PD-R9100の分解清掃・メンテナンス
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※ペダルはハブなどとは構造が違い、通常頻繁な分解清掃を必要とする部分では有りません。
シマノのディーラーマニュアルにもきちんと記載があります。
回転部分に異常のある場合は調整が必要です。
異常があれば調整が必要ということです。

では回転異常というのどういう状態なのか?というと、
①回転が異常に軽い・よく回る
軽すぎる回転はシールの異常や内部グリスの枯渇や変質の可能があります。
②軸にガタがある
軸部のガタはベアリングの要調整、また内部異常の可能性があります。
③回転が異常に悪い
これはベアリングやシールに何らかの異常が起きていると考えられます。
主にこれらの状態に当てはまる場合、基本的にはメンテナンスが必要となります。

異常というと、回転が悪い場合を想像しやすいですが、実は回転が良すぎるのもの悪い場合もありますので、要注意です。

今回は左側、よく付け外しをする方のペダルが回りすぎて付け外しがしにくい、またちょっと回りすぎるので確認がてらグリスを足してあげることにしました。

ということで今回はPD-R9100の分解清掃・メンテナンスのお話です。

※一般的なユーザー用のマニュアルにはこのように記載があります。
製品の分解、改造は行わない。
状態が良い場合、開けなくても良い場合、逆に開けないほうがいい場合もちろん多々あります。ただ開ければよい、バラせば良いということでは有りません。くれぐれもご注意下さい。



使用状況はと言うと、約8ヶ月の使用で10000kmはゆうに越えております。(12,000位?)
で今年はと言うと、、、雨が非常に多かったです。
ゲリラ豪雨にうたれたり、大雨のヒルクライム、ひどいときは週3回雨ライド、、、なんていう時もありました。
雨だけでは有りません。
基本的に週に1回は洗車をしますので、ガンガンじゃぶじゃぶ洗っております。

そんな使い方をしてきたDURA-ACE PD-R9100のペダルはどうなっているのか。です。

DSC_2301

分解していきます。
パークの20mm薄型のレンチを使いますが、初めてロックナットを緩める場合、この工具の形状が薄くロックナット側も薄いので力がかかりづらいです。
外すだけであれば精度の良いモンキーのほうが力がかかりやすいかもしれません。

DSC_2302
バイスを使うと良いです。

10000km、雨、洗車を繰り返した状態はこちらです。
DSC_2304
・・・内部のグリスは緑色、外側はちょっと。。。
クランク側のベアリング付近のグリスが少々怪しい感じがありますが、内側はグリスがたっぷりです。良いことです。

DSC_2305
右側でした。

左側はというと、、、
DSC_2306
グリスは残ってはいますが、変色してちょっとあまり良い状態では有りませんが、心当たりがあるのでよしとします。

分解して、きれいにしてみます。
完全にバラすためにはCリングを外すスナップリングプライヤーという工具が必要になります。
DSC_7212
スナップリングプライヤーはなくてもできないわけではありませんが、工具の不足はただ時間がかかったりやりづらいだけではなく、破損や傷につながることがありますので、代用等はお薦めはできません。

DSC_2333

バラすときに構造をしっかりと確認すること、各部品の質感や作りをみることで、どこにどのようにグリスを入れるのかを理解できます。

DSC_7214
軸です。
軸に組み付いているパーツは方向指定があります。はっきり言ってPD-R9100は方向の判別がとてもしずらいものがありますので、要注意です。

DSC_2335
きれいになりました。

ちなみにシマノのペダルは組み付ける際に指定があります。
キャプチャPD1
こちらはPD-R9100のマニュアルです。
グリスの量は約0.9g入れるということです。
それだけでは有りません。
0.9gを注入したあとに、さらに軸先端及びネジワン部にグリスを塗布します。とあります。

キャプチャ02
こちらはULTEGRA(PD-R8000)と105(PD-R7000)です。
軸を組んだ際ときに溢れ出ない程度、約1.5g注入して下さい。とあります。

ちなみに0.9gでどのぐらいかと言うと、
DSC_2337
結構な量です。
どのぐらいかというと、ざっくりとですがビー玉と同じぐらいの大きさ+αぐらいです。
なぜこのような指定があるのか、ということを考えることが重要です。

最後に17mm薄型レンチで玉あたり調整後に、20mmロックナットを締めれば完成です。
この玉あたり調整もバイスがあるとかなり楽です。
DSC_2309
玉あたり調整は適切な与圧をかけます。
適切な与圧は回転精度や剛性を上げることができます。(教科書的なお話デス)

ちなみにマニュアル通りに適正な量のグリスを入れて、ペダルを組んだ状態では、極めて滑らかに回りますが、グリスの抵抗を感じますし、ピンッと弾いてクルクルクル~!と回ることは有りません。
空転性能を上げたいのであればグリスを減らす、グリスを柔らかいものを使う、シールを取っ払う、玉あたりをゆるくする等のことをすれば、回るようにすることは容易です。しかしデメリットのほうが大きいので特定の目的がある時以外は、やらないほうが良いことです。



▶まとめ
ペダルに関してははっきり言って寿命がそこまで長いパーツでは無くなってしまったと思います。
というのも、何度も何度も開けて清掃して、メンテナンスというよりも軸の回転異常もありますが、ビンディング部がだめになる場合が多いです。

キャプチャPD
赤も丸の部分です。

上の展開図のように、7800世代まではリペアパーツが存在しましたが、現在では存在が有りません。
付け外しを繰り返すことでこの部分が摩耗したりすることで、固定がルーズになってきます。(走行距離よりも付け外しの回数であったり、使用環境によります。)
そうなったら、、、ペダル本体の交換しかありません。(逆に入ればココが変えられるとほぼ本体の交換の必要がないぐらいの長寿命、ということなのでしょうか。。。)

また基本的にはペダルは何度も開けてきれいにして、ということを繰り返す時間や手間(工賃:概ねペダルの全バラオーバーホールで5,000円ぐらいが多いようですが、新品の105で1万ちょっと。)を考えると、ベダルは軸だけの問題ではなくて、前述のように摩耗してくる部分も有りますので、状態によっては新品交換がよい、という場合もあります。

ということで、ペダルは一回りすぎてもダメ、逆に回らない場合でなぜ回らないのか、この状態は状態が悪くて回らないのか、それとも問題がない状態なのか、その判断はメカニックであればすぐに付くはずです。プロによる点検は大切なことです。今回はPD-R9100の分解清掃・メンテナンス、そんなお話でした。


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