サドル位置の調整時に知っておくと良い3つのこと

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前回のお話はこちらから。


ポジション調整、個人的にはポジションを、、、ちょっとちょっとのことなのですが、細かくいじりたいです。というの多分不安なんだと思います。
そしてもう少し、もう少しと求めてしまいます。

ポジションを調整する際のポイントは上のリンクからお願い致しますm(_ _)m
そして今回はもう少し突っ込んだ、お話で”サドル”です。

ということで今回は、比較的調整しやすいサドル位置ではありますが、実際に動かしてみると何故か決まらない、、、そんな場合に確認してほしいこと、サドルの位置調整を行う際に知っておくと調整が行いやすい3つのポイント、そんなお話にしてみようと思います。



▶サドルの上下移動
サドルの調整の中でも一番ベーシックな調整です。
シートポストクランプを緩めてシートポストをずらすことで高さを調整します。
基本的には調整後にはサドルをまっすぐにする、これを注意しておけば比較的難易度は低く、まず最初に挑戦しやすい場所だと思います。
しかしこのサドルの上下移動はただ単純な上下移動、ということではなくサドルを上下に動かすことで下記のような影響が出ます。

✓サドル位置を下げる:シートポストを下げる
→サドルが前に出る 

✓サドルを上げる:シートポストを上げる
→サドルが後ろに下がる
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サドルの上下移動はシート角に沿って行われますので、サドルが上がれば後方に移動しますし、下がることで前方へ移動します。
厳密に言うと過去の記事のKOPS(Knee over pedal spindle)をベースのポジションとするのであればサドルの上げ下げに伴い前後の移動も必要となる場合があります。

※KOPS(膝の皿の裏側とペダル軸が地面と垂直線上に来るような位置)
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https://blog.bikefit.com/how-to-fit-a-road-bicycle/より

サドルが下がるとより(股関節、膝関節、足関節の屈曲がきつくなり)膝が前方に出る傾向にあります。

サドルの上下動の影響でパワーが出にくい感じたり、逆にパワーをかけやすく踏みやすく感じる、という主に下半身的な影響だけではなく、サドルを下げることでハンドルまでの距離が近く感じるようになるのも、単純にBBまでの距離が変わるだけではなく、ハンドルとサドル、またはペダル軸と膝の位置関係が微妙にずれる事による影響もあります。

これはもちろん個々の乗り方や筋肉の使い方等でも差が出ることではありますが、サドル高の調整による影響は低すぎるよりも、高すぎるほうが怪我や故障のリスクが高くなるように思えます。

また空力的に有利な深い前傾姿勢を取りたい場合は、サドルが高すぎないほうが深い姿勢を取りやすい場合もあります。(特に体が固い場合)深い前傾姿勢はサドルが低いほうが取りやすいですが、逆に低いサドル高は上支点でつまりやすく(太ももとお腹が引っかかる状態)、うまくペダリングが回せない場合は、サドルを少しだけ上げることでスムーズにいくこともあります。
この辺は各関節の柔軟性や体の癖等もあると思いますので、微調整が必要だと思います。

しかし肝心なのはハンドルの位置でもそうですが、無理に遠かったり、異常に低かったり、サドルの高さでは高すぎたり、極端に低かったりすることは体への負担が大きくなりがちです。サドルの高さは無理なくキレイに乗れる高さが良いかと思います。


✓サドルの上下移動の注意点
シートポストには限界標識があります。
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これを超えた高さにしてはいけないというものです。

確かこの限界線を専門的なお話だと”はめ合わせ限界標識”と言います。更に、その標識は、”シートポスト下端からポスト径の2倍以上の位置にあり・・・”ということです。(通常ポスト径の3倍程度をマージンとしている場合が多いかと。)
シートポストのカットの際にはめちゃくちゃ短く切るのは安全性上問題があるということです。
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※cervéloの純正シートポスト(カーボン製)は最低が70mmと少々です。

逆に低すぎる場合、シートチューブの形状上の限界(いわゆる底づき)や、シートポスト下部がボトルケージナットに当たる程下げるのは避けたほうが良いです。
また長過ぎるシートポストは異音等のトラブルの元にもなりますので、不要な部分をカットしたほうが良いです。


▶サドルの前後移動
サドルの前後移動は、ペダル軸と膝の位置関係の調整で使います。
ポジションづくりのベースはKOPSをベースとすることが多いですが、最近の流行りとしては前乗り傾向にありますので、KOPSから若干膝が前に出る場合が増えているように感じます。

