cervélo R3 コラムカットとアルミスリーブ装着
cervéloのRシリーズ(過去のSシリーズも??)のカーボンコラムは基本的にアルミスリーブを装着する、となっております。(3Tのフォークもだったような気がします。)
(後に聞いた話ではスリーブでなければ絶対に駄目ということではないそうですが、、、、)
構造的に考えればあのアルミスリーブは軽量+強度アップである意味アンカーナットの終着点、最終形態のようなイメージです。
しかしです。
もちろん デメリットもあります。
それはポジション調整幅の狭さです。
ということで今回はcervélo R3 コラムカットとアルミスリーブ装着そんなお話にしてみようと思います。
▶スターファングルナット入りのアルミスリーブ
こちらです。

超軽いです。
アルミのスリーブに予めスターフアングルナットが打ち込まれています。
スターファングルナットはスリーブのトップから約14mmの深さに留置されています。
よく見るとナットが打ち込まれている部分は少しスリーブが広がっています。
このナットは後から多少打ち込めないかと考えていたのですが、不可だそうです。
スリーブの広がりを考えれば納得できます。
コラムに挿入後打ち込みによりスリーブが広がったら、、、ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
想像するのが怖いです。。。
何も引っかかりのないこのアルミスリーブ、どうするのかと言うと、、、
接着ッッッ!!
そう、コラム内にエポキシでがっつり固定しまいます。
接着して固定してしまうため、その後コラムを大幅に切ったりすることができなくなります。
プレッシャープラグ(通常のアンカーナット)であればつけ外しができますし、スターファングルナットでもアルミコラムであれば叩き込んでコラムカットもできます。
しかしこの接着方式のアルミスリーブ+スターファングルナット方式は叩き込むことも基本的にはできませんので、いわば装着したらほんの微妙な幅のコラムカットぐらいしかできません。
つまりポジションが決まったら接着してネ♪仕様です。
とは言ってもワタクシの場合大体コラムスペーサーなしのぴったりで切ってしまいますので、プレッシャープラグである必要はありません。
アルミスリーブの利点はというと、
・アンカーナットよりも軽量
一般的なアンカーナットは30~50gぐらいの物が多いです。
それに比べて、アルミスリーブは18gと軽量です。
・コラムクランプ部の剛性が上がる
軽量なアンカーナットもあるわけですが、強度という面でコラム最上部までしっかりと入るタイプのアンカーは重いものが多いです。
スリーブは最上部まできっちりとアルミの筒が入り強度アップの役割もあります。

軽量のアンカーナットは上の図左側のようなものが多いです。
多少重量が重くなっても特に弱いと考えられるコラム上端の強度を上げるためには右側のタイプのアンカーナットがいいかと思います。
最近の傾向としてコラムのベタ切りが推奨されないようになってきたのはこのように構造的な剛性確保の目的であると考えられます。
・強靭な固定力
エポキシにて強烈な接着をしますので固定力がかなり強いです。
アンカーナットでは必ずかかってしまう開く方向の力もかかりません。
アンカーナットは常に開く力を掛けることでコラム内で固定されています。
実はこれが結構強力な力で開いていて、薄い(柔らかい)コラムの場合アンカーナットの力でコラムが広がっているものがあります。
というのもステムを抜く際にステムのクランプボルトを緩めるだけでなく、アンカー自体も緩めないとステムが抜けないものがあります。ちょっと不安になります。
構造的にはステムを締めることで2つの力の方向がガッチャンコして問題がないはずではありますが、2つの力で打ち消し合っているときは問題なくとも、片方の力が抜けたら、、、ちょっとだけ不安にならなくもありません。
ということで全くの個人的なお話ではありますが、やはりこのアルミスリーブを接着してしまうというのはポジション調整がしづらくなるという点を除いてはほぼデメリットが無いといってもいいのではないかと、考えております。
▶アルミスリーブの挿入とコラムカット
カット前はこのような感じです。

