カーボン製サドルレールの落とし穴 購入前の注意点

最近の傾向としてエアロダイナミクス効果を狙ったフレーム専用設計のシートポストが増えております。
ちなみにワタクシのバイクだと、BHのG7 PROがセミISPタイプで専用のシートポストを使用しているモデル、以降のバイクはcervéloのR5、BMCのSLR01、WINSPACEのT1550はフレーム専用のシートポストを採用しています。
専用設計のシートポストはエアロダイナミクスだけではなく、軽量化、そしてフレームとの剛性バランスや乗り心地を考えてもメリットは少なくはありません。

しかしです。
そんなメリットのある専用設計のシートポストですが、注意点があります。
それはサドルを選ぶときに気をつけなければいけないことがある、ということです。
ということで今回はカーボンサドルの落とし穴 購入前の注意点、そんなお話です。

▶結論
まずは結論からのお話になります。

”シートポストの櫓(ヤグラ)はカーボンレール対応のものでないと取り付けができない。”

ということです。
・・・ということなんです。

実は意外と盲点になりがちなところです。
くれぐれもご注意下さい。

▶サドルのカーボンレールの形状
こちらSella san marcoのカーボンレールモデルです。
IMAG1667

通常の金属レールとちょっと違いがあります。
よく見てみると、、、

IMAG0226
カーボン製のサドルレールのクランプ部は真円では有りません。
正確に言うとカーボン製のサドルレールは真円形状でないものが多いです。

こちらのサンマルコのショートフィットはカーボンレールを採用しているモデルで、真円ではなくて7×9mmの楕円形状です。

ちなみに通常金属のサドルレールは通常7×7mmのものがほとんどです。
キャプチャ

PROのサドルのラインナップを見ても、金属製のサドルレールは7×7mm、カーボン製のサドルレールは7×9mmとなっております。
(モデルによっては7×10mmというものもあります。)

▶カーボンサドルレール非対応のシートポスト(櫓)
ここからが本題ですが、新円形状ではない楕円形状のカーボンレールのサドルをクランプできない櫓構造をしている場合があります。
主に2つの種類があります。

①物理的にクランプできない構造
主に多いのはPRO製のシートポストのようにサイドから締め付ける構造のシートポストです。
(もちろんすべてが、というわけでは有りません。)
キャプチャ2

これは説明に書いてあるとおり使用することが出るものとできないものにはっきりと分かれます。
というのも、、、

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レールの溝が切られており左右から締め付ける構造のヤグラです。
こう言った構造の場合、ヤグラの構造上、明らかに真円でないとクランプ部に入れることができませんので取り付けられません。
PC076954
※非対応のLTシートポストヤグラ部です。

ヤグラのポーツでカーボン用のものがある場合は、
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楕円サドルレール対応品はこのように一部のパーツ(上の画像の黄色い部分)を交換することで対応できるものです。

ただし真円用であってもボルトの長さが足りれば、なんとなくは付けられてしまう場合があります。
しかし固定力は十分に得られるわけもなく、非常に危険な固定になりますので、絶対にNGなことです。
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WINSPACEのフレームセットはカーボンレールの楕円用の櫓パーツ、金属レールの真円用の櫓パーツの双方が付属します。

万が一、付属がない場合はフレーム(シートポスト)のメーカーから、この部分のパーツの購入が必要になります。

②ヤグラが鋭いもの
これはカーボンレールのサドル側の説明書に記載がありました。
(製品によって違いはあるかと思います。)
InkedPA016629_LI

サドルレールのクランプ部のパーツが狭いものです。
(上のヤグラは下方のクランプがサドルレールとの接点が極端に狭いタイプです。)
できるだけクランプするポイントが広いものが推奨されております。

Inkedキャプチャ3_LI
こちらBHのカーボンレール対応のヤグラですが、レールとの接点はかなり広いです。

上の画像のようにヤグラとサドルレールの接点が極端に狭いものは、サドルメーカーへ使用可能かどううか確認をしたほうが良いかと思います。

ちなみに一例ですが、TNIの場合が下記のとおりです。
TNI1
TNI2
https://www.trisports.jp/products/21194/より
櫓形状により対応、非対応の構造の指定があります。


▶まとめ
通常の金属レールのサドルが軽いものでも200g前後ですが、カーボンレールのモデルとなると150g前後と結構な軽量化ができます。サドルの軽量化は車体上部ということもあって効果は、、、わかりやすいとはいい難いですが、理論的に考えれば振りが軽くなったり有利に働くと考えられます。

しかし現在のカーボンレールのモデルはほとんどが楕円形状をしております。
シートポストはヤグラの固定をサイドから締めるタイプのものは角度等の微調整がやりやすい反面、構造的に楕円に対応しづらい??ということもあり、楕円形状 非対応のものが意外と多くあります。
特にフレーム専用シートポストの場合は注意が必要です。(とは言っても純正品でカーボン対応品も存在する場合は少なくないです)

場合によってはカーボン製のサドルレールのサドルに交換をする場合は、シートポスト毎交換になる場合もあり得るということです。ご注意下さい。
ということで今回はカーボンサドルの落とし穴 購入前の注意点、そんなお話でした。


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