サイクルコンピューターを使いこなす パワーメーター系の表示項目を解説

最近はパワーメーターの価格破壊が起きております。
4iii(フォーアイ?フォーアイズ?)のR7000の左側クランクがなんと4万円以下です。
このような低価格化からもパワーメーターを導入する方も増えてきていると感じます。
それはいわゆるガチ勢ではなくサイクリングに用いても十分にメリットがあると感じております。

またサイクルコンピューターも同様です。
GPS内蔵で1万円とちょっとぐらいから有り、各種数値を確認、そしてログを残すこと、なにも不自由しません。
以前は高嶺の花だったパワーメーターも手の届きやすい存在なり、パワートレーニング等も行いやすいような時代になってきております。

またパワーはパワーメーターではなくとも最近、この情勢の影響もあって爆発的に売れているスマートトレーナー、こちらもベースはパワーメーターが内蔵となり、自転車とパワーの結びつきがより身近な物になりました。

しかしです。

肝心要のパワーメーターを入手しても、その時のパワー値や最大パワーを見て乁( ˙ω˙ 乁)ウェーイしているだけでは勿体ないです。
ということで少々難しいパワーメーター系の表示項目をできるだけ簡単に説明できればと思います。今回はサイクルコンピューターを使いこなす パワーメーター系の表示項目を解説、そんなお話です。

▶FTPは基本中の基本
FTPとは1時間のフルパワーで出し切れる平均パワー値のことで、いわゆるロードバイクの走力であり、戦闘能力なんかで例えられることが多いです。
まずは過去記事ですが、とりあえずFTPを計測します。


FTP値は各種パワー数値に肝になるので、なんとか心を決めて計測するのが良いかと思います。
それでもやはりどうしてもきつい場合は、、、
インターネットのサービスでは無償ではIntervalsのFTP検知もありますし、Stravaの有償サービス内でパワーカーブという項目でおおよそのFTP値が算出されますし、ZwiftなどでもFTPの検知は可能となっております。サイクルコンピューターでもFTPの検知機能がついている製品もあります。

こういったFTPの検知機能は数年前は少々ブレが大きかった用に思えますが、最近では以前よりだいぶ良くなった気がしております。こういったサービスを利用して見るのも一つの方法かとは思います。

ただしです。
自動検知機能を使用するには、少なくとも5~10分間の全力走行が必要な場合が多いです。というのものんびりとしか走っていない場合は、どうしても最大値の算出は難しいからです。
ということでFTPを知るためには、どこかいつかは頑張るときが必要ということになります。

▶各種数値の見方
※サイクルコンピューターの種類、モデルの違いによっても表示できる項目の違いや、項目内数値に若干の差が出ることがあります。今回は概ね多くのサイクルコンピューターで表示できる項目に絞ってあります。

①パワー(出力)
その時に実際に出ている出力です。
パワーメーターからの信号をリニアにサイコンに表示しますので基本となる項目です。
どの程度の精度で、どのぐらいの信号がサイコンに飛ばせるパワーメーターであるか、またサイコン側の受容キャパもあると思います。
それでもパワーがスピードやケイデンスと違うことは、瞬間的な振れ幅が非常に大きいということです。

瞬間的にバンッ!と踏んだ時スピードなどでは、いきなり30km/hが50km/hに上がることは有りませんが、パワーの場合は150Wの次の瞬間800Wとかは全然あり得ることです。
となるとその時の出力を見たい時にでも、上下の振れが激しい際には、数値が大きく変わりすぎて参考にならない場合が出てきてしまいます。

サイコンは基本的にじーっと見ることは安全のためにもおすすめできることではありませんし、基本的にパッと一瞬しか見れません。
一瞬でその時の出力を確認するのに通常のパワーだと振れが大きすぎてしまう場合は、超短時間の平均パワー、例えば3秒間出力(3秒間の平均出力)を用いることである程度数値の激しい振れを抑えられます。
この振れ幅を考慮したパワー表示をする場合は、個人的な意見ではありますが10秒出力だとだるすぎてしまうので、おすすめはやはり3秒ぐらいの出力(3秒パワー)がわかりやすくて良いと思います。

つまりパワー(出力)は今、まさにこの時、現在(もしくはちょっとだけ前)の状況の確認に使う項目ということです。

✓パワーを見る別の表示の仕方
またこのパワー表示は通常”w(ワット)”という単位で表示されます。
ちなみにパワーを見る際はW以外の項目でもパワーを見ることができます。

