折れたところ、作りも複雑な部分ですのでやはりここがウィークポイントになりそうです。



▶まとめ
今回のいただきものではこんな感じでしたが、何が怖いって多分他の製品で試したらまたちょっと違う結果になるということが全然あり得るということです。
外見上はそっくりでも中身までどうなっているかはわかりませんから。

そう、これこそが本質であって怖いところは、カーボン製のハンドルは粗悪品も明らかに剛性の足りていないものがあったとしても、外見からでは判別ができないということです。

今回の様に切断してみればこの製品のこうなっていた。ということはわかりましたが全く同じような製品でも同じカーボンの使い方(同じ品質)をしているかと言われれば、、、疑問は残ります。

きちんとしたメーカー品は少なからずどれを切ったとしても同じ結果になるはずです。
それなりのお値段がしますが、それなりのお値段がするということはそれなりにきちんとした品質の証であるということです。
(少なくともハンドル内にゴミは入っていないと思います。)

それと実際の本物との違いも、本物を分解したことがないので不明です。
流石に5万円超の製品をぶった切るのはさすがに、、、(; ̄▽ ̄)ハハハ...

ともあれ今回の実験では少なくともカーボン製品(ハンドル)はダメージを受けると極端にもろくなる。ということでした。カーボンの特性かとは思います。

これが目に見える部分であればまだわかりやすくていいのかもしれませんが、内側であったり目に見えない部分にダメージでもあったりしたらと考えるとやはり怖いものです。


ということで今回は某国製のそっくりカーボンハンドルを徹底的に分解してみた、そんなお話でした。

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