ロードバイクメンテ【ヘッドパーツのオーバーホール】


1年に一回の恒例行事、オーバーホールってほどのこともしていませんが、夜な夜な本格シーズン前にヘッドパーツのオーバーホールを行いました。
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ハブと同様にカートリッジ(シールド)ベアリングのヘッドパーツは難易度低めかと思います。

SempreProのヘッドパーツのメンテです。

本当は作業台を使ったほうが楽といえば楽なのですが、、、なくてもなんとかなるので床置のまま作業を始めます。
 

早速作業にとりかかります。

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上から順番にバラしていきます。

トップキャップを外してスペーサー→ステムスペーサーを抜去します。

プレッシャーアンカーはついたままでも問題がないので緩みの確認だけして基本的にはそのままです。



ボルトを緩めたら次はブレーキです。

本体がフォークに取り付けられていますのでくっつけたままだとフォークを完全にバラせませんので本体も外しちゃいます。

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※穴から突っ込んで外します。

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外した後はプランプランしているのもおさまりが悪いのでケーブルが変な方向に曲がらないようにブラケットにくくってしまいます。

コレでブランブランしないようにできます。

カンタンなことですが、作業性が大幅に上がります。

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ハンドルをステムごと引っこ抜きます。

この段階でクイックを緩めてしまいます。

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フォークを引き抜く際にホイールが付いていると思わぬ動きをする時がありますのでワタクシの場合はホイールを外してから行います。

トップカバーを外して、、、

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この際にフロントが浮いている状態(整備台の上)だとフォークの重さでフォークが落っこちてしまうことがあります。防止するためにもホイールは外しておいたほうがいいかもしれません。

上部のCリングのようなものを外し、上部ベアリングを外します。

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抜けない場合はコロンブスの卵ではありませんが、フレームを持ち上げるように軽く動かしてあげると浮いてきます。

後は下に引き抜けばフォークが外れます。

この段階ではホイールが外してあったほうがいいでしょう。


ズボッと、、、

(ブレーキ本体がくっついていると邪魔です)
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外したクラウンレース部(下玉押し)です。

コレもヘッドパーツ交換の際は引っこ抜いてぶったったいて交換するのですが、全く問題がないため再利用です。


パット見グリスも綺麗な色をしているのですが、、、

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よ~くみると少々ヘドロのようになったものが固まっています。

ガンガン洗車とかしている割に水の侵入もほぼなくフォーククラウン部からのホコリ等の侵入による汚れが一番多いようです。

汚れは溜めすぎる前に綺麗にしておくのがいいですね。

楊枝やキッチンペーパー、お好きなもので徹底的に綺麗にします。

おすすめはこちら↓↓↓






ちなみにうちの近くのロイヤルホームセンターでは270円ぐらいだった気がします。

水で絞って使えるという【ペーパーウエス】です。(水は使いませんが。)

キッチンペーパーよりも丈夫で汚れのふき取りには最適です。

基本あんまり使いませんが、パークリを染み込ませて使うのにも最適です。

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ヘドロのようになったグリス。

フォークコラム部は美しいカーボン調。、、、調と言うかカーボンですね(笑


で綺麗になったレース部です。

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美しいです。。。


そしてフォーク単体

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Sempreは上下異型ヘッドです。
 
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見事な三角錐型、、、こう見ると一目瞭然です。

 
そういえば結構軽いなぁなんて思って計測をしてみました。

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【374g】(プレッシャーアンカー入り)です。

ともあれ寄り道はこの辺にして作業に戻ります。


取り外したヘッドパーツ類です。

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まぁ、、、1年分の汚れがあります。

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下側のベアリングです。

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ピカピカに磨き上げます。

ベアリングの状態を確認してみますが、極めてスムーズ。

状態が悪ければ【めくりんちょ】して中もグリスの詰替えやろうかと思っていたのですが、必要はありませんでした。
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基本的にシールドベアリングは、、、そんなことせずに交換ですね。


ヘッドパーツの回転ってなめらかにスムーズに動くことは非常に大切なんですが、軽すぎても不安になる時があります。

モーターサイクルに乗っていた方は【ステダン】なんて使っていた方もいらっしゃるのではないかと。MTB用ではあるようですが、ロードでは発見できませんでした。

ダウンヒルのコーナーリング時なんていいなぁと思うのですが、、、

FSAのシールドベアリングは極めてなめらかで、ベアリングの回転はしっとり系です。

それがこのヘッドパーツの好きなところでもあるんです。

コーナーリングに重きをおくエンジン付きとは少々違うかとは思いますが、

極軽めなステダンなんてあったらいいなぁと思う今日このごろです。。。
 

ともあれ上部も同じく綺麗に磨き上げます。
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結構ドロドロです。

上も下と同様にベアリングはとてもスムーズ。渋さも全くありません。

しっかりとグリスアップされていますし、定期的にメンテしているのでまだまだ行けそうです。


やはり上部のほうがちょっと悪い色の汚れがありました。
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外せるものは4つのパーツです。

