しくじり先生の富士ヒル参戦記 ~レースゴールまで~

一時はうぬぼれながらもゴールドを目指して日々のトレーニングにあたっていたワタクシの富士ヒルの記録はこちらです。

1時間15分5秒、

シルバーにも届かないという大敗でした。

練習は?なぜこの結果となったのか、、、
そんなお話、
しくじり先生の富士ヒル参戦記 ~レースゴールまで~

第1話はこちらから。


第2話はこちらから
第3話はこちらから。
これから記憶を頼りに文章に起こしていきます。



当日4時半に起きました。
夜中に少々トラブルがあって何度も起きました、
否、起こされました、が。

雷でもなって大雨でも降ってくれたほうが、、、心の何処かで諦める口実を探していたような気もします。弱いです。
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どん曇でした。

朝起きても相変わらず頭痛が消えません。

体の疲労感はわからないぐらいの頭痛は心臓の拍動に合わせてズキズキと疼きます。

このままでは朝ごはんを食べる感じではありません。

とりあえず水分を多めに取ります。

熱いシャワーを浴びます。

朝ごはんを食べなければいけないのに箸が進みません。

最悪流し込みやすいように”とろろそば”です。

とろろそばと、野菜ジュース、5時までになんとか食べました。
すかさずロキソニンも突っ込みます。

5時過ぎに一度バイクの最終点検に向かいます。

ホテルを一度外に出ると雨の形跡こそありますが、朝の時点では降っていませんでした。
もう出発している方がいてちょっと焦りました。
ワタクシはと言うと、駐車場にて空気を入れ最終点検です。

よくあるグランフォンドとかは車検がありますが、レースは車検がありません。
というのもレースに出る人は整備を万全にしていることが前提だからです。

自転車屋のおっちゃんのワタクシでも最後の最後まで点検をします。
メカトラも含めてDNFはすべて結果としてDNFです。
機材ありきの機材スポーツです。

不具合があるわけもなく空気圧を最後の調整、5分程度で終了ホテルに戻ります。

部屋に戻ると山中湖付近に宿泊のRyくんから連絡が入りました。

「雨めっちゃ降ってました。。。」

・・・

河口湖は降ってません。

さてはRyくん雨男?

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富士山では朝の5時半からサザエさんがやっているようですが、ちょっとサザエさん的な気分ではありませんでした。

その後はぐだぐだと過ごします。
日曜日の朝は通販番組が多いです。

作戦を考えていました。
・目標に届かないならいっその事300Wで踏んでいつまで持つかはわからないけど、いけるところまで行って潔く退こうか、
・抑えて抑えてなんとか完走を目指すか、、、
究極の二択を最後の最後まで考えていました。

6時15分、出走1時間前にエネルギゼリーを一本流し込みます。

いつの間にか頭痛が止みました。
ありがとうロキソニン。

出走グループの並び順、別に早くても遅くてもそんなに差はないと考え、待ち時間に体が冷えることを考慮してギリギリを狙って出発する予定でした。

6時半にホテルをでました。
アイウェアは流石にクリアレンズを選択、

雨降ってる。。。
雨男の正体はワタクシでした。

ウインドブレーカーを着て出発です。
ホテルから数㎞程度の道のりですが、ホテルを出たときは霧雨程度だった雨も、すぐに本降りに。
1つ目の信号待ちでもうすでにびしょびしょです。
明らかにこれから富士ヒル系のグループの方々がいました。
雨の中お互いに大変だな、と思いました。

ウエット路面に穴開きサドルはウォシュレット状態で容赦なくピンポイントを狙ってきます。
このときばかりは穴無しのサドルに変えたくなります。

ホテルを出発後クソLezyneは試走に引き続きまたスピードしか表示されません。
スピードはGPS計測、その他のセンサーは全滅です。

またか、と再ペアリングを試します。

だめです。
全くだめです。
今回は何度やっても繋がりません。

一度ならず二度までも、
富士山ではワタクシのLezyneは使えないようです。

ゴミ確定です。
ただの重しです。
すぐにマウントごともぎ取って捨ててやろうと何度も考えました。

あっ、マウント取ったらハンドルクランプが緩む、、、、

各種数値がわかりません、こうなったら”感”しかありません。

ガチです。。。

心拍センサーはただの乳バンドに成り下がり、
スピードセンサーもホイールバランスを崩す重し、
パワーメーターはなんてことのない普通のクランクよりも22g程度重いただのクランクになりました。

