ロードバイクの制動距離から車間距離を考える。
 

先日本当に「チラッ」とだけ出てきたロードバイクの制動距離のお話しです。

4輪と2輪ではブレーキングやコーナーリングの安定感も全く違います。

しかし公道ともなると2輪も4輪もエンジンが付いていようがいまいが同じ道を走ることになります。

大前提としてあるのは2輪は4輪よりも不安定な乗り物ということです。

通常2輪は止まれば左右どちらかに倒れます。

これが何よりの不安定ということです。

ということで今回はロードバイクの制動距離から安全な車間距離を考えるというお話しです。



▶実験

ロードバイクって「どのくらいで止まれるのか?」と言うことです。

こればかりはテクニックや条件がものすごく差が出ますので一概には言えませんが、おおよそのイメージとしてい捉えるために実際にやってみました。

路面状況:ドライ
気温:6℃(最低の条件ですネ)
ほぼ無風
タイヤ
フロント:Vittoria DiamanteProⅣ バリ山 7.0BAR
リア:Vittoria ルビノ G+ 8部山 7.0BAR
前後ブレーキ:BR6800

すべての回においてリアを一瞬ロック
フロントはロック寸前で回避

サイコン読みで時速20km/hまで加速、その後20m位走行後の急制動です。
何度か練習後に3回の測定です。
※ポジションは尻をずらさずにノーマルの状態からペダルの荷重だけを抜いた状態です。

1回目:2.7m
2回目:3.4m
3回目:2.6m

一番最初の実験では4m以上が何度か出ていたのでまぁまぁ優秀な数値が出たのではないかと思います。
※結構アバウトな実験ですのであくまでも参考値ということで。

なお比較のためにJAFの実験結果はこちらです。
image4144
JAF 公式ページより抜粋 http://www.jaf.or.jp/profile/news/file/2012_19.htm

一般の自転車では6.5m、電動アシスト付きの2人乗り自転車では3.6mという結果です。

電動アシスト自転車は24km/hをさかいにアシスト機能が切れるためそれ以上は想定していないということでしょう。

20km/hの場合はどんなに頑張っても3mはかかると考えておいたほうがいいでしょう。



30km/hでの実験は他の方がやっていたのでそちらを、、、

結論から言うと30km/hからの制動距離は7.3mでした。
ロードバイクの制動距離実験 
http://perfect-comes-from-perfect.blogspot.jp/2016/09/blog-post_16.html より抜粋




▶4輪の制動距離は?


これは警察庁のHPに資料があります。

image4161

速度による停止距離
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/regulation_wg/teigen/siryou2.pdf
 
もはやABSがほぼ標準装備となった4輪には通常2輪の制動力は勝つことは難しそうです。

というのもABSが優秀であれば誰でも踏みつけるだけで安定した急制動ができます。

しかし2輪は大前提として前述の不安定ということがあります。

踏みつけるだけの4輪と違い、荷重移動でもブレーキ性能が変わりますし、なにより失敗すれば転びます。
テクニックに対する依存が大きいということもあります。

急制動はまっすぐで平坦な道だけのお話しではありません。

下りのヘアピンコーナリング中の急制動、、、ロードバイクでフルブレーキングなんでできますか?
ワタクシはへっぽこなので怖くてできません。


▶大切なのは制動距離よりも空走距離!

車間距離を考える上で、制動距離としては3倍も4倍も差が出るということではなかったということですしたが、大切なのは空走距離の方です。

上の警視庁の資料から見てもロードバイクで常用する速度って30km/hぐらいが多いのではないでしょうか?

