”続” ビアンキフルカーボンコラム ダメージ(傷)の確認と組付け
少しづつ公式HPに更新されている”ビアンキ フルカーボンコラムの安全に関する重要なお知らせ”でまだまだ詳細は確認が取れてはいませんが、公式HPにて更新されたところの詳細を確認してみるというお話しです。
※本記事は確認の仕方のお話しではありますが、ご自身での確認を推奨しているわけではありません。整備に自身がなければプロにおまかせして確認してもらうことを推奨いたします。
ということで早速公式ページにペッと貼り付けてある Pdfファイル通りに確認をしてみます。
”フルカーボンコラムへのコンプレッションデバイスの取り付け方法について”
(コンプレッションデバイス:アンカーナット、ブレッシャープラグなどと呼ばれるもの)
尚今までそこまで詳細に公開されていなかったところまでものすごく細かく指定がはいっています。
一部わかりにくいところもあるのでそういったところの詳細を確認しながら公式の手順通りに行いました。
ワタクシの読解力不足で一部違いがある可能性がございますので、詳細は公式ページよりご確認ください。
しかしこの”フルカーボンフォークへのコンプレッションデバイスの取り付け方法について”というものですが、おそらくこの問題発覚前にディーラーなんかに配られていたものを改変したもののような感じです。
というのもの確認方法ではなくて、取り付け方法主体のものを改変したような流れになっています。。。
と言うかこんな細かいのがあるなら公開してほしいものです。。。
▶作業の前に
ヘッドパーツの構造を理解していないと作業は難しいのです。
ヘッドパーツの構造はこちらから↓↓↓
ロードバイクのヘッドパーツ 構造と仕組み
各所のパーツの呼び方のおさらいです。

各メーカーによって呼び方は様々なパーツがあります。
Ex.
プレッシャーアンカー:ヒラメ
FSA:プレッシャープラグ
伝わればいいと思います(笑
今回はビアンキの資料をモトにした名称を入れてみました。
まぁともあれ前置きが長すぎてもアレなので早速作業にはいります。
①クラウンレースの取り付け
通常確認の場合は必要ありませんのでスルーです。
ばらしてみてサビ等の問題があれば打ち替えになります。
②ヘッドチューブに上下ベアリングを組み付ける
この辺からが今回の確認組付作業のメインになると思います。
③フォークをヘッドチューブに組み付ける
④コニカルリング(割入りワッシャー)とヘッドセットカップ(ダストカーバー)を取り付け遊び(ガタ)がでないように調整する
⑤その際フォークがスムーズに動くようライダーのポジションに合わせてスペーサーを取り付ける。
※ココでステム下部のスペーサーの長さの指定が入ります。
ステム下部は5mm~35mmにしてください。
⑥ステムを取り付け印をつける
※カーボン用グリスは使用しないこと、とあります。
⑦フォークを抜きコラムカット
※ココでコラム上部に5mmスペーサーが入るように、ステム上部より2mmの出代をとる。とあります。
今回はカットはできませんので、確認だけです。
⑧ベアアリングにグリスを塗布
⑨再度③~⑤の手順でフォークを取り付ける
コラムの余分なグリスはディグリーザーで除去
この流れに沿って分解から清掃、組付を行います。
上から順番に分解になります。
ステムのクランプボルト×2を少しだけ緩めておきます。
トップキャップの取り外しになりますが、アンカー(コンプレッションデバイス)のエキスパンダー部をフォークの中に落っことさないように作業をします。
別に落ちたとして逆さまにすれば外れるんですが、面倒くさいのでスマートに行きます。

トップキャップを少しだけ緩めます。
外すとこうなりますが、緩めるだけにしておきます。


アンカーナット(コンプレッションデバイスの)のボルト(エキスパンダーのボルト)を緩めます。
※トップキャップもエキスパンダーボルトもどちらも外さなくても緩めるだけでOKです。

緩めるボルトはここです。
繰り返しになりますが、トップキャップは取り付けたまま緩めます。
トップキャップは6mm六角、エキスパンダーのボルトは4mmなので問題なく作業できます。
難点といえばエキスパンダーのボルトが深い位置にあるので通常の六角では緩めにくいことがあります。
おそらくL字の短いほうでは届きませんので力が入りづらいです。
上の画像のような取っ手付きのヘックス(六角)があると作業がし易いです。
取っ手付きでも長いほうがボールポイントのものは力が入りづらいのでおすすめしません。

