SHIMANO PD-R9100 VS LOOK KEO BLADE 2 徹底比較 

前回からの引き続きです。
長年親しんできたビンディングペダル、LOOKのBLADEですがTiアクスルのものについてはベアリングが死亡してしまいました。
ですので次のペダルということで、、、
結論からですが、DURA-ACEのペダル PD-R9100にしました。

ULTEGRAにしなかった理由ですが、大きくわけて3つです。
①1万円しか違わないのでせっかくなので最高峰モデル!
1万円の差ですが、ULTEGRAにしたらまだ上がある、ともっといいものを欲しくなってしまって書い直しになりそうと考えたからです。
付属のクリートもDURA-ACEならば青がついてきますので、書い直しの必要もないというのも一つの理由です。(PD-R8000は黄色付属)

②DURA-ACEは高耐久の3年保証
通常シマノの製品でULTEGRA以下のグレードは2年保証ですが、DURA-ACEのみ3年保証です。当然自然摩耗や間違ったメンテナンスでの不具合はだめですが、それ以外での通常使用上は3年の保証をつけているというのもDURA-ACEの特徴であり、シマノの品質の証かと思います。

③構造の違い
shimanopedal
外見上は似ているDURA-ACEとULTEGRAですが、内部構造の違いは明白です。
スタックもDURA-ACEのほうが低いです。
重量は左右で14gということですが、シマノの傾向として軽さよりも大切なこと、こんなことを重視しているイメージです。またシマノはグレードごとに価格設定に偽りはないと感じております。

とこんなことを考えつつ、DURA-ACEに至ったわけです。

ということはあくまでも前置きで、本題のSHIMANO PD-R9100 VS LOOK KEO BLADE 2 徹底比較、そんなお話です。



▶重量差
すべて実測値で見ていきます。
IMAG7397
LOOK KEO BLADE 2のチタンVerは両側186g!驚異の軽さです。

P1044521
通常CrのBladeでも両側で229gです。

IMAG1583
見た目でごついです。。。
DURA-ACEはというと234gです。

まとめます。
・BLADE 2 Cr 229g
・BLADE 2 Ti 186g
・PD-R9100 234g
LOOKペダルの軽さはすごいです。
重量ではLOOK圧勝です。

▶キャッチリリース
要は付け外しですが、LOOKはその名の通りペダル裏側のブレード(板バネ)を使用してビンディング部を動かしています。板バネを交換することで、硬さの調整ができます。(12、16、20Nm)
IMAG7400

PD-R9100はスプリングを使用していて、六角レンチで硬さの調整ができます。
IMAG1592

キャッチリリースの硬さですが、PD-R9100は最弱でも硬いです。(9100は硬すぎて最弱から変えていません。。。)
PD-R9100のリリースは硬くLOOKのつもりで外すとワンテンポ遅れます。ワタクシ自身、ビンディングペダルは長年使っていて不慣れということはありませんがそれでもPD-R9100は最初ちょっと怖くて停車時は早めに外しておりました。

リリースが容易なLOOKの12Nmに慣れていたので特に固く感じます。
完全にワタクシの主観ですが、LOOKの16Nmと20Nmの中間ぐらいがPD-R9100の最弱です。LOOKの20Nmは鬼のように硬く、繰り返しが多くなると膝が痛くなるぐらいです。
SHIMANOのビンディングペダルでリリースを軽くしたいのであれば”ライトアクション”という固定力が弱いモデルがありますのでそちらを選択するのが良いかと思います。

というのもユーザーマニュアルを見ればシマノの見解が見えてきます。
キャプチャ1
キャプチャ
ペダルから脚が離れてしまうことの危険さ、街乗りを想定しているわけではなくてあくまでもレース用の機材ということで、頻繁な付け外しを想定されているものではないということです。
(Bladeの12Nmでも外れてしまうということはありませんでした。)

リリースの硬さの違いだけではありません。
キャッチの際の感覚も違います。

LOOKは最初が硬い(とは言っても12Nmは9100にくらべて楽です)ですが、パチっと入ります。シマノはパチっと言うよりかはメキッと最後までしっかり固いです。
イメージ的には新型と旧型のFDのような感じです。(LOOKが新型FD)