峠の下りでは50km/hぐらい出ることもありますが、ワタクシはのんびり屋さんなので下りも30~40km/hがほとんどです。道が狭けければもっともっと遅いですヨ。

実際ににどんなものなのでしょうか。
空走距離というのは,運転者が(1)危険を感じて急ブレーキが必要と判断した時点から,(2)アクセルペダルから足を動かし(反射時間0.4~0.5秒),(3)ブレーキペダルに足を乗せ(踏替え時間0.2秒),(4)これを踏み込んでブレーキが効き始める(踏込み時間0.1~0.3秒)時点までの距離である。この間の制動措置を取るまでに要する時間を「反応時間(空走時間)」といい,個人差はあるが,通常人の平均的な反応時間は0.75秒とされている。
 上記の通常人の例でいえば,車速50Km/hの場合の空走距離は,約10.4mである。
 交通事故における車速と停止距離を考えるより抜粋
 http://www5d.biglobe.ne.jp/Jusl/Keisanki/JTSL/TeisiSyasoku.html

こちらは車の例ではありますが、おおよそ同じぐらいであると考えられます。

下りなんかでは車もブレーキに足を乗せていたり、ロードバイクもブレーキに手をかけていたり、、、
もちろん十分に考えられますが、それでも空走距離がなくなるなんてことはありません。



▶安全な車間距離を考える。

4輪、エンジン付きの方では一般道では白線3つ分と言われています。

白線5m+空白5mということは30mぐらいの車間距離をとって走りましょうということです。


いくら広い道、きれいな道だからと言って峠の下りで60km/hで前走車にピッタリ、、、こんなときに前走車が急ブレーキをかけたら、、、ブレーキに振れる間もなく突っ込むことになります。

そして一般道路であれば突然の出来事が起こりえます。

飛び出し、道路上の落とし物や異物、、、ブラインドコーナーの先の障害。。。

車対車よりもロードバイクの方が車間距離がつまりがちにあります。車よりも視界が良いためどうしてもつまりかちになります。

対車であっても対自転車であっても十分な車間距離や走行ラインをずらす、こんなコトを考えるといいと思います。

仲間内で絡んでころぶ分には大きな怪我がなければいいと思いますし、気心も知れていればハンドサイン・声出しやなんかで意思の疎通ができると思います。

しかし全くの他人、通りすがりのドライバーが何を考えているかなんてわかりかねます。
「ク@チャリジャマだっ、、、」 こう考えているかたは少なからず必ずいます。
悪意を持っている人もいるかもしれません。

そんなときでも車間距離を取らないのは後続車の責任です。

前の車が急ブレーキを踏んでも止まらなければいけないのは後続車です。

そのためには十分な車間距離やラインを考える必要があるということです。


▶まとめ

下りや、コーナーは更に制動距離が伸びることが考えられます。

何度も繰り返しになりますが、公道の下りでスピードを出すなとはいえませんが、安全にうちに帰る、趣味として家族の協力を得るために大切なのは何より【無事に帰る。】ということです。


慣れてくるとスピードが怖くなくなってきます。
車間距離も詰めることが怖くなくなってきます。
良くない意味で「慣れ」って怖い言葉です。


最初の方の実験からと表から考えてもたとえ20km/hのスピードでも止まるのに空走距離を除いても3mはかかる、ということは20km/hでも前の車が急ブレーキを踏んだ際に車間距離が短ければ事故になる可能性が十分にあるということです。
20km/hで走行時に急ブレーキのことを考えてブレーキに指をかけている場合ってそこまで多いケースではないと思います。時間にして0.75秒、、、これが境目になるということです。

これが30km/hだったら、40km/hだったら、、、と考えることはとても大切なことです。

趣味として続けている上で事故をしないということはとても大切なことだと思います。

何かがあっても安全に止まれるだけの、スピードで走る、車間距離をとる、ラインを考える、全てはロードバイクを長い趣味として続けていく上で大切なことだと思いますヨ。


怪我をするのは一瞬、怪我をなおすのはとても時間がかかります。

ということで ロードバイクの制動距離から車間距離を考える。そんなお話しでした。


★フォーマルハウトは当店オリジナルのサイクルウェアです★


★イチオシアイテム★
★レディースウェアも充実のラインナップ★


★シマノ純正パーツもすべてOK!お見積り承ります

在庫になくともシマノカタログ掲載商品全品お取り寄せいたします。
詳細はメールにてご連絡下さい。

★その他あったら便利なパーツも取り揃えております★