トップキャップは緩め過ぎれば外れますし、プレッシャープラグのエキスパンダーのボルトも緩め過ぎればエキスパンダー部がフォーク内に落っこちます。
トップキャップもエキスパンダーのぼるともどちらも緩めすぎないということです。
緩めるだけでコンプレッションデバイス(プレッシャープラグ)が引っこ抜けます。

取り外し成功です。
あとは順番に上から外していくだけです。

ステムを抜きます。
ブレーキがジャマなのでフロントブレーキをフォークから外します。
最初の段階で外してしまうのが楽かと思いますが、いつでも大丈夫です。
はずしたブレーキはハンドルバーに固定してしまうと暴れなくて作業性がいいかと思います。

ココまで行ったらホイールを外したほうがいいでしょう。

横にしても縦でも、作業台でも工夫してケーブルが骨折しないように作業をします。
上ベアリングとコニカルリング(割入りワッシャー)を外しますが外れにくと思うのでフォークを下方向に引っ抜けば大体外れます。

ちょうどいい灯油タンクが(笑

外したフォークです。
これをキレイにして傷やダメージの確認をします。
今回はコラム部の確認ということですが、せっかくなのでベアリング類も確認してみます。
パークリをぶっかけるようなことはしませんヨ。

なんだか下ベアリング(左)が嫌な色をしています。。。

ヤヴァイ、、、
まぁベアリングの動きは全く悪くないので、外側は磨いてもうすこし頑張ってもらうことにしましょう。
(組み上げ後も回転には問題がありませんでした。)

クラウンレースはピッカピカです。
問題ありません。

クリーニング終了です。
で肝心のコラムはと言うと、、、

360°問題なさそうです。
この段階で公式ページもあるダメージ、傷等がないかどうかをしっかりと確認します。
もしダメージ、傷等があれば交換しないととても危険ということです。
で本当であればコラムを正しい長さにカットするんですが、カットはできませんのでこのまま先に進みます。
ここからはグリスを盛っていきますのでベタベタとの戦いですが、少しだけコツがあります。
何段階かに分けてグリスを塗っていくということです。

こんな感じでグリスを塗る順番を少し考えるとそこまで両手ベッタベタにならなくてもできます。
特に一番下のクラウンレース部は地面からの影響をモロに受けやすいのでグリスを多めに盛ってあげたほうがいいでしょう。

ケチケチ使うぐらいであれば多めに塗って余分なものを拭き取るぐらいのほうがいいです。

特にこういうところに隙間があるとヘッドパーツの上部やブレーキ穴から伝わった水分は重要なベアリング内部にまで到達してしまうことも考えられます。
きちんとグリスで土手を作ってあげて外側は仕方がないとしても、ベアリング内部にまで行かないようにします。
上部ベアリングですが、、、

ここにコニカルリングを入れるんですが、

これでは駄目ということですネ。

しっかりとガタがないようにビシっといれるということです。
最後にヘッドセットカップ(ダストカバー・ダストキャップ)を入れますが、ココも水分の侵入を防ぐためにグリスを山盛りてんこ盛りです。

こんな感じにもどります。

最後に突出しているコラム部のグリスをディグリーザー等を用いて完全に脱脂して終了です。
ここからは手順に従って作業を進めます。
⑩ステムを取り付ける
「コラムに取り付けた状態でステムを捻らない。」
とありますが、、、実質無理っぽく、、、おもいます。

ステムを取り付けます。
角度変えるのに”捻らない”。。。
それともう一つ、⑥のところに
「取り付けの際、ステムとコラム部の間には、カーボン用のグリスなどを塗布しない。」
とあります。
ファイバーグリップなどは禁忌ということでしょうか。。。と言うか普通に見ればダメというように見受けられますヨネ。
⑪ステム上部に5mmのスペーサーを1枚取り付ける
「10mm等は駄目」という記載があります。

