ペダリングにおける3つの筋肉の使い分け

ペダリングは基本的に円運動、とても単純な動作の繰り返しのように見えてものすごく複雑な動きをしています。この単純そうで複雑な動作であるからこそ、いろいろな筋肉を主働筋として運動をすることができます。疲労軽減やいざという時のために”残しておく”ための方法として筋肉を使い分ける事ができたら最高だと思います。

何かの番組で見ましたが、新城幸也選手は体の中のエンジンを使い分けているとか、、、すごいですね。
確かに映像を見ると何回かの変化が見られます。



ワタクシの勝手な主観ではありますが、
→初心者:大腿四頭筋主動
→中級者:表(大腿四頭筋)と裏(ハムストリングス)の使い分け
→中の上:表と裏とケツの使い分け
こんな事ができれば素敵だと思います。

ものすごくいろいろな乗り方をしていると、驚くほど足が回る、そして持久力に富んだ「なんか疲れないなぁ、まだまだいける!」ペダリングになる時があります。
それをしばらく続けていると大臀筋が疲労してくることを感じる、このことから主動筋で大臀筋が動いているということを感じることができます。

しかしこの一つの動作で筋肉を使わけるということは非常に難しいです。
当然”頭で考えるだけで切り替えられたらものすごくいい”とは思うのですが、少なくともワタクシにはそれはできません。
練習に練習を重ねても完全に切り替えられる様になるかならないかはおそらく個々の体の使い方等にもよるかと思います。
ということで”どのようにして切り替えるのか?”そんな方法をワタクシなりにご提案、そんなお話です。
(ワタクシなりの体の使い方の捉え方なのでコレじゃ全くダメだ、、、そんな方もいるとはおもいますが、あくまでも一つの方法ということでお考えいただけると幸いです。)

※大殿筋主動のペダリングとハムストリングス主動のペダリングがごっちゃになりがち、いわゆる裏側の筋肉を使ったペダリングということですが、今回はハムストリングスと大殿筋は分けて考えます。
とはいっても体は一つ、つながっているので完全にお休みすることは少々難しいかもしれませんが、あくまでも主働筋として使用するというお話しです。
(メインエンジン、サブエンジンと考えることにします。)




▶体の使い方で考える

頭で考えるだけでは難しい、ではどうするかということですが、体の使い方を変えることでエンジンを使い分けるという方法です。

①大腿四頭筋を使いたい。
→踵を上げる:拇指球で強めに踏む

かかとの位置を少しだけ(いっぱい必要はありません)高めにして、拇指球で踏ん張るように回すと大腿四頭筋メインになりやすいです。
骨盤の前傾後傾は関係ありません。
前傾が深かろうが、浅かろうが、背中を丸めようが伸ばそうが足首の角度だけで主働筋を切り替えるという方法です。

デメリットとしてはふくらはぎ、脛周りの筋肉の負担が増えるということです。
大きな筋肉に比べて比較的小さなヒザ下の筋肉は悲鳴を上げやすいです。


→両手放し(地面と)垂直骨盤
直立の姿勢で踏むと大腿四頭筋主体になりやすいです。
とはいってもこの姿勢でず~っと乗る方は余りいないと思います。。。(;´∀`)


どちらかと言うとママチャリでも、ロードバイクでも比較的使いやすい、また初心者の方でも何も考えなくても使えるのが大腿四頭筋ということなので、ここはあまり意識することなく使えるかと思います。
しかしハムストリングスの使い方、「ハムメインで踏む、ハムで踏む、ハムで踏む・・・」こうばかり考えているふと大腿四頭筋の使い方を忘れてしまう場合があります。ワタシダケ?(笑


②ハムストリングスを使いたい
→足首は地面と平行で、膝を後方に下げるイメージで振り下ろす
踏み足は股関節の伸展運動です。
”膝が伸びていき股関節も伸びていく”というのとは逆に、イメージとしてスキーのジャンプのように膝を後方に引くような感じで進展させるというものです。


→前傾を思い切って深くしてみる
かなり深い前傾姿勢の際はハムストリングス主体になりやすいです。
しかし重心が前に寄りすぎる、前に飛び込むような前傾になってしまうと大腿四頭筋メインになりがちになってしまいます。
重心の位置は後方でなくても大丈ですが、あまりにも前に移りすぎないようにするのがいいと思います。


③大殿筋を使いたい
これは形で入るのが極端に難しいです。

→前傾は中間、土踏まずで踏んで後方蹴り出し
すこし今までとは違うアプローチなんですが、ハムストリングと似た踏み方でイメージとして、
膝を後方に押し出す様に股関節を進展させる、3時の位置を少し前転させることで5時~のデッドゾーン(膝が1番伸びる瞬間の処理)を後方へと向けてあげる・蹴り出すように意識するイメージです。

重心が前すぎると大腿四頭筋に負担がかかりやすくなります。
前傾が浅いとハムストリングスが動きやすくなってしまいます。
そう、ちょっとしたことでハムが横槍を入れてきやすいというものです。

