シマノ公式 乗車前の日常点検 を解説 ~変速機編~

SHIMANOは公式ページにて展開図、ディーラーマニュアル、ユーザーマニュアル等を公開しております。
その中でも重要なのはというと、、、もちろんユーザーマニュアルです。このユーザーマニュアルはもちろん国内で正規品コンポーネントを購入すれば必ず各製品ごとに付属してきます。
※海外通販等のバルクパックだとついてこない場合もあります。

何故ついてくるのかと言うと、、、大切だからです。
ある程度の整備であればご自身にてやりたい、そうお考えの方もいるかとは思います。そんな時に重要になるのは、ディーラーマニュアルではありません。

そう、もちろんユーザーマニュアルです。
ユーザーマニュアルには一般のユーザーの方が安全に自転車に乗るための基本の基の字の必要点検項目の記載があります。基礎がなければ家は建たない、これは整備でもトレーニングでも同じことです。

何もオーバーホールとか組み上げ等が整備ではありません。整備の前段階として大切なことは点検するということです。点検すれば異変に気がつくことができます。もしも異変があった場合は、プロショップへ持っていくことが必要です。放置してはいけません。

ということで今回はシマノ公式 乗車前の日常点検 を解説 ~変速機編~ そんなお話です。



▶リアディレイラー
一番多いトラブルがリアディレイラーの変速不良です。
というのもフロントよりも使用頻度は高いですし、昨今の多段化11速や10速等段数が増えれば調整も微妙なものになってくるからです。
ということでまずはリアディレイラーからです。

・変速はスムーズに行えますか。
これはそこまで難しくないと思います。
実際に変速させてみて判断します。
後輪を浮かせられるスタンドがあれば容易にできると思います。ない場合は車体を逆さまにして行います。車体右側からクランクを回しながら実際に変速操作をしてみます。
当たり前のことですが、シフトアップでもダウンでもカチッと1段操作してスパッと1段変わる。これはごく普通のことですが、まずは普通のことが普通にできるかどうかです。
1段操作したはずなのに、カラカラいったりジャラジャラ言って変速が遅いのものスムーズな変速とは言えません。1回であればなにかたまたま、といったことも考えられなくはありませんが、数回やってみてもスパッと変速しない場合は異常です。
※これはグレードはあまり関係ありません、ママチャリのターニーでも名前すらないようなリアディレイラーでもシマノ製の製品は(壊れていなければ)確実に変速させることができます。これこそが世界のシマノです。

変速不良で操作をしても変速しないというのは末期症状です。その前段階として変速のモタツキというものから始まります。
ともあれレバー操作をしても、スパッと変わらずもたつく(ジャラつく)場合は原因は多々あれども、異常であり要整備状態とお考えいただくといいと思います。

・ リンク部のガタつきが大きくなっていませんか。
リンク部ってどこかということですが下記の画像をご参照ください。
image823
赤丸が可動部です。
画像で見える外側だけではなく内側にもあります。
この部分を優しく揺すってガクガクしないか、いわゆるガタがないか確認をします。
この場所は意外とガタが出にくい部分でもあります。

・プーリー部のガタつきが大きくなっていませんか。
上下のプーリー本体も確認します。
IMAG1549
下側、

IMAG1551
上は少々触りづらいですが、指を挟まないようにタイヤ、クランクは止めた状態で触ってみます。
プーリーのガタが大きくなったらプーリーを交換します。(※プーリーは消耗品です)

一番ガタが出やすいのは、、、
IMAG1548
プーリーケージの部分です。(いわゆるPテンション部です。)
使用するにつれて徐々にガタが大きくなってきます。(新品の状態ではガタは皆無ですが、寿命間近になるとガクガクディレイラー全体がガタつきます。)
ココを触ると前述のリンク部、プーリー部全体を見ることができますのでディレイラーとしての寿命の判断材料の一つとなります。

・ディレイラーからふだんと異なる音はしませんか。
乗車前の点検で気がつけばいいのですが、実際には走行中に気がつく場合が多いかと思います。
幹線道路等では周りの音が大きいので分かりづらいですが、静かな道や上りで速度が落ちた時にいつもと違う音がしたり、ジャラジャラいつもよりも大きな音がし始めたり、、、
音というのは異常に気がつく第一歩です。
音で判断するということはとても大切なことですので、変な音がする場合は異常がある場合、もしくはもう少しで異常が発生する可能性がある、と考えるのが良いです。

