シフト・ブレーキケーブル交換時 シマノ純正スモールパーツの使い方

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当記事は過去記事の情報を更新しバージョンアップをさせていただいた最近版の記事となります。
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シマノはシフト・ブレーキ共通ですが、セットで購入するとスモールパーツがもりもりついてきます。

結構似たようなパーツがゾロゾロとついてきて混乱しがちなので一例として各スモーパーツはドコに使うのか?シフト・ブレーキケーブル交換時 シマノ純正スモールパーツの使い方のお話しです。

※あくまでもほんの一例ということはどういうことかと言うと、フレームによって差が出るからです。
昨今フレームの種類の多様化によって、ブレーキでもシフトでもアウターキャップを使うフレーム、使わないフレームと様々な設計のフレームがあります。
(基本的にはフレーム側のアウター受けにケーブルセットのアウターキャップが入れば使用する、入らなければケーブルを直接入れるということです。)
最終的にはフレームに合わせて、というのが答えになってしまいますが基本的には”この組み合わせが推奨”ということです。

ということで早速本題へ。



▶シフトケーブル

①ポリマーコーティングケーブルセット


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いつの間にかアルテグラグレードがカタログから消えてしまった旧DURAグレード(?)ポリマーコーティングシフトブケーブルセットです。
(ULTEGRAグレードのレバー購入時に付属でついてくるパッケージ品ケーブルはULTEGRAグレードということです。)

※インナーエンドキャップは端折りますm(_ _)m

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a.STショートノーズ付きアウターキャップ
これは【ST】とついているのでSTI(コントロールレバー)内に使うパーツです。
特長として、アウターケーブルがかぶさる部分に凸があります。

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この凸をコントロールレバーの凹に合わせます。

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こんな感じでコントロールレバー内に入れてここにアウターケージングが刺さります。
ハンドルを這わせるタイプでカーブがきつくなるので専用パーツで保護ということでしょう。

内装式のハンドルではこのパーツが裂けることが意外と少なくありません。
また使用し終わったものはひん曲がってバナナのようになっているものも多々、組み方でパーツの寿命が変わる代表的なような部分のパーツです。

b.ロングノーズ付きアウターキャップ
正式名称は”ポリマーコーティングインナーケーブル用ロングノーズ付きアウターキャップ”です。
正に名前の通りでロングノーズのついたアウターキャップです。
これは3つ付属があります
前後があるのに3つという奇数なのでわかりづらくなるもんです。

これは
フレームイン(フレームに入る・沿わせるところ・トップチューブ下)×2
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このままフレーム(フレーム側のアウター受け)にインします。

ここと、
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ここチェーンステー下(リアディレイラー前)です。

※最近のケーブルが中を通るフレームではシマノ純正品を使わずに専用品のを用いるフレームもあります。
ここは結構重要で、特にチェーンステー内部を通る場合、フレーム専用小物(ケーブル受け)がないと組めない場合があります。


c.RD用ノーズ

これはもう名前を見れば一目瞭然なのですが、パーツに名前が書いてあるわけではないのでものだけ見ると、、、なにかの切れ端にも見えてしまうものです。

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このインナーがリアディレイラーから出てくる部分です。

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ケーブルを外した状態でRD本体のアジャスター部を緩めていくとココまで分解できます。
この状態の一番下の部分のパーツです。

使用していくと潰れから始まり最終的にはちぎれます。(特にトップ側をよく使う場合)

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このパーツは引きの軽さに直接影響がありますが、基本的に組み方等での延命はできません。
旧型のタブルテンションのリアディレイラーでは毎回交換、そしてちぎれたら交換が必要となります。

構造上新型のシャドータイプのリアディレイラーのほうが遥かに長持ちします。


d.RD用シールドアウターキャップ
こちらはリアディレイラーにアウターケーブルが入るところのキャップです。

以前ココは樹脂製のものはちぎれたりひん曲がったりするのがよくないと言われていてアルミを推奨していたようなのですが、現在のマニュアルでは105以下のモデルは樹脂ということになっているようです。(詳細はもう少し下に、、、)

