ロードバイク整備 11速チェーン交換方法

基本的にリア変速の段数にかかわらずチェーン交換の方法はほぼ一緒ですが、今回はチェーンの交換方法のご紹介です。前回の記事よりも詳しくお伝えできればと思いまして、カメラをベタベタにしながらも写真を多めにとってみました。


伸びたチェーンは【スプロケやチェーンリングの歯の摩耗を促進するや、破損する】なんかとは言いますが、そんなに伸びなくとも、【変速が決まらない】【だるくなる】そんな症状が出た時はズバッとチェーンを交換します。

伸びたチェーンからの交換は個人的には交換後の変速フィールの良さを体感できる良いメンテナンスだとおもいます。

早速ですが、今回交換するのはこちら。




シマノの現行チェーンのグレードはこちらです。

 image4144
105グレードのチェーンです。

グレード差
DURA CN-HG900-11 247g 4723円
→アウター・インナーリンクSIL-TEC 中空ピン


ULTE CN-HG701-11 257g 3863円
→アウター・インナーリンクSIL-TEC


105 CN-HG600-11
 257g 2638円
→インナーリンクSIL-TEC
※現在値段が上がっている可能性があります
 
グレードによる差を感じることができるのか、、、ワタクシにはできません。

チェーンは【消耗品】で3000kmぐらいしか持たないし、タイヤより短寿命かも、 高くて長く使えるのであればいいですが、DURAだって伸びるもんは伸びます。寿命の差を感じることはあまりできませんでした。

チェーンはタイヤみたいに、価格差を感じることが難しいです。
※個人的な感想です。

早速交換作業にとりかかります。

チェーンはクイックを挟みこむようなタイプだと作業の邪魔になってしいますし、馬鹿力をかける作業ではないので今回はほぼ洗車用となっているミノウラスタンドの登場です。
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折り畳めるしあれば絶対に便利な整備スタンドです。





伸びを確認します。
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用いるのはチェーンチェッカーです。




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これがないとダメかというと、、、ダメではありません。

チェーンは伸びてくるに従って【確実に変速がだるく】なります。
新車時のキビキビとした変速はショップの腕もありますが、チェーンが新品ということも大きく影響していると思います。

ケーブルアジャスターでいじってもいじってもなんか気持ち悪い、、、そんな事になったら走行距離(乗り方にもよりますが3000kmも走れば十分でしょう)や前回の交換時期に応じてスパっと交換をお勧めいたします。


画像は4枚ありますが、場所によって伸びの差があります。

一番ひどいのが右上。こんなに刺さったら変速なんてだるくてだるくて仕方がないです。

前回交換したのを確認したらおそらく9月ぐらい、、、もう限界でした。 

こんなに長く使っているとは、、、すっかり忘れてました。

最近変速ダルダルだなぁと思っていたのですが、正にコレが原因です。

 

交換前にマニュアルと現状の確認です。
image4144
シマノ チェーン(11スピードマニュアルより)
※歯数によって違いがあります。

ガイドプーリー・テンションプーリーは地面に対して垂直に並ぶようです。
ハブ軸よりは若干前に出る、、、ということですな。
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もう少し詰めれそうな気もします。

ということで早速どうせ捨ててしまうのでこの古いチェーンにて切り詰めてみます。

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 ドカンと、、、

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テンションプーリーの位置を見ていただければおわかりかと思いますが、若干前に出ています。コレが切り詰めた分です。
コレだとマニュアルよりも心なしか短めになってしまいます。

短めの弊害といえばこちらです。
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アウター&ロー(一番大きなギア)でぱっつんぱっつんです。。。


ちなみに切り詰める前の一番小さいギア同士だとどんなもんかというと、
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長過ぎるとこのギア(アウター&トップ)にした時にチェーンがダルンダルンになってチェーンステーにすってしまいます。
それではダメダメですが、最終的な長さの決定は上の2枚の画像のギアにしてみてのフレームに合わせた調整がいいと思います。

