スポークテンションから見えてくるホイール剛性と進むホイールのお話
最近大変面白い【おもちゃ】工具を使ってよくいじっているものがあります。
これです。
Parktool TM-1 スポークテンションメーターです。
再構成もしてもらえるといういいもんです。
実はスポークテンションメーターはHOZANからも超弩級の価格(ZONDAよりも高い!)のものが出て入るのですが、あちらはプレーンタイプのスポークのみの適応となっているので、最近のブレード(エアロ形状)タイプのスポークテンションはこちらが適応となります。
※今回は完全にワタクシの主観しかないお話しでして(笑)
体感というもの個々の感じ方だけではなく、体重や乗り方、ペダリング、ケイデンスでも大きく感じ方が変わってくることが御座いますのであくまでもイチアホな主観としてお読みいただければと思います。
ということで本題へ、、、
誰でも見ればパッとわかることなんですが、ホイールは【リム】【スポーク】【ハブ】この3つで構成されています。( ゚Д゚)アタリマエダー
ホイールの剛性とはこの3つのパーツの組み合わせから成り立っているということです。
最近うちにあるRS81-C35をいじくりまわさせてもらっているのですが、これが面白いんですね。
これがスポークテンションの適正値ですが、
RS81-C35とかRS21とか、、、
フロント 100-140kgf
リア R(ドライブ側) 120-150kgf
シマノはリアのL側がものすごくぬるく感じでしまいます。
実際に触って、ニギニギしてもぬるい!
ぬるいがいけないかというと「全くいけなくありません。」
ワタクシは複雑な計算は中学生ぐらいからリアタイヤ気味なのでよくわかりません(笑
しかし自転車が進む仕組みをものすごく単純に考えてみます。
①ペダルを踏む(クランクが回る)
②チェーンが動く
③チェーンの動きでリアハブが回る
④スポークからリムへと力が伝わる
⑤リム(タイア)が回る
例えばチェーンがゴムのように伸びる素材だったら、ものすごく気持ちの悪い進み方をすると思います。
踏んだ瞬間③の動きに【タメ】が生まれます。
ためられた力はのびたチェーン(ゴムと考えて下さい。)が縮むことによって一気に開放されてハブが周ります。それとともにゴムが戻る(縮む)ときペダルへの反作用がものすごく働きます。この場合のペダル踏んだときの重さはこの「戻る力」が大きく働いているときに感じることになります。
チェーンをゴムとして考えると考えやすいですね。
これが実際の自転車ではスポークの柔らかさ等で起こり得ると考えます。
「ゴンッ!」と踏んだ瞬間にハブまでは一気に力が伝わります。
ハブが回ろうとする力でスポークが引っ張られてリムへと力を伝えます。
スポーク溜め込まれた力は反作用と作用の釣り合いが作用側に傾いた際に前に進む力としてリムまで伝わり自転車が進むということです。
当然スポークだけの動きだけではなくてリムも、、、と考える必要はありますが、(わかりやすく考えるためにです)こういった動きがホイール自体の「動き」であると考えられます。
これともう一つスポークやリムの役割としては衝撃吸収ということがあります。
トラック競技のように路面状況がものすごくいい場合は路面をタイヤが追従しやすく影響が余りありませんが、一般道路はいわゆる路面の【荒れ】であるとか、【ギャップ】その他もろもろの影響で後輪(駆動輪)のトラクションが頻繁に抜けることがあります。
駆動輪のトラクション抜けは当然進みませんのでトラクションがかからないというのは致命的です。
これはフレームも関係してきますが今回はホイールだけのお話しです。
それに路面のあれをもろに拾ってしまうようであればものすごく乗り心地が悪くなります。
ではどうすれば路面を上手く追従できる、いなすことができるようになるのか?ということですが、それはある程度スポークがハブ軸に対して自由に動く必要があります。(もちろんタイヤもですが。)
タイヤの動きと、スポーク(リム)の動きで路面の細かい起伏に追従する動きがきちんとできるということが、路面をしっかりと掴んで【進む】ことにつながりますし、衝撃をもろに伝えないように乗り心地と言うものを確保できるようになります。
スポークの編み方、太さ、テンションこれらを適切にしてあげることで、踏んだときはかかりがよく、衝撃吸収に対しても柔軟に対応することで進ませる事ができる、このとても微妙なラインの調整、これがメーカーの長年の技術の結晶であるということですね。
もちろん乗り心地だけではありません。ハブベアリングへの負担も減らす事ができます。
似たような動きをハブ内に取り入れたのが有名なG社のハブですね。
これはリムの動きではなくて、ハブの回転を振動がジャマをしないようにハブ内にサスペンション的な要素をもたせたものです。
