2020年版 シマノコンポーネント 各グレードの比較と差  R9100/R8000/R7000

※本記事は過去記事を最新モデルを加えてバージョンアップさせていただいております。

シマノのロード用コンポーネントは大幅にモデルチェンジが加えられてきております。
もうそろそろ新型のDURA-ACEが出てもいい頃だとは思いますが、まだ発表が有りません。
最新のコンポーネントでは2016年に発売されたR9100を筆頭にR8000、R7000も新型構造が取り入れられてかなりの変化がありました。

9000番代世代は旧型コンポのいわゆる第1世代や前期型とも言える11速コンポーネントでした。
それが最新のRが頭文字につく11速コンポ(R9100、R8000、R7000)はいわゆる第2世代で合ったり、後期型の11速コンポと明確に違いがあります。
第2世代(後期型)の11速と前期型の11速コンポはかなりの変化を遂げておりますので、もはや新型ロード用コンポーネントそんなイメージです。

最新モデルの主な変更点はというと、、、
・フロントディレイラー:トグル機構採用
ロングアームモデルからトグル機構に変化し引きの軽さが最後まで変わらない、つまりFDが強い力を発揮することができるようになったようなものです。
またクリアランスを広く取ることでより太いタイヤに対応し、ケーブルアジャスター搭載(内蔵)することで別途でハンドル周りのケーブルアジャスターが不要になりました。
・フロントクランク
歯間距離を広げることでより短いチェーンステー対応しました。
・リアディレイラー:シャドー・シングル化
接触や転倒によるダメージ低減・ケーブルルーティングの最適化、エアロダイナミクスの向上等。

ともあれ最近では後期型11速コンポ、R8000もR7000だいぶ普及、、、というかもうかなりの割合で後期型の11速コンポが増えてきました。
増えてくると酸いも甘いも、メリット・デメリットが見えてくるものです。
ということで最新バージョンに更新させていただこうと思います。



ではコンポーネント【component】とは、というお話からです。
※コンポーネン【ツ】とかコンポーネン【ト】とかはどっちでもってことで、、、
(複数、単数形?) 
P5253896
シマノもこんな感じです。

▶コンポーネントとは
【ブレーキ・クランク・ペダル・チェーン・ディレイラー・スプロケット】などの”フレーム・ホイール以外のベースとなる部品のことを指します。”
キャプチャ
※これらのパーツをコンポーネントと言います。

自転車は【フレーム・ホイール】と【コンポーネント】とちょっとしたパーツ類で組み上げられています。コンポの主なメーカーはSHIMANO・SRAM・Campagnoloです。(ちなみにスポーツ部門でのシマノパーツの世界シェアは85%とのお話も、さすが世界のシマノです。)
最近ではFSA・ROTOR等も参入してきたり(電動も!)、安価なMicroShift製もちょこちょこ目にすることがあります。
(Micro shiftはArsisという高価な11速グレードもありますが、あまり目にすることはありません。)
ともあれ今回は日本が誇るSHIMANOのコンポーネントについての解説です。

▶コンポーネントの種類
コンポーネントにはロードバイク用・MTB用・シクロクロス用などなどいろいろ種類があります。で今回のご説明は”ロードバイク用のコンポーネント”です。

SHIMANOロードバイクコンポーネントには各グレードが設けられています。
下のグレードから順に
8速  【Claris(クラリス)】
9速  【SORA(ソラ)R3000】
10速【Tiagra(ティアグラ)4700】(互換性要注意モデル) 
11速【105(イチマルゴ)R7000】(5800の後継モデル)
  【ULTEGURA(アルテグラ)R8000】(6800の後継モデル)
  【DURA-ACE(デュラエース)R9100】(9000の後継モデル)
とあります。
※値段は値上げが頻繁にあるため載せていません。
実はこれ以外にも名前のつていないグレード、いわゆる型番しかないグレード品もあります。
キャプチャ4
クランクは11速対応のもの、そしてロード用のブレーキで現行ロングアーチモデルはもうこのグレードのみとなっているというお話でした。
※2020年3月更新

先頭の”@速”とは何かというとリアの変速段数のことです。
ロードバイクで通常使うのフロント変速は(インナー+アウター)2段の変速です。
多ければ多いほど走行中に適切なギアを選べるので有利ということになりますが、人間が人力で出せる力の上限、つまり実際の走行における”速度域”というものがありますので効率的に舗装路を走るための”ギア比”を選べるように考えられて作られています。
例えばフロントをMTBのように3段にしたとしても、MTB程の超軽いギアを使うかというと使う機会が殆どない、ともいえます。重量等の問題から使わない物は極力付けない、これがロードバイク用のコンポーネントの特徴ということです。