・w/kg(PWR:パワーウエイトレシオ)
いわゆるパワーの体重割です。
1kgあたり何ワット出ているのか?という数値になります。
例えば体重100kgの人の300wと50kgの人の300wでは意味合いがかなり変わってくると思います。
ですのでパワーを重さで割った数値ですので、パワーよりも早さに直結する数値です。
別の言い方では”~倍”というように表現するほうが多いかもしれません。

・パワーゾーン
パワーゾーンはFTPの値を元にわけられます。FTPゾーンで表示できる場合もありますし、 FTP値を100%と表し、%”としても表示が可能です。
キャプチャ32
パワートレーニングで用いられる事が多いパワーゾーンです。
目的を持ったトレーニングをする際はゾーンのようにシンプルな表示を用いたり、もっと細かくターゲットとなるパワー域を狙ったトレーニングに使われることもあります。
例:今日はテンポ走、といえば大体FTPの75~90%ぐらいの強度で走ることです。

逆にパワーゾーンの数値が頭の中に入っていれば必要ない場合も有り、通常のパワー値、こちらでも不足することはないかもしれません。


②平均出力(平均パワー)
読んで字のごとく平均の出力です。ここでは主に、上の3秒パワーよりももっと長い時間、原則スタートしてから現在までの平均でどのくらいの出力を出したかです。
しかしこの平均出力はスタートしてからのすべての走行での平均パワーとなりますので、実際にはあまり便利ではない数値となることがあります。
例えばヒルクライムであれば足を止めることはほぼないと思いますが、ダウンヒルや普通に公道を走れば足を止める時が多々あります。足を止めている時の出力0W、もしくは惰性で回しているだけの時の極低いパワーの際も平均値の計算に組み込まれます。(※サイコンによっても差があるとは思います。)
つまりスタートしてからずっと下り中心の場合は、下手すれば平均パワー50W、平均速度40km/hとか全然あり得ることです。下手したら0Wだってコースによっては40km/hとかも、、、
足を止めることが多ければ多いほど、また負荷がかからないような回し方が多くなるコース、または安全第一の公道の走行では平均パワーが下がる傾向にあります。

また体にかかる負荷の話です。
極端な話、場合によっては300Wで登って、0Wで下れば平均150Wとなります。
しかし計算上では平地で150Wで走るのと同じですが、疲労度も同じになるのか?これってちょっと変じゃない?ということも考慮しなければなりません。

つまり平均出力は過去の状況、今までのどういった走りをしてきたか、の確認に使う項目ということですが、一定の出力を出しづらい、パワーの上下変動が大きな状況下での、強度を測るのにはなかなか難しく使いづらい項目です。
この数値ももちろん体が大きいほうが有利となる数値です。

平均パワーは主にスタートしてからゴールまでとなりますが、サイコンによってはラップではかれる場合もあります。ラップ平均のほうが使える数値かと思います。

③NP(Normalized Power:標準化パワー )
これは前述のように平均パワーとはイコールになりません。
別の言い方をします。
・風や坂など変動が大きい外的要因を考慮して運動強度を指標として数値化したもの(Garminより)
ちょっと難しいです。

ものすごく簡単に書きます。
NPとはライドの強度を表す数値として用いられることが多いです。
実際の走行ではパワーの変動がものすごく大きいです。ということを前提に、パワーを一定に走っている場合よりも、パワー変動が大きくより高いパワーを出している場合は体への負担が大きいということです。
わかりやすく考えると、クリテリウムのようないわゆるインターバル的な場合です。平均で250Wで一定で走る場合と比べて、500W→0W→500Wのように高出力と低出力を繰り返すような場合、仮に平均出力が同じになったとしても、実際に体にかかる負担・負荷は一定の出力で走るよりも大きいはず、という考え方です。
このように、パワーの変動が大きい場合は一定で走るよりももっと体に負荷がかかるはず、という考え方を考慮した運動強度です。

パワー値の変動が大きければ大きいほど、NPと平均パワーの差は大きくなり、逆にパワー値の変動が少なければNPと平均パワーと差は少なくなります。

例えばですが、実際の走行でも一定のペースで走るロングライドやヒルクライムのみの場合は平均パワーとNPの差は小さくなる傾向にあります。逆に市街地走行等でストップ&ゴーが頻繁にあったり、コーナーからの立ち上がり、そして短く細かい上り(高出力で一気に登りきれるような上り)などの場合、NPは高く平均値は低くなる傾向あります。

つまりNPは過去の状況、体にどの程度の負担がかかっていたのか、の確認に使う項目ということで、状況によっては平均出力よりもより正確にわかるというものです。

NPや平均パワーの項目はラップを切ってタイム計測等をする際にはラップ表示ができるようにしておくと便利かと思います。(Lap NPやLap Ave Power)