今回は切り詰める前がチェーンステーに擦ることもないのでやはり前回の長さが適切だったということでしょう。

で次の長さが決まったので、チェーンを切ります。

切る前にチェーンにテンションがかかっていると切りにくいのでチェーンを一時的に外しちゃいます。
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画像左のようにリアディレイラーのテンションプーリー部を軽く押してあげて

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フロントのチェーンを内側に落とします

まぁ外側でもいいんですがFDの構造的に内側のほうが無理が無いです。

外したチェーンでフレームが汚れることもあるので、気になる方はウエスでガードしておけば完璧です。


チェーンがたるんでテンションが落ちたら早速チェーンを切っていきます。

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お馴染みのチェーンカッターです。
※11速まで対応品と10速までと色々ありますので11速に対応しているものをご使用下さい。

シマノ純正品です。純正品は全く問題なく使いやすいです。


社外品でも色々出ていますが、小さいものはやはり安定感がなく力が入りづらいので使いづらいです。

整備になれないうちは多少高くても正確な作業のできるものがいいです。

失敗したらチェーンダメにしてしまう可能性もありますし確実な作業が何より大切です。

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※ハンドル部を回すと少しづつピンを押し込んでいきピンが抜けるとチェーンがきれます。

まっすぐに打ち込んできます。
けしてずれないようにまっすぐに抜きます。

最初はベキッといき、ぐるぐる回って最後がまたちょっと硬くなる、そんな感じだったと思います。

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※真ん中がコネクティングピン接続部

完全にゴミにするのであればどこでもいいんですが、コネクティングピンの部分はつなぐときにけして再利用してはいけないことになっているので、普通のなんでもないところで切るのがいいでしょう。
コネクティングピンは一度入れたらいじるもんじゃない、ということです。



ということでこんな切ったり繋いだですが、こんなものを使います。

チェンカッターが不要なこのようなのもあります。





こんなものもあるのですが、11速は原則再利用不可だった気がします。

そしてミッシングリンクの最大の弱点は品質のばらつきです。

異常に固いもの、ゆるいもの結構差があります。

ゆるくても外れたことはありませんがちと怖いですし、固いものはぶっ壊す勢いではずさないと外れないので時間も労力も取られてしまいます。

もちろん値段も高いです。


個人的には断然コネクティングピンでつなぐ方をおすすめします。FD交換の予定がないのであれば、、、


ついでにこんな実験もしてみました。
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右から二番目のピンの箇所です。

チェーンピンの再利用です。

コネクティングピンではなくて抜いたチェーンのピンの再利用です。

まぁ結果から言うと少しむずかしいですが、繋ぐことはできます。

動きも全く問題なく動きますが、あくまでもそれは外れたチェーンでのこと。


もちろんシマノも推奨していませんし、ダメってことです。
もう一度、決してこれで走ってはダメです。

使い古しのチェーンでステキなキーホルダーを作りたい場合にお使い下さい。
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※コネクティングピンは使用していません。
 DURAは中空ピンですね。

DURA-ACEキーホルダーです。今なら¥75,000・・・


切ったチェーンを見てみるとしっかりと注油ができているかが確認できます。

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外側ベタベタで内部にオイルがなくては洗浄注油をしている意味がありません。


次は新品チェーンの長さを決めてカットします。
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※上が廃品、下が新品です。ベタベタなので必ず敷物をした方がいいです。

こんな風に並べてみるとわかりやすいです。

で長さを確認後、チェーンカッターでカットです。

カットの際の注意事項はこちらです。
image4161

チェーンのつなぎ方にはお約束事があります。

もう一つ
P5174334

チェーンにはオモテウラがあります。

モデルによっては左右非対称(オモテウラのない) のものもありますが、現行チェーンはオモテウラがあります。

これらを間違えないとように適切な長さでチェーンを切ります。


チェーンを切る時もあくまでもまっすぐ、プレートに負荷の掛からないように切ります。


チェーンが車体から外れた状態って結構珍しいのでせっかくなのでBBの回転もきちんと確認して置くといいでしょう。回転にガタや、ゴロツキがないかを確認して不具合があれば直します。


