R3に16,000km乗った私がcervélo R5 をインプレしてみる
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前回までのお話しはこちら
 

 



※今回のお話は上記リンクのお話しの続きとなります。

無事にR5の組み上げを終えて、後は走るだけです。
幾度となく書いておりますが、cervéloのR3というバイク、ものすごく気に入っておりました。
ご来店のお客様からはよく、次はどうするんですか?なんて聞かれることが多々ありましたが、”R3が気に入りすぎてて、次が見つからないのです。。。”そんなお話しをさせていただいていたぐらいです。
そう、R3というバイクはものすごく自分にあっていたような気がしております。

ワタクシもこの職業柄、多少なりとも多くのバイクに乗る機会がありますが、その中でもやはりものすごくよいフィーリングのバイクです。(あとはXR4とカーボネクス)
乗っていても全然不満のないR3で走ること約1年ちょっと、その距離は16,000kmを越えていたようです。
で今回は同じくcervéloのR5です。

とは言っても、かなり不安があります。というのも、、、
・重量は全くと言っても過言ではないぐらい同じ
組み付け作業中や、調整中でもR3を組んだ時はその軽さから、ワクワク感がものすごくありまして、これはすごいゾ!という実感できる差を感じていました。しかし今回のR3からR5に載せ替えの際には、重量的なメリットは無く、そういった感動はありませんでした。

・見た目(ジオメトリ)も色が地味になったぐらいで同じ
ヘッドチューブが少し短いぐらいで大きな差はありません。ヘッドチューブが8mm短くなることで、スタックは7mm低くなり、リーチが2mm長くなります。
確かにヘッドチューブは短くなった気はしますが、基本的なフレーム構造に大きな違いはありません。

・そもそもなんで20マソも違うのか
お値段、高すぎです。
2020年のモデルのフレームセット価格がR3が¥370,000(¥299,000)、R5が¥580,000(¥470,000)です。(カッコ内は2020年の値下げ後の価格)
前述のように見た目も、重量もほぼ同じなのに価格は20万も違います。

・R5の硬さ
R5はcervéloの中でも最高剛性のバイクということでした。
そのようなプロ仕様のバイクで果たして、硬さに負けないか?
硬すぎるバイクは余り好きではありません。好きではないというか苦手なのです。どのような硬さが苦手かと言うと、、、業界的にはNG、、、またの機会に。

とこれらの不安はありますが、四の五の言わずに黙って乗れぃ!乗ればわかるさ!
ということで今回は、RR3に16,000km乗った私がcervélo R5 をインプレしてみる、そんなお話しです。



▶cervélo R5の仕様
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cervélo R5 Rim Black/Black/Graphite 54サイズ
シートポスト:cervélo純正 Carbon SP18 25mmオフセット
メインコンポ:ULTEGRA R8050(BR-R9100-F)
フロント:52/36T+リア11/30T
ブレーキケーブル:日泉SP31インナー+ShimanoBC9000アウター
BB:Cervélo BBright Connect 24x90(左右結合)
ホイール:TOKEN Ventous 36mm 
クイック:シマノ純正 WH-R9100
前後タイヤ:IRC Formula  PRO S-Light TLR 25C
ペダル:SHIMANO PD-R9100
ハンドル:3T SUPERERGO TEAM 380mm
ステム:FSA K-Force light Carbon
サドル:Prime Primavera Carbon

この状態(ペダル・サイコン込み)で7.2kgです。
DURA-ACEで組むと300gぐらい軽くなりますので、やはり軽いです。
R5自体は今年の世界的なレースでプロも使用していた、純粋なレーシングフレームです。

R5はフレーム重量850gというのはcervéloが導き出したある意味答え的なお話しで、これ以上の軽さを求めることは、不利益も生じてしまうということです。
それはカーボンが薄くなることでバイクが壊れやすくなり、レースでの使い勝手が悪くなります。軽量化よりも、靭性(しなやかさ)、剛性、耐久性等を考慮し、ユーザーリビティが高く作られているということです。


▶インプレの前に
これはいいぞ、いいぞ、、、と書くのは簡単なわけですが、それでは抽象的過ぎてしまいます。
個々に人それぞれ、体型、体重、パワー、踏み方から乗り方まで違いますので、一概に全く同じ感想になるわけではないと思います。