とはいっても画像のようにステム上部突出幅は5mm、、、
2mmを切ることはできません。
どうしようもないのでこのまま組み付けます。
⑫コンプレッションデバイスの用意
詳細がありますのでそちらを参考に組み付け時の確認作業になります。
ここからがまた指定が細かいです。
公式ページのPDFファイルには詳細が図解でありますが、図を見ると少々わかりづらいので文章だけみたほうがいいと思います。

※片手を離して撮影なので多少ずれがあります。
最初にネジ穴に噛んだ瞬間でこの長さです。
この長さでは締め込み幅ほぼ0mmです。

1番締め込むとこんな感じです。
締め込み幅6.5mm
この状態では35mm確保できていません。
35mm確保するためには、-1.7mm(戻す)しないとです。
6.5mm-1.7mm=4.8mm
キビシイ…
締め込み幅4.8mmで35mmの確保、
ということで35mm確保できるところでマーキングをします。

これでネジ穴には4.8mm締め込まれていることになります。

テープでマーキングして長さを記録して、本組です。

ここのパーツも密かに上下があります。
逆さまには入りませんので間違えないと思います。
そしてコイツがヘッドパーツのカタカタ音を発生させる原因になる場合があります。
場合によっては

隙間に詰め物で消える場合もあります。
この設定は先日「なるほど。」と思うコメントいただいたのですが、
ステムの締付けポイントにピンポイントでアンカーをおくということで強度を確保するのか?、、、そんな考え方なのかもしれません。
この理屈でピンポイントでステムのクランプをエキスパンダーで保持するということなら、ステム上部5mmスペーサーのみ、ということの説明がつくと思います。
それにしても結構細かい調整が必要になるということのようです。
⑬コンプレッションデバイスの取り付け
35mm確保できるように調整したらコンプレッションデバイス(プレッシャープラグ)を取り付けます。

スポッと。
入らないければエキスパンダーのボルトを緩めてエキスパンダー部を少しだけ狭めてあげます。
逆に締め込みすぎると入らなくなりますのでいい塩梅で調整しておきます。
⑭コンプレッションデバイスのエクスパンダーの締め付け
4mmの六角を7Nmで締め込む
締め込みは推奨トルクが指定されていますので、トルクレンチを用いて推奨トルクまで締め込みます。
トップキャップがついたままだとトルクレンチでの締め込みができませんので、順番として

長さ調整後のコンプレッションデバイス一式を入れた後に、エキスパンダーのボルトをある程度締め込みます。
(エキスパンダーが仮固定されるぐらい)
この作業がないと次の作業時、トップキャップを外したときにエキスパンダーがコラム(フォーク)内に落下します。落下すると逆さまにしないと取れないのでメンドクサイです。
エキスパンダーが動かないぐらいに締め付けたら一度トップキャップを外します。

※エキスパンダーのボルト締め込みが緩いと一緒に外れてしまいます。

トルクレンチでエキスパンダーのボルト4mmを指定トルクにて締め込みます。
それにしても4mmを7Nmって結構強いですネ。
⑮トップキャップの締め付け
6mm六角を5Nmで締め込む
エキスパンダーが固定できたら次はトップキャップの締め付けです。
ココも指定がありますので、トルクレンチを用いて作業をします。

6mm六角を5Nmです。
ココも結構キツめな印象です。
まだステムのボルトはゆるゆるなのでステムは動かすことができます。
⑯ステムをフロントホイールと真っ直ぐにして、
ステムの締め付けは5Nmで締め込む

真っ直ぐにする際にステムを捻ってしまうと思うのですが、コレはもうどうしようもないと思います。
真っ直ぐにしたら、ステムの締め付けです。

ココもトルクレンチで確実に締め付けます。
⑰フロントホイール・ブレーキをフォークに取り付け、ブレーキをかけながら上下左右に押し引きし取り付けに問題がないか確認する。もし動いてしまうなど取り付けが十分でない場合は⑭からやり直す。
最後にフロントをバウンドさせたり、ブレーキをかけたまま前後左右に揺すって問題があったり、動いてしまったら⑭からやり直しということです。
トップキャップの締め付けで結構きつめのトルクが指定されていますので、おそらくこのトルクであればガタが出ない思います。
記載はありませんが、最後にブレーキ本体を組み付けて作業は終了です。