ここでの注意として耐久性の問題や整備性の問題からすると、段数は少ないほうが優位なこともあります。

①整備性
段数が多ければ多いほうがギア間が詰まり、各所のクリアランス(隙間)が少なくなりますのでセッティングはシビアになります。これと構造的な変更で現行型のR3000・4700からSORAもTiagraもコントロールレバーから出たシフトケーブルがハンドルを這う形になりました。(いわゆる触覚の廃止)ここはハンドルに這わないほうがなめらかなカーブをとれ、ケーブルの摺動を損なわず引きが軽く組みやすいです。現行モデルのハンドルに沿うものは見た目もスッキリ、空力的にも有利になりますが反面、カーブが増えることでケーブル抵抗が増えることになりますので組み上げの技術、組み方、そしてケーブルの種類による差が出やすくなりました。ケーブルの摺動とシフトレスポンス等はケーブル引きでは永遠のテーマになっているということです。
またこれだけではなく、シフトケーブル交換でバーテープを剥がさなければいけない、フレーム設計やハンドル幅、ステム長の調整におけるケーブルの取り回しの問題なんかも従来モデルの触覚型では起こらなかった問題が出てくることになりました。

②耐久性
耐久性という面もチェーンは11速10速は耐久性が低いです。 当然乗り方にもよりますが、ざっくりとでどちらも3000kmも走ればもうそろそろ、なイメージです。(もちろん寿命は乗り方次第で短くなる場合もありますし、長い場合もあります。適切な洗浄・潤滑が肝です。)チェーンだけではなくてギアの歯も摩耗で薄くなりますし、現在の11速コンポは従来の8速ほどの耐久性を望むのは少々難しいかもしれません。
(※DURA-ACEの製品保証は他コンポよりも長く3年ですが、当然摩耗は除外となります)

③操作性
またコントロールレバーでは以前はデュアルコントロールレバーの構造・操作方法が違ったり(親指シフト)していましたが現在ではSORAまで含めて統一になっています。左は小レバーでシフトダウン、大レバーでシフトアップ。右は小レバーでシフトアップ、大レバーでシフトダウンです。
大レバー操作:小さなギアから大きなギアへ移動(ケーブルを巻き上がる・引っ張る動作)
少レバー操作:大きなギアから小さなギアへ移動(ケーブルを解除する動作)
フロントもリアもこう覚えてしまうといいと思います。



▶各グレードの違い①
各グレードでなにがそんなに違うかというと主に【重量】【剛性】【変速性能(パーツの精度)】です。
重量と剛性に関しては密接な関係があります。重量を重くしてもいいのであれば剛性を上げることはそこまで難しくないと思います。シマノのコンポーネントで想像しやすいパーツだとホローテックⅡのフロントクランクです。
グレードが上がる毎に重量は軽くなっていきますが、剛性も高くなってくる(チェーンリングの精度が上がる)印象です。(数値、データが公開されていないためイメージです。)軽くても剛性が高い、、、こういったところがシマノの技術の素晴らしいところだと思います。
(ちなみにホローテックもホローグライドも非採用の重量級の名無しグレードのクランクRS510はかなり重いですがかなり硬いと感じました。)

ロードバイクにとって重量は【軽いは正義】という言葉まで出てきてしまう程のものです。
コンポの重量でSORAで3000g DURA-ACEで2000gぐらいです。(少々情報が古いかもです)
この差が大きいと取るか、小さいととるかです。
金額の差は20万円ぐらいあります。

また剛性と変速性能も密接に関係してきます。
各所の剛性やパーツの精度が上がってくると変速時にかかる瞬間的な力をきちんと受け止めることができ速く、軽く正確に動くようになります。

次項の【変速性能】で詳しくご説明いたします。


▶ コンポーネントの差による変速性能(シフト系)
変速性能とはただ単純に言ってもディレイラーのみが決めているわけではありません。
・フロント変速 
 デュアルコントロールレバー>ケーブル>フロントディレイラー>フロントチェーンリング>チェーン
・リア変速
 デュアルコントロールレバー>ケーブル>リアディレイラー>カセットスプロケ>チェーン
これ以外ではフレームの構造ももちろん変速性能に影響を与えますし、整備技術によっても差が出てくるところです。
どんなにいいパーツを、グレードの高い物を使っていたとしても、整備を怠れば最低な変速性能にもなり得るということです。
実は最近多種多様、様々なフレームがでてくるなか変速性能のフレーム依存性の影響が大きくなっているように思えます。走りの究極を求めるあまり犠牲になっていることがあると感じることがあります。