ということでキャッチリリースの硬さという点ではBLADEの12Nmが圧倒的に楽です。
ビンディングペダルに不慣れな方などはPD-R9100の硬さは少々怖いかと思います。
しかし外れにくさ、というビンディンペダル本来の目的や役割を考えるとシマノは基本に忠実に作っているとも感じます。

そんな比較的キャッチリリースが優しいBLADEにも弱点はあります。
BLADEはその無負荷時の回転性能に難がありで、ペダルから足を外してもビンディング部(後方)が自然に下がらない場合が多いです。PD-R9100は確実に後方が下向きになります。
となるとBLADEは場合によってはつま先でちょんちょん回してはめる必要があり、完全に見ないではめるとなると現在の位置(角度)を確認できませんので失敗する場合があります。


▶摩耗
どちらもクリートは消耗品で削れてきます。(シマノのほうが長持ちという情報もありますがまだまだシマノ初心者なので不明です。)
LOOKのグリップクリートはまだしも、LOOKの通常のKEOクリートの減りは音を立ててガンガン削れていきます(笑)。コンビニ等では鬼のように滑りますし、減りも早いです。(そもそもクリート付きで歩くことはあまり想定されていないということでしょう。)
しかしグリップクリートはというと、異音の原因になるというお話も・・・それでもLOOKはグリップクリートをおすすめします。

LOOKのクリートも最近ではアマゾン等で購入できるようになったのでそこまで入手に苦労はしないと思います。シマノのクリートはほぼどこのお店でも売っているかと思いますので、どちらもそこまで入手に苦労することはないと思います。

クリート以外の部分の摩耗です。

BLADEの摩耗はクリートのいわゆる接地面だけではありません。


キャッチリリースを繰り返すことで、クリートのビンディング部との部分も摩耗して行きます。
これはクリート側だけではなくて、ペダル側も摩耗していきます。ペダル側のビンディング部も交換が必要になります。

これによりどういった事が起こるかと言うと、摩耗によりすり減りガタが出てきます。結果0°クリート(黒)でも遊びが出るようになります。

ワタクシ自身あまり気にはしていなかったのですが、PD-R9100の2°(青)を使ってみて実感しました。LOOKは0°でも摩耗によってかなり遊びができる。ということです。
少なくとも中古で購入したBlade Tiの10ヶ月使用で0°クリートよりも、PD-R9100で2°クリートのほうが遊びが少ないです。シマノの2°は初めて使ってびっくりしました。

PD-R9100の摩耗についてはまだ使用期間が短いため不明です。
それでも接触する2つのパーツの個々の硬さを変える、という技術はシマノのパーツには各所で使われているものです。リペアパーツの展開等を見てみてもこの辺は十分に考えられて、、、いるといいなぁと思います。
こちらは経過観察です。


▶ペダル比較インプレ
とは言ってもつい先日まで使っていたBlade Ti はベアリングがゴリゴリ、、、一方PD-R9100は新品、ちょっと比較するのは申し訳ない気がしますので、その点はご了承お願い致します。Crアクスルのほうが調子が良かったので、できるだけそちらを思い出しながら。。。

①回転性能
確かにBlade2 Tiのベアリングはペダルを外しても外したままの角度で止まるほどのものでした。それででも実際にクリートを嵌めて漕ぎ出せば回転の悪さを感じることはありませんでした。
ペダルの回転の悪さは乗って感じると言うよりかは整備で気がつく場合が多いのかと思います。

今回新品のPD-R9100交換後、200km以上は走ったと思います。まだまだ慣れてはいませんが、実際に使ってみてどうだったかというと、DURA-ACEといえども空転は大したものではありません。
無負荷の回転性能は見栄えはいいですが、実際にはさほど重要ではなく肝心なのは最大負荷時でもガタの皆無な適切な与圧であったり、耐久性を考えた調整です。
ということを踏まえたうえでも、PD-R9100は負荷をかけた実際のペダリング時の回転性能はどう考えても最高峰です。
ペダルの回転性能ってそこまで、、、と、ワタクシ自身ちょっとなめてたところがあったかもしれませんがぶっ飛びました。
特に下死点の通過の際の滑らかさがよくわかります。更にパワーを上げていって、、、とは言ってもパワー不足で恐縮ですが、500Wとか600Wぐらいならなんとか、、、このぐらいの領域でも全くもってなめらかです。言葉では説明しづらいですが、異次元の回転性能で、シマノの技術の結晶を深く感じることができました。

