リアディレイラーのスラント角のお話

リアディレイラーには様々な設計のものがあります。
そしてその設計に合わせてシマノも公式で各種数値に設定があります。

RD-R8000の場合、
キャプチssャ
こういうものです。

はっきり言ってしまうと実はこの最大スプロケットとかキャパを超えても動かないことはない場合が多いです。
しかし全然おすすめはしませんし、やめたほうがいいです。
何故かと言うと、、、今回は以前ご質問をいただいておりましたので、そのなかでもリアディレイラーのスラント角についてのお話を作成してみようと思います。



▶スラント角とは?
そもそもスラント角とはなんぞやというと、、、
リアディレイラーの決められた動き(行き来する道のようもの)の角度です。

これだけでは分かりづらいので絵に書いてみます。

カセットスプロケットです。
rect4442
スプロケは丁数によって複数の歯からなりますが、刃の角度(上の図のうろのついている角度)が違います。

当然ロー側が大きいほうが角度が鋭くなります。
いわゆるワイドレシオ(レンジ)のカセットスプロケットのほうが角度が鋭くなるということです。

逆にクロスレシオ、ロー側が小さくトップとの歯数差が少ないほうが角度が大きくなります。

このスプロケットの歯の角度がミソです。


このスプロケットの角度に対してのディレイラーの斜めの動きの角度をスラント角といいます。

rect5069
感のいい方はお気づきかと思いますがスプロケの歯数(歯の大きさ)によって使い分けるSSとGS、違いはケージの長さだけではありません。

このスラント角が違います。



▶スラント角の違いが及ぼす影響
の前にまず大前提として、ガイドプーリーとスプロケはできるだけ近いほうがシフトレスポンスが良いですが、離しすぎると変速不良の原因となります。しかし近すぎてもごろつき、異音が出やすかったり、更に近づければチェーンづまりを起こしてしまいます。
最低限どのギア位置でもチェーンつまりだけは絶対に起こさないように調整する必要があります。

というのをふまえて本題です。

SSとGSのスラント角の違いのイメージです。
rect5745
※本当のスラント角ではなく説明用の図です。

カセットスプロケットの角度に追従するようにスラント角は決められております。
これがSSとGSの大きな差でです。

ではなぜこれがきちんと推奨を守らないと悪いのか?ということですが、簡単に言ってしまうとシフトのレスポンスが落ちる可能性が高く、調整ではどうにもならないチェーンづまりを起こす可能性もあるということです。

それはスラント角の設計上非推奨の組み合わせはガイドプーリーとカセットスプロケットの歯が離れすぎるからであったり、逆に近すぎることが起こり得るからです。

図で見るとわかりやすいかと思います。

rect6093
こちら例えばSSでロー側で許容範囲を超えて大きな歯を入れた場合です。

基本的にどのギア位置(トップ・ロー)でもチェーンづまりを起こさないように調整します(エンドアジャスト or Bテンション)
32T(ロー側)でギリギリチェーン詰まりを起こさない位置に調整をするとトップ側でガイドプーリーとスプロケ間の距離が離れすぎてしまいます。(オレンジ色の丸)

逆にGSです。

rect6093-6



GSの様にリア側で大きな歯を使う場合はスラント角は大きな歯にあわせてロー側でもチェーンがつまることがないスラント角になっております。

SSと反対にトップ側のチェーンづまりが起こるのを防がないといけないため、エンドアジャストボルト(Bテンションアジャストボルト)でギアを離していきます。
するとロー側でスプロケとガイドプーリー間の距離が開きすぎてしまいます。

逆にロー側をギリギリに合わせればトップ側でチェーンがつまります。

シマノの推奨値以上の組み合わせをしてしまうとスラント角の影響から、プーリー・スプロケ間の距離が増えすぎることで変速性能を担保できない、また近すぎることでチェーン詰まりを起こす可能性がある、というのが主な理由であり、それこそがスラント角による影響ですす。

※説明のためにわかりやすくしておりますので実際の動きとは若干の違いがあることもあるかと思いますが、理解しやすくするためとご理解いただけると幸いです。


▶許容範囲外でも動く
というのが教科書的なお話であって、実は結構許容範囲を超えても動かすことはできます。
できるんです。(特にダブルテンションは調整もしやすい。)

シフトレスポンスも悪くないし!という場合もあると思います。
たまたまだと思います。
それがすべての自転車に当てはまるかというと、多分それは無理なことです。
そしておそらくきちんとした組み合わせであればもっと変速が良くなるかもしれません。

しかしです、長続きすると思ったらその限りではありません。

例えば2つ例をあげてみます。
①チェーン
伸びればシフトレスポンスが落ちますが、この許容範囲を超えれば超えるだけ伸びの影響を受けやすくなります。
チェーンの伸びは遊びの増加です。

遊びが増えればプーリー・スプロケ間の距離の影響によるシフトレスポンス低下が顕著に合わられます。

②プーリー
プーリーの摩耗も影響を及ぼします。スプロケが摩耗することでもチェーンを掴む力が弱くなりますので、シフトが悪くなりがちです。

もちろんこれらだけではありませんがこういったことを考えると、シマノの推奨意外の組み合わせでつかうということは、変速性能を低下させる様々な可能性、要因を自ら作り出すようなことということです。



▶まとめ
実際の影響としてはチェーン詰まりの起こりやすい新型のシングルテンションのリアディレイラーのほうが影響が大きいように思えます。

実際に付けてみて、なんとか動いた、変速はできた。これとシマノが推奨するきちんと変速すること、これはまたちょっと別のお話だということです。

個人的な感想ですと、新型のR8000のリアディレイラー(SS)はやはりトップ側の変速がきちんと調整しないと動きが鈍くなりがちだと思いました。ロー側30Tまで対応しておりますので、スラント角が従来品よりも小さくなっているからではないかと思います。
またスプロケも6800時代に密かにマイナーチェンジが入っておりますのはより良い変速のためでしょう。

ともあれシマノの細かな技術、すごいです。

まとめですが、R8000のリアディレイラーであれば最大ロースプロケットで
SS:25~30T
GS:28~34T
これらの範囲内で使用するということです。

ということで今回はリアディレイラーのスラント角のお話、そんなお話でした。



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