路面の状況等によってかかる衝撃荷重をベアリングに伝えないという構造です。
ベアリングは回転性能を司るもので、衝撃や過負荷を旨いこと「いなす」ことでベアリングを超スムーズにまわす、回転効率を飛躍的に向上させるということです。
住宅で考えるとわかりやすいですが、
耐震住宅:強い揺れにも耐えられる強度を持つ
免震住宅:強い揺れをいなすことで住宅に掛かる負担を減らす。
まさにこういうことだと思います。
路面のあれている状況でスピードがガクッとおちたり、ペダルがなんだか重くなる。こんな状況は正にベアリングに負担がかかっていることも一つの要因(もう一つはリム、後述)だと考えられます。
こういった振動、衝撃によるベアリングへの衝撃荷重はハブだけでではなくて、BBにも影響があります。
そのうちBBにもダンパー内蔵のものができるかも、、、理屈で考えれば回転効率は細かい振動が吸収されることで上がりますし、乗り手への負担も減らすことができると考えています。
踏んだときのリニア感を損なわないが、衝撃だけを上手く吸収する、、、難しそうですが、現在のフレームの傾向もそうですが、乗り手への負担を減らす、こんなことも重要なことと捉えられてくていますからネ。
未来の技術ですね。
とお話しはそれまくりましたが、
進まないホイールを考えるということです
やれたホイール(スポークテンションの落ちた)のスポークテンションを適正値にもどすことで「シャキッと感が出る」これは有名なお話しでありますし、ワタク氏自身も体感できたところです。
理屈的に考えれば間違いないことです。
踏んだ瞬間にタイヤまで一気に力が伝わるということはスポークが硬ければ硬いほうが、リニアに素早く、確実に伝わります。
これがスポークテンションの落ちたホイールの「進まない感」の原因の一つだと思います。
ということは、スポークテンションがダラ付いたホイールは適正値内でしっかりと戻してあげることでシャキッと感が出る。ってことですね。
これと進まないホイールにはもう一つの理由が考えられます。
リムの剛性です。
実体験からのお話しですが、リムの剛性はいわゆる【進む】ことに大きく関係していると思います。
「ゴンッ」と踏んでも「ギュンギュン」回してもリムが真円を保っていられるということは大切だということです。
リムの剛性が弱いとどう云うことが起きるのかというと、、、
①スポークテンションを上げることができない。
スポークテンションを上げていくことでリムが耐えられないことが考えられます。
適正スポークテンションがめちゃくちゃ低いリムはチョット怖いです。。。
リムが頑丈であればスポークテンションは高くも設定できるはずです。ものすごく単純に考えるとメーカー推奨の許容範囲が低く狭すぎるものはリムの剛性不足を疑ってしまいます。
②踏んだとき・外部的要因でのたわみが大きすぎてしまう。
=剛性不足、コシがない、いわゆる進まないホイールであるということです。
よくリムハイトの低いホイールでパワーのある方が乗ったときの感想であるものですネ。
リムの剛性は基本的に高ければ高いほど進むのでは?ということです。
そのために昨今かっこよくて人気のディープリムこれは空力的なお話しだけではなく、リムの剛性を確保するという意味でも理にかなっていると思います。
太く、薄く、軽く、しっかりと剛性を確保する。昨今のフレームのトレンドもこうなってきていますね。
ワイドリムなんかも剛性アップには役に立ちますね。
ではリム剛性が弱いホイールはどうするのか?ということですが、
もうこれしかありませんが、スポークテンションを上げ気味にするということです。
これによりたわみがへり、剛性が若干上がることが考えられます。その為ダラッとした感が減り、進むように感じることがあります。
ということから例えばWH-R500シマノの超有名所のホイールです。
これなんかは200kgfまで上げても大丈夫なんて言う情報も、、、ホントか嘘かはわかりませんので絶対にやらないで下さい。
※メーカー推奨外の整備はおすすめ致しません。
これはリムが頑丈だからということが考えれらます。
頑丈と剛性が高いということはほぼほぼイコールの場合が多いですが、イコールではない場合もあります。
しかし200kgfまで上げた、問題がなかった。ということが本当だとするとかなり強いリムであることが考えられます。
こういった場合で進むor進まないということを考えれば、例えば
200kgfまでスポークテンションを上げた。
→進むようになった。
これは乗り手のパワーの入力に対して剛性が足りなかったことが考えられます。
「エイっ」て踏んだときに各所が剛性不足で、たわんだり、歪んだり、パワーが上手く伝わらないことで気持ちが悪い状態になるということですね。
例えば150kgfではどうだったのか?
