ロードバイクでチェーンが伸びるという現象と影響
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ロードバイクのチェーンの寿命は、、、意外と短いですが、はっきり言ってかなり寿命に差が出るパーツでもあります。
当然使い方にもよりますが、あくまでもイメージですが、概ね後輪のタイヤと同じぐらい持てばいいかな、、と言うぐらいです。
ワタクシ自身今年に2020年、確かすでに4本目ぐらいだったような気がします。
走行距離にして10000km以上は走っておりますので、概ね3000km位でしょうか。

しかしチェーンは意外と放置されがちなパーツであります。

では実際に寿命を迎えたチェーンはどのような状態になって、どんな影響を与えるのか、そんなお話にしてみようと思います。



▶チェーンの伸びの正体
金属がどんどん伸びてくる、、、ということでは有りません。
チェーンの詳しい構造がわからない場合は、下記のリンクよりご確認をお願いいたします。


チェーンの伸びの正体は、各所の摩耗によってガタが増えることです。
各所が摩耗することで、ガタが増え、結果的にチェーンが長くなる、伸びると言う現象が起きます。

というのはもはや有名なお話ですので、サラッとだけです。

▶伸びたチェーンの状態
実際に伸びたチェーンを見てみます。
チェーンの伸びはチェーンチェッカーと言うものがあり、刺されば伸びている、刺さらなければ伸びていない、と言う便利な工具で主義による差もほぼ出ません。

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上が伸びたチェーン、0.75がサクサク刺さります。
下が伸びていないチェーン、0.5も刺さりません。

チェーンの伸び、伸びと言うから分かりづらいのであって、正確には”摩耗”です。
摩耗が進んだチェーンと摩耗の進んでいないチェーンを比べてみます。

横方向に曲げてみるとその差は歴然です。
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下が伸びていないチェーンです。

伸びたチェーンはローラーやスリーブ部の摩耗が進行した状態です。
ですので、摩耗が進んでいるということは前述のようにガタが大きくなります。
結果的にチェーンを横に曲げたとき、大きくシナルようになります。

もう一つです。
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摩耗の状態の良いチェーンです。

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こちら摩耗の進んだチェーンです。(ちなみに1.0も刺さるぐらいの伸びた物です。)

※チェーンを実際に車体に取り付けているわけではなく、クランクにかけた状態です。

ギア歯との噛み合いが悪く、ガタが多いのでつまみ見上げた際に明らかに大きな隙間ができてしまいます。
歯の噛み合いが悪いだけでもギア歯にもよくない影響を与えそうなのですが、詳細は次項で。


▶伸びたチェーンによる影響
伸びたチェーンを使い続けているとよくない、ということは教科書的なお話で一度は見たり聞いたりしたことがあると思います。

ではなぜ?何がよくないの?
というのが今回の本題です。

伸びたチェーンによる悪影響はまずは変速不良に気が付きやすいです。
なんか調整してもちょっとだけ変だ、ということですが注意としてはいきなりめちゃくちゃ変にはなりません。少しずつですので気になりづらいです。(Di2なんかだと変速は基本的にほぼズレませんので気がつきやすいです。)

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リア変速の仕組みのお話です。

リアの変速はリアディレイラーが動くことでガイドプーリー(上側のプーリー)が任意のカセットスプロケットの下の適切な位置に動きます。
(チェーンなしでリアディレイラーを動かしてみるとわかりやすいですが、リアディレイラーはスラント角にそって動くだけです。)
チェーンはガイドプーリーを通ってカセットスプロケットに噛み合うようにできていますが、変速はガイドプーリーの位置をズラすことで、意図的にカセットスプロケットの歯からチェーンを脱落させ、隣の歯へと動かすことで変速は起こります。

もっとシンプルに言うと、ガイドプーリーはその名の如く、チェーンの通り道をガイドしています。そのガイドが移動することでチェーンも引きつられ移動する、というものです。

必ず先にディレイラー(ガイドプーリー)が先に動き、その動きに追従してチェーンが隣のギアへ移ります。

ではなぜ変速不良が起こるのかと言うと、先程の画像です。
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伸びたチェーンはこんなにもガタが有り、横方向にも遊びがあります。
つまりガイドプーリーが適切な位置にチェーンを導いても、伸びたチェーンではガタが大きいので、変速時にガイドプーリーが動いてもチェーンのガタに動きが吸収されてしまいます。

これが変速がダルくなる理由です。

で具体的な症状はというと、チッ、チッと素早い変速ではなく、ジャラジャラ、ガラガラなって変速が遅くなってくる、というものです。

変速は前述の通りチェーンをギア歯から脱落させ、隣のギアにかける、と言う動作です。
一発で決まれば良いですが、一発で決まらずに、ガッチャンガッチャン、ジャラジャラ鳴っている状態、これがギア歯にもチェーンにも非常によくない状態です。
特に整備台上ではなく、実走でパワーがかかっていたりしたらなおのことです。チェーンが噛み合っていない状態、変な音が出ている状態は、金属と金属が正しく噛み合っていない状態です。そんな状態でガラガラ意図しない部分にこすり続けることにより、ギア歯やチェーンにダメージを与えてしまいます。
それでも1回や2回で走行不能になるようなことはほぼありません。しかしそういった日々のダメージの積み重なりが、結果的に各所の寿命を少しずつ削り取っている状態です。

何もこれはチェーンの伸びだけのお話では有りません。
変速調整もそうです。不適切な変速はやはり各所にダメージを与えることが考えられます。

つまり”チェーンの伸びに起因する変速不良からくる各所の摩耗”、というのが影響の一つです。

変速不良だけでは有りません。
正しく歯に噛み合わない状態が慢性化すると、チェーンだけではなく、ギア歯も痩せてきます。
かみ合わせの悪いチェーンとギア歯は慢性的な音鳴りが出る場合もありますし、症状が進むと歯飛びやギア抜けのような状態に陥ります。
歯飛びやギア抜けはタイミングによっては非常に危険な場合があります。

もうそこまでいくとチェーンだけの交換だけでは直らないことも多くなり、前後ギア歯、チェーンのフルとっかえになる場合が多いです。

そして限界を迎えると、チェーンが切れます。
チェーン切れは基本的には走行不能になりますし、これまた状況によってはものすごく危険な状態になります。くれぐれもご注意ください。



▶まとめ
チェーンの寿命は、、、というのは一概には言えません。
ものすごく個人差が出ます。
例えばですが、実際に見た事例で、1500kmで伸び始めている物、逆に5000kmでも全然伸びていないもの、双方見たことがあります。

それは例えば日頃のメンテナンスであったり、乗り方、そして変速動作に至るまで様々な要因が絡みます。
もしも自分が周りよりも寿命が早いと感じたら、、、メンテナンスを見直して、乗り方を見直して、それでも早い場合は、パワフル!とポジティブシンキングも。

しかし絶対にやらないほうが良いのは伸びたまま乗り続けることです。各所の摩耗は進みますし、やはり乗っていて気持ちが悪いのは良いことでは有りません。
消耗品と割り切って伸びたら交換!最低限適切なメンテナンスを心がける、これに尽きるかと思います。

ということで今回はロードバイクでチェーンが伸びるという現象と影響、そんなお話でした。


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