新型フロントディレイラー調整 チェーンを落とす方法から見えてくる調整の注意点

え~~、、、ものすごくお恥ずかしい話なのですが、、、
先日初めてチェーン落ちと言うものを経験しました。

ものすごくみっともなく、恥ずかしい限りのお話ですが、ご自身で整備される方もみているとは思いますので一情報として公開させていただくことにいたしました。

メタクソに、ものすごい屈辱です。。。((((`A´))))プルプル


4600、4700、5800、6800、9000と一度もありませんでした。

新型に変えてから数ヶ月でこのあり様です。

ということで今回は新型のフロントディレイラーでチェーンを落とす方法から見えてくる調整の注意点のお話です。

尚フロントドライブトレインはFDのみ新型(R9100)、その他(CR-CN-ST)は旧型11速です。
リア系はRD-R8000です。




▶チェーン落ちの状況は?

”加速時インナーからアウターに上げる際にチェーンが内側に落ちた”
と言うものです。

非常に面白いですネ。
フロントディレイラーでチェーンを押し出しているのに内側に落ちるとな!Σ(゚Д゚)
これはチェーンを落ちを経験した人にしかわからないと思いますが、、、とても不思議です。
文字にして自分で見てみると改めて不思議だなぁと、、、(笑

まずはこれを再現しないことにはなんともなりません。

・リアの位置
・変速の仕方
・変速タイミング

こんな事を状況をなんとか再現するべく何度も何度も同じ状況を再現するために作業台の上で行います。



、、

、、、


こんな物は偶然の産物でしかありません。

少しづつ違う状況を作りながら試行錯誤してみると、、、


ガシャッッ、、、Σ(゚Д゚)

キタネ━(゚∀゚)━コレッ!!

来ましたネ。

これかこれか、、、







ガシャッ、、、 ̄ー ̄)ニヤリ

やはりこれですネ。

なにをすると落ちるのかが完全にわかりました。

最初の方に書いた組み合わせ、旧型11Sコンポに新型FDで確実にチェーンを落とす方法を見つけましたヨ。。。(;´∀`)

アウター側の変速ピンに引っかかるが、アウターまで歯が乗らないぐらいの微妙な位置でクランクが回転しているとアウター側の変速ピンからインナー側へ落ちる際の衝撃でインナーの歯を飛び越える、と言うものです。

ではこれの原因はと言うと、もうおわかりの方はいるでしょう。




▶チェーンを落とす方法

ものすごく単純ではありますが、複合的な要因で確実にチェーンを落とすことができます。

①ケーブルテンション(ケーブルの張り)が弱い
②レバー操作はアウタートリム
(通常はインナー→アウター変速時はアウターまで一気に上がりますが、それが何らかの原因でアウターのトリム位置までしか操作ができなかったときです。)

極めて単純です。
別の言い方をすると”アウター側への変速で適切な移動幅がない時に落ちる。”ということです。

何らかの原因でケーブルテンションが落ちたことによるチェーン落ちです。
この状況を作り出せればトップ&ロー調整ボルトがどんなにカチカチに調整してあっても取り付け位置もマニュアル通りにカリカリセッティングだったとしてもワタクシの再現下では100%チェーンを落とすことができてしまいました。(もちろんフレームとの相性やなにやらのその他の要因絡んできます。)


旧型のコンポであればセッティングは単純です。
単純ではないのかもしれませんが、”慣れている”というところが大きいのかもしれません。

旧型は張りが弱いければすぐにわかりますが、新型は”張り”だけの問題ではなくてH側の調整ボルトの調整も関係してきます。

新型はL側の調整ボルトは組付の最初にグリングリン回すんですヨ(ΦωΦ)フフフ…
その後は微調整に使います。

H側のボルトはと言うと、、、こいつが曲者です。
このH側の調整が細かくできるために、旧型11Sクランクにも対応できているというところでしょうが、ここの調整は本当に面白いです。

ともあれここの調整をどんなにバッチリにしても上記の状況(ケーブルが緩ければ)でチェーンを落とせます。

新型のフロントディレイラーはケ-ブルテンションが目で見てわかるようにできています。
P5125170

確実に合わせましょう。。。
”どのくらい緩ければ?”ということなんですが、結構微妙なゆるさでも落とせます。


ちなみにこの現象でチェーンが落ちる時は大体2時~3時ぐらいの位置からの脱落が起きます。
つまりチェーンキャッチャーなんて付いていたって付いていなくたって変わらんってことです。。。



