結局の所チューブレスタイヤのシーラントは何が良いのか?

最近の傾向としてチューブレスよりもチューブレスレディタイヤのほうが増えてきているような印象です。チューブレスの老舗、ハッチンソンもチューブレスがラインナップから消えております

日本のメーカーとしてはIRCがチューブレス、チューブレスレディの2種類をラインナップとして出しております。IRCの方のお話だったり、各種記事等を拝見する限りではどちらかというと、IRCはチューブレスを推しているように思えます。

個人的な予想としては、今後の流れは全体的にみてもチューブレスレディがメインになってくるのではないかと考えております。
その中で必須になってくるのが”シーラント”です。

ということで今回は、結局の所チューブレスレディのタイヤシーラントは何が良いのか?そんなお話にしてみようと思います。



▶シーラントに求められる性能
シーラントに求められる性能は大きく分けて2つあります。
①タイヤからのエア漏れを防ぐ性能
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バルブ付近や、タイヤとリムの嵌合部からの漏れ、これらを止めることもできますが、基本的にはこれらはシーラントに頼らず止まるのが理想的です。
個人的な見解ですが、最低限バルブ付近からのエア漏れはやむを得ないにしても、リムの嵌合部からエア漏れはビードとの嵌合に問題ないのかどうかは、安全のためにも十分に確認する必要はあります。
チューブレスタイヤのエア漏れはというと、タイヤ側を疑う場合が多いのですが、実際にはホイール側に問題があることも少なく有りません。

空気の保持層をもたないチューブレスレディタイヤは、シーラントの性能に依存して空気の漏れを止めます。(不具合がないタイヤに限ります)ということからもシーラントタイヤからのエア漏れを止めるために必要なもの、というものです。
ということでタイヤからのエア漏れを防ぐ膜を作る、または微細な隙間に入り込んでしっかりとエア漏れを止める性能が必要となります。

②パンクをした時の修復力
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こちらは有名なところですが、パンクをしてもざっくりと大きなキズでなければシーラントは傷を塞いでくれるはずです。
どのくらいの傷まで対応できるかというのはシーラントの種類によっても変わってきますが、基本的にピンホールやちょっとぐらいの傷であれば気が付かずにそのまま走り続けることもできるぐらいの修復力は最低限あるものが多いです。

逆にもしも微細な穴でも塞がらなかった場合は、シーラントが劣化や乾燥、その他の原因を調べることをおすすめ致します。

▶シーラントの苦悩
シーラントは時間の経過とともに乾いてしまう、固まってしまうということが大前提としてあります。
しかしでパンクをした時は固まらないと、パンクを塞ぐことができません。

つまり早く固まってしまうと不自由なのに、早く固まったほうがよいというなんとも相反する性能が必要なものがタイヤシーラントというものです。

またロードバイクでシーラントを使う場合はMTBなどの太いタイヤと違って、シーラントの注入量が少ないという特徴があります。(ロード用25cでは30ml程度ですが、MTBの29インチでは80~100ml)重量面等を考慮すると、できるだけ少ないほうが良いですが、逆に少ないから起こり得る問題もあります。
ロードとMTBではタイヤ自体の太さも全然違いますが、それでも乾くスピードを考えると量が少ないほうが乾くスピードは早いと思われます。

更にロードとMTBの違いはというと、ロードバイクのシーラントは量が少ないのに、MTBと比べても薄く超高圧となるタイヤをシールすること、そしてパンクの際も素早くエア漏れを止めることを求められています。

つまりロードバイクで使われる、チューブレスレディのタイヤシーラントはMTB以上に過酷で、高い性能や品質を求められているとも考えられます。

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※画像中心部、傷がありますが、エア漏れは皆無でした。(シーラントはカフェラテックス、分厚い層を形成しています)


▶シーラントを良い状態を長く保つためには?
これはまだまだ色々と実験中なのですが、よく言われていることは長期間放置をすると一部分で固まってしまう。ということです。
これは間違い有りません。
物によってはシーラントの液体と固体部分が分離して固体部分のみ固まって、透明な液体が残るような状態にもなります。この状態では残念ながら修復機能は望めません。
つまりタイヤを回さない状態で長期間放置をし続けることでタイヤ内部の一部分に偏ったまま固まり、重くタイヤバランスが悪いタイヤとなります。

では定期的に回しているほうが良いのかというと、これは一概にそうとも言い切れません。
ほぼ毎日確実に回し続けている場合、シーラントが一箇所に偏って固まることはほぼ有りませんが逆に均等にタイヤにこびりつき、固まります。
(以前行った実験からですが、想像しやすく説明をするとペットボトル内のシーラントを早く乾かすためには静止しているよりもある程度混ぜたり振ったり動かしたほうが早く乾燥する、というものです。)