アルミでも樹脂でもシールドアウターキャップを使う場所です。

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②オプティスリックシフトケーブルセット

1グレード下がりオプティスリックになるとこうなります。

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b.樹脂製のシールドアウターが4つに増え、と思いきや実は非シールドのアウターキャップが3つにシールドアウターキャップが1つです。

非シールド(ノーマル)アウターキャップ(2本線)
・フレームに沿わせる(トップチューブ下)もしくはフレームに入る部分×2
・チェーンステー下


シールドアウタータイプ(4本線)
・RDに入るところ×1

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ごっちゃにならないように注意をして下さい。

見分け方は簡単です。実際にケーブルを挿してみれば抵抗感が全く違うのでわかりやすいです。
シールドアウターキャップのほうがピッタリとしていますのでケーブルの抵抗が大きい(きつい)です。

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シマノのアウターキャップには線が入っています。
2本線がノーマルのアウターキャップで、4本線がシールドアウターキャップです。
長さが若干違うのですが、わからなくなったらこの線の数を見るのがわかりいいと思います。

RD用ノーズがパッケージから外れていますが、個人的にはインナーケーブルの保護、摺動抵抗の低減のためにも必要ですし、傷んでいたら交換を推奨致します。

というのがセットからの組付けなんですが、最近のシマノのカタログの記載ではチェーンステー下もシールド推奨となっております。理屈的に考えればチェーンステー下はシールドのほうがいいこともあるかと思いますが、これでは推奨とパッケージに相違がでてしまいます。
とは言ってもないものはないので、実際には上記の組み方となります。

またシールドアウターも一見弱点がないようにも見えなくはありませんが、もちろん弱点もあります。それはそのシールド性能故、ケーブルの摺動抵抗がシールド部で生まれます。
MTB等過酷な環境下を想定する場合はすべてシールドで組んだりもしますが、ロードではロングノーズやノーマルを使用して組むことで軽い引き、素早く正確なレスポンスを求めます。


▶ステンレスシフトケーブルセット

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ココまでくるとわかりやすくなると思いますが、ココでまさかのRDはアルミへと、、、

・STI(コントロールレバー内外、ハンドルを沿わせないタイプ?)はノーマルのアウターキャップ×2
・フレーム入り口・沿わせる(ダウンチューブ下)もノーマルタイプ×2
・チェーンステーはシールドアウター×1
・RDはアルミシールド

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これはいいのですが、こう考えると上のオプティスリックのケーブルセットが、アルミが足りないか、シールドが足りないか、、、この辺はカタログでも【**の注意】になっていて「チェーンステー下は適切なものを選んで下さい。」とあります。
現在のカタログでは上記記載はありません。
しかし消去法で考えるともうこれしかありません。

RDに入る部分では過去のモデルのリアディレイラーで一部アルミでないとだめだったモデルもありました。現行モデルでは樹脂製でも問題ないということです。


つまり現行のセットだと
・オプティスリックセット
チェーンステー下=ノーマルアウターキャップ
RD部=樹脂製シールドアウター

・ステンレスセット
チェーンステー下=樹脂製シールドアウター
RD部=アルミ製シールドアウター


これが正解です。

ワタクシはシフトケーブルはステンを仕様しますので、当然パーツが付いてきません。そんなときはスモールだけを取り寄せたりして使うわけです。

ちなみにサラッと書きますが、日泉ケーブルを使用する際はRD部のアウターキャップは必ず樹脂製のシールドにしてください。全てではありませんが、アルミのシールドアウターキャップで組むと具合が悪くなるものがあります。



▶ブレーキケーブルセット

ブレーキケーブルのほうがシンプルです。

こちらもアルテグレードがカタログから姿を消しました。
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基本的に数は同じなので難しくないです。

