リア変速がきまらない3大要因

今回はリアディレイラー編でもったいぶっていた
【リア変速不調】の3大要因のご紹介です。
今回はちょっと長かなるかもしれませんが、少々お付き合いを。

1.チェーンの伸び
 一番代表的な要因かと思います。
 主に起きやすいのはリア変速が10速11速の車体です。
 ■症状:最近リア変速がだるい、音鳴、異音がする
 ★走行距離が2000~3000km以上

 この場合はこれを真っ先に疑います。
 9速はかなり丈夫ですが、10速11速はチェーンの寿命が本当に短いです。
 チェーンの伸びは変速不良に直接つながる大きな要因となります。
 
 確認方法
 チェーンチェッカーで確認します。下の画像
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 もしくは3000km以上走行しているようであればもう交換してしまいましょう。
 多分一般的なハイグリップタイヤの次ぐらいに寿命の短い消耗品です。

 使い方はいたって簡単
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 チェッカーの数値は【%】です。
 奥まで入れれればその分だけ伸びているということ。
 0.75%は多少刺さりますが、1.0%は刺さりません。
 伸びを確認するための指標にする道具ということです。
 
 しかし印象的には0.75が途中まででも入るぐらいだと変速はだるさをかなり感じます。
 あくまでも目安というぐらいで使用するのがいいでしょう。
 あとは自分で感じる変速フィーリングと走行距離でしょう。
 走り方にもよりますが、2000㎞も走っていればかなりシャキッとするはずです。

 伸びたチェーンはスプロケ、チェーンリングにダメージを与えます。

 よくチェーン交換2回に1回はスプロケ交換、とありますがチェーンをマメに
 変えていれば乗り方にもよりますが、もっともつはずです。


2.ケーブル(インナー・アウター、ルーティング)
 主に原因になりやすい車体は【インナーケーブルがフレーム内を通る車体】もしくは
 【シフトケーブルをハンドルにはわせるタイプ】のコントロールレバー搭載車です。
 ■症状:最近リア変速がだるい、音鳴、異音がする
 ★走行距離にかかわらず、ケーブル交換後等

 インナーケーブルのみの交換でも適切な処理をしていない場合この症状は出ます。
 組み付け時に汚れを巻き込んでいた、適切な種類のケーブルを選んでいない等です。
 
 前者についてを詳しく。
 アウターケージングを交換せずにインナーケーブルのみの交換時によく有ります。
 インナーケーブルは少なからず必ず外部に出ている部分があります。
 外部に出ている部分は少なからず汚れが付きます。
 ケーブル交換の時の方法を思い出して下さい。
 コントロールレバー側から引き抜きます。
 その際にこの部分にたまった汚れをアウターケージング内で【こそげとってしまう】こと
 によりアウターケージング内に汚れがたまり、潤滑に影響をおよぼすということです。

 ですので交換の理想的な方法はリア側でケーブルを外して少々ゆるめたあと、
 インナーケーブルを何分割かにして外部露出しているほうから抜きとる方法です。
 これならば汚れを巻き込むことは少ないでしょう。 

 また以前ケーブルの記事でご紹介したように、ケーブルにはパーツ毎に適切な
 種類があります。SHIMANOが設計や試験の段階で基準をクリアした商品です。
 チョイスは間違えないようにしましょう。


 ルーティングに関しては次回記事にて詳細を書こうと思います。

3ディレイラーハンガー曲がり
 突然の不具合はこの場合が多いでしょう
 どんな車体でも起こりえます。
 ■症状:突然リア変速不調、【特定のギアで不調】音鳴、異音がする     
 ★落車、転倒(駐輪中を含む)、リア周りに衝撃があること全般

  ※ディレイラーハンガーを交換した
 上記のことで当てはまることがあればハンガーの曲がりを疑います。
 ※の場合は新品のハンガーは曲がっていることはありませんが
  車体側が曲がっている可能性があります。
納車整備の時に親切なお店は
  ココもチェックしてバッチリに決めてくれることが有ります。

 ~ディレイラーハンガーとは~
 車体右側のリアエンドにつけるリアディレイラーを支持するためのパーツで
 転倒、衝撃があった時にフレームを守るために折れやすく柔らかくできている。
 (※右側に倒れるとリアディレイラーぶつけることが多いため)
 これがないとフレームに直にダメージがいってしまうためです。
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 ※緑枠の部分がディレイラーハンガーで、黄色の部分にディレイラーを固定します。

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 後ろから見た画像ですが、緑の線は直線でなければいけません。
 少々内側に入っているようですが、衝撃を受けるとここが後ろから見たときに
 内側に入り込みます。見た目で内側に入っていることがわかるぐらいの曲がり方
 である場合はリア変速をローに落とした時にチェーンがホイール側に落ちる危険
 があります。
もちろんその場合は修正か交換が必要になります。

 ディレイラーハンガー曲がりは専用工具にて修正、
 もしくはハンガー単体の新品交換です。
 交換には専用工具が必要な場合があります。
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 ディレイラーハンガー交換、またチェーンリングの交換にも必要になります。
 しかしこの工具最悪に使いにくいです。力は入りにくいし、あまりいい印象はないです。
 他社のもののほうが力が入る物がありそうです。

 ハンガー修正は専用工具がない場合は代用で、クイックレリーズタイブではないホイール軸
 のピッチと同じ為、そういったホイールがアレばそれを使うこともできなくはないです。
 しかしハンガー修正は精度が求められ、修正中に折れることがあります。
 工具の強度も極めて重要です。
 もともとフレーム保護のために折れやすい性質で作られているためです。

 ディレイラーハンガーはストックをしておきたいパーツの一つです。
 理由は簡単です。専用パーツである場合が多く、取り寄せに時間がかかります。
 またネットでも取扱が少ないからです。

 
 上記のことを踏まえたうえで修正方法です。
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 工具はこちら【ディレイラーハンガーアライメント修正ツール】というものです。
 注)いろいろな呼び方があります。
 
 外したディレイラーハンガーにつけて力技で並を出します
 ◆必ずリアのクイックはしっかりとしめた状態で行います◆
 
 ディレイラーを外してグリスを塗ったツールを装着します。
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 上下前後すべての方向で確認します。
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 ◆ディレイラーの取り付けアライメントはホイールと並行が基本です◆
 ここで隙間の確認をして必要があれば車体をがっちりと支持し力技で曲げます。
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 ホイールのリムを基準にしますが、ホイールとハンガーのセンターはずれていますので、
 そこでツールのゲージをセンターから遠ざけたり近づけたりして確実に並行を出します。
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 必ず上下前後360度確認します。
 時々上下しか行わない場合があるようですが、
 【ハンガーとホイールは並行】ですから当然360度必要です。

 修正が終わったらリアディレイラーの調整が必要になります。
 ずれたまま調整して何とかなっていても角度が変わりますので、再度調整して
 ばっちりに合わせましょう。
 まがっていたハンガーからの修正がきれいに決まり、ディレイラーの調整も決まれば
 見違えるほどの変速になるはずです。

ということで今回は【リア変速不良の要因】を3点書きました。

リア変速の不具合は複合要素がからんでいる場合が多く全体的に
アプローチをかける必要があります。
しかしその中で確実につぶせる要因、【ハンガー曲り】【チェーン交換】を
確実につぶしていくことで原因を特定していくのが遠回りですが
一番の近道になるのではないかと思います。


長文になってしまいましたが、最期までお読みいただきありがとうございました。
くれぐれも修正は自転車を壊さないようにご注意ください。

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