④IF(Intensity Factor=強度係数)
前述のように、NPはライドの強度ということで、平均パワーよりもトレーニング負荷(体にかかった負荷)を見る数値として優れていると言われています。
しかしです。
そのNPにも問題があります。
NPはあくまでもパワーベースの数値です。
運動・トレーニングを重ねていくと成長でNPは上がっていくはずです。(加齢とともに体力は落ちてきますので、一定の年齢を超えればFTP値が下がらないだけでもある意味成長、と取れるというお話です。)
NPが上がっていくということは成長しているということです。つまり練習次第でNPは上がっていきますので、NPが上がっても、もしくは変わらなくても成長や退化することで実際に体にかかる負荷は変わってくるはずです。
という事を考慮した体にかかる負荷を数値化したもの、これがIFです。

IFはNPをFTPで割った数値です。
つまり実際の走行で出した出力を、その時の1時間の限界出力(FTP)で割ります。
するとどのぐらいがんばったか、これが強度係数となって算出されます。
1.00がFTP値走行の強度となります。

そして例えば練習でも限界の強度で走った時に、IFが1.05を超えるような時間が1時間を超えるような事があればFTP値の誤りに気がつくことができます。

つまりIFは過去の状況、そのライドで体にどの程度の負担がかかっているか、の確認に使う項目で、NPよりもFTPを計算に入れることで、より直感的にわかりやすくしたものです。
しかし逆に言えばFTP値が頭に入っていればNPからIFを算出することはそこまで難しく有りません。(電卓必須??)
ということでNPとIFは極めて似たような数値ですので、双方を並べることはあまり効果的な使い方ではないと考えられます。

IFは前述のようにNPのFTP割ですので、他の考え方とすると%のようなものです。ですのでこの数値は今までの数値とは違い、体が大きいほうが有利になるということはありません。


⑤TSS(トレーニングストレススコア)
TSSは疲労指数、体にかかった負荷を数値化したものです。
詳細はこちらにて


⑥SP(比出力:パワーウエイトレシオ)
パワーウエイトレシオ(PWR:W/kg)です。
パワーウエイトレシオとは出力の体重割です。
よく5倍、とか6倍とか(体重1kgあたり何W(何倍)出せるか)、、、そんな会話の正体です。

通常のパワー値の場合は体重によっても差がかなり出るところです。
当然体は大きく、筋肉量が大きい方のほうがパワー値は大きくなります。パワーが大きくても体重が重ければ進みづらいことになりますので(特に上り)、パワーよりもパワーウエイトレシオの方が実際の速さに直結する数値となります。

がこれは他人と比べる場合に単純なパワー値よりも、比較がしやすくなります。。
過去の自分と比べる場合はパワー値でも十分です。

この数値は体重割で比のようなものです。ですのでこの数値も、体が大きいほうが有利になるということはなく、実際に速さをはかる指標としては、パワーよりもPWRを用いることが多いです。

パワーウエイトレシオ、は今、まさにこの時、現在の出力の確認に使う項目ですので、パワーと同時に表示をすることはあまりないのでは、と思います。

⑦MAP(Maximal Aerobic Power:最大有酸素パワー)
VO2max(最大酸素摂取量)に達する時のパワー値です。
しかしFTPよりもMAPに対する比率で見ると個人差が大きく出るため、MAPは大凡の目安と考えるほうが良いとのことですので、サラッとだけ。

▶まとめ
何はともあれこれらの数値はFTP次第です。
FTP値はできるだけ正確に入力することはとても大切なことです。正確に入力するためには、、、ですが気が重いですネ。(笑)

ともあれこれらの数値をうまく使うことは練習に結果をもたらすことだけではなく、ロングライドのペーシングであったり、疲労度合いを数値化することは、自分の状態を客観的に見ることができます。
もちろん主観的に感じることも大切ですし、数値を反映することは更に良いことだと思います。

最後に注意点ですが、数値に縛られないということです。
ネットでは化け物のような数値を目にすることがありますし、プロと同様の数値を参考にすることが必ずしも正解ということではない場合も多々あります。
各種数値は客観的に比較をすることができる便利なものですが、数値に縛られすぎて肝心の主観的な情報を蔑ろにするのは時には危険も伴います。
数値に振り回されることなく、数値はうまく利用をする、大切だと思います。

ということで今回はサイクルコンピューターを使いこなす パワーメーター系の表示項目を解説、そんなお話でした。


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