TSS(トレーニング ストレス スコア)に関して

パワーメーターを使い始めるとFTPと同じぐらいよく出てくる言葉でTSSというものがあります。

TSSとは:
TSS(Training Stress Score:トレーニングストレススコア)はオーバートレーニングを防ぐための指標であり、トレーニング負荷を数値化したものです。
かんたんに言うとパワーメーターによって計測された数値などから、体にはどのぐらいの負担がかかったかどうか?これを数値化したものです。

ちなみに少々複雑な計算式はというと、、、
TSS=[(S(秒)×W(パワー)×IF(強度指数))÷(FTP×3600)]×100

計算式はこのようになりますが、まったくもって覚える必要はありません。というのも最近は便利な便利なサイクルコンピューターやクラウドサービスでパワーメーターのデータさえあればひと目で分かるようになってきています。

計算式は覚えなくてもいいのですが、何をもってのTSSを計算しているか、というところです。
この計算には時間、パワー、IF(強度指数)、FTPを用いて計算をします。
ということはです。
FTPの設定次第でどうとでもなる、ということです。

TSSをはじき出してくれるサイクルコンピューターも、クラウド型のサービスもどちらもそうですが必ずFTP値を入力(もしくは自動算出)する必要があります。

このFTP値次第でTSSの精度が変わってきます。
当然現在のFTPよりも低いFTP値が入力されていればTSSは高く出ます。TSSが高く出るということは実際の数値よりも疲労が少ないということです。
逆にFTPを高く入れればTSSは低くでます。TSS以上に疲労しているということになります。
つまり入力したFTP値が正確でない場合はTSSもIFも精度が悪くなってしまうということです。

FTPを正しく入力するためには、、、計測しないといけません。
きっちりトレーニングをしている場合は基本的に少なからずパワーは上がっていきます。

トレーニングをしっかりしている場合は少なくとも2ヶ月に一回は20分間、人間力を高める時間を味わうことが必要になります。
もう半年もご無沙汰で、、、ということであれば場合によってはFTPだけではなく、IFもTSSもかなり精度の落ちた数値である可能性が十分にあるということになります。



▶TSSと多数値の整合性
サラッと出てきたIFについての簡単な説明です。
IFとは:
IF(Intensity Factor:強度指数)のことでFTP強度が1.0ベースとなります。
1時間のレースでIFが1.05を超える、、、事はありません。(1時間未満であれば1を超えていきます。)

というのもFTP300WでIF1.0以上にするためには300W以上が必要になりますが、1時間で300w以上出ている時点でFTP300という数値との整合性が取れなくなります。(というお話ですが、パワートレーニングバイブルには1.05とあるのはレースという状況での上方補正分??FTPの数値が上がればIFは下がりますし、TSSも下がります。)

このようなことはTSSでも言えます。
1時間あたり101以上のTSSを稼げるというのも整合性が取れなくなります。
というのもFTPは1時間あたりの最高平均出力です。つまり限界まで踏んだときの最高平均パワーです。1時間でTSS150!ということは基本的にはありえないことで、原因の多くは低すぎるFTP値です。
コレは2時間でも3時間でも同じです。2時間でTSS200を稼ぐためにはFTP値で2時間の出力が必要となりますが、そもそもFTP値で2時間踏め、、、ないです。バケモノレベルってやつです。
コレが3時間なら、、、と考えたらやはりなにかおかしいです。

ちなみに例として
40kmTT:53min TSS89 IF1.02
ヒルクライムレース:2h TSS126 IF0.79
アップダウンのあるロードレース:4h以上 TSS305 IF0.85
このような数値があげられています。


▶TSSと実際の疲労
TSSの数値には指標があります。
 <150:翌日に回復
 150~300:翌々日には回復
 300~450:翌々日でも疲労が残る
 >450:数日間疲労が残る
というものです。

※以下個人的な主観です。

これらから読み取るに例えばTSS100であれば次の日には回復しているというものです。

しかしです。
個人的な感想とすると残念ながらその限りではない場合があります。

例えば毎日1時間TSS100/1時間の練習でやり続けると、、、数値的には150以下は翌日には回復ということで問題がないはずですが、多分疲労は蓄積していきかなりきついと思います。

同じTSSでも時間がかければ短いほど負担が大きいように感じております。
前述のように、1時間でTSSを100稼ぐためにはFTP強度が必要となり、1時間でぶっ倒れるぐらいの強度が必要になります。逆に3時間でTSS100といえばそこまで難しくないと思います。
これらの翌日の疲労感が同じかというと、、、おそらく同じではないと思います。

また同じTSSでも走る条件によって差が出ることもあります。
それは例えば実走ならではの数値化されないような細かいパワーの上がり下がり、それは外的要因による意図しない不可抗力的なパワーの加減が原因となります。

ワタクシの場合は強風の日はパワーが出づらいように感じております。
例えば同じ250Wをキープするでもあっちから、こっちから風が吹き付けてくるような強風の日は負荷が常に変わり出力もコロコロ変わり続けることで数値以上に負荷が大きいと感じますし、疲れます。
そんな日の数値は見てもわかるように、穏やかな日と比べても全体的にパワー値が低く出ます。

実際の体が受けた負担と数値の差は少なからずあるということだと推測できます。




▶まとめ
FTPとかTSSとか最近は数値の管理、主観的に数値で見ることができるようになるのはとても便利なことです。

しかし数値に縛られすぎて実際の自分の体の状態を軽視してしまうのは少々問題があると思います。

実際の自分の体の状態をきちんと理解することは、日々のトレーニングの効果を出すだけではなくて、怪我や故障のリスクも減らすことにつながります。

プロの数値を実際に見ることができるようになりましたが、それは長い年月をかけて基礎的なことから築きあげてきたもので、まるっと真似をすればOKということでもありません。
トレーニング量を増やす率を週に10%までに抑える。
それでも多すぎることも。。。というお話です。

また疲労というお話では、ロードバイクのトレーニングだけのお話ではありません。
例えば多忙な仕事で寝不足が続いたり、家族サービスでなれない運動をしたり(笑)、こんなことでも疲労はたまっていくものです。
トレーニングをすることが目的ではないということを忘れない、、、というのはワタクシのお話でした。

ということで今回はTSS(トレーニング ストレス スコア)に関して、そんなお話でした。

彼らにトレーニングをする理由を尋ねると、決まって「レースでもっと速く走るため」と答えます。しかし、慢性的な疲労を感じることで、本当に速く走れるようになるでしょうか。
サイクルトレーニングバイブルより




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