Bladeの新品と比べてみたいと感じましたが、後の祭り状態で。。。m(_ _)m
IMAG1595

②剛性
剛性のお話です。
ペダル剛性、バンと踏んだ時(前述のようにあくまでもパワー不足ですが)踏んだ瞬間の硬さはPD-R9100のほうが固く感じます。

というのもLOOKのBladeは前述のように摩耗で遊びが大きくなっていた可能性は高いです。
どうしても各所のガタがパワー伝達のロスになっている感が否めない、というはPD-R9100を使ってみて感じる様になったところです。

シマノの2°の青クリートですが、本当にこれが2°か?と感じる遊び量の少なさです。
これだけしっかりとしているクリートでありペダルだと、シューズ内の脚の遊びが気になりだします。例えばシューズのサイズがいまいちだったり、BOAを締めるのが弱いとせっかくの高剛性ペダルも遊びの少ない2°のクリートも何も意味がないと感じるぐらいです。
そしてきちんとセッティングをしないと膝を痛めそうだとも感じました。
Bladeのときは当初は感じていたとは思いますが、最近ではこの剛性感、硬さや心配をあまり感じることがなかったというのも摩耗による遊び増加の影響からかと考えられます。(確かに最近は遊びが増えたと感じてましたが。。。)Bladeも各所パーツを新品へ交換後はしばらくは遊び0°になりますが、数ヶ月も持たずに摩耗してきて遊びが増えてきてしまう印象でした。

シマノはどうかと言うと、これはもう少し使ってみないとなんとも言えないところです。

③外観と各パーツ
外観を比べてみます。
IMAG1602

IMAG1604

IMAG1603

IMAG1605

重量的な印象が入ってしまっていたり、実際に乗った感じの差が印象として加わってしまっているかとは思いますが、それでも2つのペダルの違いがわかります。

シマノのほうが各パーツが良くも悪くもがっしりしているように見え、重厚感が漂います。
BLADEはコケるとかなり削れます。PD-R9100のカーボンコンポジットボディはBLADEと比較しても各所がっちり分厚く頑丈そうです。
BLADEはその構造上裏側の板バネを踏み抜いてしまうこともありますが、PD-R9100はシンプルかつ、こわれにくそうな堅強さを感じます。

比べてみると外観からでもメーカーの思想が想像できます。



▶まとめ
今回比較した両者のビンディングペダルですが、

SHIMANO PD-R9100 
○とにかく頑丈で耐久性も高く壊れにくそう
○最高の回転性能
☓重い
☓キャッチリリースが硬い

LOOK KEO BLADE 2 
○キャッチリリースの軽さはかなり楽
○コスト×重量はかなり良い
☓転ぶと削れて踏面が減っていく(笑)
☓異音が出やすい

とこんな感じかと思われます。
ヒルクライムメインであればやはり軽量のBLADEはいいと思います。なんと言っても軽さは正義!
逆に壊れにくさとか、トラブルの少なさでは安定のシマノクオリティかと思いました。

何を求めて何を選ぶか、ということでしょう。
ということで今回はSHIMANO PD-R9100 VS LOOK KEO BLADE 2 徹底比較、そんなお話でした。


それにしてもPD-R9100の官能的な回転性能は最高です。。。
++++++++++++++++++++++++++++
当ブログの運営費用の一部はアフィリエイト広告費用より補わせていただいております。

Wiggleをご利用の際はこちらからポチッとご購入いただけると当ブログ運営費用に補填させていただくことができます。。


サイクリングエクスプレスはこちらからお願い致します。


+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
・駐車場の要否
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合katわせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。
当店の特徴・詳細ははこちらから