++++++++++++++
ということで”ビアンキ フルカーボンコラムの安全に関する重要なお知らせ”についての続編ですが、まだまだ詳細がはいってきません。
と言うか本問題に関して、一部第3者を介してお話しをしましたが、公式HPの情報との整合性がいまいち取れておりませんので、公開は避けたいと思います。
サイクルヨーロッパ自体もまだまだ本国との確認がイマイチのようです。
個人的な見解とすると、ビアンキのこういった問題をきちんと公開してくれるということはいいことだと思います。
何らかの問題があったからこそ公開しているということだとは思いますし、隠されるよりもまずは安全に関する情報を、、、ということかと思います。
しかしステム上部にスペーサーが必須ということはステム一体型ハンドル(トップキャップ付属)の使用も基本的にはできないということになります。
ステム一体型ハンドルなんてウン万円以上しますし、買っちゃった人とかどうするんでしょうか。。。
2017のシマノプロのVibeステムも同タイプです。

こういうのもコレの上部にスペーサー入れれないでしょう。
確認作業の工賃とか、実際のカットの工賃とか、代替フォークとか、、、まだまだ終息までには時間がかかりそうです。
ということで”ビアンキ フルカーボンコラムの安全に関する重要なお知らせ”の続編、コラムの確認方法のお話でした。
※本記事は確認方法・作業手順を記載はしてありますが、ご自身での作業を推奨しているわけではありません。心配な方は購入店舗、ディーラーに持ち込んで確実に確認をしてもらうことを推奨いたします。
★フォーマルハウトは当店オリジナルのサイクルウェアです★
★イチオシアイテム★
★レディースウェアも充実のラインナップ★
★シマノ純正パーツもすべてOK!お見積り承ります
在庫になくともシマノカタログ掲載商品全品お取り寄せいたします。
詳細はメールにてご連絡下さい。
★その他あったら便利なパーツも取り揃えております★
少しづつ公式HPに更新されている”ビアンキ フルカーボンコラムの安全に関する重要なお知らせ”でまだまだ詳細は確認が取れてはいませんが、公式HPにて更新されたところの詳細を確認してみるというお話しです。
※本記事は確認の仕方のお話しではありますが、ご自身での確認を推奨しているわけではありません。整備に自身がなければプロにおまかせして確認してもらうことを推奨いたします。
ということで早速公式ページにペッと貼り付けてある Pdfファイル通りに確認をしてみます。
”フルカーボンコラムへのコンプレッションデバイスの取り付け方法について”
(コンプレッションデバイス:アンカーナット、ブレッシャープラグなどと呼ばれるもの)
尚今までそこまで詳細に公開されていなかったところまでものすごく細かく指定がはいっています。
一部わかりにくいところもあるのでそういったところの詳細を確認しながら公式の手順通りに行いました。
ワタクシの読解力不足で一部違いがある可能性がございますので、詳細は公式ページよりご確認ください。
しかしこの”フルカーボンフォークへのコンプレッションデバイスの取り付け方法について”というものですが、おそらくこの問題発覚前にディーラーなんかに配られていたものを改変したもののような感じです。
というのもの確認方法ではなくて、取り付け方法主体のものを改変したような流れになっています。。。
と言うかこんな細かいのがあるなら公開してほしいものです。。。
▶作業の前に
ヘッドパーツの構造を理解していないと作業は難しいのです。
ヘッドパーツの構造はこちらから↓↓↓
ロードバイクのヘッドパーツ 構造と仕組み
各所のパーツの呼び方のおさらいです。

