ディレイラー調整 アジャスターの使い方の構造とまとめ

ディレイラー調整、失敗するとちょっとまずいことになることもありますのでくれぐれもご注意ください。無理そうだと思ったら早めにお店に持っていくことをおすすめ致します。
大体まずいことになる場合は工具を使った調整のところです。
基本的に機材を壊さないための3原則からお話を始めてみようと思います。



▶ディレイラー微調整の3原則

①工具は使わない
最初の調整がきちんと調整ができていれば、通常ディレイラーの初期伸び等の微調整に工具は必要ありません。うかつに工具を使わないということです。
基本的にトップローアジャストボルトもしかり、エンドアジャストも触る必要はありません。
ましてはいくらアジャスターが硬いからと言ってもペンチなんかもやめたほうがいいです。
歯数を変えたとかの場合を除いては、工具を使わなければいけないという事はどこかに不具合が起きている可能性が高いです。

②少しづつ動かす
お店でプロがやっているのを見るとグリングリン回したりしているように見える場合もありますが、実はトリックです(笑)ものすごく繊細な作業をしています。ざっくりとかつ正確に、デス。
グリングリン回していると限界を超えて回してしまったり、不具合が起きているのに異変に気がつけない場合が多いです。
そもそも初期伸び程度であればそこまでグルングルンは回さない範囲で調節ができるはずです。

③わからなければ早めにお店へ
無理をせず、壊す前にお店にGoしましょう。
簡易的な調整であれば数分、数百円程度で直る場合が多いかと思います。
基本的にディレイラー調整だけではありませんが、ひっちゃかめっちゃかになる前段階、ちょっとおかしいという段階で早めにおまかせしたほうが、結局は節約になるパターンが多いです。

これらをふまえた上でのディレイラーのアジャスターの使い方のお話です。


▶アジャスターの回し方
まずは基本です。
「難しいことは知らん!とりあえず微調整だけできればいい!」
そんな方はこれだけは覚えればとりあえず初期伸びは取れるようになります。

リアディレイラー本体のアジャスターです。

旧型
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新型
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※画像の”張る”はインナーケーブルの張りの状態のことで、”張る”方向に回せばインナーケーブルは張られていきます。逆に”緩む”方向に回せばインナーケーブルは緩みます。

新型も旧型も回転方向はまるっと一緒です。

続いてフロントまわり(ハンドルの近く)にくっついているケーブルアジャスターです。

image6207

基本的に
ケーブルを張りたい時:アジャスターを反時計回り
ケーブルを緩めたい時:アジャスターを時計回り
に回します。

しかしケーブルアジャスターはとくにですがどういう方向から見るか、、、これによっても変わってきますのでここが難しいところなんでネ。(; ̄▽ ̄)ハハハ...

これをふまえてディレイラー調整のおさらいですが前後共に、
小さいギアから大きなギアへ変わりづらい場合:ケーブルを張る
大きなギアから小さなギアへ変わりづらい場合:ケーブルを緩める

ということです。

つまり初期伸びが出たとき
→インナーケーブルが伸びる=インナーケーブルの張りがゆるくなる
→張りを強くしたい。
→ケーブルアジャスターで張る
つまり赤い方向に回すということです。

次項でアジャスターとはどういうことかを構造を見ていきます。



▶アジャスターの構造
アジャスターなんてかっこいい名前はついていますが要はネジです。
調節用のネジです。

IMAG7601

上の画像はディレイラーのアジャスター部の分解です。

ゴチャごちゃしているとわかりにくいので、バラバラにしてシンプルにしましょう。

IMAG7603

アウター受け付きアジャストボルト?だけを残して邪魔なパーツを外してみました。

アジャスターの正体はアウターを受ける部分のついたボルトそのものです。

IMAG7604

こういうことです。

アウターが刺さります。

IMAG7607

ケーブルがつくとこうなりますネ。

見慣れた形になってきました。
(ちょっとパーツは足りませんが、、、)