※スペーサー25mm仕様というなんとも自分のバイク感の無さ(笑)
ジオメトリがG7と結構変わっていたので長めに残しておいてある程度ポジションの変更が可能なようにアンカーナットで運用していました。
しかし長すぎるとスマホをステムにくっつけづらかったり、なかなかもって邪魔です。
そしてどう考えてもこれからハンドルをもっと高い位置に上げることもなさそうなのですっぱりいってしまおうかと思います。
ということで早速、
カットラインでマーキングをします。
マーキングの際にヘッドパーツにガタが出ていては駄目です。ずれます。

マーキングをしたら今回はヘッドベアリングの状態を確認したかったのでフォークを抜きました。

マーキングはカット位置に傷をつけてしまうのがわかりやすくてイイです。
マジックなんかでは書いても下手したらフォークを抜いただけで消えてしまう場合もあります。
今回のカット幅は15mmぐらいです。
サクサク切っていきましょう。
鋸刃はある程度お金をかけたほうがきれいに切れます。
15mm切ると、、、

4gの軽量化だそうです。。。(笑)
これが大きいと取るか、小さい通るかは、、、
ついでにフォーク重量も計測します。

ブレーキ付きで504g、BR-R8000フロントがが公称値で平均重量182g、枕頭ナットも入れて190gとするとカット後フォーク重量で314g、、、結構軽いと思います。
アルミスリーブ接着セットは5点構成です。
・アルミスリーブ本体
・アルコール綿
・2剤式エポキシ
・荒目のやすり
・アイスの棒
流れはそこまで複雑なことはなく、ヤスリで削って脱脂、そして接着です。
ヤスリが終わったら粉が残らないようにきれいにしてアル綿で脱脂をします。

続いてメインの2剤エポキシです。

ムニュリとすべてを出して付属のアイスの棒でよく混ぜ合わせます。
(これに”あたり”と書いてあるとももう一本、、、はありません。)

マニュアルでは5分以内に完了させろとあります。
この2剤をよく混ぜ合わせるとピンクからホワイトになります。
これをスリーブに塗ったくります。

スリーブとコラム内壁にも少々、余分なものははみ出ます。
ゆっくりと挿入して挿入後ははみ出した部分をきれいに拭き取ります。
この拭取りにもアルコール綿が使えるということです。

スリーブのトップはひろがっていますので入りすぎることはありません。

はみ出した部分をきれいに拭き取り後は固着を待ちます。
25℃で4時間で硬化するということですが、念の為一晩おいておきます。

夜が明けて確認をします。

きれいに固まりました。
本当はこの状態から出っ張っているスリーブの返しの部分を削って水平にするというのがマニュアル通りです。
いらないステムなどをリードにして削るときれいに行くと思います。
今回はめんどくさいので省略です。
このままでも問題ありません。

こんな感じになります。
ステム上部に5mmスペーサー一枚、理想の形です。

スッキリです。

どう見てもスッキリです。
こうしてコラムカットをしてみて気がついたことがあります。

ジャンクションAをステムにつけるとスマホホルダーをつけることができずに、スマホホルダー運用のために、逆さま向きでサイコンマウントにくっつけていたんですが、、、

やはり整備のときはジャンクションAのLED点滅が反対からだと見えないんですネ。
通常整備って自転車の右側からするので、ジャンクションAのLEDが左側からしか見えないととても不自由だったということです。
シマノもこういったことを考えての配置というか、構成をしているものだと感じました。
ポジションが決まるまではちょっと悩ましいところもありましたが、ポジションさえ決まってしまえばパリッと接着してスッキリしました。
ということで今回はcervélo R3 コラムカットとアルミスリーブ装着、そんなお話でした。
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・お名前
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cervéloのRシリーズ(過去のSシリーズも??)のカーボンコラムは基本的にアルミスリーブを装着する、となっております。(3Tのフォークもだったような気がします。)
(後に聞いた話ではスリーブでなければ絶対に駄目ということではないそうですが、、、、)
構造的に考えればあのアルミスリーブは軽量+強度アップである意味アンカーナットの終着点、最終形態のようなイメージです。
しかしです。
もちろん デメリットもあります。
それはポジション調整幅の狭さです。
ということで今回はcervélo R3 コラムカットとアルミスリーブ装着そんなお話にしてみようと思います。
▶スターファングルナット入りのアルミスリーブ
こちらです。

