FTP計測後 パワトレを始める前の確認事項(AeTについて)

FTP計測のお話の続きです。


前回のお話を読まれていない場合はまずは上記リンクよりご確認をお願いいたします。m(_ _)m

そして自分のFTPはわかった!・・・orz...
でその次は・・・どうすれば?
という方も多いのではないでしょうか。。。

せっかくパワーメーターを手に入れてFTPも計測したのに、実際に走行してパワーが出た、出ないで乁( ˙ω˙ 乁)ウェーイしているだけでは勿体ないです。

ということで今回はFTP計測後 パワトレを始める前の確認事項(AeTについて)、そんなお話にしてみようと思います。



いつものように難しいお話は専門書を読んで勉強するしかないのですが、こういったスポーツトレーニング系のお話も年々新しい説が出てくることが非常に多いものです。まだまだワタクシ自身日々勉強のみでありますこと、ご理解の上お読みいただけると幸いですm(_ _)m

FTP測定後、しばらく走って記録されたパワー値を分析すると自分の得意なところや苦手なところがわかってきます。
例えば、
・最大値は高いが長続きしない。
・最大値は低いが一定の出力の持続が長い。
等、このようなこともパワーメーターがあれば丸わかりです。
(正確には”あれば”ではなくてデータを取れば、です。)

これらを利用して目標に向かって、得意なところや苦手なところを目的・目標に合わせて強化するということこそ、パワーメーターを用いたトレーニングこそいわゆる「パワトレ」ということです。

我らがサイクリスト・トレーニング・バイブルでは特有の弱点のことを「リミッター(制限要素)」と読んで、「鎖の弱い継ぎ目」と表しております。この弱点を強化することで結果はすぐに改善する、ともあります。
ワタクシ自身の経験上、得意な練習はやりやすいですし気が乗りますが、逆に得意としない分野のトレーニング(たとえば短時間高出力)は、、、苦手ですしキツイです。
それでもこの制限要素がぶら下がっていては全体として伸び悩みが起きる、すなわちリミッターであり足かせのようになってしまうということです。ということで苦手分野もしっかりと鍛えないといけないというお話です。。。

またトレーニングをするに当たって目標を持つことはモチベーション維持のためだけではなく、目的・目標は?というところからどうなりたいのか?これを明確な目標として持つことは非常に大切なことです。

ということではありますが、何とってもまず大切なのはベースであり土台です。
小さな土台に大きな家を建てることは危険を多く伴うことになります。

という前置きはここらへんで、今回はパワートレーニングをするにあたり基礎的なお話です。


▶有酸素持久力の土台とは
特に初心者の方の場合はまずこの土台であり、ベース、いわゆる基礎体力があるかどうかの確認です。
※ちなみにこのベースが低い場合はFTP値がかなり低く出るような印象があります。

まったくもっても個人的な印象というか経験的なお話ですが、パワートレーニングを全くしていなかった人がパワトレを開始して急激に伸びる場合があります。
それはもちろん個々に才能があったとか、適正が、ということもありますが、この土台の有無(大きさ)でも大きく変わってくるものだと考えております。
それだけ土台というものは、今後のトレーニング成果に対しての成長に影響を与えると考えられます。

この土台についてのお話です。

まずはこの言葉の説明からです。
有酸素性作業閾値:AeT(Aerobic Threshold)
これは運動強度を表す言葉で「中程度と感じる強度、呼吸がわずかに早くなる」というレベルです。
FTP%だと55~75%、上級者で65~75%程度で、いわゆるパワートレーニングゾーンではL2の領域ぐらいということで、このレベル(強度)での体の反応がとても大切で有酸素系の能力の判断材料になります。

有酸素系の体力の高さはなぜ重要になるかと言うと、ものすごく簡単に書くと体力を温存できるから、ということです。
これはレースだけではなくて、一般的なグループライドでも当てはまります。
上りで離されてしまうのはなぜか?それは単純に絶対的なパワーが足りないということもありますが、パワーの温存ができていない、ということもあります。それが基礎的な持久力である土台というものの存在です。

もっと簡単に書くと、ちょっと呼吸が上がる程度の同強度で走っているのに、どんどん疲れてくる人と、そこまで疲れないで走り続けられる人の違いはというと、この土台の違いです。
これはおそらくエコノミー(スキルやエネルギー効率)なども関係してくるとは思いますが、もっと根本的な土台、体力の問題もあるということです。この土台はとても大切で土台がしっかりとできてくると同じコースのタイムも縮まってくるということです。