IMAG7608

上はアジャスターを締め込んだ状態です。

BlogPaint
こちらはアジャスター(ネジ)をゆるめた状態です。

なんでネジ(アジャスター)をゆるめるとインナーケーブルが張られるか、です。
答えは実質”アウターケーブルが伸びる状態になるから”です。

実際に伸びるわけではありませんが、緩めたネジが露出する分だけ、アウターケーブルの長さが長くなるような状態を作り出しているからです。

ケーブルアジャスターも同じです。

IMAG7620

ネジを締め込んで一番短い状態です。

IMAG7621

ネジを緩めていくとアジャスター本体が伸びていきます。

これでアウターケーブルを無事に伸ばすことに成功しました。

ではネジをゆるめるということは、、、
緩めすぎるとどうなるか。。。

答えは簡単!ネジが外れます。
いわゆるアジャスターの脱臼です。

IMAG7612

これは限界を超えて緩めすぎて脱臼しています。
脱臼してもケーブルのあっちとこっちが固定されていますのでパッと見分かりづらいです。
分かりづらいですがネジ穴から脱臼した状態でグリングリン回したりしていると、ディレイラー本体のネジ穴が壊れていきます。
限界の調整幅も見極めが必要です。

ちなみにフレームにアジャスターが付いている場合、
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このアジャスターも基本的にはRDのアジャスターと考え方は一緒です。
ネジを緩めればインナーケーブルは張られて、ネジを締め込めばインナーケーブルは緩みます。



▶まとめ
まとめです。
インナーケーブルはコントロールレバーとディレイラーで固定されています。
(ケーブルの両端が固定されている状態です。)
間違いなく固定されます。

ではその張り具合を調整するためにはどうするのか、というと、
アジャスターをもちいてアウターケーブルを実質長くしたり、短くしたりすることで張り具合を調整する、それこそがアジャスターの役割です。

基本的に手で回すタイプのアジャスターはネジ式で、
・ネジをゆるめるとネジが抜けてきて伸びる
(実質的にアウターケーブルの長さが伸びることになる)
→インナーケーブルの張りが強くなる。
・ネジを締め込むとネジが入り込むことで縮む(アウターケーブルが縮むことになる)
→インナーケーブルの張りがゆるむ
という構造です。

しかしです。

注意点として、どっちの方向からみて時計回りと、反時時計回りと言葉で書いたりすると説明が難しいくなりがちです。
それとケーブルのインラインアジャスター(ヘッド周りのケーブルにつくアジャスター)は逆さまでも取り付け自体は可能です。
そうすると反対回しになります。複雑になってしまいます。

それでも目で見て伸びる部分がどこだかわかっていれば目視でも確認できますし、慣れてくれば回し心地でもわかるようになります。(張っていくほうが当然硬いです。サビや固着がなければ、デス。)

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※目視で確認できるアジャスターで伸び縮みするポイント

注)新型のトグル機構採用のフロントディレイラーのアジャスターは考え方が従来品とは全く違います。ボルトをねじ込んでいくことでアジャストバレルを回転させインナーケーブルを張っていく構造です。指で回す従来式のアジャスターはアウターを伸ばしてく構造ですので、構造的にはまったく別物です。

✓アジャスターが硬いときは、、、
アジャスターが硬い(回りづらい)時、もちろんあります。
①ケーブルが張られている時
前後共に大きな歯に入っている時、この状態はケーブルがより強く張られている状態です。
ディレイラーはバネの力で一番小さな歯の上に来るようにできています。それをケーブルで引っ張って大きな歯に移動させています。
ケーブルが引っ張られて、テンションが掛かった状態で更にアジャスターで引っ張ろうとすれば、、、硬いのは当然です。
異常に硬いと思しき時は少なくともまずは小さなギアでアジャスターを動かしてみてちゃんと動くかどうかの確認が必要です。

②アジャスターのトラブル
しばらくいじっていないと当然ネジですので固着気味になる場合もあります。
しかしです。
それは限界でこれ以上ひねってほしくなくて固くなっている場合等、トラブルが起きている場合もあります。
その見極めができないと機材を壊してしまう場合もあります。
異常に硬くて回らない場合で原因が不明な場合はショップへGo案件です。

ちなみに硬いとはどのくらいかというと、前述のようにケーブルを引っ張っていない状態、ディレイラーは小さなギア位置に入っているのに指で回らないければ異常と考えていいです。

ということで今回は、ディレイラー微調整 アジャスターの使い方の構造とまとめ、そんなお話でした。


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