ロードバイクのコンポーネントは変速機だけではなく全てにおいていえますが、ママチャリなんかと違って”定期的に整備をきちんとすること”これを前提として作られているということです。

ママチャリは壊れるまで使い壊れたらパーツ交換、こんな使われ方が多いです。
しかしロードバイクは少々勝手が違います。購入後”壊れるまでメンテなしに使う”そんな使い方では宝の持ち腐れどころのお話では無く場合によっては危険なこともあるということです。また何度も当ブログの中では書かせていただいておりますが、ロードバイクの各所は具合が悪くなる時は何か決定的な落車や外的要因がなくとも、使用しているうちに徐々に調子が悪くなっていくものです。徐々にというのが曲者で、徐々に調子が落ちていくと体も慣れてきてしまうので、”こんなもんか。”そう思い込みやすいものです。

では実際にどのくらい差があるかというとところが今回のメインです。
特にフロント変速はわかりやすいです。逆にリア変速は若干わかりにくいです。わかりにくいと言っても差がわからないかといえばそんなことはありません。
当然【SORA】から【ULTEGRA】に変えれば変速性能の差を感じることはできるでしょう。
もちろん【ULTEGRA】から【DURA-ACE】に変えても違いはわかります。

では実際にどの程度違うのか、というところですが、
基本的にはグレードが上がるに従ってストロークは短くなりレバー操作も軽くなっていき正確に動きます。

フロントは「スチャッ」から「チャッ」です。
リアは「コンッコンッ」から「チッチッ」です。
なんとも抽象的な表現で申し訳ないのですが、このような差でより素早く、正確な変速が可能になります。

しかしそれでもシマノのコンポのすごいところはどんな低いグレードでもきちんと変速する、変速させることはできるということです。うちの子供乗せ自転車もサムシフター+ターニーの6速シフトですが、カンカン変速します。
もしもシマノのコンポーネントを使用していてきちんと変速できない場合はプロのメカニックに一度見せてみると故障さえしていなければ、しっかりと変速できるようにしてもらえるはずです。
(内装変速機は基本的に交換がベースですが、外装変速機はかなりの状態でもケーブルのみの交換で結構普通に動いてしまうことが多いのもシマノコンポの信頼の証かと思います。)
ママチャリなんかでよく使われているターニー+グリップシフトとかなんてチェーンがサビサビ、ケーブルもサビサビ、切れる寸前でも動かすことはできてしまうという鬼のようなコンポです。。。それがいいか悪いかといえば明らかに整備不良品で良いことではありませんが、それでも変速ができる事自体不思議なぐらいの状態の自転車を見かけることは少ないことではありません。

お話を戻しましょう。。。
実際に触ってみればアルテグラとデュラエースでもきちんと差を感じることができます。
感じる差は【各パーツが非常に正確に動いている(剛性感と精度)】です。きれいに変速をしているときはわかりにくいですが、パワーをかけて変速したり、うまく操作ができなかったときの動きに差が出てきます。
後はレバー操作の軽さ、これはものすごくわかりやすいと思います

前後共にリリース時(大ギア→小ギア)は
上位機種のコントロールレバー:パクッ、コッ
グレードの低いコントロールレバー:バキッ、べキッ、
小ギア→大ギア時は
スッ、スッとフンッ!と結構な引きの力に差が出たりすることもあります。

基本的にはグレードが低いものの方がレバー操作が多少硬く重くなるということです。
もちろんこれもセッティングにより差は出てきますが100%の整備をしたとしてもどうしてもグレード別に越えられない壁と言うものが存在します。

あくまでも主観的なものですが、グラフに表すとこんな感じです。
path4249-9
※棒線は参考程度です。

この”越えられない壁”を超えたいと思ったときにコンポのグレードアップを考える、これが正しい方法だと思います。

これとともにもう一つ、”メンテナンス”に関してのグラフです。
rect4340-1
※横軸は限界性能です。
赤は耐え難いほどの状態、なんとか動いているぐらいの状態で、黄色が調子がいい状態です。