できるだけ具体的になるようには心がけて書くつもりです。
がはっきり言って直感的に響いたもの、こればかりは抽象的にならざるを得ないこともあります。

悪気があるわけではありませんし、人か感じる感覚に絶対ということは無いと思います。
そして文才は、、、乏しいデス。。。
ということを踏まえて以下を読んでいただけると幸いです。


▶R5 初期インプレ
最初の方に書きましたが、R3は16,000km以上乗っていたようです。
雨が降っても、台風が来ても、砂利道の時もありました。流石に来る日も来る日も、R3に乗っていたので、体はもうすっかりR3仕様です。
R3はこういったときにどう踏めばどんな反応をする、こんな時の動きはこう動く、バイクに乗らなくてもわかるぐらいしっかりと、頭に体にその感覚が染み付いています。

不満はと言うと、、、実は全然無いのです。(ハンガーは弱いです(笑)が役割を考えれば正しいハンガーです。)
まぁ強いて言うなら地味、、、なぐらいで(笑)

というR3が徹底的に染み付いた、ワタクシがR5に乗り換えたら、というインプレです。

R5に乗り換えて300kmぐらいは乗ってきました。
基本的にR3からまるっとすべてを載せ替えておりますので、条件は同じです。サドル高も、サドル位置も同じです。
バーテープは変えました。新車に汚いバーテープもどうかと思ったので。。。そのぐらいの差です。

では行ってきます。

出発後すぐに小さな上り、距離にして100mほど走り、道幅の広い通りに出ます。
この時は全くと言っていいほど、差を感じませんでした。
そんなに劇的な差は望めないのか、”やっちまった感”がふつふつと、、、ちょっと不安になります。
乗り始めてすぐに若干ポジションに違和感、ハンドル位置が高く感じました。
疲労が抜け調子が良い時はバイクが小さく感じることがありますが、それ以上の違いを感じました。
そういえばポジションはR5のほうが8mmヘッドチューブが短い分、10mmのスペーサーを一枚入れてありましたので、実質は2mmの違いです。自分の体の感覚がすごいと思いました。

広い通りに出ます。
ウォーミングアップがてら車道に出てちょっと踏んでみます。

???

不思議な感覚です。

すぐに気が付きました。
R3とはまったく別物です。

くっそ速い、、、
いきなり抽象的(笑)ごめんなさい。m(_ _)m

一言目の感想です。
”マジか。。。”
というのが率直な感想でした。

ガンガンに踏みまくって帰ってきました。
めちゃちくちゃ速かったです。

その後、千葉の田舎の方のアップダウンを楽しんだり、利根川まで平地を堪能してみたりで300km位乗りました。
その感想を細かくです。

✓R5は硬いのか?
硬さというのもだいぶ 体感に個人差が出てしまいますので、175cm62kgぐらいのそこまでパワフルではないもやしっ子のワタクシが、ということをふまえてのお話しです。
硬いと一概に言ってもいろいろな硬さ、があります。
ヘッド周りの硬さ、手に感じる硬さ、踏んだときに感じる硬さ、お尻が感じる硬さ等々です。この色々な硬さについて書いてみようと思います。

R5はcervéloのバイクの中で最も剛性の高いバイク、ということでした。
おそらくこの剛性というのはヘッド周りやBB周りの剛性のことだと思います。
全モデルよりも、ヘッド周り・フロントエンドで21%、BBで13%剛性を上げてきたということです。
とは言っても乗った瞬間に硬さを感じることはありませんでした。

一番感じる硬さはBB周りです。
ではどのようなときに硬さを感じたのかと言うと、踏んだときです。
踏んだ時の反応がものすごく良いです。

R3も踏んだらリニアにしっかりと進んでくれるバイクです。
しかしR5更にリニアです。
R5はシッティングでも、ダンシングでパワーをかけても、ケイデンスが低くても、高くても、、、要は雑にどのように踏んでも踏んだ分だけ、むしろ踏んだ分以上に進んでいくような感覚です。
R3で全く不満があったわけではありませんが、R5はさらに上を行きます。

