ロードバイクのハブには?グリスの話 極圧添加剤とか硬さとか
現在ワタクシがロードバイクのハブに組み込んでいるのがこちらです。
AZ エーゼット 極圧有機モリブデングリースウレアベース 400g ジャバラ KY780
まずはこの極圧ってなんだっていうお話しです。
▶極圧剤とは
金属の2面間の摩擦、摩耗の減少、焼きつきの防止のために潤滑油に加えられる添加剤のことです。
▶潤滑剤の役割とは
摩擦面の間に油膜を作って金属同士の接触を減らし摩擦や摩耗を減らすことです。
※参考画像(オレンジ:潤滑剤)
また、金属-金属間の間の油膜の粘度で摩擦抵抗が決まります。
▶潤滑条件について
接触部分の圧力が高い、滑り速度が小さい、また油の粘度が低すぎる場合 摩擦面の潤滑油野膜が薄くなり、金属部分の凸部同士が接触し、摩擦抵抗が大きくなり摩耗がおきます。この状態を【境界潤滑】と呼びます。
▶通常の油性剤
油性剤は、金属表面に吸着して吸着膜を作りこれが【境界潤滑】状態にある金属と金属の接触を妨げ、摩擦、摩耗を減らしますが、それは比較的摩擦面の温度、圧力が低い場合です。
▶極圧添加剤とは
極圧という名前から、高い圧力だけで作用するように誤解されますが、温度で反応が起きます。常温や比較的低い温度では安定、融着が起こる高い温度の少し手前で、活性になって金属と反応してます。
▶なぜ有機モリブデンを使うのか
上だけ読んでいれば温度?そんなに高温にはならないでしょ?ってことですが理由はただ一つです。
【耐衝撃性】です。
商品説明にこうあります。
衝撃荷重に強く、耐熱性、耐水性、極圧性、付着性に優れているほか、酸化防止及び機械安定性が良好です。 また、水に溶解しにくく、水分混入による軟化や漏洩がないので、長期間安定した潤滑が可能です。
耐熱性とかは多分自転車のハブぐらいでは工業ベアリングと比べても回転数もそこまで多くはないと思いますが、ロードバイクで肝になるのが、ベアリングにかかる【衝撃】です。
路面の影響をもろに受けるロードバイクでは瞬間的にベアリング球に結構荷重が「ガチンッ」と乗る場合があると考えています。
特に高速のダウンヒル(てめぇおせえじゃんか、、、)なんか特にですね。
そんなときのダメージを想定しての【保険】です。
▶ベアリングとグリース
ハブとは少々お話しがそれますが、工業用のベアリングにはこんな話もあります。
ベアリングの基礎知識
http://ginouzyuku.web.fc2.com/bearing.pdf P21 より抜粋
ロードバイクのハブは天候の影響や洗車をしたり、耐水性が重要な場面も多く出てきます。
ワタクシはもりもり入れちゃいます。
充填ポイントが正しい場所の場合は多めに入れても余分なものは構造上軸受けからはみ出してシール付近にたまりますので、こなれてきた頃がいい塩梅になっています。
また、ウレアグリースに比べて少々重めの有機モリブデングリースですが、グリースに関してこんな記事があります。
ID-S53 密封玉軸受の潤滑グリースの寿命はどのようにして決まるか
http://www.jalos.jp/jalos/qa/articles/012-S53.htm より抜粋
走行時きちんとベアリングが動き始め、負荷がかかった走行状態の時にどうなるか、ということです。
なにかと空転で重い重いと叩かれることの多いSHIMANOヅラグリースですが、上の理由からすると負荷のかからない状態での空転の重さは走行になると感じないのかもしれません。
さすが世界のSHIMANOさん、実際どうだかわかりませんが、、、
ワタクシ自身もどうしても、、、どうしても組みあがりの空転時間を見てしまいますが、それだけでは計れないものがあるということですね。
元にワタクシの使用しているAZの有機モリブデンウレアも空転時間こそ短いですが、実際に走行してみるとむしろ軽いっ、、、と思ってしまうほどです。プラセボじゃねーの?
イイじゃねっ!と信じることが大切です!