トレーニングに関してもです。
基礎的な体力が不足しているということは、これからトレーニングをしようとするメニューができない、こなせないことにもなってしまいます。
強度が上がらないトレーニングは効果が十分に得られません。

ではどのようにしてこの基礎があるかどうかを確認をするか、というと計測したFTP値と心拍計(センサー)が必要になります。

例えばですが、今回はFTPが230Wで考えてみます。
キャプチsャ
AeTとはおおよそ、L2領域ですので、129~173Wで走っている場合です。

判断材料となるのはこのAeT強度で走っている際の体の変化で、持久系能力の土台を確認することができます。
それがカーディアック・ドリフトという現象です。これは同じパワーを維持しているのに心拍数が上昇する現象です。最近ではAerobic decoupling(エアロビック・デカップリング)と言う言葉を聞きますが、こちらも似たようなことで、パワーと心拍数の関係を表すような言葉です。
AeT強度(いわゆる低強度)での走行でこのカーディアック・ドリフト(エアロビック・デカップリング)は最小限(5%以内)に抑えられているか?これを確認することで、前述の有酸素持久力の土台の状態がわかるということです。
有酸素能力が十分なレベルにある場合は最小限に抑えられます。

測定はAeTパワー(L2前後)で走行して前半と後半でのカーディアック・ドリフトの推移を比べるというものです。
AeT強度走行
前半:平均パワー÷平均心拍数=a
後半:平均パワー÷平均心拍数=b
結果のaとbの差が5%未満であればカーディアック・ドリフトが起きづらい、有酸素持久力がある。ということになるということです。
計算ツールが下記のじてトレさんのページにありますので、計算は数値を入力してポチポチです。


初心者の場合は、1時間以下でも十分なのではないかと思います。
ともあれまずは「基礎期のはじめはAeTでの走行を20~30分から初め、週毎に増やしていく」とありますのでまずは1時間以下、ということでも良いかと思います。
強度はL2ですので、FTPテストに比べたら強度も低くぜんぜん楽だと思います。
(というのを実際に試そうと思って実走で行ったところ、大失敗!信号やら何やらでパワー値はばらつきが激しかったです。やはり環境をしっかり選ぶ、もしくはローラー台が良いかと思います。)

ロードレースを目標とする場合は、実際のレースの時間に合わせて練習するとよい、ということです。

ということでパワトレの前段階として、まずはこのAeT領域での走行で有酸素持久力の土台を確認して、土台がなければまずは土台作りから始めるということです。

そして結果が不十分な場合はAeT領域での走行20~30分走を週2回のトレーニングで徐々に長くしていき、最終的にはカーディアック・ドリフトが少ない状態(5%未満)を2時間~を保てることで十分な体力がついたということです。
この状態になると同じ強度で走ってもこれまで以上に速く走れるようになっている、ということです。

逆に十分な基礎がなく土台が弱い場合はトレーニングの強度を上げられない状態で、強度が上げられないと目的に合わせたトレーニングが行えない場合も出てきます。
と感の言い方はお気づきかと思いますが、このL2という強度こそが、”耐久走”という強度です。
この強度でのトレーニングは持久力のベースを鍛える、心筋の発達、ミトコンドリア量増加、筋肉内の毛細血管の発達促進等の役割がありハードな練習に耐えれる土台をつくる強度、ということになります。

このトレーニング強度、というものが土台作りの基本であり、いわゆる耐久走(LSDペース)ということになります。



というのはパワトレを始める前のAeT領域でのベース作りというものです。
しかし最近では以前ご紹介させていただきました、このようなお話もあります。



すべてがランと同じということではないと思いますが、ロード世界でも最近では冬場でもLSDよりも高強度という流れに変わってきているというお話も聞きます。

なにが良いかは結果次第、そして個々に合ったトレーニングこそが最良の方法かと思います。

その現在行っているトレーニングが合っているか否か、その確認のためにも定期的なFTP測定で結果を確認していくことが大切だと考えて、ワタクシ自身も毎月、というか2週間ごとぐらいに計測をしております。そして中長期的に見て伸びが止まってしまったときは、、、頭を使う時かと思います。

ともあれ今回はFTP計測をしたあと、パワトレを始める前に基礎的な持久力の確認、AeT領域でのカーディアック・ドリフトを確認し土台となる持久力の確認をする。そんなお話でした。

※ワタクシ自身まだまだ日々勉強中の身ですので間違い等あった場合はごめんなさい。訂正させていただきますm(_ _)m

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