各メーカーによって呼び方は様々なパーツがあります。
Ex.
プレッシャーアンカー:ヒラメ
FSA:プレッシャープラグ
伝わればいいと思います(笑
今回はビアンキの資料をモトにした名称を入れてみました。
まぁともあれ前置きが長すぎてもアレなので早速作業にはいります。
①クラウンレースの取り付け
通常確認の場合は必要ありませんのでスルーです。
ばらしてみてサビ等の問題があれば打ち替えになります。
②ヘッドチューブに上下ベアリングを組み付ける
この辺からが今回の確認組付作業のメインになると思います。
③フォークをヘッドチューブに組み付ける
④コニカルリング(割入りワッシャー)とヘッドセットカップ(ダストカーバー)を取り付け遊び(ガタ)がでないように調整する
⑤その際フォークがスムーズに動くようライダーのポジションに合わせてスペーサーを取り付ける。
※ココでステム下部のスペーサーの長さの指定が入ります。
ステム下部は5mm~35mmにしてください。
⑥ステムを取り付け印をつける
※カーボン用グリスは使用しないこと、とあります。
⑦フォークを抜きコラムカット
※ココでコラム上部に5mmスペーサーが入るように、ステム上部より2mmの出代をとる。とあります。
今回はカットはできませんので、確認だけです。
⑧ベアアリングにグリスを塗布
⑨再度③~⑤の手順でフォークを取り付ける
コラムの余分なグリスはディグリーザーで除去
この流れに沿って分解から清掃、組付を行います。
上から順番に分解になります。
ステムのクランプボルト×2を少しだけ緩めておきます。
トップキャップの取り外しになりますが、アンカー(コンプレッションデバイス)のエキスパンダー部をフォークの中に落っことさないように作業をします。
別に落ちたとして逆さまにすれば外れるんですが、面倒くさいのでスマートに行きます。

トップキャップを少しだけ緩めます。
外すとこうなりますが、緩めるだけにしておきます。


アンカーナット(コンプレッションデバイスの)のボルト(エキスパンダーのボルト)を緩めます。
※トップキャップもエキスパンダーボルトもどちらも外さなくても緩めるだけでOKです。

緩めるボルトはここです。
繰り返しになりますが、トップキャップは取り付けたまま緩めます。
トップキャップは6mm六角、エキスパンダーのボルトは4mmなので問題なく作業できます。
難点といえばエキスパンダーのボルトが深い位置にあるので通常の六角では緩めにくいことがあります。
おそらくL字の短いほうでは届きませんので力が入りづらいです。
上の画像のような取っ手付きのヘックス(六角)があると作業がし易いです。
取っ手付きでも長いほうがボールポイントのものは力が入りづらいのでおすすめしません。

トップキャップは緩め過ぎれば外れますし、プレッシャープラグのエキスパンダーのボルトも緩め過ぎればエキスパンダー部がフォーク内に落っこちます。
トップキャップもエキスパンダーのぼるともどちらも緩めすぎないということです。
緩めるだけでコンプレッションデバイス(プレッシャープラグ)が引っこ抜けます。

取り外し成功です。
あとは順番に上から外していくだけです。

ステムを抜きます。
ブレーキがジャマなのでフロントブレーキをフォークから外します。
最初の段階で外してしまうのが楽かと思いますが、いつでも大丈夫です。
はずしたブレーキはハンドルバーに固定してしまうと暴れなくて作業性がいいかと思います。

ココまで行ったらホイールを外したほうがいいでしょう。

横にしても縦でも、作業台でも工夫してケーブルが骨折しないように作業をします。
上ベアリングとコニカルリング(割入りワッシャー)を外しますが外れにくと思うのでフォークを下方向に引っ抜けば大体外れます。

ちょうどいい灯油タンクが(笑

外したフォークです。
これをキレイにして傷やダメージの確認をします。
今回はコラム部の確認ということですが、せっかくなのでベアリング類も確認してみます。
パークリをぶっかけるようなことはしませんヨ。

なんだか下ベアリング(左)が嫌な色をしています。。。

ヤヴァイ、、、
まぁベアリングの動きは全く悪くないので、外側は磨いてもうすこし頑張ってもらうことにしましょう。
(組み上げ後も回転には問題がありませんでした。)

クラウンレースはピッカピカです。
問題ありません。

クリーニング終了です。
で肝心のコラムはと言うと、、、

360°問題なさそうです。
この段階で公式ページもあるダメージ、傷等がないかどうかをしっかりと確認します。
もしダメージ、傷等があれば交換しないととても危険ということです。
で本当であればコラムを正しい長さにカットするんですが、カットはできませんのでこのまま先に進みます。
ここからはグリスを盛っていきますのでベタベタとの戦いですが、少しだけコツがあります。
何段階かに分けてグリスを塗っていくということです。

