シフトケーブルが切れやすい人に確認してほしいたった1つの操作

前回の記事はこちらです。


この記事の作成後もやはりシフトケーブルが切れた、切れかけているということが多発しております。

そしてやはり決まって切れる、切れ始めるのはコントロールレバー内が殆どです。
以上のことからも現行のシフトの構造として、コントロールレバー内がウィークポイントということだと思われます。

しかしです。
全くケーブルが切れずに長いこと使っている方もいます。
「なんでケーブルなんて切れるんだ?
「切れる気配もないぞ!
「@年以上使っているけど切れてないぞ!(※長期の使用は推奨しているわけではありません。)
というぐらいの方もいるかと思います。

それは当然乗り方(シフト操作)や距離、環境、そして組み方等によっても差が出ることは多々あります。それでもワタクシが直接見て、聞いて、触ってきた結果、シフトケーブルが切れやすいパターンで、ある共通点を見つけることができました。

ということで今回はシフトケーブルが切れやすい人に確認してほしいたった1つの操作、そんなお話です。



▶シフトケーブルが切れる原因
きちんと定期的なメンテナンスを行っている、要はメンテナンスを怠り異常に長い期間使っている、誤った、もしくは不十分な組み方等のことがなければシフトケーブルが切れる原因は”過負荷”が主たる原因となっている場合が多いです。

この過負荷とは、シフトケーブルに想定以上の過剰な負荷がかかることです。これを一回や二回ならまだしもこれを何度も何度も繰り返すことで、いわゆる現行のシフトシステムの構造的にカーブがきつい部分、ケーブルに取って最も負担がかかる部分付近から、またはケーブルがダメージを受けたり弱っている部分からの断線が始まると考えられます。
現行型ではコントロールレバー内の断線が一番多いです。

過負荷が起こりやすい複数の要因の一つとして、整備やメンテナンス面の要因がある場合もあります。
ほんの一例ですが、例えば潤滑がうまくいっていないことで起こるケーブルの動きが悪くなる、いわゆるインナーケーブルの摺動抵抗の増加です。
アウターケーブル内のインナーケーブルがなめらかに動くことができない原因として、
・潤滑不良
・インナーケーブルのサビ・劣化
・アウターケーブルの内部ライナーのキズ等の破損
・インナーケーブルの折れ等の破損
・アウターケーブルの折れ等の破損
・ハンドル周りやBB下の不適切な処理
等々様々な原因があります。

これらによるインナーケーブルのなめらかな動きの阻害は、変速性能の低下だけではなく、インナーケーブルへの過負荷やその他のパーツ類へのダメージも考えられます。

つまり上記の様な潤滑不良を始めとして、複合的に様々な要因が重なることで、ケーブルに想定外の負荷がかかり、通常よりも切れる可能性が上がる、または寿命が短くなるということです。

しかしです。

実際にケーブルが切れた車両で確認をしてみても、これらの摺動抵抗等、整備上の不備がほぼ問題のない場合もあります。
ではなぜなのか?過負荷とは?ということが今回の本題のお話です。

▶シフトケーブルに悪い操作はズバリ!
何気ないシフト操作ですが、これです。
”クランクを回さずにシフトダウン(リア)”
これが最もケーブルに過負荷をかけます。
※シマノマニュアル的に言うといわゆる前後ともに大レバーの操作です。

どういうことかと言うと、リアのシフトダウンはコントロールレバー内ではケーブルを巻き上げ、ディレイラーをケーブルで引っ張っている状態になります。(※フロントはシフトアップ:要は小さいギアから大きなギアへの移動:大レバー操作)
通常クランクが回っていれば瞬間的に巻き上げられた(引っ張られた)ケーブルの力でディレイラーが適切な位置に動きます。
これが適切な使い方であり、シマノの想定内の使い方で、ユーザーマニュアルにも記載があります。 

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シマノ ユーザーマニュアルより

しかしです。
クランクが回っていない状態で、大レバーの操作を行うとどうなるかというと、ケーブルはコントロールレバーに巻き取られ(引っ張られ)ます。そしてリアディレイラーは動こうとします。しかしクランクが回っていないとチェーンがディレイラーの動きを邪魔してしまいます。結果、ケーブルはディレイラーが引っ張っているのにディレイラーは動けない状態です。ケーブルはぱっつんぱっつんに張られる状態になります。
これがいわゆるインナーケーブルにかかる想定外かつ、過剰な負荷を引き起こしている状態です。

更にリアのシフトダウンはシフトアップと違い、ワンストロークで三段一気に変速することが可能です。その際はコントロールレバー内で一気に三段分の引き量をケーブルが巻き上げられます。
ちなみに1ストロークだけではありません。絶対に厳禁ですが、クランクを止めた状態で何度も大レバーを操作すれば更にパッツンパッツンのテンションになり、レバーがカチカチで全く動かなくなるぐらい操作することも可能です。(※各所、壊れる可能性がありますので絶対にやらないで下さい。)

ディレイラーは動けないのに、コントロールレバーでケーブルを強烈に巻き上げている状態、これが完全な過負荷となり、インナーケーブル切れの主だった原因になりうると考えております。

よくお店に並んでいるロードバイクに”手を触れないでください” ”絶対にレバーに触らないください^をと書いてある場合があります。
もちろん倒したりしたら大変ということもありますが、今回のような意味合いもあります。通常ブレーキをニギニギしても壊れることはありませんが、クランクを回せない状態でギアをガリガリ変える動作をすることはインナーケーブルへの過負荷だけではなく、各所パーツの破損や思わぬ不具合に繋がる可能性があるためです。


▶その操作で負担がかかるのはシフトケーブルだけではない
クランクを回していない状態での変速操作は、シマノも禁止しておりますし、想定外の使い方です。

インナーケーブルが必要以上の力で引っ張られる、過剰なテンションが掛かることで起こり得る不具合はというと、、、
・コントロールレバー内部
・アウター受け
・ディレイラー
等々、変速系の様々なパーツで不具合が起こることが十分に考えられます。




▶まとめ
今回ご紹介させていただきました、クランクが止まっている状態での変速ですが、意外と知らず知らずのうち、無意識的に行ってしまっている場合もあります。
というのも完全にクランクを止めたり、足を止めていなくても、例えば走行中に足が止まっている状態からの変速の際、足を動かすよりも先にレバー操作をしてしまう場合、瞬間的にではありますがこう言った場合に、無意識的に過負荷の状態を作り出してしまっていることもあるかもしれません。
下りからの登り返しのような場合、アウター重いギアで足が止まっている状態、一気に多段変速を繰り替えしてロー側までもってくるような場合です。

しかしこのような操作をしても、長い期間切れない場合もあります。本当に微妙なところ、微妙なタイミングで負荷の大小、切れるか切れないかが交錯しているように思えます。

今回のお話は大前提として、明らかにメンテナンスを怠っていたり、ケーブルの組み方が・・・な場合を除いてのお話です。適切なメンテナンスをしているのに、どうしてもケーブルが切れがち、周りよりも切れやすい、ということであれば今回のようなことを再度見直して見ると改善点が見つかるかもしれません。

ということで今回はシフトケーブルが切れやすい人に確認してほしいたった1つの操作、それはシマノの公式マニュアルにも注意として記載のある、クランクを回さずに大レバーの操作をすること、ということでした。

※もちろん今回の事例だけがすべての原因ではありません、様々な要因が複雑に絡み合っていることが多いです。
   



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