と少しお話しはそれますが、この現行のHGチェーン。
ちょっと前までは新品のチェーンといえばかったい油でギトギトだったのですが、こちらは少し違います。
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以前よりも確実に柔らかい油がついていました。(錆止め等でベタベタに違いはありませんが、)

作業のじゃまになるようであれば表面は拭きとってしまって作業をしても問題はないでしょう。


長さを切りそろえた新品チェーンを通していきます。

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リアディレイラーのプーリープレートには画像中心のようにチェーンの道を正しく導くようなものがついています。

ここを通すのを忘れないように通していきます。

忘れてもプーリー外して、プーリープレートずらして上げれば入れれないこともなかったはずですが作業が面倒くさいので、きちんと確認をして通します。
作業を早く終わらせるコツはきちんと確認をすることです。
失敗して再度やり直すのはとても時間も労力もかかります。


で同じようにチェーンを内側に落としておき、チェーンを繋ぎます。

この時はコネクティングピンを使います。
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※画像左下

1個は入っているのですが予備はありません。

チェーンの長さを失敗すると、、、そこで当店がございます。
失敗だけではなくて歯数を変えたりした時に長さの調整が必要になる場合があります。


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ピンは手で入るところまでは入れて後はチェーンカッターで押し込みます。

ここも丁寧にまっすぐ0.1mmもずれないように精度よく入れていきます。

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もう少しです。

頭は外側が平らになるまで押し込んでピンをおります。

image4178

押しこみすぎてしまったらピン先を折った後反対側から押してあげます。

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接続部の動きの確認です。

P5174346

明らかに固いですね。

もしこうなってしまったらチェーンを横方向によじって動きを良くしてあげます。
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動きが良くなりました。

最後は外しておいたチェーンを元に戻して上げればチェーン交換は終了です。


またチェーン交換後は前後ディレイラー(主にリア)を調整してあげるとベターです。

どうでしょう。3000kmも走っていれば最高のフィーリングに!
ワタクシはなりました。結構変えてなかったし、3000kmどころじゃないです。。。
P5174306

 ということでチェーン交換の方法のご紹介でした。

 チェーン交換は如何にピンをまっすぐ入れるか、ピンをまっすぐ抜くかコレが重要です。

で実際に変えてみてですが、DURAチェーンとの違いはヤッパリわからんでした。


+++追記++++++++++++++++++++++++++
前回の交換から約半年、交換後に試走に行ってきました。

でどうなんだというと

w|;゚ロ゚|w ヌォオオオオ!! 
ヤッパリぜんぜん違うぅぅぅぅ。。。。


ってことです。

個人的にはチューブをラテックスに変えた時よりも確実に幸せになれました。

DURAグレードのチェーンからULTE、105と全て使ってみましたが、、、グレードによる差はやはりわかりませんでした。

価格差が上に書いたようにこんな感じです。

DURA CN-HG900-11 247g 4723円
→アウター・インナーリンクSIL-TEC 中空ピン

ULTE CN-HG701-11 257g 3863円
→アウター・インナーリンクSIL-TEC

105 CN-HG600-11
 257g 2638円
→インナーリンクSIL-TEC

アルテと105については重量は同じ、おそらく中空ピンの分DURAが軽くなっているのかと。

う~ん、ワタクシ個人的に次に使うとすれば105です。


DURA1本を買うのであれば105を2本買った方が幸せになれそうです。

チェーンは変速性能に直接関わりますし、変速がだるくても気にならない方はあまり体感はないのかもしれませんが、美しい変速を目指すのであれば定期的な交換はした方がいいと思います。
新品のチェーンの変速は【シャキシャキ】した新車時の変速を取り戻せるはずです。
ホイールも1年ぐらい乗ったらちょっといじってあげるると【ぱりっ】とする場合が多いです、それと似ている感覚です。

ということで定期的なチェーン交換で少し幸せになれる。という追記でした。

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