もう怖くない!?軽量チューブの交換で失敗しないためのポイント

ラテックスチューブや軽量チューブをお試しいただいた方で組み付け時に「早速バーストしちゃいました。。。」そんなお話しをいただくことは少なく有りません。

タイヤ・チューブの交換だけではなくて、振れ取り等も場合によってはタイヤを外して行いますのでタイヤの付け外しの作業は少なく有りません。

しかしです。
最近のチューブ、軽量化や乗り心地のために軽く薄いものが増えてきました。
ということからも重量級のブチルチューブよりも組付け手技による失敗は少なく有りません。

ということで今回は注意点を踏まえながらデリケートなラテックスチューブや、極薄軽量チューブ等でも失敗のしづらい交換方法を再度確認がてらご説明をさせていただこうと思います。

もちろんブチルでもそうですが、無理くりタイヤレバーでぶち込むなんて方法はおすすめできるわけでは有りません。
しかし不思議なもので、タイヤ交換やチューブの交換が上手い人の作業を見ているとびっくりするぐらい軽く入れているように見えます。

Σ ゚д゚≡(   ノ)ノ エッ?マジ?

・・・本気です(笑

ワタクシ自身もジャンプを破れるような握力を持っているわけではありませんが、ロード用のCLタイヤであれば殆どの種類でレバーなしで入れることができます。大切なのはちょっとしたコツであり、テクニック、そしてスキルです。
 
ということで早速本題へ。



▶軽量チューブ交換前の確認
機材に問題がある場合もあります。
リムにバリ傷があればそこに引っかかればブチルでは破れなかったものものラテックスだと破れてしまうこともあります。

日常的に確認は必要なことですが、特に軽量チューブを取り扱う際は、かならずチューブの通り道を確認します。
まずはリムの状態です。
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滑らかです。

しかし何らかの原因で傷がついてしまっているものもあります。
例えばです、、、
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これは落車で壊してしまったホイールです。

パンクの後に打ちどころが悪かったりするとこういう傷がつくこともあります。
もっと外側であったりもしますが、触って痛いと思うような傷はチューブを滑り込ませるときにダメージを与えてしまう時があります。
こうなってしまった場合は、タイヤ・チューブ交換の前にまずは傷をなんとかしないと、よく有りません。


▶軽量チューブの組付け前の下準備

ラテックスチューブや、軽量チューブは新品の状態はある程度”粉”がついているのですが、何度か付け外しをしているうちにだんだんと取れてきてしまいます。そんなときの組付け前のひと仕事で、粉をまぶしてあげます。

粉は専用タイヤパウダーがあります。
PanaracerやAZから発売されています。

専用品が安心ですが、ない場合は代用品が無いわけでは有りません。
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鉄板のベビーパウダーです。
ワタクシの経験上 不具合はありませんが、長期間の使用にはやはり専用品のほうが良いと思います。(とは言っても超軽量チューブやラテックスチューブ自体がそこまで長期間使用できるものでも有りません。)
使用方法・使用期間・使用環境に合わせて適切なものを選ぶのが良いです。

ともあれ、パフ(スポンジ)につけてパタパタ、、、

めんどくさーぃ!!!(/`o´)/ .:*:・'゚ 


ということで、、、
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ビニール袋にほんのひとつまみ、、、

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空気も入れてフリフリ、、、これで完璧です。
※バルブキャップは軽く閉じておきます。

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 とてもキレイに粉まみれにできます。
多分この方法が一番きれいにまぶせる気がします。

粉の量は多すぎれば粉まみれですし、少なければ増量してふりふりすればとてもいい状態にできます。とは言っても専用品も使い切るのが大変なぐらいの量ですので、ケチらずしっかりめに振って良いと思います。

下準備ができたら、いよいよ組み付けです。


▶組み付け時のポイント
・こすらない
・引っ張らない
・引っ掛けない

これらは軽量だから、ラテックスだからということでは有りませんが、特に要注意ということです。

実際の作業工程はこんな感じです。
①片側のビードをはめる
②チューブのバルブをホイールのバルブホールに入れる
③チューブをタイヤ内に収める
④チューブをリムに納める
⑤タイヤのビードをはめる

これが大まかな流れですが、このステップはどれも重要なポイントです。

ということを踏まえて、作業に入ります。
タイヤの片側のビードをはめた後はチューブを入れます。

チューブにはかるく空気を入れておきます。
パンパンに入れるわけではなく、本当に軽く形を保てるぐらいが良いです。というのもぺしゃんこの状態ではタイヤ内にヨレなく均一に入りづらいからです。

