ペダリング効率のお話し ~序章~ パワーとトルクとは?

おそらく何回かに分けての記事となる予定です。

ペダリング効率、、、高ければ高いほどいい気がします。

効率ってことは無駄なくパワーを伝えられるということは、、、
例えば登坂で鍛えれば鍛えるだけ楽に登れるようになるというか、、、前もどこかで書きましたが、 楽になるんではなくて、速くなるだけ、、、
とはいっても速く走れることができれば、速度を落とせばゆっくり登れるということ、ゆっくり走れれば楽に登れる、、、となることもあるかもしれません。
※超級激坂なんかはゆっくりだって楽とは限りませんので(笑 


というのもサイスポのとあるコーナーにかいてあったことなんですが、
サドルが高い:パワーが出しやすい短距離向け
サドルが低い:トルクをかけやすいエンデュランス向け 
こんな事が書いてあったんですが、、、(*´-ω・)ン?パワー?トルク?
どういうことだっけ?

・・・ということで今回のお話、結構混ざってしまいがちなロードバイク(自転車)におけるパワーとトルクのお話しです。

※今回も複雑な計算式とかは載せておりません。言葉の理解のための記事となっておりますm(_ _)m
 と言うか複雑な計算式は見るだけで腰痛が、、、 (笑



▶トルクとは

kgf・mこんな単位で表されます。

なんのコッチャです。

あんまりロードバイクの世界では表されることがすくないです。

トルクとは、、、
力学において、ある固定された回転軸を中心にはたらく、回転軸のまわりの力のモーメントである。
Wiki "トルク"より抜粋 https://ja.wikipedia.org/wiki/トルク

これはなんやら難しいです。

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似たようなものとして「締付けトルク」と言うものがあります。

こちらはN・mで表されます。

要は「回転軸に対して働く”回転させる力”」これをトルクと言います。と考えるとわかりやすいかと思います。



▶パワーとは?

ロードバイクでは「W(ワット)」という単位がよく使われます。

バイクなんかでは
最高出力(kW[PS]/rpm):2.8[3.8]/8,250
このようにカタログにのっています。

1kW=1000W
1PS(1馬力)=0.735kW=735W
rpm(revolution per minute)=回転数/分

2.8kW=2800W≒3.8PS×0.735

ということで、このバイクは8250回転時に2800Wのパワーを出しますよってことです。

このパワーを叩き足し続けられるってことはやはりエンジンってすごいですネ。

参考までにプロのパワー
http://www.cyclingtime.com/modules/ctnews/view.php?p=15382
Cycling time ツール・ド・フランス参加選手のSRMデータを公開

瞬間的に1000Wを超える値もたたきだしているとな、、、w|;゚ロ゚|w ヌォオオオオ!! 


お話しはそれ気味ですが、それではパワーとはですが、

仕事率(しごとりつ)とは工率(こうりつ)やパワー(power)とも呼び、単位時間内にどれだけのエネルギーが使われている(仕事が行われている)かを表す物理量である。
Wiki 仕事率より https://ja.wikipedia.org/wiki/仕事率

ロードバイクで、ものすごく簡単に言うと「前に進むための仕事率」ということです。

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言葉って難しいです。。。こんがらがってきました。


▶パワーとトルクの違い

JAFの説明がわかりやすいと思います。
この「最高出力」と「最大トルク」は、ともにエンジンの性能を表す数値ですが、それぞれが示している内容には違いがあります。この2つの単位は、短距離選手と相撲取りに例えられることがあります。短距離選手には速さが求められますが、重いものを運ぶわけではありません。相撲取りは自分よりも重い相手を投げ飛ばす底力が必要ですが、素早さがなくとも勝負に勝つことができます。
つまり、「最高出力」とはクルマの速さを示す指標であり、「最大トルク」はクルマの加速力、とりわけ重量のかさむクルマを完全停止状態から加速状態にもっていくための底力(≒エンジン出力軸の回転力)を示す指標でもあるのです。
JAF公式ページ 最高出力と最大トルクはなにが違うのですか?
http://www.jaf.or.jp/qa/mechanism/commentary/04.htm より抜粋

※最高出力≒最高パワー

トルクというのは(瞬間的にでもいいので)回転軸(わかりやすく考えるとクランクシャフト)を”回転させる力”のことであり、パワーというのは自転車+人間を”前に進めるのに必要な仕事率”ということです。

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▶ロードバイクにおけるトルクとパワー

瞬間的に大きなトルク値を発生させるためには、例えばゴリゴリで太腿もまるで丸太のようなの超重量級のマッチョメンが有利になるでしょう。

全く同じバイクだったとしても、、、
・体重100kgの人がペダルに体重をかけたときにかかるトルク
・体重50kgの人がペダルに体重をかけたときにかかるトルク

単純計算で体重の半分のトルクをかけられたとします。
そのときにトルク値に倍の差があったとしてもでは倍速く進むかというと、そう簡単には行きません。(これはパワーもそうですが。)
重量面であったり、空気抵抗であったり、傾斜であったり、ものすごく複雑な要素が絡み合います。

またトルクは瞬間的に”回転させる力”でペダリング(円運動)が綺麗にできていなかったとしても、トルク値を上げることは可能です。(90°の位置で力いっぱいふんづける。)
しかしペダリングは瞬間的なトルクだけではありませんので、瞬間的な”トルク”が上がったとしても目的地(ゴール)に速くたどり着くわけではありません。
ということからあまりロードバイクで”トルク”という言葉が単体で使われることがありません。

しかし似た言葉でロードバイクでは”回転型”or”トルク型”というようなペダリングの種類で呼ばれることが多いです。
・トルク型:重いギアでガシガシこぐ(低ケイデンス)
・回転型:軽いギアでくるくる回す(高ケイデンス)

