チューブレスレディのメンテナンス シーラント除去方法・交換等
チューブレスレディといえばタイヤの構造に空気の保持層を持つことがなく、シーラントで空気を気密するというものです。
その利点はものすごくざっくりですが、保持層がないことでチューブレスに比べて軽量でしなやかに動くタイヤが作れるということです。
しかし逆を言えばチューブレスレディはシーラントがないと空気を気密することができません。チューブレスレディはシーラントが必須です。
そのシーラントもいわば生物(ナマモノ)でメンテナンスが必要です。
メンテナンスをしないと、、、
ということでワタクシ自身もまだまだ勉強中ではありますが、今回はチューブレスレディのメンテナンス シーラント除去方法・交換等、そんなお話です。
今回はこちら、

HutchinsonのFusion5 GALACTIK TLRでシーラントはPanaracerのシールスマートを使用しております。ちなみにこちらのタイヤ、空気の減少幅は1週間で1BAR程度というかなり優秀な空気の保持性を持ちます。
タイヤ自体は約2.5ヵ月ぐらい使用してきてまだまだ使える状態ですがメンテナンス目的で中の状態を確認してみます。
まずはシーラントの状態を見てみたいと思います。

まだまだ行けそうなぐらい、十分な流動性を持っています。
まずはティッシュやペーパーウエスで古いシーラントをできるだけ除去します。
通常ペーパーウエスで行っていたのですが、流動性が高い(塊がひどくない)状態であればティッシュでも十分OKでした。
液体成分を拭えるだけ拭いとったら水でじゃぶじゃぶ流して古いシーラントを除去します。
※メーカー、製品によっては流して良いもの、流してはだめなものあると思いますので、製品ごとの取扱説明書をよく読みご確認ください。
そして肝心要の固まったシーラントの除去ですが、まずは乾かさないとなんともなりません。
タイヤを流した後の濡れた状態や、湿った状態ではドロドロで除去がものすごくやりにくいので、まずは洗った後乾かします。
こんな状態でした。
まずは内側です。

シールスマートは効果持続期間が2~7ヶ月といういわば使用や条件によってもかなり変わるシーラントです。定期的にタイヤが回っている状態で2ヶ月半ぐらいではひどい塊はありませんでした。
※シーラントの種類にもよりますが、だいたい1年もシーラントを入れたまま何もメンテナンスをしないとだいぶひどい状態になります。そうなった場合、いざパンクをしてしまった時にしっかりと仕事をしてくれないだけではありません。ドロドロの不思議な物体を生成することになったり。。。(笑)
あまりにもひどい状態の場合は思い切ってタイヤごと交換するほうが良いと思います。
節約したい場合は、やはり究極にひどい状態になる前にタイヤのメンテナンス(シーラントの清掃+入れ替え)を行うことが必要です。
チューブレスレディでの運用でクリンチャーとの違いは定期的なメンテナンスが必要になるということです。
ガッツリ固まる前の状態(流動性のある状態)のシーラントは水で流すだけでかなり綺麗になりますが、やはりシーラント内部のつぶつぶは薄い層を作っております。
ビード部はどうかと言うと、

シーラントの塊が固着しております。
これらを観察するとシーラントの動きが想像できます。

左のような位置にシーラント(水色)がとどまっていると想像していたのですが、外したタイヤのビード部を見てみれば一目瞭然です。
実際には上の図の右側のような部分(ピンク)、タイヤ内壁だけではなく、ビードフック部にもシーラント行き渡っています。
ホイール側の写真を取り忘れてしまって綺麗にしてしまったのですが、ホイール側もリムのビードベッド部だけではなく、ビードフック部にもシーラントの付着がありました。
ということはやはりTLRタイヤの気密はタイヤ部だけではなく、嵌合部のためにもシーラントが必須ということとも考えられます。。
✓シーラントは交換時にどこまで除去するか?
全くもって個人的な判断でありますが、
・ビード部は可能なかぎり除去する。
・タイヤ内壁(裏側)はあまりにもひどくなければそのまま
が良いのではないかと思います。
・タイヤ内壁(裏側)
というのもこの辺の情報はまだまだ少ないのですが、MTBとロード用タイヤの違いはロード用に比べてMTB用のほうがタイヤ自体の厚みがあり、シーラント量もかなり多めであるということです。
ですので結構MTBなどではガシガシこすったりする場合もあるようですが、ロード用はブラシなどでガシガシこするのはやめたほうが良いかと思います。