おそらくBB周りが硬く、パワーが非常に伝わりやすいのではないかと思います。

しかしこれらの硬さというのは、乗っていて確実に硬い!と感じるものではありません。
踏んで進む感覚から、硬い、と感じているのかもしれません。
例えばですが、サドルをフカフカからカッチカチに変えたような違いの”硬さ”ということでありませんし、ペダルに伝わる振動が増えたことによる硬さ、ということでもありません。
あくまでも踏んだ瞬間のバイクの反応から、硬いと思もわれる、ということです。

ではハンドルやサドルで感じる硬さ、乗り心地的なところはどうかと言うと、、、
R3とほぼ変わりません。むしろお尻は柔らかいぐらいに感じます。D形が効いているのか、クランプ部が下がることでポストを長くできることことによるものなのかは不明です。
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※同じサドル高(サドル上面-BBセンター)ですが、クランプ部の位置が下ることでシーツポストが長く出ます。

細かい振動を若干、本当に比べてみると微妙に多く感じるのか、、、どうなのか、このぐらいの差で、ほぼ差はありません。

しかし大きく違うところは振動の収束です。
路面からの衝撃は振動となり、収束するわけですが、R5のほうが収束が早いです。
バンッと来る衝撃は同じですが、その後の収束が異常に早くびっくりします。

特にこれはサドルよりもハンドル周りで感じますので、ヘッド部の剛性やカーボン素材の違いからくるものなのかもしれません。
特に高速域での反応はR5は抜群にいいです。


✓剛性の高いバイクのデメリット
よく長い距離を走ると疲れる、というのはよく聞くお話しです。
これが本当かということですが、、、
本当でした!(笑)
その日は130kmぐらい走りましたが、80kmぐらいでごちそうさま状態、最後は結構へばっていました。

疲れたのは若者のせいか?(笑)
基本緩めだったはずですが、要所要所結構踏んでいたみたいです。

しかしこれには理由があります。
剛性の高いバイクは、踏めば踏むほど進みますので、気持ちが良かったり、楽しかったり、ついつい踏みすぎてしまっているのではないか?と言われると、、、思いっきり心当たりがあります。
R5は硬さがいいのか、何がいいのかはまだ不明ですが、ものすごくパワーが出ます。

では実際にきちんと自制して、パワーを抑えて走れば疲れないのか、というところが気になるところです。まだまだそこまで乗り込んでいないので不明ですが、いまのところ疲れないということです。疲れないというのも変な書き方ですが、疲労感は同じぐらいになると感じております。
とは言ってもまだまだ300km程度なので、もう少し色々と試してみないとわかりません。今後印象が変わってくるかもです。

では実際に疲れるというのはどういうことなのかと言うと、、、
読んで字の如しなのですが、50kmしか走っていないのに、70kmぐらい走ったような疲労感が出るような感じです。劇的に違うなんてことはありませんが、やはり踏みすぎてしまっている感が否めません。

また上りの時、硬いバイクはどう回してよいのかわからずにダンシングをしてしまう癖があるようです。300km走ってもまだまだ抜けませんので、まだしばし上り方は探り探りです。まだまだです。



✓空力性能
従来のRモデルと比較して、、、
R5:30mph(約48km/h)で4W削減
R3:2W削減
ということです。

空力的にも2Wの差です。
48km/hで2Wですよ。。。
違いなんてわかる訳ありません。

・・・って、全然ちがーーーーうぅぅぅ!

何なんでしょうか。
あり得ません。
21世紀の科学の力では解明できないことなのでしょうか。

R5での高速域での巡航ですが、エアロロードに乗った時の感覚を思い出しました。そのぐらいバイクの風抜けがものすごくよく感じます。
しかしです。
R3とR5はほぼ同様の形、ジオメトリです。
違いといえばヘッドチューブが短い、そしてシートポストがDシェイプなぐらいです。
見た目そっくりです。

あまりにも違いがあるので、かえってもう一度フレームを並べて、隅々まで触って、見て、観察してみました。

違いました。。。

一見そっくりなようで、ちょっとちょっとではっきりと違いがあります。
画像で見ても少々分かりづらいのですが。。。
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フォーク形状が違い、R5のほうが薄く鋭いです。