アウターキャップはすべてリア用です。

ブレーキ本体との接続部はアウターキャップは基本的に使いません。
ブレーキ本体にはアウターケーブルを直接突っ込みます。

アウターキャップはリアブレーキラインのアウター受けの部分に2個使います。

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ココから入って、、、

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トップチューブ後部から出てきます。
ここの2箇所に使います。

ケーブルがフレーム内を通らない場合はトップチューブ下が多いです。(シクロはトップチューブ上)

※フレームの種類によってはリアブレーキアウターごとフレーム内に通してしまう、いわば【フルアウター】仕様のフレームが昨今増えてきたようなイメージです。その場合はこのブレーキ用のノーズ付きアウターは使用しません。

このブレーキ用のノーズ付きアウターなんですが、2種類あります。
DURAグレードの【アルミニウム:387円】とアルテグレードの【真鍮:212円】です。
アルミと真鍮、重量はアルミのほうが軽いですが、性能の差はありません。アルミの方が軽量ではありますが、固着したものを取り外すときにちぎれやすいので苦労するのはアルミです。

この辺の細かいところで価格差というかグレードの差を付けているということです。。

シマノの推奨だとポリマーコーティングを使用の際はノーズ付きで組む、ということですが、フレームの設計によってはポリマーコーティングではなくてもノーズ付きを使ったほうが具合の良いフレームもあります。またノーズ付きを使った方が良くてもフレームのアウター受けの構造上ノーズ付きが使えないもの、使用しないものもあります。
そんなときはノーズの部分だけをライナー管などを加工して作る場合もあります。
ということでノーズ付きのデメリットがほぼ有りませんので、基本的にはノーズ付きを使えるのであれば使用することを推奨致します。



スモールパーツの使い方を間違えると充分な性能を発揮できないということはシマノ自体も公式の見解としてあります。
「シマノインデックスシステム(SIS)の本来の変速性能を発揮させるために、適切なアウターキャップを使用して下さい。」
2017 シマノカタログより抜粋
 
常々記事内に書かせては頂いておりますが、
「たかがスモールパーツ、されどスモールパーツ」「侮るなかれスモールパーツ」ということです。
 
ということでご自身でやられる際は細かいことですが、このスモールパーツの使い方を間違えないようにご注意下さい。
ロードバイクは細かい事の積み重ねで成り立っているようなところが多々あります。一つ一つは細かくても大切なことです。

もし今組んである状態、スモールパーツが違う使い方をしているのであれば、シフトにしてもブレーキにしてもフィーリングをもっと良くする可能性を秘めているということです。

注1)最近のフレームは専用品を使うものが結構多くなって来ました。
すべてのフレームでシマノのスモールパーツが使えるわけではありませんのでご注意下さい。
基本的にはフレームの設計次第で、フレーム専用パーツを使う場合も多々あります。その際はシマノのパーツも使う場合、使わない場合、様々です。ご不明な場合はプロショップへご相談がよいです。

注2)完成車でケーブルがシマノ純正を使っていない場合があります。
完成車でスモールが違う、、、というのは社外製のケーブルの時もあります。というか完成車組みの場合はシマノケーブルを使用しているものは多くありません。
その際は交換のときなんかにシマノのものに変えると本来の性能を引き出せる可能性もあります。
より良いフィーリングをお求めの場合は日泉ケーブルの使用を推奨致します。

▶おまけ
見た目では違いがよくわからないシールドアウター、インナーを通せは確かに抵抗はありますがなにがそんなに違うのかというと、、
ということでものすごくわかりやすい動画があります。



シールド効果の有無で全然違います。

ということでアウターキャップもシールドと非シールドでは全然違うものが使われているということなんですね。
こういった細かい所の積み重ねで最高のフィーリングを味わえるように考えられているというのも面白いところです。



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