そんなことを考えればどうすればよいかがわかってくると思います。
前述したように、パワーがある、体重がある、トルク型のゴリマッチョのスプリンターであれば少しでも硬いほうがパワーのロスが少ないのかもしれません。
しかしワタクシの様な怪我持ち貧脚のものには高すぎるスポークテンションとリムのバランスで剛性のほうが勝ってしまうことでメリットよりも、むしろ弊害が大きくなります。
硬すぎる弊害を考えた上で、しっかりと適当なスポークテンションに導くことが進むホイールを作るということにつながると思います。
というのも頑丈なリムだからできるお話しであって、いわゆる決勝用であったり限界ギリギリのセッティングの超軽量ホイールはスポークテンションをあまり上げられ無いことあります。
上げることで「ペキッ」と・・・orz
弱いリムはびっくりするぐらい簡単に折れますので。。。
しかし、しかしです。これだけではありません。
逆にリム剛性が高いホイールはスポークテンションをむやみに上げるとどうなるか、、、
これが味噌醤油なんです(笑
「進む進まないの問題ではなく、余り変わらなく、乗り心地が悪くなります。」
ではもう少しでも進むようになるかというと、、、一定の値を超えると余り変わりません。
スポークはと言うと、リムに回転のパワーを伝えるたり、路面に対して力の入力等に大切なものです。
しかしココだけを固くすれば反応は速くなるのかもしれませんが、よっぽどダルンダルンでなければある程度のしなったとしても前へ進む推進力として、伝えることはできます。
さらにデメリットとして、前述したようにハブベアリングへの衝撃増加が考えられます。
ハブベアリングへの衝撃負荷は回転性能の低下につながるということはG社のハブの構造からも考えられることです。
適正なスポークテンションにしましょう。ということです。
一定の硬さまではレスポンス向上、パワーロス減少が見込めますが、ある一定のラインを超えるとあとは「乗り心地が悪くなるだけ、、、」こんな減少が起きます。
ではそれがどのくらいかというと、、、一人一人全く違いますし、ホイールによっても全く違います。
路面からの振動、衝撃のことを考えると、リムが弱い、ハブが弱いということは致命的です。
つまりホイールの各所が真円を保っていられなければ失速や、パワーロスにつながります。
細かい振動を上手く吸収したりすることで、寧ろリムの変形を抑えて、前へ前へとすすめるためにはある程度スポークには柔らかさ(動き)が必要なのではないかと思います。
レー3もスポークを鬼のように張ったり、かなり緩めてみたりもしましたが、
・激ダルダル、、、たしかに反応が悪い
・適正、、、もともとの硬めと言われているだけあって硬いがリニア(素直)に進む
・パツンパツン、、、気持ち進むように感じ、反応は確かに良くはなるがトータル的に見てそれが速く走れることにつながるかというと、、、
疑問なところが多いです。
※ダルダルからビシっと適正値まで張って上げるとすごく気持ちがいいですよ。
以上のことから、ワタクシにとってのRacing3というホイールはリムの剛性は十分、いわゆるバランスの良いホイールということにつながります。
ですので必要以上にスポークを引っ張ることはレスポンス向上よりも、寧ろデメリットの方が際立ってしまうということです。
さらにRS81は35mmハイト、レー3よりもリム高も高く、重いです。
ということは単純に考えても、リムの剛性がレー3よりも高いことが考えられます。
このことから考えるに、RS81-C35でスポークテンションを必要以上に上げることは総合的にみても良いことではない、そんな事が考えられます。
RS21、コスパ抜群のいわゆる結構進むホイールです。
コイツもリムの剛性はバッチリ、、、と言うかあんだけ重いリムなんでしっかりと確保してある可能性が高いです。
ということを考えると、スポークテンションをむやみに上げないほうがトータル性能的に見て進むホイール、ということが考えられます。
RS21は進む感じが気持ち良いので寧ろスポークテンションに関しては出荷状態からほぼほぼいじらないで乗るということがいいと思います。変にパツンパツンにしたりせずに落ちてきたものを直してあげるぐらいにしておく。ということです。
おそらくこれを落としてしまうと逆に気持ち悪くなると思います。
要はリムの剛性とスポークテンションのバランスがものすごく大切ということです。
というのがワタクシがココ最近ホイールをいじくり回して実際に体感できた効果ということです。
スポークテンションをいじるのはものすごく楽しいです。
時々とんでもないのがあります(笑
RS81、、、うちに来た当初はフロントは160kgf超、、、なんでこんなことになるんだかは不明ですが、ワタクシの足では完全にホイールに負けた状態であったということです。
