用途に合わせたステム選び、たった一点の大切なこと
ステム、個人的な意見ですがかなり重要なパーツであると考えております。
というのもどこのメーカーも長さであったり角度であったりを様々なラインナップが用意されています。
ラインナップはできるだけ少なくしたほうがロス軽減という面では良いかと思いますが、それでもどこのメーカーも大体角度に関しては2種類、そして長さに関しては10mm刻みで少なくとも5種類以上のラインナップをしているメーカーが多いです。(PROのプロ供給モデルは驚異の1mm刻み!)
これこそがステムというパーツの重要性を物語っているのではないかと考えられます。
たかがステム、されどステム、侮るなかれステム、ということで今回は用途に合わせたステム選び、たった一点の大切なこと、そんなお話です。
ステムに関してはこちらにも関連記事があります。
ステムの素材次第でものすごく乗り心地に影響があるということを実感いたしました。
ということは”ステム選びで重要なのは素材?”・・・ということではありません。
素材は確かに乗り心地の改善や剛性の変化に大きな変化をもたらしますことは間違いありませんが、お財布事情と相談して可能であればカーボン製をおすすめします。
今回はそれではありません。まずは答えからです。
ステム選びで重要なたった1つの重要事項とは、ステム上部にスペーサーを積めるか否か?、これに限ります。
ステムの上部にスペーサーが入れられない いわゆるベタ切り確定ステム、一昔前はほとんどありませんでしたが、最近はケーブルの内装化やエアロ性能重視が加速するにつれてじわりじわりと増えてきています。
構造的はお話ではステム上部にスペーサーが1枚乗る、というのが強度の確保として最良の方法として有名なところです。(※内部のアンカーユニットとの兼ね合いもあります)
最近のプロのバイクを見てもベタ切り専用のステム(一体型ハンドル)でない場合は通常1枚(5mm程度)のスペーサーが積んである場合がほとんどです。(とは言ってもべタ切りだからといって不具合が起きるということではありません。)

※上部1枚 5mmの状態です。
ステムによってはこれができないものがあります。
具体的にはステムに専用のトップキャップが付属してくる製品がそうです。
それはスッキリとした見た目の問題だけではなく、ケーブルの内装化のためであったり、空力向上的な目的もあったりします。
例えばVIBEステムです。

Di2ケーブルの内装が可能なステムです。

ステム内部を通ってきたDi2ケーブルは、、、
ステム後方へと抜けてきます。

しかしこれは専用のトップキャップを使ったときのみのケーブル配線です。
このVIBEステムは通常のスペーサーを入れようとしても、、、

Di2ケーブルの接触だけではなく、スペーサーが斜めになってしまいますので通常のスペーサーを上に積むことはできません。
いわゆる専用のトップキャップが付属するステムはこのようなことがあり、スペーサーを上部に入れることができない場合が多いです。
しかしそこはさすがプロ製品です。
上部用に専用のスペーサーを作りました。(専用スペーサーキット¥2,200円也!)

”欠け”が入っているので上部に入ります。
しかしこれを使うとDi2ケーブルの内装ができません。
ということで、VIBEステムはというと、、、
・Di2の内装はベタ切り時のみ可能。
・上部のスペーサーは専用品のみ可能。(上部スペーサー使用時は内装不可)
というステムです。
なぜ上部にスペーサーがあったほうが良いのかと言うと、当然構造的に剛性を少しでも上げられるということもありますが、それだけではありません。
ポジション調整のお話です。
ステムを交換したくなった時、いわゆるポジション調整の際にベタ切りだとポジション調整の余地が少なくなります。というのもステム上部にスペーサーが詰めない構造のステムの場合はそもそもコラムの最上部にしか取り付けることができないというのが大前提です。
通常のステムの場合です。

このようにスペーサーの厚みを変えなくても入れ替えるだけでも複数の高さに変えることが可能です。
しかしです。
専用のトップキャップで上部にスペーサーを詰めない構造のステムはパターン2のみとなります。
高くしたい場合は、、、ステムの角度を変えるしかありません。
ということは低くすることしかできません。
更に細かいことを考えると、ステムにはスタックハイト(コラムクランプ部のステムの高さ)の違いがあります。
仮にステムのスタックが低いものに合わせてコラムをカットしてしまうと、スタックの高いコラムではコラムクランプが足りなくなってしまうことがあります。

