シマノ ビンディングペダルのメンテナンス PD-R540
かなりの人気のペダルです。
流通量も例えばDURA-ACEのペダルとは比べ物にならないほどの量かと思われます。
というのも540(現行は550)はシマノの入門用のSPD-SL方式のビンディングペダルでライトアクションというものです。
ライトアクションとは、クリートキャッチ・リリースが通常の上位グレードのペダルよりも軽く行える、というものです。
不意にバランスを崩してしまったとき、ビンディングペダルに不慣れな場合、最悪立ちごけをしてしまうこともあります。
というのもDURAのペダルの着脱はかなり固めですが、ビンディングペダルはペダルから脚が外れなくなることが目的ですので、硬くてなんぼ、あくまでもレースで使うための機材です。
しかし初心者のうちにこの硬さ、慣れないまではかなり怖いと思いますので、簡単にキャッチ・リリースができるのは良いところです。
ということで今回はシマノ ビンディングペダルのメンテナンス PD-R540、そんなお話しです。
※以前のPD-R9100のメンテナンスの話にもありましたが、ペダルは構造上、通常そこまで頻回のメンテナンスを必要とする部分ではありません。
販売店用マニュアルにも記載がある通り、”回転部分に異常がある場合は調整が必要です。”ということです。
早速ですが、こちらです。

PD-R540、超人気モデルビンディングペダルです。
回転部分に異常ありです。
ゴリ感、そして回転不良です。
ということで分解して内部で何が起きているのか見てみます。
PD-R540の分解には専用工具が必要です。

TL-PD40というものです。
シマノの専用工具は基本的に無いとなんともならないものがあります。
これもないとどうしようもなりません。
ペダル軸を抜くのに使います。

シマノも意地悪をして専用工具がないと分解できないようにしているわけではないと思います。
おそらくですが、下位グレードのペダルはペダルシャフトの車体側だけではなく、ペダル軸にペダルレンチを使用できるような構造になっております。(固着対策?)軸ユニットもレンチのみで分解できるようにすると、ペダルを外す時、間違えて軸ユニットをゆるめてしまったりすることが無いように、うっかりミスをなくす目的ではないかと思います。
ペダルレンチを使えない(六角を使用する)構造のペダルはTL-PD40は必要がないからです。
というのはワタクシの勝手な想像ですが、、、
本題に戻ります。
専用工具を使って軸ユニットをゆるめます。

※バイスがあるとかなり楽です。逆に専用の工具をバイスに挟んでペダルを回すのも良いと思います。
右が左ねじ(逆ネジ)になっているのでご注意下さい。
軸ユニットもロックナットもどちらもです。
軸ユニットが外れました。

状態を確認するに、グリスはまだ残っていますが、だいぶ控えめです。
通常の使用で具合が悪い場合、ロックナット等はいじらなくても良い場合が多く、この状態で綺麗にしてあげて、再びグリスをもりもりに入れてあげるだけで十分な場合が多いです。
これ以上の分解となると、難易度は格段に上がりますので、通常分解はココまでにしておいたほうが良いです。これでだめならプロにおまかせが良いと思います。
しかし今回はこのままではダメそうです。
軸の回転にゴリがでていますので、ロックナットをいじります。
DURAとは構造がちょっと違って、ロックナットは内側にあります。
ロックナットを緩めるのであれば、せっかくなので分解してきれいにします。

洗浄後は元のように組み付けます。

組み付ける際はグリスを適所に適量入れて組み上げます。

玉あたりの調整をします。
この軸ユニット単体での調整は、”少し”ゆるめに調整します。少しだけです。
ペダルに組んだときに丁度良い圧力がかかるようにします。
グリスの量は0.9gを遥かに凌ぐ、驚異の1.5g!
前回のお話でもありましたが、シマノの純正グリスで0.9gという量はざっくりとですが,ビー玉ぐらいの目方です。
それのざっくり1.5倍以上、かなりの量を入れるということです。