横から見てみます。
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フォークの形状は結構違いました。
R5のほうがストレートです。
トレイルも同じなので、似たようなものかと思っていましたが、違いました。

あとはこちら
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シートチューブの形状がR3のほうが丸っこく、R5のほうが鋭いカムテール形状(スクオーバルマックス?)です。

これらのフレーム形状の違いが空力性能の差を出しているのかと思います。
しかしSwiss sideも言っていましたが、空力は見えませんので、推測の域でしかありません。

それでもR5に乗ると、差をはっきりと感じることができます。高速域での速度の維持が楽ですし、ヌケの良さを感じます。
その差は2W!ということですが、しっかりと体感できる差がありました。

個人的な感想では、2Wどころじゃないゾ!と言う体感です。

しかしこれは、エアロダイナミクスだけではなく、BB周りやヘッド周りの剛性アップによるものもあるかもしれません。
一概にエアロだけの恩恵と考えるべきではないのかもしれません。

それでもR5はとにかく速度に引っかかりがありません。
40km/hからでも、ギュンギュン加速しますし、スタートでもトップスピードまで素直に上がっていきます。
R3の時も同じように引っかかりを感じたわけではありません。
しかしR5のほうが更に素直に、速度が乗っていくようなイメージです。

でおそらくですが、25~30km/h平均ぐらいで走っている分にはそこまで大きな差は感じないと思います。むしろ全然わからないかもしれません。
しかしパッと速度を上げたい時の反応、ものすごく鋭いです。

反応が良いバイク、軽量バイクはヒラヒラ感があるものもありますが、コーナーリングもスパッと曲がりましす、いい感触です。これはR3との差を大きく感じるものではありません。R3もR5も下りの高速コーナーでも怖いこと無くスパスパ曲がっていけます。
これがcervéloっぽい独特のコーナーリング、と感じております。



▶まとめ
cervéloのR5は、と一言でいうと、、、”速い”です。
間違いなく速いです。

なんというか速度に引っかかりを感じない真っ直ぐな速さです。

やっと出てくる具体的な数値です。
というのも比較的よく走るコース、今年のPB記録があります。
そのコースは長い距離ではありませんが、40回近く走っています。
その最速の記録が、2回だけ出せたPBでAve35.1km/hという記録です。(PB:Personal Best)これを来れることを目標に練習していました。
が、R5一発目、シェイクダウンの日の記録、Ave35.9km/hでした。。。
Aveで0.8km/h差とか絶対に追いつけないぐらいの差です。(心のパワーも?)

この結果から見ても、R5はめちゃくちゃ速いです。

はっきり言ってフレームだけでこれほど変わると思っていませんでした。
しかも重量も全くと言っても良いぐらい同じ、ジオメトリ・見た目もほぼ一緒です。
それでこの差かと、、、

R5は見た目地味だし(カラーが)、最新のエアロロードみたいに強そう(?)にも見えません。XELIUSのように特徴的なフレーム形状構造(かっこいいゾ!)があったり、最新のフレームのようにリア三角が小さいわけでもありません。遠くから見れば至って普通の形です。ジオメトリ的にはチェーンステーは長いですし、BB下がりも大きいです。おそらく知らない人が見たら普通のシンプルなロードバイクだと思います。

でもです。
単純に”速い”です。

羊の皮をかぶった、、、という表現が適切かどうかはわかりませんが、この速度差は化け物レベルです。

でもすっごぃ疲れますけど。。。(笑)
すぐに足が売り切れちゃいます。
パワーが出しやすいフレームということもあるのかもしれません。(パワー食われてる??)

軒並みですが、長い距離はやはりR3のほうが良いと思われます。例えばですが、ロングが苦手なワタクシでも、R3は200kmのロングライドの最後でも踏めます。
多分R5は残らない気もします。。。
これらのことを考えると、棲み分けが明確な感じもします。
ここ一発的なヒルクライムレースとか、短時間クリテのような場合はR5、ブルベや長距離レースの場合はR3というような印象でした。

あと激坂、、、残念ながら全然変わりません。

ということで今回はR3に16,000km乗った私がcervélo R5 をインプレしてみる、そんなお話しでした。

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