SUGINO BB30-ISD24 →ウィッシュボーンBBへ交換作業

先日ボトムブラケットの交換依頼がありまして、作業をしてまいりました。
SUGINOのBB30-IDS24からウィッシュボーンへの交換作業です。

ワタクシ自身作業中は大概集中しすぎて写真を取ることを忘れてしまうのですが(;´∀`)、写真を何枚か取っていただいて「ブログのネタに!」というありがたいお言葉をいただけたので(Nさんありがとうございますm(_ _)m)そちらを元にお話しです。

今回もネタの宝庫(?)でしたので(面白おかしく少々誇張して)記事にしてみようと思います(笑




早速クランクを外して作業開始です。

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チェーンリング付近に素敵な物体がついているのは置いておいて、、、

SUGINOのBBの取り外しに関してはメーカーHPにもきちんと記載があります。

スギノ エンジニアリング公式ページ
https://www.suginoltd.co.jp/products/bb/converter.html

ParktoolのBBT-90.3を使用するように指定があります。
それと「※必ず右側のカップから外して下さい。」とあります。 

メーカー指定の方法で確実に取り外しを行います。。。

圧入式のボトムブラケットの打ち出しは大体ベアリングだけ吹っ飛んでいくもんです(笑
というのを防いだり確実に外せるようにメーカーの指定の方法があります。


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https://www.suginoltd.co.jp/products/bb/converter.html より

しかし、、、しかしですヨ。

実際に見てみましょう。
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上の画像で言うとカップは「ここを叩きなさい」という”つば”の部分で、ベアリングは樹脂製のカバーがついています。

作業中の画像は視野があまり良くないので取り外したもので確認してみます。

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BBT-90.3を入れた状態ですが、ここがおそらくメーカー指定の”つば”の叩く部分であると思うのですが、、、(ここ以外に引っかかる部分はありません。)
明らかに工具の広がりよりもきも~ち広い”つば径”・・・
メーカーの指定の画像よりもつば径が大きくてしっかりと引っかかりません。

※古いモデルはこんな設計なのか、新しいモデルはきちんと引っかかる径なのかは不明ですが、今回作業したものは説明書通りには行きませんでした。

 このように中途半端なまま叩いても工具がずれてしまいしっかりと叩き出すことはできません。
カップに傷が入ったり工具がずれてとても危険です。

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もう一枚この引っ掛かりでは叩きだせません。

というのも、これは外した状態でこうなっているのですが、、、
”感”の言い方はもうおわかりかと思いますが、BBってセンターの”ウォーターシース”なるものがついています。
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BBのセンター部に配置されるものです。
こいつがあると更に工具は広がることができません。

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※この状態ではつばに引っかかることは全くなくなります(笑

少々わかりにくいですが、メーカー画像のようにBBT-90.3は「先が開く」ことで”つば”と呼ばれる部分に引っかかり叩き出すわけですが、ウォーターシースがBBT-90.3の開くべき先端を締め付けて「先を開かせてくれません」ということです。

メーカーの取扱説明書にも
取り外し工具をカチャッとなるまで差し込み、更にもう一度音が鳴るまで差し込んで下さい。
二度目の音がなった時点で、つばに引っかかった状態となります。
このように記載があります。

しかしウォーターシースによって狭められた工具の先端は二度と音がなることはなくそのままウォーターシース深部へ吸い込まれていきましたとさ、、、

m9。゚(゚^Д^゚)゚。プギャーハハ八八ノヽ

もうツッコミどころ満載ですorz


こんなことは取り外したものを見ればすぐにわかりますが、実際作業中ボトムブラケットを外すときは内側から確認することなんてできませんので、オーナー様に確認の上ベアリング部をふっ飛ばしてから打ち出してから、カップの構造を確認しながらおこないました。
ベアリング部がなくなるだけでだいぶ視野を確保することができます。
再利用をしないのであればこのやり方のほうが確実フレームに優しくに打ち抜くことができます。

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※必ずフレームが動かないようにフレームごと抱え込んでの作業です。
今回はつばに引っかからないため、少し変わったやり方で外しましたが、これでポロッと外れます。


これともう一つ注意があって主に片側を外した後のお話しですが、
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PFのシェル内にはない変なやつ(スナップリング)がいるわけです。
(ベアリングストップと言われるベアリングの位置決めをしているものです。)

このスナップリングに工具が引っ掛かったまま打ち出そうとしてしまうと大変な事になります。
片側さえ外れればウォーターシースを外して作業すれば視野が良くなりますので幾分作業はし易いかと思いますが、スナップリングは間違っても叩かないように作業を行います。

スペシャのアルミフレームの圧入式は見るからに剛性の高かそうできれいな作りでした。



もう片側もはずれれば後はとっても簡単なウィッシュボーンの組付けです。

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BB内部をチリ一つ残らないように完璧にキレイにした後に、グリスを塗って組み付けます。(間違ってもロックタイトとかは✕です。)
BB内部の汚れとかがあると音鳴りの原因になったりいいことは全くありませんので如何にきれいな状態にできるかが決め手です。
ワタクシの場合は先日もご紹介させていただいた、SCOTTのペーパーウエスがお気に入りです。

BBレンチを2本使用して締め付けるだけ。極めて簡単な取り付けで確実ですし、取り外しもぶっ叩かなくてもいいのでメンテナンス性もかなり向上します。

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最後はクランクを取り付けて終了ということです。

それにしてもボトムブラケットは一筋縄ではいかない事が多いです。
各規格に合わせてサードパーティ製のものが多く出回っておりますが、少しずつメーカーごとに仕様が違ったりします。

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 これは外したブツなんですが、SUGINOさんはフレームとの接点にパッキンのようなものがあります。
このおかけがどうかは不明ですが、某社のガッチガチに寸法でぶち込んで外すのがとっても大変のような圧入式BBよりもだいぶフレームに優しい気がします。 


ということで圧入式BBの交換作業のお話しでした。
圧入式BBの打ち出し作業はマニュアル通りにいくほうが珍しい気が・・・
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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***おまけ***
最後は負荷付き3本ローラーで楽しんでいただきました。
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パイオニアのペダリングモニターで4段階目(真ん中)30km/hで350wとかいうお話しも、、、
「よくこんなん毎日毎日乗りますねwww」こんなことをおっしゃっておりましたが、ワタクシはこの寒空の下よりも全然気持ち的に余裕がある等言うのは、究極の寒がりですので、、、
夏がくるのを心待ちにしております。

 
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