思いの外、雨がしっかり降ってます。
やっぱりワタクシが雨野郎だったようです。。

普通に降る雨の中で考えます、、、
これ常に筋肉は冷えるので運動後に水風呂入る必要はないのか。。。

どうでもいいことを考える余裕があります。

麓駐車場を通過したときには車が全然混んでなくて車でくればよかったと少しだけ後悔しました。


そんなこんなで7時ちょい過ぎに会場に到着です。
会場は降っていませんでした。
本当にちょっとの違いで降ったりやんだり、山の天気はよく変わります。

10分ほど時間があったので、最後の軽量化に行きました。
相変わらずトイレはものすごい行列ですが、仮設の裏のトイレのほうが全然空いてました。
待ち時間無しでスルスル行けました。

その時にちょうど女子エキスパートが出走しました。

時間的にはGOODです。

トイレをサクッと終わらせて、整列後出走直前にウインドブレーカーを脱ぎました。

整列に並んで出走を待ちます。

「え~、5合目の気温は6℃、霧雨、視界は10m、ココ(会場)と同じような天気デス。」
というアナウンスが入ったような気がします。

さらっと言っていますが、視界10mって、、、

アイウェアはいらなかったです。
雨がひどくなるとアイウェアがあると非常に見えづらくなります。
雨のときはつば付きのサイクルキャップが最強だと思います。

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「30秒前~」

「スタート。」

そしてパレードラン出発です。

雨はほぼ降っていません、寒くはないです。

テンションが上がります。

ロキソニンが効いているんだか、なんだかは不明ですが痛みがありません。
アドレナリンのせいでしょうか。
気持ち的にはかなり落ち着いています。

パレードランでコケたら話になりません。
ネタ的にはとてもおもしろいとは思いますが、そんなところで各所にネタを提供したくありません。


ゆっくりじっくり体をほぐします。

計測開始地点に着くまでに数回最後の悪あがきでLezyneのペアリングを試みます。

やっぱり駄目でした。

”重し”確定です。

速度という最も役にたたない項目だけ表示されたゴミをもう見ることはほぼないでしょう。
その間もピコピコ数回止まってます。

帰ったらすぐに捨ててやる、むしろ帰りの談合坂で捨てていうってやると心に決めました。


計測地点を通過するころには完全にサイコンを見限り集中です。
ラップ計測もサイコン自体が止まりまくっているので意味なしと判断、全て捨てました。

計器類一切なしです。

計測地点を超えます。

初めはかなり抑えめです。

同じ出走グループ内でも結構速度差があります。
ある程度は抜いてさっぱりとした集団の後方につけます。

クソサイコンは相変わらずお休み中のままです。

ペースが一切わかりません。
ケイデンス、心拍、パワー、全てだめです。
真っ暗闇で登山をしているようです。

今もぎ取って捨てたら、やっぱり自然破壊だよなぁ、、、とか考えます。

強度を徐々にあげていこうにも何も指標がありません。

要は自分の感覚次第、

それでも序盤はいい感じです。

暑いです。
雨も降っていませんし、OKです。

緩急をつけて登っていきます。

試走のときはダンシングを全くしませんでしが、長い戦いになるので今回は忘れる前に入れておきます。それでも指標がないので全然ペースがわかりませんでした。

せめてストップウォッチとしてでも使っておけばよかったと後の祭りです。


ヒルクライム中は意外と静かです。
聞こえるのはギアの音、周りの呼吸音、、、
皆黙々と登ります。
もっと賑やかな集団とかいると思いましたが、意外と静かでした。

車やバイクがいないとこんなにも静かなんだと言うことを知りました。

その静けさも相まってか、メカトラが目立ちます。
変速不良、ホイールの振れ、異音、イベント前の整備は強くおすすめ致します。

途中パンク修理中だと思いますが、
すぐ横を通過したとき、ド派手にパァーーーンッ!と、びっくりしました。
ワタクシのいた4名ほどの塊、皆ビクッ、となっていました。

集団を少しずつ乗り換えながらペースをキープします。
終始抑えていたのでブリッジ?はかなり強かった様に思えます。

10km地点を超えてだったような気がします。雨が振り出しました。

まだそこまで寒くありませんが、前走車の巻き上げでビッショビショになります。

最初の方、息を潜めていた脚が体が、、、始まりました。
ついに痛みが出初めてしまいました。
しかも今回はなぜか右側がひどいです、、、意味がわかりません。
左をかばいすぎたのでしょうか。