こんな感じでグリスを塗る順番を少し考えるとそこまで両手ベッタベタにならなくてもできます。
特に一番下のクラウンレース部は地面からの影響をモロに受けやすいのでグリスを多めに盛ってあげたほうがいいでしょう。

ケチケチ使うぐらいであれば多めに塗って余分なものを拭き取るぐらいのほうがいいです。

特にこういうところに隙間があるとヘッドパーツの上部やブレーキ穴から伝わった水分は重要なベアリング内部にまで到達してしまうことも考えられます。
きちんとグリスで土手を作ってあげて外側は仕方がないとしても、ベアリング内部にまで行かないようにします。
上部ベアリングですが、、、

ここにコニカルリングを入れるんですが、

これでは駄目ということですネ。

しっかりとガタがないようにビシっといれるということです。
最後にヘッドセットカップ(ダストカバー・ダストキャップ)を入れますが、ココも水分の侵入を防ぐためにグリスを山盛りてんこ盛りです。

こんな感じにもどります。

最後に突出しているコラム部のグリスをディグリーザー等を用いて完全に脱脂して終了です。
ここからは手順に従って作業を進めます。
⑩ステムを取り付ける
「コラムに取り付けた状態でステムを捻らない。」
とありますが、、、実質無理っぽく、、、おもいます。

ステムを取り付けます。
角度変えるのに”捻らない”。。。
それともう一つ、⑥のところに
「取り付けの際、ステムとコラム部の間には、カーボン用のグリスなどを塗布しない。」
とあります。
ファイバーグリップなどは禁忌ということでしょうか。。。と言うか普通に見ればダメというように見受けられますヨネ。
⑪ステム上部に5mmのスペーサーを1枚取り付ける
「10mm等は駄目」という記載があります。

とはいっても画像のようにステム上部突出幅は5mm、、、
2mmを切ることはできません。
どうしようもないのでこのまま組み付けます。
⑫コンプレッションデバイスの用意
詳細がありますのでそちらを参考に組み付け時の確認作業になります。
ここからがまた指定が細かいです。
公式ページのPDFファイルには詳細が図解でありますが、図を見ると少々わかりづらいので文章だけみたほうがいいと思います。
①コンプレッションデバイスのトップキャップ側面からエクスパンダー上部までの長さを35-40mmの間に調節するということなんですが、既存のものを確認します。
②トップキャップがエクスパンダーのネジ山に最低4mm以上締め込まれているか確認する

※片手を離して撮影なので多少ずれがあります。
最初にネジ穴に噛んだ瞬間でこの長さです。
この長さでは締め込み幅ほぼ0mmです。

1番締め込むとこんな感じです。
締め込み幅6.5mm
この状態では35mm確保できていません。
35mm確保するためには、-1.7mm(戻す)しないとです。
6.5mm-1.7mm=4.8mm
キビシイ…
締め込み幅4.8mmで35mmの確保、
ということで35mm確保できるところでマーキングをします。

これでネジ穴には4.8mm締め込まれていることになります。

テープでマーキングして長さを記録して、本組です。

ここのパーツも密かに上下があります。
逆さまには入りませんので間違えないと思います。
そしてコイツがヘッドパーツのカタカタ音を発生させる原因になる場合があります。
場合によっては

隙間に詰め物で消える場合もあります。
この設定は先日「なるほど。」と思うコメントいただいたのですが、
ステムの締付けポイントにピンポイントでアンカーをおくということで強度を確保するのか?、、、そんな考え方なのかもしれません。
この理屈でピンポイントでステムのクランプをエキスパンダーで保持するということなら、ステム上部5mmスペーサーのみ、ということの説明がつくと思います。
それにしても結構細かい調整が必要になるということのようです。
⑬コンプレッションデバイスの取り付け
35mm確保できるように調整したらコンプレッションデバイス(プレッシャープラグ)を取り付けます。

スポッと。
入らないければエキスパンダーのボルトを緩めてエキスパンダー部を少しだけ狭めてあげます。
逆に締め込みすぎると入らなくなりますのでいい塩梅で調整しておきます。
⑭コンプレッションデバイスのエクスパンダーの締め付け
4mmの六角を7Nmで締め込む
締め込みは推奨トルクが指定されていますので、トルクレンチを用いて推奨トルクまで締め込みます。
トップキャップがついたままだとトルクレンチでの締め込みができませんので、順番として