※差はあるものの、だいたいこのぐらいはシーラントとシーラント内の固形物が固まって付きます。
というのもロード用のチューブレスレディのタイヤ内壁は非常に薄いものが多く、内壁は少しでも削れると内部繊維?(ケーシング)が出てきてしまうものがあります。
チューブレスの場合は空気の保持層(エアシール層)に傷をつけてしまうことも考えられます。
もしもあまりにもひどいシーラントの塊ができてしまっている場合でも、タイヤの素材よりも柔らかい素材で優しく除去する程度に留めておいたほうが良いです。
(あまりにもひどい場合は交換も検討します。タイヤも消耗品ですので。。。)
・ビード部
ビード部はできる限り綺麗にしてあげたほうが良いかと思います。
というのもシーラントが固まった状態はいわばビード部が凸凹の状態です。この凸凹のまま再度組み付けはやはりエア漏れの可能性が否定できませんので、できれば再度組み付けの際は綺麗に除去をしてあげたほうが良いです。
しかし実際のところ外したタイヤを見てみてもビードフック部にもシーラントの付着があります。(よく見るとシーラントの液体成分だけではなく、固形成分(クルミの殻)も見られます。)

別にタイヤですが、やはりビードフック部にもしっかりとシーラントが回っています。
ということは新品の状態、いわゆるビードがきれいな状態でもビードフック部にまでシーラントが回るということを考えると、必ずしもビード部にシーラントの残りが少しでもあったら100%だめということでもないとも考えられます。(きれいな状態に越したことはありませんが。。。)
注意点としてはこちらも同じく、ビードのゴムの強さにもよりますが、夢中になりすぎてビードを傷つけることのないように注意は必要かと思います。
✓ビード部の固着シーラントの除去
これはこれと言った決め手はありませんが、コツとしてしっかりと乾かしてから剥がすということです。
当然シーラントの種類によっても違うと思いますが、今回はシールスマート、ラテックス系の除去です。
しかしもしもこする場合はビード部の素材(ゴム)よりも柔らかい素材をおすすめします。
ワタクシの場合はニトリル(薄手のゴム手袋)でこすります。
素手でもいいのですが、素手のほうが手が痛くなるのでニトリルです。
ゴム対ゴムになりますし、ニトリルは力をかけず切れば破れますのでそこまでタイヤ素材へのあたりが強くないかという寸法です。
実際に除去してみます。
タイヤを外して水洗い→乾燥後の状態です。

これを優しくこすります。

だまっぽくなります。
これをこうなると剥がしやすくなります。

ペリペリします。

とても綺麗になりました。
このぐらい綺麗にできていれば組み付け時に安心感があります。
この状態にして再度組み付けとなります。
今回は内壁に関しては洗い流しただけで目立っただまはありませんのでしたので、ノータッチです。
もちろんタイヤだけではなく、ホイールも綺麗にしてタイヤ交換の際にリムテープも確認、リムテープもなにか心配事があれば交換してあげたほうが良いかと思います。
リムテープはシーラントが粘着成分を攻撃する場合が多々多々あります。
チューブレスレディのシステムは転がり抵抗が低かったり、乗り心地がいいだけではありません。ちょっとのパンクぐらいではいちいち止まってチューブを入れ替えたりすることもなく走り続けられる画期的なシステムです。
しかしまだまだロードバイクのチューブレスの歴史は浅く、MTBとの違いも最近チラホラと上がってくるようにはなってきましたが、まだ現状では足りない部分や改善点も多く、まだまたこれから発展していくものだと思います。
ワタクシ自身もチューブレスをガンガン使うことで、メリット・デメリットを明確にお伝えできるように日々勉強中でございます。m(_ _)m
ということで今回はチューブレスレディのメンテナンス シーラント除去方法・交換等、そんなお話でした。
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チューブレスレディといえばタイヤの構造に空気の保持層を持つことがなく、シーラントで空気を気密するというものです。
その利点はものすごくざっくりですが、保持層がないことでチューブレスに比べて軽量でしなやかに動くタイヤが作れるということです。
しかし逆を言えばチューブレスレディはシーラントがないと空気を気密することができません。チューブレスレディはシーラントが必須です。
そのシーラントもいわば生物(ナマモノ)でメンテナンスが必要です。
メンテナンスをしないと、、、
ということでワタクシ自身もまだまだ勉強中ではありますが、今回はチューブレスレディのメンテナンス シーラント除去方法・交換等、そんなお話です。
今回はこちら、