先ずULTEGRAと105の旧型コンポ(5700・6700)、こちらは第1世代11速コンポとグレードごとに比べても限界性能が低いです。
そして旧型品(5700・6700)は第1世代11速と比べても”調子が悪い”の状態の幅が広いです。それと”普通””調子がいい”の幅も旧型のほうが狭いです。

それに比べてこちらは第1世代の11速ですが、主に”普通””調子がいい”の幅が大きく広がります。
同じ11速であればグレードが上がる毎に整備がうまくなくともいい状態に持っていきやすくもなっていきます。

6700・5700世代のものと第1世代11速を比べてしまうと6700(アルテグラ)よりも5800(105)のほうが比べると5800に軍配があがると思いました。
触れば触るほどに第1世代の11速の完成度の高さをものすごく感じることができます。
これとグラフにはありませんが、4700のコンポ。これも限界性能で言うと5700を上回ってくる、これがワタクシの率直な感想です。

これに第2世代11速のコンポをくわえると、、、
rect4340-1-2
変速性能は主にフロントが向上しているので総合点は上昇気味です。
しかし整備(変速調整)をしっかりしないと具合が悪くなりがちなので、”調子がいい””普通”の幅は双方狭まり、”調子が悪い”の幅が増加しているようなイメージです。
これは整備が大幅に変わり慣れていないことも要因になるのかもしれません。

※これらはあくまでもワタクシが実際に触った主観と好みの部分もありますのでご理解とご了承をお願い致しますm(_ _)m


 
▶コンポーネントの差によるブレーキ性能
次はブレーキ性能です。
ロードバイクのブレーキ性能とは0kmまでの制動距離を縮めるものではなくて、メインの使い方は【スピードのコントロール】です。ペダリングとブレーキで狙った速度まで迅速に持って行くことがロードバイクを安全に速く走らせるためには不可欠です。
というのもロードバイクは基本的にレース機材です。落車等の緊急事態を除いてはレースで0㎞/hまで持っていく機会は殆どありません。それよりもきちんと狙った速度まで落とせる、コントロールするための性能をメインに考えられているということです。
油圧のブレーキ等もものすごくこのコントローラーブルな微妙な幅に調整されていると感じます。剛性を上げまくってビンビンに効きをよくすることは全然可能だと思います。しかし効きすぎるブレーキが使いやすいかと言うと一概にそうとも限らないということです。

ブレーキの性能は結構開きがあります。
本体の強度、引きの軽さ、実際の効き全てにおいて上位グレードのほうがコントロールがいいです。
おそらくSHIMANOとしても各グレードごとに想定速度域を決めているかは不明ですが、なんとなくこのぐらいで、、、と開発をしていると想像ができます。
以下完全な個人的主観です
・SORA・ティアグラ ~50km/hぐらいまで
・105 ~70km/hぐらいまで
・ULTEGRA 制限なし
・DURA-ACE 制限なし
(これ以下のスピードだったらコントロールできるということではありません。もちろん低速でもガッと効かせたいときに剛性不足を感じる時があります。)
とかなり主観の入り混じったイメージですが、速度域をこのぐらいと想定して作られているのではないかと思います。
ティアグラ以下のグレードのブレーキははっきり言ってノーマルの状態でははっきり言ってちょっと怖いです。(ティアグラ4700のブレーキはなんだか強度はかなり上がった感じがありました。)

しかしこれが一概に悪いことか聞かれたらその限りではないと考えられます。理由は後述。
その上でグレードアップ、ということであればもちろんおすすめはアルテグラ以上のブレーキ本体です。1万円ちょっとで前後買えます。

更に第2世代のブレーキはブースターのようなものが内蔵されることで剛性が上がっております。(かっちり感が出ました。)
第1世代11速のときは適度にしならせる、たわみを出すことでコントローラーブルに、、、そんなことがあったような気がしましたが、やはりプロからの意見でもっと剛性がほしい。そんなところから剛性を上げるためにブースターのような物を入れて剛性アップをしたと聞きました。
プロは下りでとんでもないスピードで下りますし、ブレーキのかけ方も異常なぐらいの制動力を必要とします。