ホイールに負けた状態とは、、、
剛性が高すぎてただ乗り心地が悪い状態のことを指します。
これを130kgfぐらいまで落としたんですが、ダル感はまったくありません。
寧ろ乗り心地が良くなってトータルバランス的に良くなったと考えることができます。
その人にとっての適正スポークテンションは実際に乗って、感じたところをいじってみる他ないと思います。
体重や脚力、乗り方、ペダリングでも全く変わってきますので。。。
シマノもある程度の許容幅をとってあるのはマニュアルにも記載があります。
ある程度の幅であれば自分好みに調整ができるというのが完組でもいいところだと思います。
ということで進むホイールということを考えると、、、
①リムの剛性
②スポークの編み方、テンション等
③ハブの剛性
この辺がとても重要になっていると思います。
・リムの剛性が高ければスポークテンションで味付けがしやすくなる。
・ハブの剛性が高くなれば【耐震住宅】のように回転性能が向上する
・上げすぎたスポークテンションによってハブベアリングの性能を落とすことも考えられ、またリムを壊したり、スポークが切れたり、デメリットも多くある。
ただただ上げればいいってもんでもないってことです。
・高すぎるホイール剛性はデメリットも多くある
・剛性が低すぎると感じたらある程度できることはあるが限界があるためゴミ箱行きのことも、、、
こんなことがまとめとして考えられるでしょう。
とういうことで軒並みのお話しにはなってしまいますが、
「ディープリムやワイドリムホイールは空力的なお話しだけではなくて、剛性の面から見ても進むホイールを作りやすい」ってことです。
そうそう、ホイールの剛性ってなんて貧脚だとよくわからない、、、そんなお話もよく見ますが、貧脚だってしっかりわかりますよ。
これに関してはパワーの有るなしではなくて、分かる人はわかる、分からない人はわからない、というところですが、何にせよ、今あるものとしっかりと向き合っている方はものすごくわかりやすいと思います。
ということで手元にあるちょっとステキなロードバイクを大切にして、しっかりと向き合って、乗りまくる!まずはここからということですね。
ということでホイールは千差万別。
硬さと剛性、パワーと乗り方、、、全てにおいてバランスがとっても大事!
そんな「スポークテンションから見えてくるホイール剛性と進むホイールのお話」ということでした。
※上げすぎ・上げすぎ等過度の調整は機材破損のリスクを伴います。
おすすめはできませんし、くれぐれもご注意してプロの判断を仰ぐことをおすすめします。
Wiggleさんでブラックフライデーが控えてますよ。。。
+++++++++++++++
今回使用したものはこちら
PARKTOOL(パークツール)のTM-1です。
アフターサービス等を考えてもコスパいいのではと思います。
Amazonが現在結構お買い得ですね。
なにはなくともこれがないとスポークはいじれません。
安いからといって侮るなかれ!です。
ママチャリからロード用のホイールまで一個でこなしてしまういいやつです。
ダメだったらもっといいやつを買えばいいやなんて考えていたのですが、なんだかんだで結構長いこと使っています。
固定するテーブルがジャストサイズのためおもいっきり回してもびくともしないです。
個人的には振れ取り台は安定感が超重要と思います。
これって結構いいんでないかな。。。
テーブル固定は床に置くよりも目線が高くなるし、腰痛持ちのワタクシにはとても優しいです。
自転車ひっくり返してやるよりももう少し細かく作業ができます。
あったら絶対に便利なデジタルノギスです。
スポークの幅をはかったり、、、
APに行った際に衝動買いしてしまいましたがヤッパリあれば便利です。
エアロ形状のスポークはこれがないと作業効率だだ下がりです。
ただただスポークを挟んで供回りを防ぐだけなのですが、もうこれなしでは考えられません。
お持ちのスポークがエアロ形状(ブレード型)の場合は必須かと、、、
こうして少しずつ、家に整備用品の山が出来上がってくるわけです(笑
大幅にスポークテンションをいじる場合はあったほうがいいのはセンターゲージです。
ワタクシも使用していますが、必要十分な性能です。
★フォーマルハウトは当店オリジナルのサイクルウェアです★
★イチオシアイテム★
★レディースウェアも充実のラインナップ★
★シマノ純正パーツもすべてOK!お見積り承ります
在庫になくともシマノカタログ掲載商品全品お取り寄せいたします。
詳細はメールにてご連絡下さい。
★その他あったら便利なパーツも取り揃えております★
最近大変面白い
これです。
