重いホイールからちょっと重いホイールに変えるとどうなるのか?

前回のお話はこちらです。


こちらの続きです。

前回のお話で軽量ホイール→重量級のホイールの変更では、全然進まないわけではないけれども、速く走ろうとすればやはり影響も大きくまさに翼をもがれ~る♪ということを実感したわけです。

そして今回はいわゆる鉄下駄レベルの3kgのホイールから一気に、、、というのは少々難易度が高いと思いますので、重量級ホイールよりも、ちょっとだけ軽いホイールにするとどうなるのか?
つまりヘビー級の超重いホイールからちょっとだけ重めのホイールに変えるとどうなるのか?そんなお話にしてみようと思います。

※また例のごとくワタクシが感じた”体感”というところのお話となりますことご了承願いますm(_ _)m



▶お次はこいつダッ!
IMAG1906
引きで見るとなんだかよくわからないぐらいの地味ホイールです(笑)

こちら過去、シマノの名作 RS21です。
カタログスペックは、
フロント:820g(21mm)
リア:1030g(24mm)
合計:1850g

現在ではもうカタログ落ちとなってしまいましたが、15c幅でオフセットリムを用いた癖のないホイールでした。
滅茶苦茶軽いとか、すごい組み方とか、目立っていいところがあるというよりも、シマノらしい素直で悪い意味ではなく普通で堅実なホイールといった感じだったと記憶しております。。

RS21はカタログ重量を見てみればおわかりかと思いますが、いわゆるミドル級(1600g前後)のゾンダ、レー3、キシなどのホイールよりも一段階重い分類です。

今回RS21はちょっとだけドーピングを施します。

タイヤだけ軽量タイヤを使いました。
Panaracer RACE A EVO4 TLC 215gです。
TLCですが、ご存じの方も多いかと思いますが止事無き事情によりチューブを入れて使用致します。
チューブはちょっとだけ軽め(だと思う)程度のそこら辺に落っこちていたチューブです。(笑)

そして計測です。
IMAG1908-COLLAGE
SHIMANO RS21
フロント:1125g
リア:1422g(1691gスプロケ込)
合計:2547g
※スプロケ、クイックリリース含まず

ちなみに前回の激重ホイールはというと、、、

キャプチャ
GIANT PA2
フロント:1305g
リア:1620g(1889g)
※CS-R800011-30T 269gを実測値より引き 
合計:2925g!
※スプロケ、クイックリリース含まず

その差は378gです。
片輪あたり189g、この重量差たったの378gといえるのでしょうか?

▶実走!
早速乗ってきました。

カーボンTLRホイールに比べてもRS21も全然重いです。
重いのですが、前回のPA2比べて遥かにイイ感触です。

PA2は2日間に渡り合計140kmぐらい走ったのですが、2日目に至っては開始10km位で本気で帰りたかったです(笑)それでもなんとか帰りの最後の方はなんとなく回し方がわかってきたような感じでした。。。が体が痛いです。
そのPA2からRS21に変えて走ってみた感想です。

楽しい!楽しいゾ♪


というのが率直な感想です。

結果:
スタート
PA2よりも軽い気がする

速度を上げる
重いけど速度が上げられる

上り
重いけど普通に進む

要は全域に渡りパワーアップです。

はっきり言います。
全然違います。

RS21も決して軽いホイールでは有りませんが、PA2よりも遥かに進みます。
鉄下駄から普通に靴に履き替えたような感じです。
ということでその原因を推測してみます。

▶走りの重さの原因は?
ばらしていないので詳細は不明ではありますが、おそらくPA2のハブはそこまで重くないです。(シールドベアリング仕様)比べてRS21のハブはカップアンドコーンで少々重めに思えます。回してみるとわかりますが、明らかにPA2の方が外周が重く感じます。
ということで仮にハブが同じような重量だったとして378g分の増量はというと、タイヤとリム周りにごっそりと乗ることになると推測できます。

まずはリムからですが、リム高の違い(PA2は40mm?)でPA2のほうがホイール外周部(リム+タイヤ)は確実に重いです。

タイヤです。
RS21は軽量タイヤの影響もあり片輪あたり
PA2(GAVIA):330g+シーラント30g 360g
RS21(RACEA TLC):215g+チューブ75g 290g
タイヤだけで70gの差が出ます。

単純にハブが同等程度の重さと考えると、110g程度リムが重い計算となります。
このホイール外周部の重量増の影響からあの走りの重さを感じていたと推測できます。

▶リムハイトの高さと巡航速度
今回の実験で一番驚いたところです。
PA2はエアロ系の40mmハイトのセミディープのホイールです。エアロロードのプロペルについているぐらいのものです。比べてRS21は21mmと24mmいわゆるローハイトモデルです。
エアロ性能ではPA2のほうが多少重くてもリムハイトが高いほうが有利なような気がしてしまいます。というは実際に体感してみるまではリムハイトが高いほうが有利かと想像していました。