すべてピカピカになりました。

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次はフレーム側です。

上と、、、
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下です。
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上にも下にも落書きがしてありました。

なんか組み上げの際に印になるのでしょう。


ついでに フレームの内部も見れる貴重なタイミングです。
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 正にカーボンです(笑

深夜に何をやっているのでしょうか、、、、


戻ります。

綺麗になったら組み上げです。

組み上げの際はグリースを美しく塗り、組み上げます。

使うグリスは、、、スペシャルグリスです。最後にご紹介です。

極圧性と防錆性で選びました。

ここはあまりメンテを頻繁にする部分ではないですし、結構荷重のかかる部分であります。

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下側のベアリングです。
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でこれをセット、

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このベアリングをセットした時の精度がすっごい好きです。

カンパハブのシャフトに玉押しを入れた時のぴったり感、グリスが均等に伸びていく吸い付くようなフィット感、、、

金属同士のこのぴったり感がどちらもたまらないです。。。(笑



ではなくて、、、余分なものは拭き取ります。

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上部ベアリングも同様にグリスアップです。

こちらの割入りリングも同様にフィット感がたまらないです。



トップカバーもグリスアップですが、画像中心部にパッキンのようなものがあり、異物の侵入を防いでくれるような構造になっています。
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パーツの数もそんなに多くないので特に組み上げも難しくはないです。


【ズボッ】と入れてやります。

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そしてステムを付ける前にはカーボン用のグリスを。

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ザラザラのグリスでズレや滑りを防止します。






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これをステムのクランプ部にに塗ってから組み付けます。

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仮組み後センター出しです。


これはなにかいい方法を全世界規模で調べたのですが、0.1°もずれずにセットする方法は見つかりませんでした。

ということでここは経験と技術、腕の見せどころです。

BlogPaint

多分これで±0.1°以内には収まっているはずです。

ここまできたら後は順番を間違えないように本締めしていきます。

トップ→ステム(→トップ)です。


最後はブレーキを取り付けて規定のトルクで本締めで終了です。


ブレーキのセンターも【ドセンター】を出します。

輪行や何らかの原因で多少ずれていることがあります。


このブレーキのセンターをビシっと出すことでブレーキの性能も最大限に引き出すことができます。

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寸分変わらず、必ず握りこんでいきシューが触れる瞬間は両側のパッドが同時に接触するように気合を入れてセンターを出しました。


とこれでヘッドのクリーニングは終了です。


来年はベアリングの状態にもよりますが、シールをめくりんちょして掃除をしようかなぁと考えておりますが、ついギに開けるのはまた来年のお話しです。


ということで1年に1回のヘッドパーツのクリーニング(オーバーホールとまではいかないかな、)のお話しでした。

定期的に行っておくことでサビや不具合の防止になります。

トラブルは未然に防いで調子の良い状態を長続きさせることが長持ちの秘訣です。



+++トラブルバスター+++++++++++++++++++

先日こんなお話しを頂きました。

【ヘッド回りから【パキッ】【ペキッ】っと音がする】ということでした。

よくある【ヘッド回りの異音】ということです。

早速自転車を拝見。。。

静止状態でバウンドさせたり、揺すったり、体重をかけても音は全く出ません。

では試乗へ、、、

確かに時々音が出ています。

ハンドルを大きくきると、「パキッ」、、、前輪の荷重が抜けると「パキッ」

毎回出るわけではなくて不規則にただし確実に時々でます。

嫌な感じですね。


こういった時は基本的にフレーム全体を疑うのですが、今回の問題でわかりやすいのは【低速でも出音鳴がでる】ということです。

ある程度のスピードが出ないとならない音の原因はどこから出ているのかの特定に時間がかかる場合があります。


ということでヘッド部をバラしてみます。

、、、全く問題がありません。汚れこそあるもののガタや、傷もありません。

と言うか、ここのまえに気がついたことが、、、

特にパーツ自体には問題がなさそうなので、そのまま仮組みしちゃいます。

で今回の主役の【トップキャプ】です。

シールドベアリングのヘッドパーツは玉当り調整は不要、、、というか締め付けは締めすぎでもなんとかなってしまう場合が多いです

が、今回の問題はコレでした。

【締め付けすぎ】ということです。

締めすぎることで異音が発生しているという状態でした。


ハンドル回りは基本的にしっかりと締めたいところではありますが、シールドベアリングでも締め込み過ぎでの不具合はでる場合もある、ということです。

もちろんプロにお任せしてしまえばこういった不具合は起きないはずです。

ということでトラブルバスター、異音の改善という追記でした。

ワタクシのAZのグリスの手持ちは3種類

少しだけご紹介を!
全て調度は2ですが、硬さが少しだけ違います。

一番柔らかいグリスです。

少々固いですが、極圧性を重視したグリス

そして極圧性がありつつも柔らか目のグリスです。



最後のは高いです。

今回は一番下のレーシンググリスを使用してみました。
何故かと言うと、、、多分新製品です。

2016年7月現在AZのチラシにもまだ記載がありません。

BGR-006触った感じは固めではあるのですが、非常に伸びが良くていい感じがします。

 
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