しかし一般のサイクリストにはどうかというと、ブレーキの剛性感は結構わかりづらいかもしれません。
特に平地なんかを普通に走っている時なんか6800→R8000にしても「全然違いがわかりません!」そんなことも多いかと思います。(若干R8000のほうが引きが軽いイメージがあります。)しかしダウンヒルでのスピードに乗った時のスピードコントロール、何かあった際の急制動、そんなところで差を感じることができるのではないかと思います。限界近いところでキャリパーがしなっていなすか、しなりを抑えられるか、こういったところの差です。
逆にダウンヒルをゆっくり断続的にブレーキをかけながら下ってくる、、、こういった場面では剛性感を体感することは難しいこともあるというのもよく考えてみるとわかりやすいかもです。
ともあれ公道でそんな限界のブレーキをするような走りは基本的にNGなのであまり大きな差を感じる機会は少ないかもしれません。
(もちろんBR6800でも急制動でフロントロックの状態に持っていくことは容易にできるぐらい効きますのでご注意下さい。)

ブレーキはシフト系と違い互換性がものすごく広くとってあるというところからも手が出しやすいグレードアップかと思いますが、ブレーキは剛性のバランスが難しいところです。
もちろん前後セットでの交換は理想ですが、お財布事情が厳しい場合はフロントだけグレードを上げるのもの手です。(リアだけはやめたほうがいいです。) 
これ以外の方法だと低グレードの場合は、ブレーキシューを金属の船付き(台座付き)のものに変えるだけでも結構変わります。

ブレーキのグレードの違いのイメージです↓↓↓
rect5869
少々極端なグラフですが。。。

上位機種、グレードの高いブレーキは制動力の立ち上がりもよく、ロック(タイヤの限界点)までなだらかに上がっていくイメージです。速度が上がってもスピードコントロールがし易いということです。
しかしグレードの低い、剛性不足のブレーキではやはり効き始めから制動力が低いです。
そして握り込んでいきある一定のラインを超えると一気にロックする、こんなイメージです。握力によってはロックまで持っていくのが難しいぐらいかもしれません。
このロック寸前のヤバイ範囲(画像の透かしカラーの部分)がグレードが高く高剛性のモデルの方がわかりやすくコントロールがし易いです。もちろん制動力の立ち上がりもしかりですが、このロック寸前の最後の範囲の部分、ここの感じ取りやすさが高剛性の利点と思います。
逆に剛性が足りないとどうなるかというと、このロック寸前がグニュグニュしてしまうことでわかりづらいです。結果ロックしてしまったり、ロックするまで持っていけなかったりというものです。

というのも”自分がコントロールできる制動の範囲内”でのお話です。
ロードバイクのブレーキってママチャリなどと比べてものすごく効くものです。
重量級のママチャリでガッツリブレーキ握ってもフロントロックの前転ってあまりおきません。乗車ポジション的な要因ももちろん考えられますが、ブレーキシステムの設計思想もあります。前述のお話と重なりますが、ママチャリの急ブレーキで前転するほどのブレーキ付けたら、、、多分危険な自転車認定されてしまうと思います。
また前転までいかなくとも簡単にロックしてしまうようなフロントブレーキは2輪では危険極まりないです。2輪の前輪の役割はものすごく重要で後輪なんて滑ったって大したことはありませんが、前輪が滑ると大事故につながりやすいです。オートバイでも油圧のラインで制動をコントロールしたり、効きすぎをあえて抑えたりしてあるものもあります。

これと想定される速度の違いということです。
ティアグラ、ソラと言ったグレードは多少もっと上位グレードよりも重たくもできます。
ここで剛性を鬼のように高くビンビンに効くとようにしたら、、、そもそもソラやティアグラは初心者向けのエントリーグレードのモデルにつくことの多いグレードのブレーキです。
操作に慣れていない初心者向けのグレードで、急ブレーキ前転したり転倒してしまう人が続出(パニックブレーキと言います。)、、、これはいくらなんでもまずいです。このように考えれば下位グレードのブレーキが剛性を落とした設計ということも考えれなくはないです。
初心者が猛スピードを出すことを想定することよりも、低速域での安全性を考慮したり効きをマイルドにすることのほうがブレーキシステムとして大切なことなのかもしれません。
特に初心者のロードバイクの乗車姿勢は前輪ロックや前転しやすいということも一つの要因かと思います。

効くブレーキ(高剛性)というのは便利であり、安全性も向上するはずではあるのですが操作方法や取扱によっては危険なこともあるということをしっかりと覚えておいたほうがいいです。