・ チェーンに目立った損傷はありませんか。
IMAG1544
回しながら異常がないかどうかを確認します。
特につなぎ目、クイックリンクやコネクティングピンの部分に異常がないかかどうか目視で確認します。
もしも目で見てわかるような異常があった場合は危険ですので絶対に乗らないで下さい。


▶フロントディレイラー
・変速はスムーズに行えますか。
こちらもリアディレイラー同じです。
左側のレバーは少々遠いいですが、同じくクランクを回しながら変速をしてみます。
スパッと一度でチェーンが上がり下がりが決まるか、ギアを飛び越えてチェーンが落ちないかどうか、トリムはしっかり動くかどうか、モタツキがないかどうか、この辺を確認します。

・取付け部にガタつきはありませんか。
バンド式、直付けしきと1種類の取り付けがありますが、どちらにせよフロントディレイラー本体がしっかりと取り付けられているか、緩んでいないか、ガタツキはないかどうかを実際に触って確認します。
IMAG1554


・リンク部のガタつきが大きくなっていませんか。
下記の画像の赤丸がフロントディレイラーのリンク部です。
image869

こちらもリアと同じく、稼働を繰り返すことで徐々にリンク部のガタが大きくなってきます。
上の画像のプレートの部分をもって優しく動かしてあげるとわかりやすいと思います。
(昨今の軽量フレームは台座が弱くフロントディレイラー台座自体がギシギシ動くフレームも、、、優しくご確認下さい。)

・ディレイラーからふだんと異なる音はしませんか。
フロントディレイラーの場合はいわゆるチェーンのたすき掛け、クロスチェーンの状態の際に音鳴りがしやすいです。
整備がきちんとできていてトリム操作を理解していれば完璧に消せるはずですが、どうしても音が消えない場合はやはり再調整が必要ということになります。

▶クランク
・クランクに亀裂はありませんか。
これは目視で確認できます。
IMAG1556
またプラハンなどで優しく叩く、いわゆる打音でも確認ができるかと思います。

・締結部にガタ及び緩みはありませんか。
クランクの左側です。
IMAG1560
ボルト2本でクランプしておりますのでボルトの緩み、及びガタはないかどうかを確認します。
クランクのガタはクランクを揺すって確認します。

IMAG1557
両手で左右のクランクを持って揺すってみます。
クランクは回してもガタはわかりにくいので、回転を止めた状態で左右に揺するのがわかりやすいです。
こちらはディレイラーと違って多少手荒に揺すってもガタは出ないところですのでしっかりと揺すってみます。(手で揺するぐらい足で踏みつけるのとは比べ物にならない程非力ですのでしっかりとゆすります。)

・ベアリング部にガタつきはありませんか。
上記と同様の方法で確認ができます。
ベアリングの寿命が近ずいてくると回転が悪くなるだけではなくて、ガタが出てくる場合もあります。

・ふだんと異なる音はしませんか。
静かな環境で優しく回してみて異常がなければ徐々に早く回してみます。
手を挟まないように注意してください。
BBを荷重をかけにない状態で回して変な音がする場合は、コキッとか、パキパキッ等が多いです。

▶カセットスプロケット
これはユーザーマニュアルに記載はありませんでしたが確認方法です。

カセットスプロケットも目視で歯の摩耗、欠け等を確認します。
IMAG1558

その後ガタツキを確認します。
実はこれ、シマノのフリーボディは微妙なガタツキは通常であります。変速性能の向上のために多少のガタはもともとあるにはあるのですが、それが異常に大きくなっていないか、確認します。
ここでなんかグラグラ、ガクガクしすぎる場合は緩みやその他の不具合の可能性も考えられます。



▶まとめ
これらの点検はシマノ公式のユーザーマニュアルに記載の通り、
乗車前の日常点検項目 
乗車前には下記に記載する項目を点検ください。異常のあった場合は販売店または代理店へご相談ください。
乗車前の日常点検項目であり、これらのことは乗車する前にはこれらの項目を確認してから乗りましょう。ということです。

そして異常があった場合、もしくはなにか変だと感じた場合にはお店に持っていくことをためらわないでください。
何も問題がなければ大した費用もかからないと思います。
逆にその小さな異変からもっと大きな問題を発見できる場合もあります。

整備をすることは難しいことも多々ありますが、点検であれば今日から、今からでもできると思います。安全のためにぜひとも乗車前の日常点検を推奨致します。

ということで今回はシマノ公式 乗車前の日常点検 を解説 ~変速機編~ そんなお話でした。




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