ロードバイクの油圧ディスクブレーキとじっくりと向き合った

最近流行りのディスクブレーキデス。
誠にありがたいことに、お預かりの整備ご依頼で更にブログにも使用してOKということでじっくりと向き合わせていただきました。
遅ればせながら当店でも油圧ディスクブレーキ全般の整備の道具が揃いましたことご報告とさせていただきます。

ということで今回からしばしディスクブレーキのあれこれ、まず第1段としましてロードバイクの油圧ディスクブレーキとじっくりと向き合った、そんなお話にさせていただこうと思います。



▶ディスクブレーキとは?
そもそもです、自転車関係のブレーキシステムについては少々変な情報が出回っている感じがしないこともありませんので、一度整理をさせていただこうと思います。

✔ディスクブレーキとは
ディスクブレーキローターを挟み込んで止めるブレーキシステムのことを言います。

ディスクブレーキの中には
・機械式ディスクブレーキ
・油圧式ディスクブレーキ
この2種類があります。

どちらもディスクブレーキローターを挟んで止めるシステムですが、ディスクローターを挟むブレーキパッドをケーブルで引っ張って挟むか、油の流動を用いて挟むか、これにより違いってきます。

ちなみに現在の殆どのモデルでロードバイクではブレーキのシステムのことを
・リムブレーキ
・油圧ディスクブレーキ
と分けられます。
キャリパーというのはリムブレーキだろうが、ディスクブレーキだろうがブレーキ本体のことをブレーキキャリパーというので、ディスクorキャリパーというのはどうにも変な気がしてしまいます。・・・まぁどうでもいいですネ(笑)

というのが簡単な油圧についてのお話です。


▶実際に触ってみてわかった油圧ディスクブレーキ

1.レバーの引きの軽さについて

油圧ディスクブレーキはレバーの引きが軽いというお話も聞いたことがあります。
実際にはどうだったかと言うと、当然グレードにもよりますが現行のリムブレーキでハイエンドグレードであればディスクのほうが明らかに軽いということはありません。特にきれいに組めばどちらも引き自体は差がなく組むことも可能です。(効きではなくてレバーの軽さのみ。)

しかし実際のところアウターケーブルの中をインナーケーブルが行き来をするリムブレーキではやはりケーブルの種類や、組み方によっては引きは悪くなることがあります。
その点油圧ディスクはラインの種類・組み方による重さ、というものはほぼ出ません。

2.ディスクブレーキホース(オイルライン)

オイルが実際に通るホース(オイルライン)です。
こちらは意外と癖が付きやすいというイメージでした。
実際に触ってみるまではこのオイルラインが柔らかければラインのカーブがきつくなろうがレバーの引きの重さ等構造的にほぼ関係ないということです。
ですので例えば最近流行りのブレーキホースがヘッドチューブを通っていくようないわゆるフル内装仕様でもケーブル引きのように引きの重さを気にせずに組みやすいのではないか、ということでした。

しかし実際に触ってみると意外とこのホースが柔軟性が低く、また曲がり癖なんかがしっかりと付いてしまう様な印象でした。それでもカーブがきつくても引きが重くなることはありませんが、素直にいかないのがヘッド周りの動きです。

Di2にすることで、シフトケーブルがなくなりヘッド周りの動きが軽く軽快にすることが可能になります。そこに日泉のブレーキアウターケーブルなんかの柔軟性の高いもので組むことで更に動きを軽くすることができます。

油圧のブレーキホースは意外と硬くこのヘッド部の動きが悪くなりがちです。
今回はブレーキホースは外装の仕様でしたが、これがヘッドの中を通るとなるとヘッドの動きがどうなるのか、、、それはメーカーの設計次第ということになるでしょう。


3.レバータッチ
これは前項の内容と重なってくる内容ではありますが、ブレーキのタッチです。
油圧は油を押し出す・流動させてピストンを押し出すというシステムですが、すべての力がキャリパー内のピストンにかかるということではありません。油を強い力で押し出すためホースも膨張するということです。これがいわゆるエア噛みとは違ったしなりのような状態を生み出しています。
この塩梅はおそらくシマノもブレーキホースの硬さ、柔軟性でコントローラーブル・操作性を重視した設計になってきているとは思います。ワタクシがさわった感じではリムブレーキのタッチと遠からず近からずぐらいと感じました。(この塩梅がさすがシマノといった印象でした。)

タッチをただカッチカチにするのであればステンメッシュのホース(タイラップ(笑))、オートバイではよくやる方法ですが、こんなものを用いればもっとカッチカチのタッチに出来るかとは思いますが、それがいいことであるのかどうかは別のお話です。