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入れ過ぎは禁物、軽くチューブが円形を保てるぐらい空気を入れておきます。

タイヤをめくり、チューブのバルブをバルブホールに差し込みます。
軽量チューブやラテックスチューブのバルブ周りはかなり弱いです。弱いですのでねじったり、ひねったり変な力をかけないように、タイヤをしっかりとめくってバルブ付近に負担のかからないようにバルブホールへ差し込みます。
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こんな状態になると思います。

次は一気には行かずに、3つのステップでタイヤをはめていきます。
③チューブをタイヤ内に収める
④チューブをリムに納める
⑤タイヤのビードをはめる

この際にリムに傷があると引っ掛けて破れやすくなってしまいます。
またパウダーの滑りがタイヤ内でのヨリ・ヨレを防いだり、リムを超えるときにリムにひっついたりせずにサラサラっと入っていきます。

③チューブをタイヤに収める
まずはタイヤ内にチューブを均一に入れます。
新品の伸びていないチューブは短く感じたり、逆に2回目以降の組付けの場合はチューブが伸びて長く感じることがあると思います。
長くても短くても、タイヤ内ではできる限り均一になることを心がけてタイヤ内に収めます。
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第一段階でこのような状態にします。

④チューブをリムに納める
次にチューブをリムの中に移動させます。
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この状態にします。

やさしく優しくモミモミしながらリム内へ滑り込ませていきます。
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※ビートをはめているのではなくてチューブを入れているところです。 

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全周きれいに入るとこうなります。

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このワンステップは非常に重要で、面倒でもかかる時間は数十秒、場合によってはチューブが新品で短かったりすると、最後が入れづらかったりしますが、この手間をかけることで噛み込みの可能性が減りますので、重要なことです。

⑤タイヤのビードをはめる
チューブがリム内に収まってから、ビードをはめていきます。
まだまだ空気は入った状態です。

ビートをはめる際に空気が抜けきってしまうとヘロンヘロンのチューブは容赦なくタイヤとリムの間に挟まってきます。特に柔らかければ柔らかいほど噛み込みやすくなりますので、空気を軽く入っている状態が1番事故なくはめやすいです。

バルブ付近はもっとも丁寧に行います。
ワタクシの場合はバルブ付近を先にはめます。
というのも軽量チューブのバルブ付近は本当に弱いものがありますので、一番負担なくビードをはめるために最初にきれいにはめてしまいます。

残りの部分は左右均等に、チューブには空気が入った状態のままいけるところまでは優しくはめていきます。

最後の方にきつくなってきます。
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こうなります。
この状態になったら空気を少しずつ抜いていきながらビートを少しずつ入れていきます。

焦りは禁物、左右少しずつ入れていくのがコツです。
※硬い部分を一気に入れようとしても絶対に入りません。

これで限界が来たら最初にはめたバルブ付近からハマっていないところにかけてタイヤを揉みながらタイヤを寄せてあげます。
モミモミして少しずつ寄せていきます。
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※この画像の手の使い方がポイントでもあります。

すると今まで固くて入らなかった最後の部分がウソの様に「スポッ」と入るようになります。

このタイヤを寄せていく作業がうまくできるかできないかでビードの最後の硬さが全然違ってきます。

簡単そうにはめているプロの方はこの作業がとてもスムーズに行っています。タイヤレバーで力いっぱい上げていたのが、魔法のように軽くハマっている様に見えます。

ビードが無事にハマったら必ずタイヤを押してチューブの噛み込みの確認をします。
特にバルブ付近最後に入れたところが要注意です。
通常のブチルよりもしなやかに動くがゆえにラテックスはバルブ付近の噛み込みが多いです。

またバルブの接合付近から避けていくのも無理くりはめてしまうとバルブ付近がヨレてしまうことで変な力がかかり接合部が避けたり、破れたりもしやすいのであくまでもタイヤ交換は優しく構造をしっかりと考えた上ではめていくことが大切です。

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で次にタイヤの噛み込み確認です。
タイヤをつまむようにして、手前側、奥側チューブを噛んでいないか、を全周に渡って確認をします。
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本当に薄く弱いチューブの場合、この段階で噛み込みがあればもうすでに破れている可能性があります。
噛み込み確認の際に軽く揉むことでもチューブのより・よれを多少解消できる場合もあります。