極端な例ですが、ちょっと右側のような状態だと不安を感じてしまいます。
上の図のようにスタックの低いステムに合わせてベタ切りをすると、スタックの高いステムでは少々不安が残ることにもなります。上の例はスペーサーがあるのでスペーサーの厚みを変えることでなんとかできますが、スペーサーが本当にない場合はトップカバーを変えたり少々複雑なことになります。
これはステムだけのお話ではありません。
最近多いのはステム一体型のハンドルでも上部にスペーサーが詰めないものがあります。
究極の空力抵抗を目指したり、剛性のバランスなどを狙っているこれまた飛び道具的な一体型のハンドルです。
しかしこれもまた前述のようなことが起きます。
これが悪いとかいうお話ではありません。
これがトレードオフという考え方で、何を得て何を失うかというところです。
メリット・デメリットを重々に理解した上での選択は後々後悔したりすることを少しでも減らせるのではないかと思います。
ということは、、、まとめです。
後々ポジションを細かく調整したり、種類や素材を交換したくなる可能性がある場合は専用のトップカバーしか使えないものではなくて、通常のステムで通常のスペーサーがつめるものを選択したほうが良いと思います。
逆にポジション調整もいじることがほぼない、レースで勝ちたい!ということであれば、究極の性能を求めるということも悪くないと思います。
ワタクシ自身どうしてもポジションはかなりいじりたい派なので一体型ハンドルは実際に使ったことはありませんが、カーボンのステムを使ってみてものすごく想像がしやすくなりました。おそらく一体型ハンドルの周りの剛性バランス一つと考えてみても一体型で1つの設計のほうが確実にバランスが良く優れているものを作れると感じることができました。。
しかしその究極に対しての捨てざるを得ないものも確実にあるということです。
昨今のケーブルのフル内装式などもそうです。ポジション調整を細かくしたり、メンテナンス性を考えれば外装式と内装式のメリット・デメリットの違いは明白です。
ということで2つ目の答えですが、用途にあわせて何を得て、何を諦めるのか、その選択を間違わないように選択することこそが大切なことだと思います。
ということで今回は用途に合わせたステム選び、たった一点の大切なこと、そんなお話でした。
ステムに関しての関連記事はこちらから。
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FF-Cycle(エフエフサイクル)
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千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
・駐車場の要否
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから
ステム、個人的な意見ですがかなり重要なパーツであると考えております。
というのもどこのメーカーも長さであったり角度であったりを様々なラインナップが用意されています。
ラインナップはできるだけ少なくしたほうがロス軽減という面では良いかと思いますが、それでもどこのメーカーも大体角度に関しては2種類、そして長さに関しては10mm刻みで少なくとも5種類以上のラインナップをしているメーカーが多いです。(PROのプロ供給モデルは驚異の1mm刻み!)
これこそがステムというパーツの重要性を物語っているのではないかと考えられます。
たかがステム、されどステム、侮るなかれステム、ということで今回は用途に合わせたステム選び、たった一点の大切なこと、そんなお話です。
ステムに関してはこちらにも関連記事があります。
ステムの素材次第でものすごく乗り心地に影響があるということを実感いたしました。
ということは”ステム選びで重要なのは素材?”・・・ということではありません。
素材は確かに乗り心地の改善や剛性の変化に大きな変化をもたらしますことは間違いありませんが、お財布事情と相談して可能であればカーボン製をおすすめします。
今回はそれではありません。まずは答えからです。
ステム選びで重要なたった1つの重要事項とは、ステム上部にスペーサーを積めるか否か?、これに限ります。
ステムの上部にスペーサーが入れられない いわゆるベタ切り確定ステム、一昔前はほとんどありませんでしたが、最近はケーブルの内装化やエアロ性能重視が加速するにつれてじわりじわりと増えてきています。
構造的はお話ではステム上部にスペーサーが1枚乗る、というのが強度の確保として最良の方法として有名なところです。(※内部のアンカーユニットとの兼ね合いもあります)
最近のプロのバイクを見てもベタ切り専用のステム(一体型ハンドル)でない場合は通常1枚(5mm程度)のスペーサーが積んである場合がほとんどです。(とは言ってもべタ切りだからといって不具合が起きるということではありません。)

※上部1枚 5mmの状態です。
ステムによってはこれができないものがあります。
具体的にはステムに専用のトップキャップが付属してくる製品がそうです。
それはスッキリとした見た目の問題だけではなく、ケーブルの内装化のためであったり、空力向上的な目的もあったりします。
例えばVIBEステムです。

Di2ケーブルの内装が可能なステムです。

ステム内部を通ってきたDi2ケーブルは、、、
ステム後方へと抜けてきます。

しかしこれは専用のトップキャップを使ったときのみのケーブル配線です。
このVIBEステムは通常のスペーサーを入れようとしても、、、

Di2ケーブルの接触だけではなく、スペーサーが斜めになってしまいますので通常のスペーサーを上に積むことはできません。
いわゆる専用のトップキャップが付属するステムはこのようなことがあり、スペーサーを上部に入れることができない場合が多いです。
しかしそこはさすがプロ製品です。
上部用に専用のスペーサーを作りました。(専用スペーサーキット¥2,200円也!)

