インナー&アウターケーブルの末端処理


ロードバイクのブレーキケーブル交換(アウター&インナー)

こちらの記事の最後の方にも書いてありますが、末端処理のお話です。

先日お越しいただいたお客様にも”マニアックすぎる内容が(ΦωΦ)フフフ…”そんなことを言われてしまいましたので、今回も更にマニアックなあくまでも自己満足的な記事です(笑

ボンドで固める、これは上の記事でもご紹介いたしましたとおりとっても簡単で作業性もGOODです。

ということなんですが、これでは面白くないのでもう少し手のかかる処理のお話です。



▶インナーケーブル

これはもう言わずと知れた”はんだ付け”です。

ウルトラ多用途ボンドは施工こそメチャクチャ簡単ではありますが、難点もあります。
①良くも悪くも剥がれやすい
②太くなってしまうためエンドキャップが付けにくい

エンドキャップをカシメないでボンドで止めてみようと思ってみたり色々とやってみたんですが、なかなかうまういかないということでした。

ということで末端の処理として解けてしまうことを防止するためにハンダを当店でも採用してみようということです。

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なんてことのないハンダゴテですが、W数が少ないものだとステンレスは厳しそうなのでコテは80Wもちろんハンダもステンレス用のものです。

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普通のステンのケーブルは全く問題ありません。

通常通りフラックスで処理してはんだ付け、その後キレイに洗浄、コレで問題ありません。

しかし曲者はポリマーコーティングです。
やってみたかたはおわかりかと思うのですが、ポリマーコーティングが見事にハンダを弾いてくれます(笑
そんなところもポリマーコーティング!!

ということでなんかいい方法はないべかなぁと、、、、
使用済みのポリマーコーティングを使って練習しまくりです(笑

切り口にだけハンダを乗せたところで対して解け防止になるかというと微々たるもの。。
コレで意味ないです。。

そして・・・

ドンッ!
( •̀∀•́ ) ✧ドヤッ!!


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できました。

やり方は、、、他社に盗まれると困るのでナイショです(笑
なんてことは言わずに、少し普通よりも手間を掛けて行っただけです。

コレばかりは手技の問題といいますか、時間はかかりますが丁寧にやればポリマーコーティングだってきちんとハンダで止めれますネ。

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ポリマーの剥がれが間違いなくポリマーコーティングインナーケーブルだということです。

この方法だとこの上からエンドキャップをかぶせることができます。
エンドキャップでカラーコーディネートを希望される方は結構多いですネ。


そして肝心の解けにくさ、という点ではやはりハンダは強いです。
かなりのバラそうと思って力を加えないと解けていかないです。
(普通そこまでしないですね(;´∀`))
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※左側は何もしてない末端は曲げれば一発でほつれます。
右側は表面のハンダが剥がれ落ちるほどつまんで曲げてもまだ大丈夫そうです。

当店をご利用の際はこんな細かいところの処理をご希望であればお申し付けいただければ時間はペチッとキャップを付けるだけよりも遥かにかかりますが、ハンダ処理をさせていただきますヨ。

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▶アウターケーブルの処理

絶対に行わないといけないアウターの処理としてはこちらです。

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先の尖ったもので穴の成形です。
ニードルでもなんでもいいんですが、こちらダイヤモンドヤスリです。
穴の成形、バリ落としまで一気にできてしまうので結構気に入っています。

というのもよく切れるケーブルカッターだったらそこまで潰れることはないんですが、それでもきちんと◯にしておいてあげるということはとても大切です。

DURAブレーキだってこのアウターの端が潰れたままではとても引きが重く、気持ち悪くなります。

構造はシフトだろうが、ブレーキだろうがライナー管の中をインナーケーブルが行き来するわけですから、その抵抗をいかに減らしてあげるか。これ次第で引きが軽くなったり重くなったりしますし、動きが悪ければ当然ブレーキのタッチも、シフトの動きも悪くなるってわけです。
特に最近のモデルのブレーキは本当に引きが軽いですし、タッチもものすごく繊細に伝わってきます。いわゆるコントローラーブルってやつで、アウターの処理一つでものすごく差が出てくるところです。

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何にも考えずにぶった切ったまんまです。

これを先の尖ったものでほじくって円を出してあげる。そして先の尖った部分なんかはヤスリがけをしてキレイにしてあげるというのがセオリーです。
特にブレーキアウターは何も考えずにぶった切ると結構尖った部分が露出してしまったりしますので、尖った部分は指で触っても痛くないぐらいには整えてあげるというのが最低ラインかと思います。

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ちゃちゃっと適当にやるとこうなります。
最低でもこのぐらいはしてあげたいものです。


では更にというと、、、
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こちらです(笑
(Nさん本当にありがとうございます。大活躍させていただこうと思います。)
 

これでブイーンと削ってしまいます。

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美しいです♪

最後やはり穴の成形です。
インナーケーブルをとおしても真っ直ぐであれば抵抗を感じないように仕上げます。

もちろん組み付けるときもカーブがきつくなりすぎない用に、カーブがあればもちろん抵抗になりますがそれでも極力抵抗を減らすようにということを考えて組み上げです。

もちろんジャストの長さがいいですが、ジャストの長さはフレーム構造、サイズ、ハンドル、ステムの長さ等色々な条件がありますので、一概にこのぐらい、、、そんな単純なお話ではなさそうです。極端な話短すぎるぐらいであれば多少長いほうがまだイイです。アウターの長さの決め方はメカニックの腕の見せ所です。ハンドルを切っても問題がない長さ、これは最低限のお話です。もっともっと突っ込んだようなコトをやり始めるとものすごく時間がかかってしまいますし、お店では「んなことやんねーよ! (∴`┏ω┓´)/コラァー!!」なんて言われてしまうかもしれませんが、まだまだ奥は深いということです。




今回ご紹介したような特殊な処理はアウターケーブルもインナーケーブルも必ずやらなければいけない処理ではありません。(と言うか通常ここまで丁寧にやるお店はそんなに多くないと思います。)
あくまでも美しく仕上げるという自己満足的な部分も少なからずはありますが、こういった細かいところをきちんとできていると、多分他のお店に持っていっても店員さんが「おっ!?(丁寧な作業してるな)」と気がついてくれるでしょう。
だからとっておまけしてくれたりとかはないと思いますが(笑
 
逆に当店の場合は基本的には車体を販売するわけではありませんので、他店で購入した方にご来店頂きます。ばらした際にチョット、、、う~ん、、、困ってしまう時があります。
もちろんものすごく丁寧に色々とやってある車体もみますヨ!

ということで
・動きゃいい!
・組めりゃいい!
趣味の世界はそれだけではちょっと満足できない、そんな方に送る(笑。自分で出来れば可能性は無限大!整備も楽しむロードバイク!そんな全くもって自己満足的なアウターケーブル、インナーケーブルの末端処理のお話でした。



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