あれだけペースを抑えて、ダンシングを入れて、控えてきたのにやっぱり駄目でした。

周りが本当に一生懸命登っています。

ゼェゼェ、ハァハァ呼吸音が聞こえます。

こんなペースでは絶対に上まで持たないだろう、そんな呼吸の方もいました。

それでも本当に坂とレースと自分に一生懸命向きあっている姿はかっこよく、羨ましかったです。

ワタクシはというと、、、全然だめです。
ある程度以上は、呼吸が上がるほども踏めません。

周りがこんなに頑張っているのに、、、
レースに本気で向き合えていない気がして、
申し訳ないです。
もどかしいです。
悔しいです。

周りに誰もいなかったら、
もしも一人だったら、
大声で怒鳴りまくってたかもしれません、

それでもだめだと思いたくありません。
諦めたくなかったです。

もう明らかにタイムなんて出るはずもないぐらいのペースです。

高度が上がるにしたがって雨が強くなり寒くなってきました。
太鼓が聞こえます。

隣の会話が聞こえます。
「どのくらい目標(タイム)ですか?」
「シルバーだけど厳しいです。」
こんな会話を聞いてシルバーは厳しいペースなのかと思いました。

このクッソ寒く視界も殆ど無い雨の中7500人のバカ(最大限の敬意を払う言葉です。)のために太鼓をたたき続け応援してくれる人から少しでもパワーを貰います。

もうタイムなんて出ないのに、、、
諦めればいいのに、、、
こんなの、、、
DNFの文字が2回だけ頭にをよぎりました。

そんなときでも横を本気でつらそうに、一生懸命登っていく人がいます。

自分だけ脚は緩められません。

多分そんな人からもパワーを貰っていた(吸い取っていたのか?)のだと思います。


終盤だったような気がしますが、Ryくんが後ろから、、、
「うぇ~す!」
「どうすっか?」
この雨の中の爽やかさが最高です。
このあと軽やかにパスされました。


どんどん雨はひどくなってきます。

前走車からはビッシャビシャ巻き上げの水がかかります。

常々思いますが、24㎞のヒルクライム、
15~20㎞地点ぐらいが我慢の時間だと思っておりました。
しかし実際に走ってみると一番つらいのはむしろ5~10㎞ぐらいまでの地点でした。
ということはもうすでに5㎞ぐらいで痛みと戦っていたのかもしれませんが、詳細は不明です。

徐々に標高が上がってきます。
2000mを超えると流石に寒くなってきます。

スプリット区間がありますが、勾配がちょっときつかったように思えます。
普段では全然気にしないぐらいの勾配の変化がやけにきつく感じます。

スプリット区間を抜けると勾配がゆるくなってきます。
残り4㎞ぐらいからでしょうか。

周りが動き始めます。

ようやくアウターの出番です。
最後の平地区間に入ると一気にスピードがあがります。
2つほどの集団は塊となり、左側を走っていた人たちも集団に加わります。
小さな集団から少し大きな8,9名ほどの集団となりました。

どれだけ踏んだかわかりませんが40km/h以上は出ていたと思います。

最後の上りのことなんて考えていなかったと思います。

徐々に集団がバラけてきます。
ついていけない人は落ち、
先頭も途中交代後は後方につけ無い方もいたと思います。
最終的にはワタクシが先頭で引いていたような気がします。

平地のあとの上り、あそこは本当にきつかったです。
パワーが全然出ません。

でも周りを見れば皆そうです。
皆きついです。
後方はちぎれ、周りがどんどん後ろに下がっていきます。

きついのは自分だけではないと感じました。

あそこで踏めるということ、今回の富士ヒル挑戦で唯一の練習の成果だったと思います。

限界近い心拍数からの最後の最後で踏む練習、

パワーなんて対して出てないと思います。
心肺機能の限界近い状態で、パワーが出ないから脚への負担が少なかったのだと思います。

本当に視界が悪く計測地点(ゴール)が近くに行かないと全然わからないぐらいだったと思います。

今踏まないなんてクソだ、

足が取れてもいいから踏んでしまえと思いました。
今回のレースで唯一真剣に向き合えた瞬間だと思いました。

おばちゃんの歓声が聞こえました。
おっちゃんの怒鳴り声が聞こえました。

そしてゴールです。

なんとか走り切ることができました。

ゴールをした瞬間、何かが溢れた気がします。

雨が降っていてよかったと思いました。

それは
ゴールをできた安堵からなのか、
悔しかったのか、
悲しかったのか、
もどかしかったからなのか
よくわかりませんでした。

それでも間違いないく辛かったのは練習ができなかった、周りがこんなに頑張っているのに自分は頑張ることさえできなかった、それが何よりも辛かったです。

もっと燃え尽きたかった、
もっと真剣に向き合いたかった、
もっと、、、

続く



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