Parktool TM-1 スポークテンションメーターです。
再構成もしてもらえるといういいもんです。
実はスポークテンションメーターはHOZANからも超弩級の価格(ZONDAよりも高い!)のものが出て入るのですが、あちらはプレーンタイプのスポークのみの適応となっているので、最近のブレード(エアロ形状)タイプのスポークテンションはこちらが適応となります。
※今回は完全にワタクシの主観しかないお話しでして(笑)
体感というもの個々の感じ方だけではなく、体重や乗り方、ペダリング、ケイデンスでも大きく感じ方が変わってくることが御座いますのであくまでもイチ
ということで本題へ、、、
誰でも見ればパッとわかることなんですが、ホイールは【リム】【スポーク】【ハブ】この3つで構成されています。( ゚Д゚)アタリマエダー
ホイールの剛性とはこの3つのパーツの組み合わせから成り立っているということです。
最近うちにあるRS81-C35をいじくりまわさせてもらっているのですが、これが面白いんですね。
これがスポークテンションの適正値ですが、
Racing3
フロント 110-130kg
フロント 110-130kg
リア R(ドライブ側) 120-145kg
リア L 80-100kgRS81-C35とかRS21とか、、、
フロント 100-140kgf
リア R(ドライブ側) 120-150kgf
リア L 60-90kgf
シマノはリアのL側がものすごくぬるく感じでしまいます。
実際に触って、ニギニギしてもぬるい!
ぬるいがいけないかというと「全くいけなくありません。」
ワタクシは複雑な計算は
しかし自転車が進む仕組みをものすごく単純に考えてみます。
①ペダルを踏む(クランクが回る)
②チェーンが動く
③チェーンの動きでリアハブが回る
④スポークからリムへと力が伝わる
⑤リム(タイア)が回る
例えばチェーンがゴムのように伸びる素材だったら、ものすごく気持ちの悪い進み方をすると思います。
踏んだ瞬間③の動きに【タメ】が生まれます。
ためられた力はのびたチェーン(ゴムと考えて下さい。)が縮むことによって一気に開放されてハブが周ります。それとともにゴムが戻る(縮む)ときペダルへの反作用がものすごく働きます。この場合のペダル踏んだときの重さはこの「戻る力」が大きく働いているときに感じることになります。
チェーンをゴムとして考えると考えやすいですね。
これが実際の自転車ではスポークの柔らかさ等で起こり得ると考えます。
「ゴンッ!」と踏んだ瞬間にハブまでは一気に力が伝わります。
ハブが回ろうとする力でスポークが引っ張られてリムへと力を伝えます。
スポーク溜め込まれた力は反作用と作用の釣り合いが作用側に傾いた際に前に進む力としてリムまで伝わり自転車が進むということです。
当然スポークだけの動きだけではなくてリムも、、、と考える必要はありますが、(わかりやすく考えるためにです)こういった動きがホイール自体の「動き」であると考えられます。
これともう一つスポークやリムの役割としては衝撃吸収ということがあります。
トラック競技のように路面状況がものすごくいい場合は路面をタイヤが追従しやすく影響が余りありませんが、一般道路はいわゆる路面の【荒れ】であるとか、【ギャップ】その他もろもろの影響で後輪(駆動輪)のトラクションが頻繁に抜けることがあります。
駆動輪のトラクション抜けは当然進みませんのでトラクションがかからないというのは致命的です。
これはフレームも関係してきますが今回はホイールだけのお話しです。
それに路面のあれをもろに拾ってしまうようであればものすごく乗り心地が悪くなります。
ではどうすれば路面を上手く追従できる、いなすことができるようになるのか?ということですが、それはある程度スポークがハブ軸に対して自由に動く必要があります。(もちろんタイヤもですが。)
タイヤの動きと、スポーク(リム)の動きで路面の細かい起伏に追従する動きがきちんとできるということが、路面をしっかりと掴んで【進む】ことにつながりますし、衝撃をもろに伝えないように乗り心地と言うものを確保できるようになります。
スポークの編み方、太さ、テンションこれらを適切にしてあげることで、踏んだときはかかりがよく、衝撃吸収に対しても柔軟に対応することで進ませる事ができる、このとても微妙なラインの調整、これがメーカーの長年の技術の結晶であるということですね。
もちろん乗り心地だけではありません。ハブベアリングへの負担も減らす事ができます。
似たような動きをハブ内に取り入れたのが有名なG社のハブですね。
これはリムの動きではなくて、ハブの回転を振動がジャマをしないようにハブ内にサスペンション的な要素をもたせたものです。