”欠け”が入っているので上部に入ります。
しかしこれを使うとDi2ケーブルの内装ができません。
ということで、VIBEステムはというと、、、
・Di2の内装はベタ切り時のみ可能。
・上部のスペーサーは専用品のみ可能。(上部スペーサー使用時は内装不可)
というステムです。
なぜ上部にスペーサーがあったほうが良いのかと言うと、当然構造的に剛性を少しでも上げられるということもありますが、それだけではありません。
ポジション調整のお話です。
ステムを交換したくなった時、いわゆるポジション調整の際にベタ切りだとポジション調整の余地が少なくなります。というのもステム上部にスペーサーが詰めない構造のステムの場合はそもそもコラムの最上部にしか取り付けることができないというのが大前提です。
通常のステムの場合です。

このようにスペーサーの厚みを変えなくても入れ替えるだけでも複数の高さに変えることが可能です。
しかしです。
専用のトップキャップで上部にスペーサーを詰めない構造のステムはパターン2のみとなります。
高くしたい場合は、、、ステムの角度を変えるしかありません。
ということは低くすることしかできません。
更に細かいことを考えると、ステムにはスタックハイト(コラムクランプ部のステムの高さ)の違いがあります。
仮にステムのスタックが低いものに合わせてコラムをカットしてしまうと、スタックの高いコラムではコラムクランプが足りなくなってしまうことがあります。

極端な例ですが、ちょっと右側のような状態だと不安を感じてしまいます。
上の図のようにスタックの低いステムに合わせてベタ切りをすると、スタックの高いステムでは少々不安が残ることにもなります。上の例はスペーサーがあるのでスペーサーの厚みを変えることでなんとかできますが、スペーサーが本当にない場合はトップカバーを変えたり少々複雑なことになります。
これはステムだけのお話ではありません。
最近多いのはステム一体型のハンドルでも上部にスペーサーが詰めないものがあります。
究極の空力抵抗を目指したり、剛性のバランスなどを狙っているこれまた飛び道具的な一体型のハンドルです。
しかしこれもまた前述のようなことが起きます。
これが悪いとかいうお話ではありません。
これがトレードオフという考え方で、何を得て何を失うかというところです。
メリット・デメリットを重々に理解した上での選択は後々後悔したりすることを少しでも減らせるのではないかと思います。
ということは、、、まとめです。
後々ポジションを細かく調整したり、種類や素材を交換したくなる可能性がある場合は専用のトップカバーしか使えないものではなくて、通常のステムで通常のスペーサーがつめるものを選択したほうが良いと思います。
逆にポジション調整もいじることがほぼない、レースで勝ちたい!ということであれば、究極の性能を求めるということも悪くないと思います。
ワタクシ自身どうしてもポジションはかなりいじりたい派なので一体型ハンドルは実際に使ったことはありませんが、カーボンのステムを使ってみてものすごく想像がしやすくなりました。おそらく一体型ハンドルの周りの剛性バランス一つと考えてみても一体型で1つの設計のほうが確実にバランスが良く優れているものを作れると感じることができました。。
しかしその究極に対しての捨てざるを得ないものも確実にあるということです。
昨今のケーブルのフル内装式などもそうです。ポジション調整を細かくしたり、メンテナンス性を考えれば外装式と内装式のメリット・デメリットの違いは明白です。
ということで2つ目の答えですが、用途にあわせて何を得て、何を諦めるのか、その選択を間違わないように選択することこそが大切なことだと思います。
ということで今回は用途に合わせたステム選び、たった一点の大切なこと、そんなお話でした。
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コメント
コメント一覧 (2)
そうなんですヨ。トップ用のスペーサーはちょちょっと削れば作れますネ(๑•̀ㅂ•́)و✧
まぁ下数枚も入れて2200円なので、、、高いです(笑)