で構造的なお話になりますが、フロントとリアでラインの長さが全然違います。多分倍ぐらい違うと思います。ということでやはりタッチがリアのほうがどうしても悪くなりがちということがあります。これはシマノも認識をしているということです。
構造的には仕方がないこととは思いますが、ディスクがもっともっと流行ってくるとこのブレーキホースに柔軟性をもたせつつも、圧力に対して強いというものがでてきたり、また硬さを選べるようになると面白くなってくるかもしれません。


4.エア抜き作業
エア抜きに関しては実際に作業をしてみて思いましたが、楽である部分と大変だと思う部分と分かれます。
マスターシリンダーがあの小さなコントロールレバー内に入っているロードバイクの油圧システムではコントロールレバーの角度を色々と変えたりしながらエアを抜いていくわけでなんですが、車体重量が軽いので比較的そういったことはやりやすかったです。

各種セミナーなんかでは例えばハンドルクランプを緩めて角度をかえる、またレバーのクランプを緩めて角度を変えながらということでした。
しかしです。。。
最近流行りの一体型ハンドルとか(笑 角度変えられん!!
ということで今回は車体を思いっきりあっちに方向け、こっちに傾けやってみました。
多分各種クランプを緩めてうんたらかんたらやるぐらいなら車体を傾けたほうが楽なような気がします。

実際にエアの抜け方ですが、まぁ抜けやすくはないですネ(; ̄▽ ̄)ハハハ...
オイルラインが複雑であればあるほど抜けにくかったりと言うのはあると思いますが、結構しつこくでてきます。一度エア抜きをした後にしばらく時間をおいて再度、、、というもの効果的であるということです。じょうごつけたままでは角度に制限がありますので・・・この辺は次回に詳しく。
作業自体はそこまで複雑なものではありませんが、時間がかかってしまうような印象でした。

おそらくこのエア抜きを綺麗に行っていない場合に逆さまにしたりすると、エアが、、、そしてブレーキが(ー'`ー;)ムムム…となってしまう現象が起きるのでは無いかということです。
公式の見解では油圧ブレーキは倒立、横にした場合に対応できるような設計ではないということになっているのも勝手な推測ですが、上記のようなことからかと思います。

5.整備性
最近お店の方でもよくご依頼のある作業がハンドル交換です。
最近流行りのエアロ系のケーブル内装型のハンドルです。
リムブレーキであればケーブルを外してハンドルを通して微調整、どうしても長さが足りなくなったり長過ぎれば詰めたりするのもそまで大変な作業ではありません。しかしです、油圧ディスクはそうはいかないです。
オイルラインを一度外すわけですので、エア抜きがもれなくつていきます。
オリーブは再利用ができませんので交換となります。コネクターインサートも長さを変える場合には別途必要になります。ワタクシの腕不足ということもあるかと思いますが、それでもケーブル引きよりも時間がかかってしまいます。

もっと単純に考えても、油とケーブルと考えれば取扱いがケーブルの方が楽というものすごくシンプルはお話です。
当然慣れの問題もあるとは思いますが、整備はケーブルよりも手間が増えます。

6.専用工具
ぶっちゃけ高いっす(笑)(TдT)
無くてもなんとかなるのですが、せっかくなので専用工具を使ってみたわけですが(´ε`;)ウーン…
まぁ無くても、、、うん、、、
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エア抜きに使うじょうご+ファンネルアダプターはないと話になりません。
これがまたファンネルアダプターが必要なモデルといらないモデルと、、、(ー'`ー;)ムムム…
無いと全く話にならないので必要です。
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こういった規格品と言うかスルーもそうですが、ある程度統一感がでてきた頃というのが最低限の買い時のスタートラインということかもしれません。



実際のところではどうなんだ、と言えばというところがまとめ的なお話になってくると思いますが、多分油圧ディスクもリムブレーキとは違うところがありますが、それをめんどくさいと思う事自体がリムブレーキに慣れ親しんでいるからということもあります。
ケーブル式に慣れて、Di2にしたらめんどくさいこともあります。いつもの間にかスイッチを触ってシまっていたり、充電だってすっかり忘れてしまうこともあります。それでもDi2は圧倒的に便利です。

油圧はどうかと言うと、リムブレーキに慣れ親しんだ人間からすれば慣れていないと言うか、面倒くさいことがたくさんあると思います。それでも使えば慣れてくるでしょうし、実際の制動力を考えれば一度つかえば元に戻れなくなるかもしれません。

どっちがいいとかそういう問題では無いような気がします。
ロードバイクをどんな使い方をして、何を求めるのか、そんな個々の事情にあわせて選択するのがいいのではないかと思います。

ということで今回はロードバイクの油圧ディスクブレーキとじっくりと向き合った そんなお話でした。。。
( ゚д゚)ハッ! グラベルロードだった!(笑)
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