超軽いです。
アルミのスリーブに予めスターフアングルナットが打ち込まれています。
スターファングルナットはスリーブのトップから約14mmの深さに留置されています。
よく見るとナットが打ち込まれている部分は少しスリーブが広がっています。
このナットは後から多少打ち込めないかと考えていたのですが、不可だそうです。
スリーブの広がりを考えれば納得できます。
コラムに挿入後打ち込みによりスリーブが広がったら、、、ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
想像するのが怖いです。。。
何も引っかかりのないこのアルミスリーブ、どうするのかと言うと、、、
接着ッッッ!!
そう、コラム内にエポキシでがっつり固定しまいます。
接着して固定してしまうため、その後コラムを大幅に切ったりすることができなくなります。
プレッシャープラグ(通常のアンカーナット)であればつけ外しができますし、スターファングルナットでもアルミコラムであれば叩き込んでコラムカットもできます。
しかしこの接着方式のアルミスリーブ+スターファングルナット方式は叩き込むことも基本的にはできませんので、いわば装着したらほんの微妙な幅のコラムカットぐらいしかできません。
つまりポジションが決まったら接着してネ♪仕様です。
とは言ってもワタクシの場合大体コラムスペーサーなしのぴったりで切ってしまいますので、プレッシャープラグである必要はありません。
アルミスリーブの利点はというと、
・アンカーナットよりも軽量
一般的なアンカーナットは30~50gぐらいの物が多いです。
それに比べて、アルミスリーブは18gと軽量です。
・コラムクランプ部の剛性が上がる
軽量なアンカーナットもあるわけですが、強度という面でコラム最上部までしっかりと入るタイプのアンカーは重いものが多いです。
スリーブは最上部まできっちりとアルミの筒が入り強度アップの役割もあります。

軽量のアンカーナットは上の図左側のようなものが多いです。
多少重量が重くなっても特に弱いと考えられるコラム上端の強度を上げるためには右側のタイプのアンカーナットがいいかと思います。
最近の傾向としてコラムのベタ切りが推奨されないようになってきたのはこのように構造的な剛性確保の目的であると考えられます。
・強靭な固定力
エポキシにて強烈な接着をしますので固定力がかなり強いです。
アンカーナットでは必ずかかってしまう開く方向の力もかかりません。
アンカーナットは常に開く力を掛けることでコラム内で固定されています。
実はこれが結構強力な力で開いていて、薄い(柔らかい)コラムの場合アンカーナットの力でコラムが広がっているものがあります。
というのもステムを抜く際にステムのクランプボルトを緩めるだけでなく、アンカー自体も緩めないとステムが抜けないものがあります。ちょっと不安になります。
構造的にはステムを締めることで2つの力の方向がガッチャンコして問題がないはずではありますが、2つの力で打ち消し合っているときは問題なくとも、片方の力が抜けたら、、、ちょっとだけ不安にならなくもありません。
ということで全くの個人的なお話ではありますが、やはりこのアルミスリーブを接着してしまうというのはポジション調整がしづらくなるという点を除いてはほぼデメリットが無いといってもいいのではないかと、考えております。
▶アルミスリーブの挿入とコラムカット
カット前はこのような感じです。

※スペーサー25mm仕様というなんとも自分のバイク感の無さ(笑)
ジオメトリがG7と結構変わっていたので長めに残しておいてある程度ポジションの変更が可能なようにアンカーナットで運用していました。
しかし長すぎるとスマホをステムにくっつけづらかったり、なかなかもって邪魔です。
そしてどう考えてもこれからハンドルをもっと高い位置に上げることもなさそうなのですっぱりいってしまおうかと思います。
ということで早速、
カットラインでマーキングをします。
マーキングの際にヘッドパーツにガタが出ていては駄目です。ずれます。