▶チェーン落ちの可能性を推測する①

旧型のFDでも実は起こり得る状況ではあるのですが、旧型のFDの方が起こりにくいです。
旧型のほうがまったく同じ状況を作り出したとしても起こりにくいんです。

①新型のクランクは歯間が広がっている。

ということと、、、

②単純にストローク量だけではなく、FD側のプレートの形状・寸法も微妙に変更になっています。
ガイドプレートの外幅で数mm、内側でコンマ数ミリ新型の方が広がっています。

ここのクリアランスが広いということは変速時のガイドプレートの動きに対してもクリアランスが広いということになります。ここが広いということは横の動きに対して少々緩いということも考えられます。
(トリム無しで全段音鳴りなしとかは旧型よりもやりやすいのです。やりやすいということはやはりガイドプレートが広いんですヨ。そんなことよりもチェーンが落ちないほうが重要です。。。)


新型同士だとアウターからインナーに落ちた際でも旧型よりも歯間が広いので落ちにくいが旧型クランクとの組み合わせでは旧型のほうが歯間が狭いためインナーを飛び越えやすいのではないか?
これとFDのガイドプレート内幅が広がっていることでチェーンが横方向に悪い意味で動きやすくなってしまった。
ということがあくまでも推測の域でしかありませんが考えられます。
(RDのテンション等も関係している可能性も考えられなくはありません。)


▶チェーン落ちの可能性を推測する②


そしてなんでケーブルテンションが落ちたのかを考えます。
初期伸びなんてとっくに出きっているお古のケーブルを使っていましたので、”初期”とは少々考えづらいかとは思いますが、全く可能性ゼロではありません。

これとFDをよく観察していると、、、
なんだか、ガイドプレートと歯の距離が近い気がする、、、

でもそんなんズレるわけないし、、、
それでも自分でセッティングするはずもないぐらいに近い状態に、
当然FD本体が下がればケーブルテンションは落ちます。

ともあれ結果的には再調整し直しが必要です。

それとともに先日導入したチェーンキャッチャー、コイツは取っ払います。
こんなもんを取り付けたことである意味ダメな安心感が生まれて、セッティングが甘くても大丈夫な気がしてしまうぐらいであればこんなもんない方がいいです。

イラネッ(゜Д゜=)ノ⌒゜.

ついでに規程のトルク値でギザワッシャーがひどく歪んでいたのでこの辺も、、、



▶まとめ


何はともあれ今回の原因はケーブルテンションの低下と、不十分なレバー操作です。
結果的にはこれですが、なぜそうなったのかというと複合的に色々とありすぎて確定診断まではなかなか難しいでしょう。。。

しかしレバー操作は乗車中なにがおこるかわかりません。
たとえトリムの位置までの操作になってしまってもそんぐらいですぐに落ちるようではダメダメです。(セッティング後はたとえトリムであってもなんでも落ちることは今のところありません。)

新型FD+旧型のレバーだと旧型+旧型よりもこういった現象が起こりやすいです。
至極似た状況を再現した場合、新型だと1~3回ぐらいで確実に落ちるところが、旧型だと10回ぐらい粘ってから落ちる、またおちないこともあります。
このクランクをガラガラなっている状況がながければ長いほど実際の走行時に「ヤバイ!」と思って再度レバー操作するなり、脚を止めるなり余裕が生まれます。

当たり前の話ですが、シマノは”ベストなセッティングが出ていること大前提”として互換性があり、不具合が起きないことを保証しているということでしょう。

しかしこの状態は極めてよく起こりえることです。

簡単に言ってしまうと一例では初期伸び+レバー操作不足で起こりえます。。

昨今のフレーム、インテグレーテッドケーブルルーティング(、、、要はフレームの中をケーブルが通る)これは初期伸びを取るのが旧型よりも少々厄介です。
少しの初期伸びと、偶然なレバー操作でのチェーン落ち、、、
ごくごく起こりえそうな状況ではありますが、これで毎回落ちるとなると使い物になりません。
本当に状況さえ再現できれば確実にチェーンを落とすことができます。
(この辺はフレームにより差とかもあると思います。)