このことからも、全く乗らずに放置していたとしても、逆にほぼ毎日乗っていたとしても、シーラントの寿命は短くなる、というのが今の所の答えです。

ではどのくらい?というのは非常に難しいのは各メーカー、種類によっても物自体、全然違いが出ますし、自転車の使い方、乗る頻度、季節(気温)、タイヤ、ホイール等によっても差が出るところです。
ですので、最初は1~2ヶ月ぐらい使ってみて、タイヤを開けてチェックします。
その状態でだいたいどのぐらいの期間でのメンテナンスが必要かを確認するのが確実です。

またハッチンソンのお話では、内壁にこびりついたシーラントは、空気の保持に必要なため多少水で流すぐらいで、除去する必要はなく継ぎ足し(通常量よりも少なめ)で問題ないとのことですが、きれいな状態を保ちたい場合は、完全に固まる前の段階でのメンテナンスでこびりつきをある程度防げます。(Panaracerは継ぎ足しに関しては通常量必要とのことです。)

というのも内壁に残ったシーラントは基本的に重量増になります。
乾いたあとの重量はシーラントを継ぎ足し使うタイヤではどんどん重くなっていくので、シーラントの乾いたあと、残留物が軽量のものほうが重量増の影響は受けづらいです。
この残留物はおそらくシーラント内に含まれる固まったあと固体になる成分の量と質、ラテックスの濃度と質のようなものかと思われます。
当然しっかりと固まってくれるラテックス成分が多く含まれる方が、修復力等は高くなりますが、シーラント継ぎ足し時の重量増の影響は大きくなります。

▶良いシーラントとは?

こればかり一つと決めることは難しいです。
というのも個々にシーラントに求める性能が違うからです。

それでも最低限タイヤからのエア漏れを止めることのできないシーラントは良いシーラントとはいいづらいと思います。もちろん、タイヤが問題なのかシーラントが問題なのかも見極める必要があります。

その中でも今回は3つのシーラントを例に特徴のご紹介です。

①パナレーサー シールスマート
いわゆる混ぜもの系のシーラント、細かいくるみの殻が入っています。
固まったあとは弾性の強い粒入りのゴムの固まりになります。
固まったあとのものはくるみの殻のせいもあってか軽量です。
バルブからの注入は非推奨です。

タイヤ内壁にへばりついた固まったシーラントの除去は結構たいへんです。

期間的には2~7ヶ月ということですが、個人的には2ヶ月もったら十分ぐらいのイメージです。
パンク時の修復力は高いですが、揮発しやすく固まりやすいです。
カップに出した状態だと最速の固まりで、固まったあとはキレイに剥がれます。
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②エッフェットマリポサ カフェラテックス
こちらはいわゆる非混ぜもの型、混ぜものなしのシーラントです。
目に見える固形物は有りませんので、バルブからの注入が可能です。
しかし固まったあとは大量ゴムがボロボロとするイメージで、固形物は重いです。(とはいってもパナと数gの差)

タイヤ内壁にへばりついた固まったシーラントの除去は結構たいへんです。

カフェラテックスの修復力は非混ぜ物型ですが、非常に高く、パンク後も全く吹き出ずに修復できることもあります。おそらく内壁についている乾きかけの部分が良い仕事をしていると思われます。
しかしその修復力高さゆえ、固まる早さは早く、使い方によっては最短1ヶ月でほぼ水分がなくなるぐらい固まることがあります。(ドーピング(ビタミナ)をすると更に早くなるイメージです)
かと言ってもボトル内で固まりやすいということはないのが面白いところです。

カップに出した状態だと乾く速度は中間ぐらい、完全に乾いたあとは剥がしづらいですが、ちょい乾きであればキレイに剥がれます。
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③Vittoria ピットストップTNTエボ
ちょっとだけ混ぜ物系です。
こちらはバルブを通さずタイヤに直入れ推奨です。
修復力は普通ぐらいですが、タイヤの中でも固まりづらい印象です。

タイヤ内壁にはこびりつきづらいです。

カップに出した状態だと、固まるまでの期間は一番長いです。
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と、このように3種類をご紹介させていただきましたが、各々少しずつ性能が違います。
何が良いのかどうかは使い方に合わせて、また求める性能に対して適切なものを選択するのが、良い選択であると思います。



▶まとめ
チューブレス用のタイヤシーラントもタイヤだけではなくその他のパーツ類と同様です。
使い方に合わせたものが良い、ということです。

現状ではまだまだ完璧なシーラントとなるとなかなか難しいです。要はタイヤ内で長期間固まらないけど、パンクのときには素早く修復できる、というものです。

ともあれシーラントは生ものです。
入れたその日から、むしろボトルを開けたその瞬間から劣化が始まっていきます。
何ヶ月もメンテナンスしなくてもOKなものでは有りません。
パンクをした時等に確実な修復力を求めるのであれば常にシーラントは新鮮な状態であるべきものです。

ということで今回は結局の所チューブレスレディのタイヤシーラントは何が良いのか?、そんなお話でした。


今月のサイクルスポーツの記事内に
”各メーカーに聞いた、シーラントの交換時期一覧表”
というコーナーが有りました。


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