マーキングをしたら今回はヘッドベアリングの状態を確認したかったのでフォークを抜きました。

マーキングはカット位置に傷をつけてしまうのがわかりやすくてイイです。
マジックなんかでは書いても下手したらフォークを抜いただけで消えてしまう場合もあります。
今回のカット幅は15mmぐらいです。
サクサク切っていきましょう。
鋸刃はある程度お金をかけたほうがきれいに切れます。
15mm切ると、、、

4gの軽量化だそうです。。。(笑)
これが大きいと取るか、小さい通るかは、、、
ついでにフォーク重量も計測します。

ブレーキ付きで504g、BR-R8000フロントがが公称値で平均重量182g、枕頭ナットも入れて190gとするとカット後フォーク重量で314g、、、結構軽いと思います。
アルミスリーブ接着セットは5点構成です。
・アルミスリーブ本体
・アルコール綿
・2剤式エポキシ
・荒目のやすり
・アイスの棒
流れはそこまで複雑なことはなく、ヤスリで削って脱脂、そして接着です。
ヤスリが終わったら粉が残らないようにきれいにしてアル綿で脱脂をします。

続いてメインの2剤エポキシです。

ムニュリとすべてを出して付属のアイスの棒でよく混ぜ合わせます。

マニュアルでは5分以内に完了させろとあります。
この2剤をよく混ぜ合わせるとピンクからホワイトになります。
これをスリーブに塗ったくります。

スリーブとコラム内壁にも少々、余分なものははみ出ます。
ゆっくりと挿入して挿入後ははみ出した部分をきれいに拭き取ります。
この拭取りにもアルコール綿が使えるということです。

スリーブのトップはひろがっていますので入りすぎることはありません。

はみ出した部分をきれいに拭き取り後は固着を待ちます。
25℃で4時間で硬化するということですが、念の為一晩おいておきます。

夜が明けて確認をします。

きれいに固まりました。
本当はこの状態から出っ張っているスリーブの返しの部分を削って水平にするというのがマニュアル通りです。
いらないステムなどをリードにして削るときれいに行くと思います。
今回は
このままでも問題ありません。

こんな感じになります。
ステム上部に5mmスペーサー一枚、理想の形です。

スッキリです。

どう見てもスッキリです。
こうしてコラムカットをしてみて気がついたことがあります。

ジャンクションAをステムにつけるとスマホホルダーをつけることができずに、スマホホルダー運用のために、逆さま向きでサイコンマウントにくっつけていたんですが、、、

やはり整備のときはジャンクションAのLED点滅が反対からだと見えないんですネ。
通常整備って自転車の右側からするので、ジャンクションAのLEDが左側からしか見えないととても不自由だったということです。
シマノもこういったことを考えての配置というか、構成をしているものだと感じました。
ポジションが決まるまではちょっと悩ましいところもありましたが、ポジションさえ決まってしまえばパリッと接着してスッキリしました。
ということで今回はcervélo R3 コラムカットとアルミスリーブ装着、そんなお話でした。
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また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合katわせてご連絡をお願い致します。
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コメント
コメント一覧 (3)
再接着の場合は最初に付属していた接着剤と同じでなくても、市販の2液混合のエポキシ接着剤で代用できますか?
ご教示頂ければ幸いです。
確かに一度動いてしまうと駄目になる場合が多いです。
ありとあらゆる可能性を考えるのであれば、正解は問題ないとは言えません。
完全に取れてしまっているのであれば、純正品を抜去後に汎用のプレッシャープラグも使えます。
再接着の際は純正品がcervélo取扱店であれば取り寄せができると思いますので、そちらをお使いいただくのが間違いないと思います。