同じような状況下では旧型モデルの方がチェーン落ちが起こりにくいです。

ということを考えると、FDのみの交換、、、調整幅は広がることは何よりの利点ではありますが、デメリットとしてこういった事も考えられるということもしっかりと理解して置くことが大切です。

シマノがかなり気合を持って出した新型のフロントディレイラーですがセッティングの方法など大幅に変わっています。
このセッティングをきちんと出す自信がない、また管理をしっかりとできない場合は旧型のほうが多少セッティングは甘くても構造上チェーン落ちは起こりにくいこともあるということをしっかりと頭に入れておくことが大切だと思います。

しかし旧型は本当にチェーン落ちなんて程遠いいことだったのに、新型のFDでこんな事になっちまうとは、、、

今回の原因はケーブルテンションではありますが、H側のボルトも影響がありますヨ。
H側の使い方を間違えても同じ状況を作り出すことができます。

インナー→アウター側への変速操作時に何らか(複合的な)の原因で変速がおこる位置までガイドプレートが移動しきらない状況、アウターからインナーへチェーンが落ちる瞬間にチェーンはいとも簡単にインナーの歯を飛び越えてフレーム側へ落っこちます。
これがガイドプレートの幅が広がったことであったり、クランクの歯間幅が増えたもののモデル、ということであったり、、、なにが決め手なのかは不明なところがありますが、複合的な要因でチェーン落ちがおこることが考えられた、そんなところです。

それと今回は検証をしていませんが、おそらくガイドプレート内幅が広がったことで、外側にも落ちやすくないっている可能性も拭いきれません。構造を比べてみれば外側に落ちる可能性が2つ増えていることに気がつくと思います。
実際に外れたわけではありませんが、ふとした瞬間に不安がよぎります。


こういったことはチェーンステー長の許容範囲を増やしたりするための設計・構造の変更ののためだったり、何かはシマノの思惑かどうかの詳細は不明ですが、少々悩んでしまいます。。。

詳細は構造を理解することがなによりの近道だと思います。

新型DURA-ACE FD-R9100 徹底解剖第2段 構造と変更点

ということで新型フロントディレイラー調整 チェーンを落とす方法から見えてくる調整の注意点のお話でした。

ケーブルの張りはセッティング後も何度か確実に確認しましょう。特に新しいケーブルは要注意です。
もちろんH側の調整ボルトもきちんと調整しましょう。



注)もちろん新型FDが悪いものでチェーン落ちがし易いと決めてしまうということではありません。今回は結果的にケーブルのテンションが落ちていた原因は不明ですが、完全にセッティング不良です。
きっちりと調整ができていれば新型FDだってチェーン落ちすることはあれから一度もありません。
と言うかカリカリにセッティング出して使用継続中です。。。
まだまだ情報があまりありませんので、ガンガン使ってみないことには、、、と言った形でm(_ _)m

6800のFDがすでにカートに入っているのはナイショです。。。(;´∀`)

ワタクシだったら変速の軽さや速さ向上させるためにチェーン落ちのリスクが上がるのであれば旧型を使います。。。セッティングをカリッカリに出して運用してみて、もう一度落ちたら9100捨てます。。。
今回は調整不足がみられたため使用継続ですが、構造的に”甘い”ということが証明できた場合は使用をやめます。






▶おまけ
~チェーンが落ちた時に最大限ダメージを抑えるためには~

なにがあっても怪しいと思ったらすぐにペダリングを止めることです。
レース等で1秒を争う状況でなければ怪しいと思ったらまずは足を止めてそのまま停車することです。
(急ブレーキは危ないです。)

フレームへの噛み込みも力を入れていれば入れているほどひどい有様になります。
今回はすぐに足を止めて停車することができたのでフレームへの傷は最小限(塗装が少しめくれたぐらい)に抑えることができました。

今回のフレームへの傷は自分への教訓としてそのままにしておくことにします。
セッティングの大切さを傷を見るたびにきちんと思い出すことができるでしょう。。。

P7186040
ごめんヨ…


明日はもっと新型FDについて突っ込んでいきます。。。


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