シマノ 圧入BBを分解して構造からシマノ思想を読み取る SM-BB72-41B

まずは規格から、、、
・ロード用
SM-BB92-41B(DURA-ACE)
SM-BB72-41B(ULTEGRA)
SM-BB71-41B(105??)
キャプチャ


・MTB用
SM-BB72-41A or SM-BB72-41C
SM-BB94-41A

最後のローマ字で決まってくるようですが、、、複雑です。。。

シマノのBBは回転(空転)が重い、何ていうのは非常によく目にする事柄ですが、なぜ回転が重くなるのか?
ということも分解をすればよくわかります。
ということで今回はBBから見えてくるシマノの思想を読み取るというお話です。



▶シマノ SM-BB71-41Bの分解
まずは分解です。
SM-BB71は基本3ピース構造です

P9256615

左右のカップ+ベアリングとセンターのスリーブです。
今回は主に左右のベアリング部を分解していきます。

まずはカップからベアリングを外さないことにはなんともなりません。
IMAG3100

(´・ω・`)ウ~ン,,,

そもそもシマノのBBは分解できるようにはできていませんので、普通には外れないので少々変わったやり方で慎重に打ち出します。(パークツールのあれとか使って叩き出すだけですが(笑))

通常の叩き出しの際にはシマノの圧入BBは親切設計でため直接ベアリングを叩くことがないようにできています。他社のものをみると、叩く用の”ツバ”のようなものがあるものも無いものも、あってもものすごく控え目設計なもの等(笑)
ともあれベアリングで打ち出しをしないといけないようなものは基本的に再利用は不可の場合が多いです。
この辺は構造的にシマノのBBはやはりよく考えられていると思います。(シマノも再利用は不可。)


取り出したものはこちらです。

image4159


▶シール構造の分解

シールを開けていきます。

一番外側のシール
IMAG3094

2番目のシール
IMAG3096


内側のシール
IMAG3095

でこうなります。

IMAG3090
※画像のシール左から外部①、内部、外部②のシールです。

このシール構造はすごいですヨ(゚д゚)!オオオオ,,,

rect4314

内部シールは一般的な接触型シール構造です。
”接触型ゴムシール”と言うものです。
いわゆるシマノのハブなんかのシール構造と似ています。

外部はと言うと、、、

image4324

よーく見ると外部②のシールは非接触のように見えます。

外部②は非接触型なのですが、外部①のシールでシールド性を高めています。

rect4314-8
2種類のシール構造で外部もやはり接触型シールのような構造になっています。

ウィッシボーンやTOKEN等のBBは通常のベアリングに蓋のようになる”外部①”のシールがついているものです。シマノのBBはベアリングの形が少々違います。

ベアリングの外部に溝が切ってあり、そこに外部②のシールがハマるようになっています。

image4496



▶分解してみて
分解をしてベアリングを取り出してみればやはりベアリング自体は回転が悪いなんてことはありません。いわゆる普通のベアリングですヨ。

ここに1枚ずつシールは戻しながら回転抵抗を見ていくとよくわかります。
接触型シール構造はやはりベアリングの内輪、外輪がシールによって直接接触しているので回転は悪くなります。

rect5683
接触型のシール構造を使うのは有名所だとMAVICのベアリングなんかもこちらです。

メチャクチャ簡単にシマノのBBのハブベアリングをクルックル、回転を軽くするためには、、、シールを取っ払ってしまう、これだけで空転は軽くなります。
内部、外部②のシールを外すだけでヌルヌル回るようになります。
更にグリスを抜いてチタンスプレーでも吹いておけばクルックルです(笑

しかしです。。。

シマノが研究に研究を重ねてこういったシール構造を作り上げてきたわけです。
意味もないのにこんなコトはしないですネ。。。

というのも本体を見てみると、、、

P9256614

Shimano Sealed Cartridgi unit  
(シマノ シールドカートリッジユニット)
とあります。
シールド構造ですよってことです。



シマノの思想として見栄え的な軽さ、空転がいいとか、、、
そういった軽さを犠牲にしても、耐水性、対塵性であったり耐久性をきちんと考えて作られているということであると考えれらます。こういったところもシマノの信頼の証、ということでもあるかと思います。
シマノのBBなんて何年もノーメンテで使ったってへっちゃらなものもよくみかけます。
そしてだめになったら交換、そんな使い方でもフレームを1台乗り潰すまでに何回交換になるかということです。
さらに価格も、、、めちゃくちゃ安いです(笑

ワタクシ自身ウィッシュボーンのBBを使用していますが、こちらもかなりの高寿命とメーカーより説明を受けているところもおすすめポイントの一つであります。
圧入式BBの個人的な基本的な考えて方としては、”何度も付け外しするものではない”というのが率直な感想です。
(あんなゴンゴン、ガンガン叩く作業を頻繁に繰り返すのはちょっと、、、(;´∀`))
となると、、、BBに求められるのはやはり高寿命であり、耐久性であると思います。
注)ウィッシュボーンの付け外しはフレームによってはものすごくメンテ性がいいです。

ハブでもなんでもそうなんですが、ベアリングを空転の良し悪しだけで判断してしまうのはナンセンスだと思いますヨ。しかしパッと見、空転がいいとものすごく軽くなった気はするんです。
それはそれは視覚的にも、プラセボ的にもいい効果だとは思いまし、効果がまったくないということではありませんが、それと同時に与圧であったりシール構造もとても大切なことです。

この辺のバランスはなかなかどれを重視するのかということは難しいことだと思います。

大切なことは、、、自分の信じたものを信じ切る!
ってことですヨ(≧∇≦)b

ということでシマノ圧入BBを分解してみるとメーカー思想がきちんと見えてくるゾ!そんなお話でした。



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