長さ調整後のコンプレッションデバイス一式を入れた後に、エキスパンダーのボルトをある程度締め込みます。
(エキスパンダーが仮固定されるぐらい)
この作業がないと次の作業時、トップキャップを外したときにエキスパンダーがコラム(フォーク)内に落下します。落下すると逆さまにしないと取れないのでメンドクサイです。
エキスパンダーが動かないぐらいに締め付けたら一度トップキャップを外します。

※エキスパンダーのボルト締め込みが緩いと一緒に外れてしまいます。

トルクレンチでエキスパンダーのボルト4mmを指定トルクにて締め込みます。
それにしても4mmを7Nmって結構強いですネ。
⑮トップキャップの締め付け
6mm六角を5Nmで締め込む
エキスパンダーが固定できたら次はトップキャップの締め付けです。
ココも指定がありますので、トルクレンチを用いて作業をします。

6mm六角を5Nmです。
ココも結構キツめな印象です。
まだステムのボルトはゆるゆるなのでステムは動かすことができます。
⑯ステムをフロントホイールと真っ直ぐにして、
ステムの締め付けは5Nmで締め込む

真っ直ぐにする際にステムを捻ってしまうと思うのですが、コレはもうどうしようもないと思います。
真っ直ぐにしたら、ステムの締め付けです。

ココもトルクレンチで確実に締め付けます。
⑰フロントホイール・ブレーキをフォークに取り付け、ブレーキをかけながら上下左右に押し引きし取り付けに問題がないか確認する。もし動いてしまうなど取り付けが十分でない場合は⑭からやり直す。
最後にフロントをバウンドさせたり、ブレーキをかけたまま前後左右に揺すって問題があったり、動いてしまったら⑭からやり直しということです。
トップキャップの締め付けで結構きつめのトルクが指定されていますので、おそらくこのトルクであればガタが出ない思います。
記載はありませんが、最後にブレーキ本体を組み付けて作業は終了です。

++++++++++++++
ということで”ビアンキ フルカーボンコラムの安全に関する重要なお知らせ”についての続編ですが、まだまだ詳細がはいってきません。
と言うか本問題に関して、一部第3者を介してお話しをしましたが、公式HPの情報との整合性がいまいち取れておりませんので、公開は避けたいと思います。
サイクルヨーロッパ自体もまだまだ本国との確認がイマイチのようです。
個人的な見解とすると、ビアンキのこういった問題をきちんと公開してくれるということはいいことだと思います。
何らかの問題があったからこそ公開しているということだとは思いますし、隠されるよりもまずは安全に関する情報を、、、ということかと思います。
しかしステム上部にスペーサーが必須ということはステム一体型ハンドル(トップキャップ付属)の使用も基本的にはできないということになります。
ステム一体型ハンドルなんてウン万円以上しますし、買っちゃった人とかどうするんでしょうか。。。
2017のシマノプロのVibeステムも同タイプです。

こういうのもコレの上部にスペーサー入れれないでしょう。
確認作業の工賃とか、実際のカットの工賃とか、代替フォークとか、、、まだまだ終息までには時間がかかりそうです。
ということで”ビアンキ フルカーボンコラムの安全に関する重要なお知らせ”の続編、コラムの確認方法のお話でした。
※本記事は確認方法・作業手順を記載はしてありますが、ご自身での作業を推奨しているわけではありません。心配な方は購入店舗、ディーラーに持ち込んで確実に確認をしてもらうことを推奨いたします。

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詳細はメールにてご連絡下さい。
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コメント
コメント一覧 (3)
年末にステムから5㍉残してコラムカットに挑戦して、翌日こちらでメーカーサイトからの知り、年明けに耐水ペーパーでコラムを3㍉削ってマニュアル通りの取付ができました😊
BIKEイジリの勇気を頂きありがとうございました😊
3mm削るとは、、、ヮ(゚д゚)ォ!
切れないのであれば削るという選択肢もありかもしれないですネ。
情報ありがとうございましたm(_ _)m