路面の状況等によってかかる衝撃荷重をベアリングに伝えないという構造です。
ベアリングは回転性能を司るもので、衝撃や過負荷を旨いこと「いなす」ことでベアリングを超スムーズにまわす、回転効率を飛躍的に向上させるということです。
住宅で考えるとわかりやすいですが、
耐震住宅:強い揺れにも耐えられる強度を持つ
免震住宅:強い揺れをいなすことで住宅に掛かる負担を減らす。
まさにこういうことだと思います。
路面のあれている状況でスピードがガクッとおちたり、ペダルがなんだか重くなる。こんな状況は正にベアリングに負担がかかっていることも一つの要因(もう一つはリム、後述)だと考えられます。
こういった振動、衝撃によるベアリングへの衝撃荷重はハブだけでではなくて、BBにも影響があります。
そのうちBBにもダンパー内蔵のものができるかも、、、理屈で考えれば回転効率は細かい振動が吸収されることで上がりますし、乗り手への負担も減らすことができると考えています。
踏んだときのリニア感を損なわないが、衝撃だけを上手く吸収する、、、難しそうですが、現在のフレームの傾向もそうですが、乗り手への負担を減らす、こんなことも重要なことと捉えられてくていますからネ。
未来の技術ですね。
とお話しはそれまくりましたが、
進まないホイールを考えるということです
やれたホイール(スポークテンションの落ちた)のスポークテンションを適正値にもどすことで「シャキッと感が出る」これは有名なお話しでありますし、ワタク氏自身も体感できたところです。
理屈的に考えれば間違いないことです。
踏んだ瞬間にタイヤまで一気に力が伝わるということはスポークが硬ければ硬いほうが、リニアに素早く、確実に伝わります。
これがスポークテンションの落ちたホイールの「進まない感」の原因の一つだと思います。
ということは、スポークテンションがダラ付いたホイールは適正値内でしっかりと戻してあげることでシャキッと感が出る。ってことですね。
これと進まないホイールにはもう一つの理由が考えられます。
リムの剛性です。
実体験からのお話しですが、リムの剛性はいわゆる【進む】ことに大きく関係していると思います。
「ゴンッ」と踏んでも「ギュンギュン」回してもリムが真円を保っていられるということは大切だということです。
リムの剛性が弱いとどう云うことが起きるのかというと、、、
①スポークテンションを上げることができない。
スポークテンションを上げていくことでリムが耐えられないことが考えられます。
適正スポークテンションがめちゃくちゃ低いリムはチョット怖いです。。。
リムが頑丈であればスポークテンションは高くも設定できるはずです。ものすごく単純に考えるとメーカー推奨の許容範囲が低く狭すぎるものはリムの剛性不足を疑ってしまいます。
②踏んだとき・外部的要因でのたわみが大きすぎてしまう。
=剛性不足、コシがない、いわゆる進まないホイールであるということです。
よくリムハイトの低いホイールでパワーのある方が乗ったときの感想であるものですネ。
リムの剛性は基本的に高ければ高いほど進むのでは?ということです。
そのために昨今かっこよくて人気のディープリムこれは空力的なお話しだけではなく、リムの剛性を確保するという意味でも理にかなっていると思います。
太く、薄く、軽く、しっかりと剛性を確保する。昨今のフレームのトレンドもこうなってきていますね。
ワイドリムなんかも剛性アップには役に立ちますね。
ではリム剛性が弱いホイールはどうするのか?ということですが、
もうこれしかありませんが、スポークテンションを上げ気味にするということです。
これによりたわみがへり、剛性が若干上がることが考えられます。その為ダラッとした感が減り、進むように感じることがあります。
ということから例えばWH-R500シマノの超有名所のホイールです。
これなんかは200kgfまで上げても大丈夫なんて言う情報も、、、ホントか嘘かはわかりませんので絶対にやらないで下さい。
※メーカー推奨外の整備はおすすめ致しません。
これはリムが頑丈だからということが考えれらます。
頑丈と剛性が高いということはほぼほぼイコールの場合が多いですが、イコールではない場合もあります。
しかし200kgfまで上げた、問題がなかった。ということが本当だとするとかなり強いリムであることが考えられます。
こういった場合で進むor進まないということを考えれば、例えば
200kgfまでスポークテンションを上げた。
→進むようになった。
これは乗り手のパワーの入力に対して剛性が足りなかったことが考えられます。
「エイっ」て踏んだときに各所が剛性不足で、たわんだり、歪んだり、パワーが上手く伝わらないことで気持ちが悪い状態になるということですね。
例えば150kgfではどうだったのか?