個人的にはケイデンスがおそすぎてもうまいこと使えないです。
95前後が1番キレイに周ります。





▶神経を鍛える

いい言葉が余り見つからなかったのですが、自転車から降りた状態で目的とする筋肉を刺激・トレーニングすることで刺激を与えてあげる、それによって使い方を覚えるという方法です。

筋トレはものすごく多くの方法がありますが、神経を鍛える・ターゲット筋肉を意識するという目的で行う場合はできるだけシンプルな動きでターゲットとなる筋肉のみを使う運動のほうが意識をし易いです。

筋力の向上や筋肉をつけるためのトレーニングではなくてあくまでもターゲットとなる筋肉の負荷をしっかりと・はっきりと感じられる運動が良いと思います。
(ムキムキのお兄さんが胸筋をピクピクさせることができるのは神経系のトレーニングで胸筋のみの収縮と弛緩を繰り返す事ができるからデスネ。)

そしてもう一つのポイントは”ペダリングの動作と似ている動作”であることが大切です。
あまりにもかけ離れた、また寝っ転がったトレなんかだと起き上がると使い方がわからなくなってしまうことも多々、、、ワタシガブキヨウナダケ?
ということでわかりやすい運動は何かということです。

①大腿四頭筋
→シーススクワット


これは上半身も最後まで起こしますが、それだと腹筋や体幹の筋肉を使ってしまうとわかりづらくなります。
大腿四頭筋のみを確実に意識したいのであれば何かのかどに捕まるなりして、上半身は軽く後傾したまま行ったほうが負荷を感じやすいです。


②ハムストリングス
→リバーススクワット


これは正にハムストリングス主動になるものすごく単純な動きでわかりやすいと思います。
この動きでハムストリングスがうごくことがわかったら下の動画のような動きもいいと思います。



お尻を引くときのこの力のかけ方が、股関節の伸展動作にハムストリングスを使うということがわかりやすいと思います。

③大殿筋
→ヒップリフト


ものすごく効きますね。しかしこの動きとペダリングの動作を結びつけるのはとても難しいです。
もう少し近い動きとして、



こんなに膝がよくコトはないとは思いますが、この股関節の屈伸運動はペダリングに動きに近いものがあるかと思います。

この”大殿筋で押し出す”という感覚がわかりやすいと思います。


あくまでも神経系を鍛えるといったことによる一つの手段ですが、こんな方法がわかりやすければ取り入れてみるのもいいと思います。





▶各筋肉(エンジン)の特長


大殿筋は本当に素晴らしいです。
限界近いところでまるで”取り憑かれたように”回し続けられることができます。

イメージとして
大腿四頭筋:瞬発力がよくガンガン踏んでいけるが持久力が著しく乏しい
回転系よりも踏み込み系のペダリング(?)
大腿四頭筋メインのペダリングは体幹がブレやすい。
バイクを振る・上半身を動かすようなペダリング適している

ハムストリングス:持久力はほどほど大腿四頭筋よりも長持ち
(回転(ケイデンス)でスピードを上げる感じ)
大腿四頭筋よりも強く長くもつ、
大腿四頭筋よりも軸の安定を感じることができる
バイクは安定、上半身を振るような乗り方よりもサドルと骨盤が一つになっているような感じ

大殿筋:パワーも持久力もハムストリングスをこえるが、瞬発力では大腿四頭筋の方が強いかも。
大腿四頭筋との混合でものすごいパワーが出る。
回転、踏み込みどちらにも対応できる。
ハムストリングスでの限界時間の倍ぐらいはもつ
体は自然な振り、バイクも若干振れる
ハムストリングスの一体感を更に進めた感じ

※全くもっての個人的主観ですm(_ _)m

切り替えは大事ですが、大殿筋を自由に使えるようになりたいものです。

”ハムストリングスや大腿四頭筋は二関節筋、アクセル筋とブレーキ筋に分かれてそれぞれ作用してしまうため効率が悪い、”(だっけ?)とかのお話もありますが、ワタクシが個人的に思うところとするともっと単純に”大殿筋はタフでもつ”ということです。
そのかわり使い分けがハムストリングスや大腿四頭筋よりも難しいです。



こういった筋肉の使い方、完全に弛緩と収縮を真っ二つに分けることは難しいとは思いますが、ある程度の主働筋として使い分けることができたら疲労軽減、タイムアップにつながる事があると思います。
というのも高負荷のペダリングを持続させようとするとワタクシのような貧脚の持ち主は小賢しく頭を使わないと持続できないということです。


ということで主に2つの方法、
・姿勢作り・体の使い方で使いわける
・神経系のトレーニングをもちいて理解する
(↑難しい言い方ですが、とりあえず使ってみるということ、)
のご紹介でした。
自分に合う方法を探したり、また自分のペダリングに合わせた筋肉の使い方を学ぶということは上達、速くなることにつながるのでは?そう考えています。
「私はこうしてもまったくわからない。」
「こう意識したらできた。」
もちろん個人差はもちろんあるはずですヨ。

”これができたら中級者以上!?”ペダリングにおける3つの筋肉の使い分け、というお話でした。


※もっと簡単に大殿筋を使えるようにある方法を検証中です。。。
なかなか難しいんですヨ。(;´∀`)



 
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