HutchinsonのFusion5 GALACTIK TLRでシーラントはPanaracerのシールスマートを使用しております。ちなみにこちらのタイヤ、空気の減少幅は1週間で1BAR程度というかなり優秀な空気の保持性を持ちます。
タイヤ自体は約2.5ヵ月ぐらい使用してきてまだまだ使える状態ですがメンテナンス目的で中の状態を確認してみます。
まずはシーラントの状態を見てみたいと思います。

まだまだ行けそうなぐらい、十分な流動性を持っています。
まずはティッシュやペーパーウエスで古いシーラントをできるだけ除去します。
通常ペーパーウエスで行っていたのですが、流動性が高い(塊がひどくない)状態であればティッシュでも十分OKでした。
液体成分を拭えるだけ拭いとったら水でじゃぶじゃぶ流して古いシーラントを除去します。
※メーカー、製品によっては流して良いもの、流してはだめなものあると思いますので、製品ごとの取扱説明書をよく読みご確認ください。
そして肝心要の固まったシーラントの除去ですが、まずは乾かさないとなんともなりません。
タイヤを流した後の濡れた状態や、湿った状態ではドロドロで除去がものすごくやりにくいので、まずは洗った後乾かします。
こんな状態でした。
まずは内側です。

シールスマートは効果持続期間が2~7ヶ月といういわば使用や条件によってもかなり変わるシーラントです。定期的にタイヤが回っている状態で2ヶ月半ぐらいではひどい塊はありませんでした。
※シーラントの種類にもよりますが、だいたい1年もシーラントを入れたまま何もメンテナンスをしないとだいぶひどい状態になります。そうなった場合、いざパンクをしてしまった時にしっかりと仕事をしてくれないだけではありません。ドロドロの不思議な物体を生成することになったり。。。(笑)
あまりにもひどい状態の場合は思い切ってタイヤごと交換するほうが良いと思います。
節約したい場合は、やはり究極にひどい状態になる前にタイヤのメンテナンス(シーラントの清掃+入れ替え)を行うことが必要です。
チューブレスレディでの運用でクリンチャーとの違いは定期的なメンテナンスが必要になるということです。
ガッツリ固まる前の状態(流動性のある状態)のシーラントは水で流すだけでかなり綺麗になりますが、やはりシーラント内部のつぶつぶは薄い層を作っております。
ビード部はどうかと言うと、

シーラントの塊が固着しております。
これらを観察するとシーラントの動きが想像できます。

左のような位置にシーラント(水色)がとどまっていると想像していたのですが、外したタイヤのビード部を見てみれば一目瞭然です。
実際には上の図の右側のような部分(ピンク)、タイヤ内壁だけではなく、ビードフック部にもシーラント行き渡っています。
ホイール側の写真を取り忘れてしまって綺麗にしてしまったのですが、ホイール側もリムのビードベッド部だけではなく、ビードフック部にもシーラントの付着がありました。
ということはやはりTLRタイヤの気密はタイヤ部だけではなく、嵌合部のためにもシーラントが必須ということとも考えられます。。
✓シーラントは交換時にどこまで除去するか?
全くもって個人的な判断でありますが、
・ビード部は可能なかぎり除去する。
・タイヤ内壁(裏側)はあまりにもひどくなければそのまま
が良いのではないかと思います。
・タイヤ内壁(裏側)
というのもこの辺の情報はまだまだ少ないのですが、MTBとロード用タイヤの違いはロード用に比べてMTB用のほうがタイヤ自体の厚みがあり、シーラント量もかなり多めであるということです。
ですので結構MTBなどではガシガシこすったりする場合もあるようですが、ロード用はブラシなどでガシガシこするのはやめたほうが良いかと思います。