最後はかるく(バウンドさせても底づきしない程度)空気を入れて回しながらバウンドをさせます。

何度か回しながらポンポンしたあとに回してみてタイヤに歪みがなければ処世の空気圧まで上げて、作業は終了です。

タイヤが歪んでいるのであれば空気を少し抜いてもみもみして正してあげるのですが、基本的にキレイにタイヤとチューブが均等に入っていれば歪まないはずです。

▶ チューブを取り外す際のポイント
外すときも注意が必要です。
ラテックスチューブはブチルのチューブよりもしなやかに動きます。
これが乗り心地であったり転がり抵抗に貢献するわけですが、悪く言えば、ヘロッヘロのテロンテロンです。

外す際は特にタイヤとホイール間であったり、タイヤ‐タイヤレバー間に入り込みやすくなります。
もちろんタイヤレバーで噛んでしまえば、チューブに傷が付いてしまいます。

手だけで外せれば事故は少ないですが、どうしても固い場合は長時間こじくりまわすよりも、レバーを使ってでもサクッと外してしまった方が良いです。
というのもどうしてもイメージ的にレバーを使うことが悪のようなイメージがありますが、レバーを使うことが悪なのではなくて、間違った使い方がNGなだけです。
正しい使い方をすれば悪いことは有りません。

ということを踏まえた上で、タイヤレバーを使う場合です。

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ここにタイヤレバーを入れるのですがこの際に下のチューブをに引っ掛けたり、まとめて拾ってしまわないように注意します。
ラテックスのチューブの色は、タイヤと区別が付きやすいので見分けがつきやすくいいです。

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しっかりとタイヤとチューブの隙間を狙って差し込みます。
こればかりは感というか、見やすいためにタイヤを奥方向へ寝かしてしますが、余り寝かせすぎないほうがチューブのタイヤレバーへの噛み込みがしにくい気がします。

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レバーは焦って起こさずに、しっかりとタイヤだけを掴んでいる・引っ掛けていることを目視して確認してからレバーをぐいっと起こします。
このときにチューブを噛んでしまうと、基本的にはお終いです。

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引っ掛けたタイヤレバーを起こしてあげたら、後は指でやさしく外していきます。

持ち上げて手前に落とす、持ち上げて手前に落とす、、、ワタクシの場合はこんなイメージです。 
その際もチューブごとリムを超えないように、あくまでも外すのはタイヤのビートだけです。

ある程度外れてきたらレバーを突っ込んで「ぐりーーーー!」っと行きたいところですが、ダメです。あくまでも手で優しくチューブを挟まないようにかき分けながら外していきます。
テロンテロンのチューブはタイヤレバーで一気に行こうとすると巻き込まれて切れる可能性が非常に高いですので、絶対に横着はしてはいけないところです。

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人差し指側で外したり、

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親指でもやりやすい方で大丈夫ですが、あくまでも優しく優しくデス。

ビードが片側全部外れたらいよいよバルブですが、バルブを抜くときも注意が必要です。
勢いよくチューブを引っ張り外したくなるのは山々ですが、絶対にダメです。勢いで無理くり抜かずに、しっかりとタイヤをめくってまっすぐ優しく抜いてあげます。

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チューブのバルブ付近は某Rチューブなんかでも弱点と言われていたりすることもありますが、基本的に継ぎ目なので仕方がないといえば仕方がないです。
ちなみにラテックスとかも古くなってくると、この辺がだめになってくることがあります。
製品の不具合はなくても無理やり雑な作業を力いっぱいやればちぎれますのでご注意を。
 
外したチューブにパンパンに空気を入れる方はあまりいないと思いますが、チューブは外した状態で空気をいっぱい入れることはNGなので、これも取扱の注意点です。



▶まとめ
ということでラテックスチューブや軽量チューブの交換のポイントですが、
・しっかりとパウダーつかう
・ラテックス・軽量チューブのデメリット(弱い・寿命短い等)をしっかりと理解する
・ブチルの3倍優しく扱う
・横着せずにきちんと段階を踏んで行う
ということです。

これらのことを考えてみると、実はこれ、軽量やラテックスの場合に限ったことでは有りません。すべてのチューブ、ブチルでも交換の際にこれらのことを、きちんとやっておいて悪いことは有りません。

逆にラテックスにして失敗してしまうということはブチルの扱いも負担がかかるような方法を取っていたという可能性が高いです。ブチルでもラテックスでも優しく、丁寧に、これはチューブだけではなくてロードバイクの整備全般に言えることです。

そして軽量チューブやラテックスチューブはその性能と引き換えに、取り扱いもそうですし、寿命も極厚ブチルチューブに比べて短い傾向にある、ということをしっかりと理解すること、目的・用途に合わせて使うことも大切なことです。

ということで少しのコツとラテックスチューブ交換の方法のご紹介でした。


参考動画

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