通常サドルの上下で高さを合わせた後、サドルを前後の動かすことで、ペダル軸に対しての位置を決めます。(サドルの前後位置が極端に変わる場合は再度高さも見たほうが良い場合もあります。)
もちろんこのサドルの前後でも他の部分への影響があります。

✓サドルを前方に移動する
→サドルが下がる(実際には下がりませんが、BBまでの距離が短くなりますので実質下がった様に感じることがあります。)

✓サドルを後方に移動する
→サドルが上がる(実際に上がるわけでは有りませんが、BBまでの距離が長くなるため、実質上がった(遠くなった)ように感じます。)
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つまりサドルを後方に移動することで、BBまでの距離が伸び、クランクが遠く感じるようになります。ですので、後方に下げた場合はサドルを下げたり、前方に出した場合はサドルを上げる調整が必要になる場合もあります。

一般的にはサドル位置が前よりのほうが大腿四頭筋(太ももの前側(膝上)の筋肉)が主体となりがちで、逆にサドルが後方の方がハムストリングス・大臀筋等を使いやすい、と言うお話のようです。

ともあれ前後の調整はどちらかと言うと、最近の傾向では前よりの場合が多いですが、突っ込み過ぎは過剰な前荷重を生むことが多く、50mmルールというものもありますので、あまりにも極端な調整は避けるべきところです。

✓サドルの前後移動の注意点
まさサドルには前後の調整範囲が定めらているものがあります。
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※サドルレールに記載があります。

限界を超えての調整は、想定外の位置に想定外の力がかかることで、思わぬトラブルを引き起こすこともありますのでご注意下さい。
※限界を超えてしまう場合はシートポストをオフセットが違うものに交換することで対応できる場合もあります。

▶サドルの角度
こちらは着座位置やサドルの形状によっても差があります。
しかしサドルの角度はUCIの規定の中にもあり、2.5°以下(0.5°は許容誤差)となりますので、あまり極端な前下がりや、前上がりはよくないということです。UCIが規定を定めるということはそれなりに理由がある場合が多いです。
一部のサドルなどでは2~3°前上がりセッティング、というものも有りましたが、概ね水平の場合が多く、スタートは水平からが多いと思います。

サドルを水平状態から角度をつけた時の影響です。
※形状・着座・固定位置により差が出ます。

✓サドルを前下がり
→BBまでの距離が近くなる

✓サドルが前上がり
→BBまでの距離が遠くなる

クリート位置と膝腿

会陰部前方付近があたって痛い場合は、サドルの角度を若干前下がりにすることで改善傾向となる場合もあります。しかし逆に擦れで痛みが出ている場合は前下がりにすることでお尻がずれやすくなり、結果的に摩擦を生んで逆効果の場合もあります。

また前下がりのセッティングは前方に体重がかかりやすくなる傾向にあり、若干ペダルに荷重をのせやすくなる一方、ハンドルにも荷重がかかりやすくなります。またある程度抑えた巡航等の場合は安定がしづらい傾向にあります。

逆に若干の前上がりは体幹が弱い場合に、サドルがお尻を支えやすくなる場合もあり、骨盤が安定しやすくなる場合もある一方、登坂時にはお尻が下がり、前方には座りづらく逆に不安定となってしまうこともあります。

要はUCIが禁止事項としているということを考えても、極端な調整は危険をともないますので、規定の範囲内、やはり前後で±2%ぐらいの範囲内での調整をおすすめ致します。



▶まとめ
サドル沼という言葉があるぐらい、サドルはセンシティブな部分でもあります。
2mmも動かせば違和感が出たり、違いを明確に感じることができることもある一方、多少シートポストがずり落ちても、結構気が付かないこともあります。
それでも調整中は微妙なフィーリングの違いが重要になることもありますので、もしも上下移動だけでしっくりこなければ、前後調整等も変えてみると、思わぬ発見があることもあります。

そしてサドル沼ですが、実際にサドルが合う・合わないはありますが、その判断の前にまずはしっかりと調整をしてみる、ということも大切なことかと思います。

ということで今回は、サドル位置の調整時に知っておくと良い3つのポイント、そんなお話でした。



※ではハンドル等の上半身はというと、下半身、サドルの位置を決めた結果で、見ていくことが多いです。

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