ちなみに中に入れてしまうとわからないので、外側にもってみました(笑
最後は軸ユニットをペダルに組み込んで、回転の状態を確認し、終了です。
ちなみに、、、

こんな回転ではちょっと。。。
▶まとめ
ペダルのメンテナンスを行う上では、まず何が異常で何が異常ではないのか、現在の状態はどうなのか?これを理解しないとメンテナンスはできません。
通常使用している上ではシマノの純正品は不具合が出づらくなるように組まれています。シマノは世界一の技術力です。
それでも使用していく中で、もしも不具合が出てしまったら、また使用が長きに渡るような場合、適切なメンテナンスをすることで少しでも寿命を伸ばして上げることができます。
そして肝心要の調整は、目で見るだけではなく、手で感じる感覚等も非常に重要になります。このときに正しい動き、感覚がわからないと調整不良になります。
こう言った複雑な作業、不安がある場合はやはりプロにおまかせいただくのが良いかと思います。
ということで今回はシマノ ビンディングペダルの分解・メンテナンス PD-R540、そんなお話しでした。
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〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから
かなりの人気のペダルです。
流通量も例えばDURA-ACEのペダルとは比べ物にならないほどの量かと思われます。
というのも540(現行は550)はシマノの入門用のSPD-SL方式のビンディングペダルでライトアクションというものです。
ライトアクションとは、クリートキャッチ・リリースが通常の上位グレードのペダルよりも軽く行える、というものです。
不意にバランスを崩してしまったとき、ビンディングペダルに不慣れな場合、最悪立ちごけをしてしまうこともあります。
というのもDURAのペダルの着脱はかなり固めですが、ビンディングペダルはペダルから脚が外れなくなることが目的ですので、硬くてなんぼ、あくまでもレースで使うための機材です。
しかし初心者のうちにこの硬さ、慣れないまではかなり怖いと思いますので、簡単にキャッチ・リリースができるのは良いところです。
ということで今回はシマノ ビンディングペダルのメンテナンス PD-R540、そんなお話しです。
※以前のPD-R9100のメンテナンスの話にもありましたが、ペダルは構造上、通常そこまで頻回のメンテナンスを必要とする部分ではありません。
販売店用マニュアルにも記載がある通り、”回転部分に異常がある場合は調整が必要です。”ということです。
早速ですが、こちらです。

PD-R540、超人気モデルビンディングペダルです。
回転部分に異常ありです。
ゴリ感、そして回転不良です。
ということで分解して内部で何が起きているのか見てみます。
PD-R540の分解には専用工具が必要です。

TL-PD40というものです。
シマノの専用工具は基本的に無いとなんともならないものがあります。
これもないとどうしようもなりません。
ペダル軸を抜くのに使います。

シマノも意地悪をして専用工具がないと分解できないようにしているわけではないと思います。
おそらくですが、下位グレードのペダルはペダルシャフトの車体側だけではなく、ペダル軸にペダルレンチを使用できるような構造になっております。(固着対策?)軸ユニットもレンチのみで分解できるようにすると、ペダルを外す時、間違えて軸ユニットをゆるめてしまったりすることが無いように、うっかりミスをなくす目的ではないかと思います。
ペダルレンチを使えない(六角を使用する)構造のペダルはTL-PD40は必要がないからです。
というのはワタクシの勝手な想像ですが、、、
本題に戻ります。
専用工具を使って軸ユニットをゆるめます。

※バイスがあるとかなり楽です。逆に専用の工具をバイスに挟んでペダルを回すのも良いと思います。
右が左ねじ(逆ネジ)になっているのでご注意下さい。
軸ユニットもロックナットもどちらもです。
軸ユニットが外れました。

状態を確認するに、グリスはまだ残っていますが、だいぶ控えめです。
通常の使用で具合が悪い場合、ロックナット等はいじらなくても良い場合が多く、この状態で綺麗にしてあげて、再びグリスをもりもりに入れてあげるだけで十分な場合が多いです。
これ以上の分解となると、難易度は格段に上がりますので、通常分解はココまでにしておいたほうが良いです。これでだめならプロにおまかせが良いと思います。
しかし今回はこのままではダメそうです。
軸の回転にゴリがでていますので、ロックナットをいじります。
DURAとは構造がちょっと違って、ロックナットは内側にあります。
ロックナットを緩めるのであれば、せっかくなので分解してきれいにします。

洗浄後は元のように組み付けます。

組み付ける際はグリスを適所に適量入れて組み上げます。

玉あたりの調整をします。
この軸ユニット単体での調整は、”少し”ゆるめに調整します。少しだけです。
ペダルに組んだときに丁度良い圧力がかかるようにします。
グリスの量は0.9gを遥かに凌ぐ、驚異の1.5g!
前回のお話でもありましたが、シマノの純正グリスで0.9gという量はざっくりとですが,ビー玉ぐらいの目方です。
それのざっくり1.5倍以上、かなりの量を入れるということです。

ちなみに中に入れてしまうとわからないので、外側にもってみました(笑
最後は軸ユニットをペダルに組み込んで、回転の状態を確認し、終了です。
ちなみに、、、

こんな回転ではちょっと。。。
▶まとめ
ペダルのメンテナンスを行う上では、まず何が異常で何が異常ではないのか、現在の状態はどうなのか?これを理解しないとメンテナンスはできません。
通常使用している上ではシマノの純正品は不具合が出づらくなるように組まれています。シマノは世界一の技術力です。
それでも使用していく中で、もしも不具合が出てしまったら、また使用が長きに渡るような場合、適切なメンテナンスをすることで少しでも寿命を伸ばして上げることができます。
そして肝心要の調整は、目で見るだけではなく、手で感じる感覚等も非常に重要になります。このときに正しい動き、感覚がわからないと調整不良になります。
こう言った複雑な作業、不安がある場合はやはりプロにおまかせいただくのが良いかと思います。
ということで今回はシマノ ビンディングペダルの分解・メンテナンス PD-R540、そんなお話しでした。
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