軽量クイックリリースの固定力は本当に弱いのか?原因を考察

軽量化も進みすぎると1,000円/1g、10,000円/1gなどと言われることもある恐ろしい事態に、、、ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
その中でもクイックリリース(シマノはクイック”レリーズ”と表記)は高くても1万円程度の出費で80g前後の軽量化が簡単にできてしまうアイテムです。
つまり軽量化としてもコスパはかなり良い方ということです。

ワタクシも富士ヒルの際に使用しておりました。

しかしです( ゚д゚ )クワッ!!

いいことばかりではありません。
世間一般では軽量クイックの固定力は弱いというのが通説となっているようです。

ワタクシの経験上ではいわゆる絶対的な信頼性のシマノクイックよりも固定力は弱いです。

ではなぜ固定力が弱いのか、
実際にどんなトラブルが起きるのか、
そんなところのお話にしてみようと思います。

※もちろんこういったことは乗り手の体重だけではなく、パワーや乗り方、またフレームなどでも差が出てくることが多々多々多々タタタタタタタタ・・・あります。



▶なぜ固定力が弱いのか?
①カム構造
上のリンクの記事でもご紹介させていただきましたがおさらい程度に。

カム受けの材質の違いでも差が出てきます。
カム受けの材質は樹脂製であることのメリットはやはり実際にレバーを倒すとき、締め付けるときの抵抗は樹脂製の方がなめらかだと思いました。
しかしです。
樹脂ではグイッと締め付ける強力な力に押されてしまい、カム受けが潰れたり割れてしまう、結果的に固定が弱くなってしまうということがあります。

これとともに開放型のカムはやはり外的要因を受けやすいです。
締め付けのときに摩擦抵抗が大きくなってしまうと、実際にレバーを倒す力と固定する力は少なからずイコールに近くなりたいところですが、摩擦によってレバーを倒す力と固定力に差が出てしまいます。(レバーは硬くても、十分な固定力とは言えない場合があります。)
ボルトを締めるときにグリスを塗るのは腐食・サビ防止だけではなくてこれと似たようなイメージですが、いわゆる安定した軸力をかけるためです。

ではボルトのようにグリスを塗ってあげれば解決、、、ということではありませんでした。

開放型のカムで外側にグリスを塗るということは雨で流れることなども考慮して量、種類等を検討するわけですが、やはり固定ポイントにグリスというのはあまり好ましくありません。
結果的にごく少量の流れ落ちにくい硬めのグリスを使用しましたがあまりよくありませんでした。

また開放型のカムは固着等の問題も起きやすいです。
しばらく放置して開けようとしたときにはバッキーンッ!といい音を立てたりするものを時々見かけます。ということは少なからず固着をしていた可能性もあります。

職業柄ものすごい数のクイックを触ってきておりますが、やはりトラブルがくすないのは圧倒的に密閉カムであり大手ホイールメーカーの純正品の安定感は不安が一切ありません。
やはりホイールの主要3台メーカーが密閉式のカムを採用するのには理由があるとも考えられます。

②シャフト径
シャフト径にも若干の差があります。
image4166

左から
DURA-ACE:4.8mm
TOKEN HERO:4.3mm(シャフトセンターはY時のため円柱状の部分で計測)
EVOホイール付属品:4.2mm
です。

シャフト径とホイール側穴径の差が固定力に差を生んでいるのではないかとも考えられなくはありません。
果たしてこれがシャフト系との遊びの大きさのせいなのか、それともシャフトの径や素材による剛性の差なのかはまだ勉強中とさせてくださいm(_ _)m

それでもシャフト系が細いクイックを固定するときに遊びが大きいと固定にも不安があります。

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シャフト径が太いシマノクイックのほうが遊びが少ないです。

細いシャフトでは遊びが大きくなる傾向にあります。
これと上記の固定力の関係で高負荷時に不具合の発生の可能性が高くなっているのではないかとも考えられます。


▶実際にどんなトラブルが起きるのか?
固定力が弱いからと言ってホイールが外れてしまうなんてことはありませんし、ホイールが取れて飛んでってしまう事はそうそうあるわけではありません。(怪しげな商品はよくわかりませんが、一応名の通ったメーカー品であれば、ということです。)特に前輪は脱落防止の出っ張りがあるため、万が一クイックレバーが空いてしまっても緩めないと外れ落ちることは起こりづらい構造になっています。
リアはレバーを開けて持ち上げるだけで抜けてしまいます。(ギア位置にもよりますが、、、)

では実際にということですが、もうこれはズバリで”音”(異音)です。
異音が発生するようになります。

クイックからの異音は判別がなかなか難しいです。
というのもBBでも当てはまりますが、負担が大きい高負荷のときしかでないという場合もあるからです。
高負荷のときにしかでないとなると少々厄介です。

ペダリングに合わせて発生する場合は、特に駆動系を疑いがちです。

どのような音が発生するかというと、、、それはホイールの構造でも違いますし、フレームの材質にもよって変わります。
カーボンの場合は金属音は出にくく、嫌な音がします。
なんというか、ピシッ、とかパキッとかクラックでも入ってしまったのではないかとちょっと不安になるような嫌な音の場合もあります。
ペキペキ、ポキポキ、コキコキです。

ともあれ音が出ているということをそのまま放置してもいいことはありませんので、もしも音鳴りが発生してしまった場合は対処する必要があります。


▶軽量クイックの固定力は弱いのか?
はっきり言ってしまうと弱いと感じます。
(※同じ力でレバーを倒したとき)
ワタクシ自身で使ってみた軽量クイックはシマノのクイックと同じぐらいの力で締めても確実に固定力は低いです。
というのも2点あります。

①異音の発生しやすいさ
上記異音の発生しやすさを考慮しても軽量クイックは音が出やすいです。
先日導入したTOKENでカム受けが金属のものでも若干の音は出始めてしまいました。
パワーをかなり上げて走行したり、スプリントをした後、また路面の荒いところを走行したり、、、そんなことでも音が出始めたりすることが多いように思えます。
IMAG8591
樹脂製よりも剛性のある金属製のカム受けもある程度の削れ(摩耗)が見られます(少量のグリスを使用していました。)

前述のように軽量だから、ということにより影響よりも開放カムの影響とも考えれれます。
密閉型のシマノ、カンパ、マビックのクイックでは殆ど見ない症状です。

②ハブの玉あたり
またハブの玉あたり調整ができるホイールで締め付け確認をしてみると一目瞭然です。
同じぐらいの力でレバーを倒しこんでもやはり軽量クイックのほうが軒並み玉あたりがきつくなりづらいです。
シマノクイックでちょうどいいように調整したものを軽量クイックで締め付けるとガタが出ることは多々ありますし、逆に軽量クイックでちょうどよく調整したものはシマノのクイックだと渋くなります。

この2点からも固定力に差が出ているとも言わざるを得ないということです。



▶まとめ
軽量クイックは簡単に軽量化のできるアイテムです。

しかしシマノはDURA-ACEグレードまであのガッチリとした作りで作っています。

ツールの機材を見ても軽量クイックはほとんど見かけません。
(6.8kgルールの影響も考えられなくはありませんが、)

それは安定した固定力を得るため、また安全性の重視なのか、また回転体の中心部の軽量化と安全性のバランスなのか、、、何が答えなのかは不明ですが、ある意味DURA-ACEのクイックリリースはシマノの一つの答えなのかもしれません。

何を選ぶか、何を使用するかどうかは自転車の使い方で選ぶのがいいと思います。

ということで今回は軽量クイックリリースの固定力は本当に弱いのか?原因を考察、そんなお話でした。



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