おまけBB(ボトムブラケット)
差は、、、差は、、、う~ん、シマノ製に限ってしまうとあるような、ないような、、、新品をつけ方えてみても体感は期待できないでしょう。
むしろ場合によっては1年ぐらい使ったもの(いい感じにグリスが抜けてきた状態)のほうが軽い回転の時もあります。(とはいってもグリスは無くてはならないものです。)
というのもベアリングは燃え尽きる瞬間が一番軽いということもあるからです。
シマノのBBはものすごくシール構造もがっつりで、耐久性が高く設計されています。一概に軽けりゃいいってもんでもありません。。。

とは言えボトムブラケットの構造自体が違うものになるとびっくりする結果になることも。
What is the Wishbone?(ウィッシュボーン) 最強の圧入ボトムブラケット

これはすぐに体感できました。
ワタクシも何世代にも渡って使用中でございますm(_ _)m
お問い合わせはページ最下段のFF-Cycleご連絡先からお願い致します。




ということで今回はシマノコンポーネントグレード比較でした。

あまりクラリスがお話に出てこなかったのは内緒です。

ファーストバイクのおすすめコンポーネントはお財布事情に合わせてなんでもいい、と思います。
しかしできれはシマノ製がおすすめです。(時々コスト削減のためにクランクだけ違うメーカーとかよくありますので要注意です。)というものやはりシマノ製品は取扱が非常に多く、利便性も他社よりも遥かに高いです。

【コンポは105以上じゃないと・・・】なんて声もありますが、もうそういった意見は少々古いと思います。SORAだって整備次第です。(ブレーキ以外です。)
実は整備の不十分な5700系105だったら4600系のTiagraのほうが動きがいいものも見かけることがあります。整備だけではないかも、、、(笑 

 何にせよ、フレームやホイールは交換すると速く走れる様になることもありますが、コンポは変えても激的に速くなるものでもない、ということを覚えておくことは大切だと思います。
そして速い人はなにに乗って速いものです。
【軽いが正義】ではなくて正確には【速いが正義】です。(少々言いすぎです。)
ロードバイクを楽しむ上で整備さえしっかりとしていればどのグレードもきちんと動かすことはできます。
そして何よりも大切なことはどのグレードでも【しっかりと整備をしてあげる】ということです。
そのグレードのコンポーネントの力をきちんと引き出して使用するということです。

ワタクシもまだまだ日々勉強勉強の修行中の身ではありますが、”こんなもんだ!”とは絶対にいいたくはありません。自分の腕の無さ、知識の無さを露呈する最悪の言葉だと思います。
それでも限度というものが存在しますが、、、

もちろんプロショップにおまかせするのが最善の策だとは思いますが、その際はご自身の希望とバイクの状態をしっかりとお伝えして「こうしたいっ!」「こうできないのか?」と希望を伝えるのがいいと思います。
お金を落とさせるセールストークだけではなくきちんと「コレなら安くてもある程度体感ができますよヨ」とか、「もっとを望むのであればこのぐらい必要、」そんなことをしっかりと教えてくれる店っていいと思います。

 あとは心構えとして【こんなもんでしょ!】って思い込まないで【もっといい状態にして欲しい!】とお任せできる素敵なお店を探す、、、その気持ちが大切だとも思います。

はじめてのロードバイクはおそらく1年ないし2年ぐらいで乗り換えることになります。
おそらく乗る距離が多ければ多いほど早い段階で買い換えることパターンが多いでしょう。
止まらない物欲の波、”ロードバイクの魔力”が押し寄せてきます。

ロードバイクの整備は本当に重要です。時々見かけることがありますがDURAでガッチャンガッチャン言ってるバイクとか見ると、、、悲しくなります。
定期的な整備、そしてメンテナンスはとても大切ということです。

ということで今回は2020年版 シマノコンポーネント 各グレードの比較と差  R9100/R8000/R7000、そんなお話でした。



+++追記です。+++++++++++++

結構細かいところの動きになりますが、コントロールレバーのシフト操作でも微妙に違いが出てくる場合があります。シマノサイドとして公表している情報ではないのですが、1世代前のレバーと現行品の動きに差がでています。

有名なところだと、トリム操作に違いが出ていますがそれ以外にもあります。

中途半端な操作をした時にケーブルの動き(引き幅)に差が出てくることも。
グレードの低いコンポを使用するということは確実なレバー操作の練習になります。

続き↓↓↓
シマノロードバイク用コンポーネント一覧2016年
※上のリンクは少々古いので更新予定です。



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