シートポストのズレ対策を症状から読み取る。

一気にドカンと下がるならまだしも、、、
少しづつ、、、少しづつ、、、

気がついたときには( ゚д゚)ハッ!
なんかまた下ってるヲ。。。(´;ω;`)ショボーン

止めども止めども蟻地獄のようにずり下がってくる、、、

シートポストを密かに変えていたのですが、純正の頃からすこ~しづつ音もなく、下がってきているというなんとも残念な症状をみせていたシートポストに本腰を入れて対策を施してみようということでい、今回はシートポストのズレ落ち防止策の対策を考えてみようと思います。




▶シートクランプの種類
フレームの多様化に伴って、シートクランプも様々な形状のものを見かけます。

①通常のバンド式シートクランプ

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いわゆる昔ながらのフレームごとシートポストをクランプするオーソドックスなスタイルです。
クランプパーツはサードパティ製も多くでております。汎用性に優れています。

珍しいタイプだとインテグレーテッドタイプ(めり込みタイプ(笑)で
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一部のバイクでこんなバンド式もあります。
これは汎用性はありません。。。


②臼型クランプ
最近はかなり見ることが多くなった臼型のクランプです。
臼型で主に使われることの多いエアロ形状のシートポストと、、、
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通常の円形のシートポスト用の臼型
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こちらはフレーム形状に合わせて様々なシートポストを使えるという利点があるものの、クランプ力は上の①のクランプよりも落ちるようなイメージです。
とは言っても正しい方法で使用することでしっかりと固定できるものがほとんどです。

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cervéloのR5はD型のシートポストに臼式クランプです。



▶シートクランプの形状と固定力
全くもっての個人的なイメージですが、一番ズレにくいのは”臼型クランプのエアロ形状シートポスト”です。
というのも、、、専用設計のシートポストはサードパティ製のものへの交換が非常に難しい、ほぼ不可能ということもありますが、そこは専用設計品です。純正品のシートポストはフレームと完全に合わせて作られていますので精度がしっかりと出ている場合が多く、場合によってはぴったりすぎて固着して外れなくなってしまうこともあるぐらいのぴったりで作られている場合が多いような印象です。(特にR車のNとかB社のOとかガッチガチです。。)
構造的に考えても臼が押し付ける方向とシートポストのエアロ形状を考えれば強度も出しやすいということは固定力を存分に発揮しやすいのでは、といった所です。

逆に短所とすると、エアロ形状のシートポストは何らかの原因で固着してしまったときに、回転させることができないため外すのが少々、、、と言うかものすごく大変です。金属×金属ほど固着はしにくいですが、それでもガッチリと食い付いてしまったものは大変です。。。

それでは最も固定力に不安がある形状とすると、、、臼型の円形シートポストデス(´・ω・`)ショボーン
まさにゼリウスのそれです。。。
構造を考えればわかりやすいと思うのですが、なにせぐるっと廻るバンド式クランプよりもただただ押すだけ、突っ張っているだけそれだけです。。。

薄型の構造を見てみます。
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こちらゼリウスのクランプ臼ですが、左側が一番緩んだ状態、右側が締め込んだ状態です。
下の画像のイモネジが締め込まれることで臼を押し広げて(下げて)いく、コレによってシートポストを押し付けるというものです。
※この辺は本当にイメージ的なお話です(´∀`;)

バンドタイプタイプよりかは固定力に不安がある構造です。


▶シートポストがずれる原因とは?

①クランプの固定力不足
何らからの原因でクランプする力が不足すればずれ落ちやすくなります。

②シートポストとシートチューブの精度

シートチューブとシートポストがスッカスカであればいくらクランプを強力にしてもずれやすいと言うのは至極考えやすいと思います。

おそらくシートポストのズレの原因はこの2つをしっかりと考えてあげれば解消できるものだと思います。


▶クランプの固定力を最大限に上げる方法とは?

固定力を上げるということは適切な締付けトルクにて締め付ける、これがいちばん大切なことです。

ということで適正なトルクで締め付けるためにはボルトにグリスを塗ります。

ロードバイクを組むときに各所ネジ部なんかにグリスを塗ると思います。
もちろんどこでもかしこでも塗ったくればいいということではありませんのでご注意を!

ボルトにグリスを塗ることには複数の理由があります。
・締付けトルクの正確な管理のため
・かじり防止(固着防止)
・サビ予防
などなど

この中でも”適切な締付けトルクの管理”のためにグリスを塗るということが今回の大切な所です。

ネジ部分の摩擦が大きければ締付けトルクに対して摩擦が邪魔をして本来力をかけたい部分、
今回ですと”臼を押す”という作業、に適切な力がかからなくなってしまいます。

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上の図の締付けトルクと臼を実際に押し出す力の差を極力減らすということです。
摩擦が減れば減るだけ実際に押し出す力は強くなる傾向にあります。

今回はゼリウスでシートポストのズレを確認したので何故かどうかというところを検証してみたところこのネジ部の摩擦が非常に大きかったのが発覚しました。この場合であればもう、ネジ部を潤滑してスムーズにしめ込めるようにしたことで無事に解決です。

また双方アルミであればまだしも(油断は大敵ですしメーカーの指定トルク以上はNGです。)、どちらかにカーボンを使っている場合なんかはカーボンの破損なんかにつながることもあります。
適正なトルク値、メーカー指定のトルク値で締め付けることで最大限の固定力を発揮させるための方法は適切なグリスを適切なところに使うということです。



▶その他の方法


その他の方法としては、いわゆるカーボン・アルミ用の滑り止めのペーストを用いるということも一つの手だと思います。
しかし一番有名所ファイバーグリップは荒目の粒子がパーツへの攻撃性が考えれまです。ジャリジャリなのでおそらくポジション調整なんかを繰り返してザリザリさせていれば各所に傷がつきます。
極力避けたほうがいいことはこういった粒子入りのペーストで繰り返し抜き差し、ズレを繰り返すことでかえって悪影響になることもあります。
カーボン製品にすべり止めペーストを使え、使うなというのは各メーカーによって様々です。
まずはお店・メーカーに確認というのがいいでしょう。

とは言ってもなんだかんだで例えば体重がメーカーの指定ギリギリ(ロードバイクは体重制限があるものが多々あります。)やもしくはアウトということもでもないのに、純正品で通常の使用でずれるなんていうのは、問題外と思うのはワタクシだけでしょうか。。。すべり止めペーストありきの設計ではなくて純正品を使う限りは適正なトルクでしっかり固定できる設計って必要だと思いますが。。。
汎用性の高い円形のシートポストであっても、フレームが狭い場合なんかは入らないと大問題なのでどちらかと言えば広めに作るのか、それとも純正に使用されるポスト径が広すぎるのか。。。

ともあれ傾向と対策から考えるに、
①クランプに正確なトルクをかけられる様な処理をすること
②どうしても駄目ならばすべり止めペーストを用いる。

車やオートバイとは違ってかなり低トルク値の管理が必要になるロードバイクの整備はやはり適切な工具であり、適切な知識を持つことが大切ということではないかと思います。

ということで今回はシートポストのすべり止め対策のお話でした。

王道のザリザリのペーストです。

ザリザリしにくいのタイプとのことです。

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