そんなことを考えればどうすればよいかがわかってくると思います。
前述したように、パワーがある、体重がある、トルク型のゴリマッチョのスプリンターであれば少しでも硬いほうがパワーのロスが少ないのかもしれません。
しかしワタクシの様な怪我持ち貧脚のものには高すぎるスポークテンションとリムのバランスで剛性のほうが勝ってしまうことでメリットよりも、むしろ弊害が大きくなります。
硬すぎる弊害を考えた上で、しっかりと適当なスポークテンションに導くことが進むホイールを作るということにつながると思います。
というのも頑丈なリムだからできるお話しであって、いわゆる決勝用であったり限界ギリギリのセッティングの超軽量ホイールはスポークテンションをあまり上げられ無いことあります。
上げることで「ペキッ」と・・・orz
弱いリムはびっくりするぐらい簡単に折れますので。。。
しかし、しかしです。これだけではありません。
逆にリム剛性が高いホイールはスポークテンションをむやみに上げるとどうなるか、、、
これが味噌醤油なんです(笑
「進む進まないの問題ではなく、余り変わらなく、乗り心地が悪くなります。」
ではもう少しでも進むようになるかというと、、、一定の値を超えると余り変わりません。
スポークはと言うと、リムに回転のパワーを伝えるたり、路面に対して力の入力等に大切なものです。
しかしココだけを固くすれば反応は速くなるのかもしれませんが、よっぽどダルンダルンでなければある程度のしなったとしても前へ進む推進力として、伝えることはできます。
さらにデメリットとして、前述したようにハブベアリングへの衝撃増加が考えられます。
ハブベアリングへの衝撃負荷は回転性能の低下につながるということはG社のハブの構造からも考えられることです。
適正なスポークテンションにしましょう。ということです。
一定の硬さまではレスポンス向上、パワーロス減少が見込めますが、ある一定のラインを超えるとあとは「乗り心地が悪くなるだけ、、、」こんな減少が起きます。
ではそれがどのくらいかというと、、、一人一人全く違いますし、ホイールによっても全く違います。
路面からの振動、衝撃のことを考えると、リムが弱い、ハブが弱いということは致命的です。
つまりホイールの各所が真円を保っていられなければ失速や、パワーロスにつながります。
細かい振動を上手く吸収したりすることで、寧ろリムの変形を抑えて、前へ前へとすすめるためにはある程度スポークには柔らかさ(動き)が必要なのではないかと思います。
レー3もスポークを鬼のように張ったり、かなり緩めてみたりもしましたが、
・激ダルダル、、、たしかに反応が悪い
・適正、、、もともとの硬めと言われているだけあって硬いがリニア(素直)に進む
・パツンパツン、、、気持ち進むように感じ、反応は確かに良くはなるがトータル的に見てそれが速く走れることにつながるかというと、、、
疑問なところが多いです。
※ダルダルからビシっと適正値まで張って上げるとすごく気持ちがいいですよ。
以上のことから、ワタクシにとってのRacing3というホイールはリムの剛性は十分、いわゆるバランスの良いホイールということにつながります。
ですので必要以上にスポークを引っ張ることはレスポンス向上よりも、寧ろデメリットの方が際立ってしまうということです。
さらにRS81は35mmハイト、レー3よりもリム高も高く、重いです。
ということは単純に考えても、リムの剛性がレー3よりも高いことが考えられます。
このことから考えるに、RS81-C35でスポークテンションを必要以上に上げることは総合的にみても良いことではない、そんな事が考えられます。
RS21、コスパ抜群のいわゆる結構進むホイールです。
コイツもリムの剛性はバッチリ、、、と言うかあんだけ重いリムなんでしっかりと確保してある可能性が高いです。
ということを考えると、スポークテンションをむやみに上げないほうがトータル性能的に見て進むホイール、ということが考えられます。
RS21は進む感じが気持ち良いので寧ろスポークテンションに関しては出荷状態からほぼほぼいじらないで乗るということがいいと思います。変にパツンパツンにしたりせずに落ちてきたものを直してあげるぐらいにしておく。ということです。
おそらくこれを落としてしまうと逆に気持ち悪くなると思います。
要はリムの剛性とスポークテンションのバランスがものすごく大切ということです。
というのがワタクシがココ最近ホイールをいじくり回して実際に体感できた効果ということです。
スポークテンションをいじるのはものすごく楽しいです。
時々とんでもないのがあります(笑
RS81、、、うちに来た当初はフロントは160kgf超、、、なんでこんなことになるんだかは不明ですが、ワタクシの足では完全にホイールに負けた状態であったということです。