※差はあるものの、だいたいこのぐらいはシーラントとシーラント内の固形物が固まって付きます。
というのもロード用のチューブレスレディのタイヤ内壁は非常に薄いものが多く、内壁は少しでも削れると内部繊維?(ケーシング)が出てきてしまうものがあります。
チューブレスの場合は空気の保持層(エアシール層)に傷をつけてしまうことも考えられます。
もしもあまりにもひどいシーラントの塊ができてしまっている場合でも、タイヤの素材よりも柔らかい素材で優しく除去する程度に留めておいたほうが良いです。
(あまりにもひどい場合は交換も検討します。タイヤも消耗品ですので。。。)
・ビード部
ビード部はできる限り綺麗にしてあげたほうが良いかと思います。
というのもシーラントが固まった状態はいわばビード部が凸凹の状態です。この凸凹のまま再度組み付けはやはりエア漏れの可能性が否定できませんので、できれば再度組み付けの際は綺麗に除去をしてあげたほうが良いです。
しかし実際のところ外したタイヤを見てみてもビードフック部にもシーラントの付着があります。(よく見るとシーラントの液体成分だけではなく、固形成分(クルミの殻)も見られます。)

別にタイヤですが、やはりビードフック部にもしっかりとシーラントが回っています。
ということは新品の状態、いわゆるビードがきれいな状態でもビードフック部にまでシーラントが回るということを考えると、必ずしもビード部にシーラントの残りが少しでもあったら100%だめということでもないとも考えられます。(きれいな状態に越したことはありませんが。。。)
注意点としてはこちらも同じく、ビードのゴムの強さにもよりますが、夢中になりすぎてビードを傷つけることのないように注意は必要かと思います。
✓ビード部の固着シーラントの除去
これはこれと言った決め手はありませんが、コツとしてしっかりと乾かしてから剥がすということです。
当然シーラントの種類によっても違うと思いますが、今回はシールスマート、ラテックス系の除去です。
しかしもしもこする場合はビード部の素材(ゴム)よりも柔らかい素材をおすすめします。
ワタクシの場合はニトリル(薄手のゴム手袋)でこすります。
素手でもいいのですが、素手のほうが手が痛くなるのでニトリルです。
ゴム対ゴムになりますし、ニトリルは力をかけず切れば破れますのでそこまでタイヤ素材へのあたりが強くないかという寸法です。
実際に除去してみます。
タイヤを外して水洗い→乾燥後の状態です。

これを優しくこすります。

だまっぽくなります。
これをこうなると剥がしやすくなります。

ペリペリします。

とても綺麗になりました。
このぐらい綺麗にできていれば組み付け時に安心感があります。
この状態にして再度組み付けとなります。
今回は内壁に関しては洗い流しただけで目立っただまはありませんのでしたので、ノータッチです。
もちろんタイヤだけではなく、ホイールも綺麗にしてタイヤ交換の際にリムテープも確認、リムテープもなにか心配事があれば交換してあげたほうが良いかと思います。
リムテープはシーラントが粘着成分を攻撃する場合が多々多々あります。
チューブレスレディのシステムは転がり抵抗が低かったり、乗り心地がいいだけではありません。ちょっとのパンクぐらいではいちいち止まってチューブを入れ替えたりすることもなく走り続けられる画期的なシステムです。
しかしまだまだロードバイクのチューブレスの歴史は浅く、MTBとの違いも最近チラホラと上がってくるようにはなってきましたが、まだ現状では足りない部分や改善点も多く、まだまたこれから発展していくものだと思います。
ワタクシ自身もチューブレスをガンガン使うことで、メリット・デメリットを明確にお伝えできるように日々勉強中でございます。m(_ _)m
ということで今回はチューブレスレディのメンテナンス シーラント除去方法・交換等、そんなお話でした。
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