グリースについては柔らかければいいってもんでもないですし、固くても重いものは重いです。
【通常の潤滑性能】に加えて【耐水性】【耐衝撃性】何かを兼ね備えているとベアリングに優しいのでは、と思います。
とてもなが~い道のりの先に答えがあるかどうかはわかりませんが、えっちらおっちら色々寄り道をしながら楽しんでいくっていうのが趣味を楽しむってことだと思います。
ということで【信じる力は偉大なり!】グリスのお話でした。
現在ワタクシがロードバイクのハブに組み込んでいるのがこちらです。
AZ エーゼット 極圧有機モリブデングリースウレアベース 400g ジャバラ KY780
まずはこの極圧ってなんだっていうお話しです。
▶極圧剤とは
金属の2面間の摩擦、摩耗の減少、焼きつきの防止のために潤滑油に加えられる添加剤のことです。
▶潤滑剤の役割とは
摩擦面の間に油膜を作って金属同士の接触を減らし摩擦や摩耗を減らすことです。
※参考画像(オレンジ:潤滑剤)
また、金属-金属間の間の油膜の粘度で摩擦抵抗が決まります。
▶潤滑条件について
接触部分の圧力が高い、滑り速度が小さい、また油の粘度が低すぎる場合 摩擦面の潤滑油野膜が薄くなり、金属部分の凸部同士が接触し、摩擦抵抗が大きくなり摩耗がおきます。この状態を【境界潤滑】と呼びます。
▶通常の油性剤
油性剤は、金属表面に吸着して吸着膜を作りこれが【境界潤滑】状態にある金属と金属の接触を妨げ、摩擦、摩耗を減らしますが、それは比較的摩擦面の温度、圧力が低い場合です。
▶極圧添加剤とは
極圧という名前から、高い圧力だけで作用するように誤解されますが、温度で反応が起きます。常温や比較的低い温度では安定、融着が起こる高い温度の少し手前で、活性になって金属と反応してます。
▶なぜ有機モリブデンを使うのか
上だけ読んでいれば温度?そんなに高温にはならないでしょ?ってことですが理由はただ一つです。
【耐衝撃性】です。
商品説明にこうあります。
衝撃荷重に強く、耐熱性、耐水性、極圧性、付着性に優れているほか、酸化防止及び機械安定性が良好です。 また、水に溶解しにくく、水分混入による軟化や漏洩がないので、長期間安定した潤滑が可能です。
耐熱性とかは多分自転車のハブぐらいでは工業ベアリングと比べても回転数もそこまで多くはないと思いますが、ロードバイクで肝になるのが、ベアリングにかかる【衝撃】です。
路面の影響をもろに受けるロードバイクでは瞬間的にベアリング球に結構荷重が「ガチンッ」と乗る場合があると考えています。
特に高速のダウンヒル
そんなときのダメージを想定しての【保険】です。
▶ベアリングとグリース
ハブとは少々お話しがそれますが、工業用のベアリングにはこんな話もあります。
軸受のグリス充填量は,軸受の空間容積の30~40%とする。
回転速度の高い場合や温度上昇を低く抑えたいときには少なめ。
グリ-ス充填量が多過ぎると攪拌熱で温度上昇が大きくなり,
グリ-スの軟化による漏れ,又は酸化などの変質によって
グリ-スの潤滑性能の低下を招く
ベアリングの基礎知識
http://ginouzyuku.web.fc2.com/bearing.pdf P21 より抜粋
ロードバイクのハブは天候の影響や洗車をしたり、耐水性が重要な場面も多く出てきます。
ワタクシはもりもり入れちゃいます。
充填ポイントが正しい場所の場合は多めに入れても余分なものは構造上軸受けからはみ出してシール付近にたまりますので、こなれてきた頃がいい塩梅になっています。
また、ウレアグリースに比べて少々重めの有機モリブデングリースですが、グリースに関してこんな記事があります。
ID-S53 密封玉軸受の潤滑グリースの寿命はどのようにして決まるか
http://www.jalos.jp/jalos/qa/articles/012-S53.htm より抜粋
●潤滑グリースとは
潤滑グリースは、基油と呼ばれる天然産の鉱油または人工の合成油に、増稠剤と呼ばれる3次元構造をもった親油性のある微細な固体を、5~20%分散させ、半固体のペースト状にした潤滑剤です。
増稠剤には、脂肪酸の金属塩である金属石けん、脂肪酸と有機酸を組合わせた複合石けん、有機系非石けん、無機系非石けんなどが使われています。
増稠剤のために、グリースは静止した状態では固体として挙動するが、激しくかき混ぜると軟化して液体に近くなるという、非ニュートン流体の性質をもつようになります。
したがって、転がり軸受が停止しているときには、グリースは固体になって流出せず、回転してグリースがせん断を受けると流動化して、ほぼ基油の状態になって潤滑の役目をはたし、回転が停まればまた元の固体に戻るようになります。
走行時きちんとベアリングが動き始め、負荷がかかった走行状態の時にどうなるか、ということです。
なにかと空転で重い重いと叩かれることの多いSHIMANOヅラグリースですが、上の理由からすると負荷のかからない状態での空転の重さは走行になると感じないのかもしれません。
さすが世界のSHIMANOさん、実際どうだかわかりませんが、、、
ワタクシ自身もどうしても、、、どうしても組みあがりの空転時間を見てしまいますが、それだけでは計れないものがあるということですね。
元にワタクシの使用しているAZの有機モリブデンウレアも空転時間こそ短いですが、実際に走行してみるとむしろ軽いっ、、、と思ってしまうほどです。
イイじゃねっ!と信じることが大切です!
グリースについては柔らかければいいってもんでもないですし、固くても重いものは重いです。
【通常の潤滑性能】に加えて【耐水性】【耐衝撃性】何かを兼ね備えているとベアリングに優しいのでは、と思います。
とてもなが~い道のりの先に答えがあるかどうかはわかりませんが、えっちらおっちら色々寄り道をしながら楽しんでいくっていうのが趣味を楽しむってことだと思います。
ということで【信じる力は偉大なり!】グリスのお話でした。
コメント
コメント一覧 (2)
自分の自転車のBBを7月にウレアグリスを使いグリスアップしましたが、9月になりキシミ音が出始めました。乗り方は一回の走行距離は短いですが、足が続く限り全力で踏み込むような乗り方です。
クランクを丸く回せてる時は負荷がかかってても音が出ませんので、力任せに踏む人は極圧剤入りウレアグリスかモリブデングリスをBB、ハブ共に使った方が良さそうです。(グリスはホームセンター購入です。シマノグリスは未経験ですがホームセンターの極圧剤入りと変わらないとは思いますが)
コメントありがとうございます。
シマノグリスのホムセンの極圧入との違いは自転車専用に開発されていることだと思いますヨ。
自転車ならではの耐圧性とか耐水性、耐熱性、耐久性、伸び等においてやはり差が出てくることはワタクシ自身も整備上では感じることができます。少々硬いというところもございますが、荷重がかかった際の性能はなにも不満がありません。
何年も1種類で対応してきているということはそれなりの品質の証明かと思います。
力任せに踏む、そして音、ということであればもっと適切なグリスもありますヨ(≧∇≦)b