こんな使い方をされている場合が多いです。


トルクという言葉よりも、ロードバイクでは速く走れる指標として「パワー(仕事率)」が使われているということです。(車の場合はトルクは加速力、パワーはスピードと言う使われ方というのが簡単な理解かと思います。)

ロードバイクを前にすすめるためにペダルを踏むということ、これは円運動です。
自転車における推進力の入力は基本的に「クランクを回す・ペダルを漕ぐ」ということに限られてしまします。
前にすすめるためにはペダルをこがなければいけないということです。

”パワー”を”仕事率”と考えるとわかりやすいかと思いますが(どちらも同じ意味の言葉です。)、仕事率を上げるということはトルクももちろん必要ですし、無駄のないきれいなペダリング、効率のいいペダリングも重要です。
パワーメーターがあるとわかりやすいですが、力のかかっている方向の矢印がとっちらかったり、変な方向に無駄に力がかかっていれば「ロスを生み出している=仕事率が低い」と考えられます。

注意点として現在のパワーメーターはクランク周辺で取ることが多いので、
発生したパワーと実際に進む力は等しくはなりません。

「パワー - 様々な抵抗(マイナス因子) = 速度」
となるということです。


そしてもう一つ大切なことが、「W/kg」パワーウエイトレシオと言うものです。
体重1kg辺りどのぐらいのパワーが出せるかということです。

人力はエンジンとは違い非力です。

そのために機材、空気、その他の抵抗を極限まで少なくして高速で走らせる乗り物です。
下りでもない限りは自転車を前にすすめるためには軽いほうが有利、ということは有名なところです。特に重量が重いほうが重力に逆らう登りでは大きなパワーを必要としますし、逆に軽いほうがパワーが低くても前にすすめるのは有利になることもあります。

前に進めなければいけない”物質の重さ”と”仕事率”を考慮した数値がパワーウエイトレシオということです。



▶各数値が向上すると?

トルク:
瞬間的に回転力を上げるとスピードを「パンッ」と上げやすくなります。
加速力の向上ということです。
瞬間的にトルクを上げたいときにどうするかというと、おなじみのダンシングです。これは高トルクを稼ぐために行うことが多いです。
Ex.スプリント・登坂等

またギアを軽くすることでタイヤの回転力が上がります。
(抵抗が下がるということです。)
回転力が上がるということは急加速などに役に立ちます。
しかし路面状況があまり良くない場合はトルクをかけすぎるとスリップの原因になります。

例として自動車で雪の坂道発進のときは1速だと急激にトルクが掛かりすぎてスリップしてしまうことがあるのでわざとトルクのかかりにくいセカンドギア(2速)で発進をしたりします。
(トルク曲線にもよりますが単純に考えると、ということです。)

パワー:
仕事率が上がるということは単純に考えれば速く走れることになります。
トルク値よりも重要視されているというのがわかりますネ。


▶パワーを考える上で重要な要素”ケイデンス”


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回転力ともう一つの要素がケイデンスです。
スピードを上げるためには重いギアを踏むか、ケイデンスを上げるしかありません。

これを考えると、、、
「パワー=トルク×ケイデンス」ということが考えやすくなると思います。

例えば

40km/hで走るための力(パワー)=トルク×ケイデンス

となれば、
・ケイデンスが低ければ40km/hで走行するためにトルクを上げる:踏む力の強化
・逆にケイデンスが高ければトルクをおさえて40km/hで走行することが可能:回転スピードの上昇

抵抗は省いてあります。

50×14Tを使うとケイデンス90で40.4km/hです。軽いギア
ケイデンスを70まで下げると50×11T40.1km/hとなります。重いギア
こういうことですネ。


もっと単純に考えると登坂のときに、、、
重いギアだとトルクが足りなくなり失速・減速してしまいます。
(重いギアだと踏めなくなるということです)
踏めなくなるということはトルクの値自体が下がるわけではありませんが、「ペダリング抵抗<トルク」 とならないと前には進みません。ということはこのままでは踏めないので、ギアを下げることで抵抗側を減らしてあげてペダルを踏めるようにするということです。

ということで”トルク”という言葉は最終的に止まる”締付けトルク”と違い、最終的に踏み抜く(回転させる)ことが必要で「ロードバイクを前に進めなければ意味がない」ので抵抗にまけないためにトルクを上げるダンシングをしたり、抵抗を下げるギアチェンジをしたりするってことです。
また適正なペダルの回転数(ケイデンス)を保つためにももちろギアを変える、ということで回しやすい、効率のいい回転数を保つことができます。


▶まとめ

ロードバイクでの”トルク”とは速く走らせることに不可欠なパワーの中の一つの要素であり、一般的には「回転軸にかかる力」のことを言います。
そしてパワーとはロードバイクである速度で走らせるために必要な要素が複合した仕事率のこと、ということです。

パワーを向上させるためには
・トルクを上げる
・抵抗(ロス)を減らす
・ペダリング効率を上げる

こんなことを必要になってきます。

「40km/hで走るための力(パワー)=トルク×ケイデンス」

こんなコトを上の方で書きましたが、これに加えて「抵抗」というものが入り、最終的に「実際の速度」と言うものが入ります。これがペダリング効率というもので次回からのテーマとなります。

ということで次回からペダリング効率のお話しを作成予定ですが、相変わらずボリュームがヤバそうなので、何回かに分けてのお話になるか、否か、、、それはかいてみないとわかりませんm(_ _)m

ということで今回はペダリング効率のお話しの中でも”序章”「パワーとトルク」のお話でした。


※なんだか自分で書きながら頭がこんがらがらまくりです。
 m(_ _)m



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