しかしです。
実際にRS21と比べてみるとその差は歴然でした。
エアロ効果の影響が最も大きいと思われる、高速巡航(それでも重すぎ+貧脚もあって軒並み35km/h前後ぐらいでした。。。)時でもRS21のほうが全然速かったということです。

カーボンディープ等で絶対的な重量が軽い物同士、前後で100g(片輪50g)程度の重量差のあるものの比較であればエアロ性能の影響を感じられるかとは思いますが、今回のように一定以上の重さになってしまうと、空気抵抗云々の前に重量的な要因の方が色濃く出てしまいエアロ性能の比較を体感することは難しいと感じた、ということした。
正確に言えば差はあるのかも知れませんが、そのヘビー級の重さで曇ってしまいエアロ性能は見えなくなってしまうということだと感じました。

ということで今回はワタクシのパワーの低さも相まって、リムハイトの高さによる空力的な影響よりも重量の影響の方が大きかった。というのが今回 体で感じたところでした。

ということで残念ながら、PA2では高速域だけではなく全域に渡り、そしてすべてのシュチエーションにおいてRS21のほうが確実に速いということになりました。


▶比較ではなくRS21の存在意義
前項までは比較のお話でしたが、RS21のお話です。
前回のお話でも感じましたが、ある程度のリム重量がある方が速度が落ちづらいというのはRS21でも十分に感じました。
そしてその重さからおそらく頑丈であると、気持ち的な要因で安心感が有ります。おそらく簡単には壊れないでしょうし、壊れても10万円のホイールを壊すよりかは心のダメージが少ないと思います。

となるとやはりレースでタイムを競ったり、ブルベで長い距離を走ったりする場合はもう少し軽いホイールのほうが良いかと思いますが、普段使い、例えば通勤とか多少荒く使うことを考えるとこう言ったホイールは選択肢として全然有りなのではないかと思います。

この感想はやはりPA2 のときに感じたものと同様でした。



▶まとめ
ホイール外周部の重量の影響はその他のパーツの2倍の効果とも言われています。
しかし今回実際に体感してみてのお話ですが、2倍どころではない。。。ということでした。(今回はタイム云々のお話ではなくて体が感じる軽さや、速度、体感的なお話です。)
今回の増量分378gがマルっとリムにのっかったとします。(もっとかも知れませんが、)前述のことをふまえてその他のパーツだと2倍と考えるとフレームに(378g×2)756g分の増量ということになります。750g程度であればボトルをもう一本増量する程度のお話です。

しかしです。
はっきり言うとボトル一本、2倍の差どころのお話では有りません。
PA2を履いて走るのか、ボトルを一本増量してRS21で走るのどちらを選ぶと言われたら、確実にRS21を選びます。
そのぐらい明確な差を感じます。

ホイール外周部の重さの影響は想像以上に大きい、また体が感じる重さは200g程度でも十分に感じる事ができる、というのが素直な感想です。

ではPA2ではどのように走れば、、、ということですが、答えは自ずと見えてきます。
まずは330gのGAVIAとシーラントを抜いて、軽量タイヤに変える。これだけでも幾分良くなると思います。

もっと確実な効果を求めるのであれば、見た目は捨てます。40mmもあれば結構迫力もありかっこいいですが、この際エアロ系の見た目は諦め走りに振ると考えてゾンダやレー3+軽量タイヤに変える。これだけでも羽が生えたように軽くなると思います。

今回の実験からも実際のところ、プロペルの完成車だけではなく、各社エアロロードの完組は超重いホイール+タイヤを付けるのであれば、リムハイトが低くて少しでも軽いホイールを履かせたほうが速く走れるのではないかと考えてしまいます。ではなぜ、、、と考えればやはりかっこよくないと走りがどんなにものが良くても売れない。メーカーは自転車が売れないと更に良いものが作れない、というある意味ジレンマのようなところがあるのではないかと想像してしまいます。
もしくは使い道、速度をバンバン出して、というよりもパンクがしづらかったり、見た目が良く実用性のあるものを求めている、またホイールは自分で変えれ!(笑)ということかも知れません。

また”リムは重いほうが進む?”という文言をとどこかで目にしましたが、それはあくまでもある程度以上のホイールを比べたお話であると感じました。(ごく当然だと思いますが(笑))
今回の実験のようにワタクシ自身が普段使っている軽量で鋭い加速が売りのEVOのウルトラライト38とヘビー級のPA2を比べて、リムが重いほうが進む何てことは絶対に有りえません。

もうそろそろ軽量ホイールに戻しましょう。
そして翼をさずかりましょうゾィ!!乁( ˙ω˙ 乁)ウェーイ しましょう。

ということで今回は重いホイールからちょっと重いホイールに変えるとどうなるのか?そんなお話でした。

※当然重量だけのお話ではなくて、その他ホイールとしての能力という要因も十二分に考えられますが、比較が難しいところもあり今回は主に重量、というところにクローズアップさせていただきました。

RS21の後継モデルはWH-RS300??


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