ホイールに負けた状態とは、、、
剛性が高すぎてただ乗り心地が悪い状態のことを指します。
これを130kgfぐらいまで落としたんですが、ダル感はまったくありません。
寧ろ乗り心地が良くなってトータルバランス的に良くなったと考えることができます。
その人にとっての適正スポークテンションは実際に乗って、感じたところをいじってみる他ないと思います。
体重や脚力、乗り方、ペダリングでも全く変わってきますので。。。
シマノもある程度の許容幅をとってあるのはマニュアルにも記載があります。
ある程度の幅であれば自分好みに調整ができるというのが完組でもいいところだと思います。
ということで進むホイールということを考えると、、、
①リムの剛性
②スポークの編み方、テンション等
③ハブの剛性
この辺がとても重要になっていると思います。
・リムの剛性が高ければスポークテンションで味付けがしやすくなる。
・ハブの剛性が高くなれば【耐震住宅】のように回転性能が向上する
・上げすぎたスポークテンションによってハブベアリングの性能を落とすことも考えられ、またリムを壊したり、スポークが切れたり、デメリットも多くある。
ただただ上げればいいってもんでもないってことです。
・高すぎるホイール剛性はデメリットも多くある
・剛性が低すぎると感じたらある程度できることはあるが限界があるためゴミ箱行きのことも、、、
こんなことがまとめとして考えられるでしょう。
とういうことで軒並みのお話しにはなってしまいますが、
「ディープリムやワイドリムホイールは空力的なお話しだけではなくて、剛性の面から見ても進むホイールを作りやすい」ってことです。
そうそう、ホイールの剛性ってなんて貧脚だとよくわからない、、、そんなお話もよく見ますが、貧脚だってしっかりわかりますよ。
これに関してはパワーの有るなしではなくて、分かる人はわかる、分からない人はわからない、というところですが、何にせよ、今あるものとしっかりと向き合っている方はものすごくわかりやすいと思います。
ということで手元にあるちょっとステキなロードバイクを大切にして、しっかりと向き合って、乗りまくる!まずはここからということですね。
ということでホイールは千差万別。
硬さと剛性、パワーと乗り方、、、全てにおいてバランスがとっても大事!
そんな「スポークテンションから見えてくるホイール剛性と進むホイールのお話」ということでした。
※上げすぎ・上げすぎ等過度の調整は機材破損のリスクを伴います。
おすすめはできませんし、くれぐれもご注意してプロの判断を仰ぐことをおすすめします。
Wiggleさんでブラックフライデーが控えてますよ。。。
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今回使用したものはこちら
PARKTOOL(パークツール)のTM-1です。
アフターサービス等を考えてもコスパいいのではと思います。
Amazonが現在結構お買い得ですね。
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安いからといって侮るなかれ!です。
ママチャリからロード用のホイールまで一個でこなしてしまういいやつです。
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固定するテーブルがジャストサイズのためおもいっきり回してもびくともしないです。
個人的には振れ取り台は安定感が超重要と思います。
これって結構いいんでないかな。。。
テーブル固定は床に置くよりも目線が高くなるし、腰痛持ちのワタクシにはとても優しいです。
自転車ひっくり返してやるよりももう少し細かく作業ができます。
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あったら絶対に便利なデジタルノギスです。
スポークの幅をはかったり、、、
APに行った際に衝動買いしてしまいましたがヤッパリあれば便利です。
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エアロ形状のスポークはこれがないと作業効率だだ下がりです。
ただただスポークを挟んで供回りを防ぐだけなのですが、もうこれなしでは考えられません。
お持ちのスポークがエアロ形状(ブレード型)の場合は必須かと、、、
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大幅にスポークテンションをいじる場合はあったほうがいいのはセンターゲージです。
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